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各地域には、高齢者の自主運営によるシルバー人材センターが設置されていて、いろいろな仕事を請負や委任形式で引き受けています。
ご存知でしたか。
ただ、このシルバー人材センターは、現状ではさまざまな面で制約があり、充分に機能しているとは言えず、一方で批判も出ています。
このシルバー人材センターの現状、問題点などについて調べてみました。

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シルバー人材センターとは?

シルバー人材センターは、「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づいて、地域ごとに設置されている高齢者の自主的な団体です。
高齢者が働くことを通して生き甲斐を得て、地域社会の活性化に貢献しようと設けられており、臨時的・短期的もしくは軽易な業務を請負・委任の形式で行います。
従って、高齢者の就職斡旋のための組織とはなっていませんが、請負、委任に馴染まない仕事も対象に入ってくるため、補完的に職業紹介事業も行っています。
発注を請負う仕事としては、
  • 技術・技能関連・・・ 経理、自動車運転
  • 技能関連・・・ 庭木の剪定、ふすま・障子張り、大工、塗装作業など
  • 事務関連・・・ 文書整理、軽事務、毛筆筆耕、宛名書きなど
  • 管理関連・・・ 公共施設管理、駐車場管理、駐輪場管理など
  • 外交折衝関連・・・ 営業、受付、集金など
  • 軽作業関連・・・ 公園清掃、除草、墓地清掃、農作業、屋内清掃など
  • サービス関連・・・ 家事、育児、介護など
などになっており、会員登録された高齢者がワークシェアリングという、みんなで仕事を分配する形で行なわれています。

実際のシルバー人材センターの現状

シルバー人材センターは現在全国に1300ヶ所の事業者が置かれており、会員数は72万人になっています。
65歳以上の労働人口の約1割に当たり、働く意思のある高齢者の受け皿となっているのです。
シルバー人材センターの事業が広がる中で問題が生じているのは、人材確保の面です。
シルバー人材センターに登録された会員数は2009年には79万人いましたが、現在では72万人と減少傾向にあります。
高齢化社会になり、高齢者人口が増えるにも拘らず、減少しているのです。
企業の定年延長などにより、高齢者を退職させないケースも多くなり、登録数の減少につながっています。

現在のシルバー人材センターの問題点


現在、シルバー人材センターにおける問題点は、人材不足と言う点以外にもいくつか、センター自身の問題や働く高齢者の問題、さらに発注する側の問題などさまざまな問題が噴出しています。

現在のシルバー人材センター自身の問題点

シルバー人材センターは、請負、委託の形式をとっているとは言え、問題は民間の人材派遣会社と構造が似ている点です。
しかも、一般企業への派遣相場よりも安く仕事を請負うことから、民間企業の経営を圧迫するのではないかという民業圧迫の問題が出ています。
しかし、登録会員数が減少傾向にあるため、優秀な人材が少なくなっているため、発注された仕事に対するクレームなどのトラブルが増えている問題点も出てきています。
発注した側から仕事がきちんと出来ていないというトラブルが増加しているのです。
また、シルバー人材センターには、厚生労働省関係の退職後の天下り先になっているケースが結構あり、応対などで問題が発生することもあります。

現在のシルバー人材センターの高齢者自身の問題点

シルバー人材センターは、会員となっている高齢者への待遇や補償面でまだ十分にその役割を果たせているとは言い切れません。
特に、シルバー人材センターに登録した会員の高齢者は、請負か委任の形ではたらくことになるため、個人事業者の扱いとなり、労災保険の適用が受けられません。
そのため、事故が起こった時への対応として別途シルバー保険と言う傷害保険に加入することが義務付けられていますが、労災保険のような手厚い支援はありません。
熱中症、腰痛、むち打ちなどの高齢者が特に負ってしまい易いケガに限って保険の適用外になっているケースが多いのです。
また、仕事をワークシェアリングで回していることと、もともとの請負価格が安いため、高齢者の生活費の確保にはなれず、労働意欲と言う点でも問題があります。
シルバー人材センターの会員は請負・委任という形になるため、最低賃金法の適用も無く、最低賃金法よりも低い単価は多いのですが、それでも違法になりません。

