科学論文にはいろいろありますね。
ネイチャーやサイエンスなどの科学雑誌に掲載されて学会などから認められるようなものから、大学などの理工系学部の卒業論文などまでさまざまにあります。
まあ、科学雑誌などに掲載されるような方の場合には、これまでもいくつも論文は書かれており、今さら論文の書き方など無意味ですね。
でも、大学の卒業論文や論文そのものの経験の少ない高校生などの場合は、書き方を知らないと不安です。
そこで、初めて科学論文に取り掛かる方、卒業論文をどう書くのか迷っている方に、科学論文の書き方についてご紹介します。
硬いテーマだけに柔らかく書いていきますね。

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科学論文とは何?

ところで、科学論文とはどういうものなのでしょう。
理学部や工学部、医学部などの学生さんたちが頭を悩ます卒業論文もその一つになりますが、まず科学とは何でしょう。
辞書には、科学とは一定の目的や方法のもとにさまざまな事象を研究する認識活動というふうに出ています。
何のことだかよくわかりませんね。
ようはモノの成り立ちやあり方を、論理的かつ具体的に追求し、証明していくことです。
一方、論文というのは、いろいろと調べた学術的な結果を筋道立てて述べた文のことを言います。
すなわち、科学論文は、物事の成り立ちなどについていろいろ調べた結果を筋道立てて書いた文のことを言います。
卒論テーマや研究テーマなどについて、いろいろ調べた結果を筋道立てて、論理的に書いていけば良いと言えます。

筋道立った論理的な論文とは?

筋道立て、論理的に書くとは、あるものを証明した上で、それを元に別のものの証明に使っていくということです。
論理的というのは、何故そうなるのかという追求を次から次に連続的にしていくことです。
証明できないものを元に話を進めることは、科学的とは言えません。
しかし、最近の卒業論文などでよく耳にするのは、独自性がなく、ほかの論文の丸写しが多く、しかも論理的な展開になっていないということです。
論理の飛躍という言葉がありますが、論理的な展開になっていないと言う言葉と同じことを言っています。
証明できないことを元に話を展開していくのは、論理の飛躍であり、その組み上げた論文は砂上の楼閣になってしまいます。

普通の文章と論文の違いは何?

小説や随筆などの文と論文などとはどのような違いがあるのでしょうか。
小説などは筋道立ててかいていくと面白くありません。
横道にそれることもよくあることです。
小説などでは、論理の飛躍が多く見受けられます。
いきなり、「犯人はお前だ!」などと出てくる場合がありますね。
推理小説などはこのような手法を良く使います。
小説などはその論理の飛躍を読者の想像力に任せる手法をとって、それを売りにしている場合も多いのです。
しかし、科学論文の場合、それは許されません。
しっかりと証明できた事実を積み重ねた上で、結論に至る必要があります。

論文は論理展開の仕方が鍵になる!

論理的な書き方には、帰納法と演繹法があります。
帰納法は結論が最初にあり、それになるように実証していく手法です。
一方、演繹法は、物事を順序立ててなぜそうなるのかを積み重ねて書いていく手法です。
効率的に物事を追求していくためには、まず仮説をいくつか立てて、それを検証していく方が良い場合があります。
ビジネスの世界などでは、仮説をいくつも立てて、一つ一つ潰していく帰納法を駆使して効率的に最終的な結論を導き出す手法がとられているのです。
科学論文もこのような二つの書き方があります。
ただ、研究テーマの結果を発表する文章になりますから、一般的には、科学論文などの場合、最初に結論を示してそれを証明していく流れがとられることが多いようです。
帰納法の出だしで、以降は演繹法的な書き方になりますね。
いずれにしても結論以外は、何故そうなるのかという証明的な論理の展開を積み上げることになります。
何故そうなるのかの証明が飛んでしまいますと、論理的に繋がらなくなり、結論に至ることが出来なくなったり、途中が飛んでいるために、論理の飛躍と言われるのがオチです。

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科学論文でやってはいけないことは?

