ジメジメした梅雨、雨や雪が降り続く季節、埃や火山灰が多い地域などではどうしても部屋干しが欠かせません。
部屋干しだと乾きにくいだけでなく、洗濯物や部屋に嫌な臭いが付くという問題もあります。
ドライヤーやエアコンを使っても電気代がかかるだけで思ったほど乾きませんし、匂いまで除去するのは難しいと思います。

 

※併せてこちらの記事も参考にしてください。

「梅雨時の洗濯物 部屋干しのいやな臭いを解消するには?」

「家庭用製氷機のおすすめランキング」

除湿器はどのくらい除湿出来るのか?

知っておいて欲しいこととして除湿器には大きく分けて2種類があります。

コンプレッサー式
エアコンと同じで冷媒をポンプで循環させて空気を冷やして水分を取り除きます。
特徴は「25度以上での除湿能力が高い」、「消費電力が少なく、部屋の温度も1~2度しか上昇しない」などのメリットがありますが、「動作音が大きく重い」というデメリットもあります。

デシカント式
ゼオライトという乾燥剤を使った方式で特に低温時の除湿能力が高いのが特徴です。
コンプレッサーが無いので軽くて動作音も静かです。
半面、ヒーターを使うので消費電力が大きく部屋の温度上昇が大きい(3~8度くらい)というデメリットがあります。

上記を組合せ低温~高温まで安定した除湿が出来る「ハイブリッド式」もあります。

では基本である部屋を除湿する能力について見ていきます。
除湿器の能力はメーカの表示(カタログなど)の「除湿クラス」という部分を見ると分かります。この「クラス」という数字には単位があり「L リットル」、つまり「1日に何Lの水分を除湿できるか」という能力を表しています。

一般的な除湿器の能力の目安はだいたい以下のようなものとなります。

クラス  除湿能力(L/日)  部屋の目安(畳)  [木造/鉄筋]
6L               5.8~6                    7/14

8L                  7.1~8       9~10/18~20

10L       9.6~10       11~13/23~25

16L                14 ~16       18~20/35~40

18L    16~18       20~23/40~45

このように木造よりも鉄筋の部屋の方が約2倍広い面積の除湿が出来ます。
部屋の広さ、除湿器の本体の大きさなどでクラスを決めれば良いのですが気を付けて頂きたいのは、1日の除湿能力分のタンクを積んでいない機種もあるということです。
例えばクラス10Lの製品でも付属タンクが5Lだったら1日で2度排水をする必要があるのです。

洗濯物を乾かせる除湿器

衣類も部屋用の除湿器を使えばある程度乾かすことが出来ます。
しかし思ったほど乾かない、非常に時間がかかる、部屋干しの匂いは消えないなど問題も多くあります。

最近は部屋干しにも対応する除湿器が多く発売されていますので、「部屋の除湿は従来からあるエアコンを使い、新たに買うものは部屋干しに特化する」という使い分けをするのも良いと思います。

これらは一般的な除湿器と区別するために「衣類用除湿器」とか「衣類乾燥除湿器」などの名称が付いているものもあります。

衣類乾燥除湿器は多くの種類が発売されていてそれぞれ特色がありますが、主な共通点は、

  • 比較的小型で持ち運びも出来て設置場所を選ばない。
  • 部屋干しの匂いを軽減する除菌脱臭の機能が付いている。
  • 通常の除湿器としても使え、1~2人用のスポット的に使えるクーラーにもなる。(コンプレッサー式の場合)
  • 排水タンクの取り外しや洗浄が簡単。・

などです。
そして好きな場所に運んで使えるというのが最大の特徴です。

買う時のポイントは?

各メーカーの製品を調べていくと共通事項も多く、大きさ以外は価格くらいしか違わないように見えます。
高価な製品は外形は同じようでも除菌脱臭能力が高い、洗濯物をセンサーで捉えて確実に乾かすなどのより高機能が付いたものですが、基本機能や使い方は廉価品と変わりません。
色んなことが出来るのが良い、では予算がいくらあっても足りませんので、着目ポイントをまとめてみました。

部屋の広さ

どのくらいの広さの部屋で使うのか?部屋干しだけに使えればよいのか?を最初に決める必要があります。
本記事の「除湿器はどのくらい除湿出来るのか?」にもありますが、部屋の除湿を考えれば小型の6Lクラスを買えば木造住宅で7畳、鉄筋で14畳まで使えますので広いリビング以外はたいていの場所で活躍できることでしょう。
つまりよほど広い部屋で使わない限り、殆どのご家庭で8~10Lクラスで間に合うということです。

部屋干しに重点をおき、持ち運べる小型機種でも10~18Lクラスが今や当たり前になりつつありますので、よほど広いリビングでもない限り部屋干し併用でも問題なく使えるはずです。

家族構成から選ぶ

部屋干しにも使う除湿器は基本的に除湿能力で選べばあとは細かい機能の違いとなりますので特に家族構成を気にする必要はないと言えます。
しかし家族にアレルギーを持っている人や、汗もができやすく空気の汚れも気になる赤ちゃんがいるご家庭では+@の機能にも着目してみましょう。

アレルギー/粉塵対策
除湿器の機能では完全にアレルギーの元を取り除くことは出来ませんが、例えばPM2.5を始めとする非常に細かい粉塵を取り除く機能が付いている機種が増えて来ましたので、これらに敏感な方はこの機能の有無と能力をチェックするとよいでしょう。
またご家族に喘息持ちの方がいらっしゃる場合も有効と思われます。

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赤ちゃんのいるご家庭
赤ちゃんは季節問わずに汗かきで直ぐに汗が出来ます。
そして体温調整がうまく出来ず、風邪のウィルスなどへの耐性も弱いので気温の変化ですぐに風邪をひいたりします。
こんな時には通常のエアコンではなくて、除湿器をスポット的に使うのも効果的です。
赤ちゃんから離した位置に置き、弱モードで除湿、送風フィンをスイングにして使えば赤ちゃんの汗も対策にもなりますし、除菌機能が付いていればさらに安心できます。

ペットのいるご家庭
犬やネコ、小鳥など家の中で飼うまたは室内にいる時間が長いペットのいるご家庭はどうしても排泄物や食べ残したエサなどの匂いの問題があります。

これらが原因で悪臭やカビの発生もあり得ますのでペットを飼っている場合には除菌機能付き除湿器が有効です。
梅雨や夏など菌が繁殖しやすい時でも湿度を低く保てば繁殖を抑えることが出来ますし、除菌機能を使えば不快な悪臭を防げるのです。

お住まいの地域

温度が高い環境で能力を発揮するのがコンプレッサー式除湿器ですので、年間通して気温が高い九州~沖縄方面にお住みの方にはこの方式が良いと言えます。
いっぽう低い気温(一般には25度以下)の地域はデシカント式の方が低温時の除湿能力は高いので、北日本や北陸方面にお住みの方に最適です。

でもすべての温度でしっかりとした除湿を、という方にはハイブリッド式除湿器をおススメします。
ハイブリッド式は一年を通して高い除湿能力を期待することができます。

除湿器の選び方のまとめ

部屋干しを前提とすると除菌機能は匂い低減に効果が大きく必須機能と言えます。
今の機種は外形が極端に大きい物はありませんので、除湿能力と除菌機能、そして値段の3点で選べばまず間違いはありません。


 

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