現在のシルバー人材センターへの発注者側からの問題点

ワークシェアリングをしていることで、仕事そのものに対する管理者が存在せず、仕事をする高齢者も安い有償ボランティアの感覚で仕事をするための問題も発生します。
発注した側から見て依頼内容とは違った仕事になっているケースがあり、苦情も多くなっているのです。
トラブルとして一番多いと言えます。

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シルバー人材センターのトラブル事例

出典:iDECH


シルバー人材センターの高齢者の問題としては、やはり労災と言う面でのトラブルがあります。
ある会員の男性がシルバー人材センターの業務として木の剪定をしていました。
その際に、足の指の骨を折る大ケガをしましたが、労災保険も健康保険も認められずに、結局85万円余りの治療費全額を求められて裁判に発展した例があります。
通常は、労災保険か健康保険のどちらかの保険が受けられるはずです。
しかし、個別事業者扱いになるため、労災保険は門前払いされ、国民健康保険からは仕事中の事故で対象にはならないと言われ、両方共に保険が出なかったわけです。
そのために、現在では、シルバー人材センターではシルバー保険に強制加入するようにしていますが、範囲が限られており、充分ではなく、現在も国会で法改正の方向にあります。
ただ、野外作業においては事故はつきものであり、高齢者の方が充分に注意して仕事に当たるようにすべきでしょうね。

また、発注した側からの苦情トラブル例として、次のような例がありました。

先日実家の庭木の剪定をして頂いたんですが
お願いしたのは木4本だったのに庭の植物全てが剪定されてました。
私からシルバー、私から作業員さん、父親から作業員さんへ
説明していたので間違ったというのは考えられません。
(中略)
ただ父は「頼んでないところも切られた」と落ち込んでました。
(中略)

シルバー人材センターの口コミ

シルバー人材センターの会員になられている高齢者からの口コミはほとんど無く、発注されている側からの口コミになります。

先ずは使ってよかったという口コミです。

大手の設定料金に比べて、非常に安いのが最大の魅力。今みたいに物資が豊かじゃない頃から家事をしているおばあちゃんは、汚れを落とす知恵も一杯持っていて我が家がとてもきれいになりました。若い方にお任せするよりは防犯上も安全な気がします。コミュニケーションをとりながら家事をする感じなので、家事代行を頼んでいる間、おばあちゃんの知恵がたくさん得られます。

次は、トラブル関係の口コミです。

私が働く公立施設には夜の管理をするシルバーの方が人材センターから来ています。皆さん頑張って下さっていますが、中には物忘れがあってとんでもないミスをする人がいます。業務上の秘匿事項になるかと思われるので内容は書けませんが。しかし、人材センターでは「やる気のある人はすべて受け入れる」とのことです。(中略)例えばですけど、鍵をかけ忘れて館の中を荒らされるというようなことが起きたら、責任は誰がとるんでしょうか。

先日シルバーセンターに仕事を依頼し
返事がない事で問い合わせた所
逆ギレされ、すごく不快です。
確かに安いけど
シルバーセンターは使いたくないと思いました。
話した相手は責任者でした。
所長って人ですね。
(中略)
シルバーセンターは確かに金額安いけど
腹立たしい思いされた方おられませんか?
私は自分も助かるし
社会に貢献できるとの思いで頼もうとしました。
あの口の利き方はありません。
(中略)
Woman a 40代 2015年10月05日 23時47分

まとめ

シルバー人材センターは、高齢者が働くことを通して生き甲斐を得て、地域社会の活性化に貢献しようと高齢者自身が運営する団体です。
高齢者が、さまざまな分野でその経験を活かして請負・委託の形で仕事をしています。
ただ、個人事業者として扱われるため労災保険が効かず、さらに安い単価で引き受けることになります。
また、ワークシェアリングで仕事を行うため、高齢者の生活費をまかなう事も出来ないようです。
それもあって、責任の所在がはっきりせず、トラブルも多いようです。
企業の定年延長などもあり、センターに登録される方の人数も減少傾向にあります。
個人で発注される方から「いいよ」とう声もたくさんありますが、トラブルも増加しているのが現状のようです。

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