論文でやってはいけないことは、論理を飛ばすこと、すなわち、論理の飛躍です。
証明も出来ていないことを前提にいくら論理展開をしても途中が飛んでいるため、砂上の楼閣になってしまいます。
それとよく言われる他人の論文の無断使用は、絶対やらないことです。
最近のコンピュータシステムは非常に高度になっており、論文の丸写しはすぐにわかってしまいます。
必ず、自分の言葉で書くようにしてください。
そして、論文ですから砕けた口語調は使わないようにしましょう。

論文を書くコツは?

筋道立った論理展開のある論文を書くコツをご紹介しましょう。
あるテーマについて研究して、一応結論が出したとします。
いきなり、それを論文として書き始める方が多いようです。
でも、一息ついてください。
先ず、結論に至った過程を並べてみてください。
そこに証明されていない段階がないかを検証しましょう。
そして、次はその結論に至った段階を見出しとして書いていきましょう。
結論を最初に書いて、次はその結論に至った段階を順番に並べて見出しを作ります。
そして、いよいよ論文の作成に入っていきましょう。
作った見出しの段階から次の見出しの段階について飛躍がないかを検証しながら書き進めてください。
飛躍がある場合は、そこの研究をやり直す必要があります。
そして、論理の飛躍がないことを確認しながら見出しに沿って内容を書いていけば、筋道立った論理展開力のある論文の完成です。

論文に入れる必要のある事項とは

論文を書いていく上において、忘れてはならないものがあります。
結論を得るに至った経過の中で使った書籍、情報元をきちんと入れることです。
それに自分の意見、証明論理が明確になっていれば、問題はありません。
たいがいの大学の卒業論文などは、既に結論の出ている事象の場合が多く、多くの論文や書籍があるはずです。
そのどれを使ったのかが明確にする必要があり、自分の判断の根拠としてその理論を使った理由が論理的に表現されている必要があります。
ウィキペディアを見ていますと、「このページは不完全です。出展元が書かれていません。」と書かれている場合があります。
あれと同じことです。

科学論文はオリジナルで書くとは?

大学の卒業論文や高校の研究論文の場合、たいていは既にいろいろな理論で結論もその根拠も証明されている場合が多いです。
従って、理論にオリジナル性を求められることはほとんどありません。
それよりも既にある理論をどのように使って事象を説明できているかが論文の評価において重視されます。
それも自分の言葉でどれだけ説明できているかです。
ここの段階でオリジナル性が求められます。
新しい論理を求めるよりも、従来の理論や論理をどう使ったのかをオリジナル性のある表現で見せられるようにしてください。

悪い論文の見本

最近、理研の小保方さんが証明できないSTAP細胞の論文をネイチャー誌に掲載し、それが後から判明して大きな問題になりました。
最近の科学論文の事件として皆さんの記憶にも新しいはずです。
その結果、職も追われ、過去の論文にも検証が行われて早稲田大学大学院の卒業論文も取り消されるという事態を招いてしまいました。
オリジナル性にこだわるあまり、証明もできないことを無理な論理で書く事は、後で痛い目に合う可能性があり、止めるようにしてください。
論理根拠と出典元を明確にした上で、自分なりの結論を示して、良い科学論文を書けばよいのです。

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まとめ

科学論文は、さまざまなものがありますが、身近な一般的な科学論文は大学の理工学部系の卒業論文などがあります。
大学などの卒業論文の場合は、既に研究結果がはっきりしているものや理論も出来ている場合が多く、研究や理論についてのオリジナル性は求められません。
それよりもそれらの研究結果や理論を使っていかに研究課題について自分なりに書くかにあります。
従って、根拠や理論の元となる出展元の書籍やインターネット上のURLなどを明確に記載していく必要があります。
最近では、小保方氏のSTAP細胞におけるような明確に証明されない論文などが問題となっており、科学論文に対する評価は厳しくなっています。
その意味でも、オリジナル性や目新しさを追い求めて、後で追求を受けるような内容は避けるべきでしょう。
きちんと根拠や理論について明確にして、それを元に自分なりの意見を入れる部分でオリジナル性を出していく必要があります。
帰納法をとるにせよ、演繹法をとるにせよ、論理性を持たせた論文を書き上げるようにしてください。
 

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