昇格試験で、プレゼンテーションをしなくてはならないのですが、会社のおエライさんたちを前にして、うまくできるでしょうか。

そもそも、試験でプレゼンさせるというのは、受験者の何を見るためなのでしょうか。

昇格試験のプレゼンに不安を感じている受験者に贈る、昇格プレゼン対策法です。

 

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昇格試験の基本的な考え方

 

まず、「どういう人材が求められているのか?」ということを考えましょう。

プレゼンでも面接でも論文でも、基本的な考え方は一緒です。

昇格後、どの部署のどういう役職に就くかを考え、その立場の人が必要とされる能力を自分が持っていることを示せばいいのです。

 

係長」であれば、実際の仕事をきちんとこなせ、他のメンバーと協力して仕事を滞りなく処理できる能力が必要でしょう。

課長」であれば、部下を把握して仕事を割り振る力も必要でしょうし、現場の責任者となって、社外と交渉する力も重要です。

部長」ともなれば、広い視野で会社全体を俯瞰する必要もあります。

今後、会社をどうするのか、未来を見据え長期的に計画する意識も不可欠です。

 

どういう力が求められるのか、会社の規模や業務内容でも異なりますので、自分で、最上の人材を「モデル」として思い描いてみてください。

そのモデルなら、どんなプレゼンをするか、自分に問いましょう。

 

なぜプレゼンが昇格試験にあるのか?

プレゼンテーションとは、紙やモニター上の情報をもとに説明し、ある事柄について聞き手に興味を起こさせ、理解させ、納得させていくことです。

聞き手に興味を起こさせることは、ビジネスの基本です。

クライアントやお客さんに自分の会社の商品やサービスのファンになってもらうことがビジネスだ、といっても過言ではありません。

 

しかも、プレゼンはお客や業者との交渉だけに限りません。

社内で業務上の連絡をするのも、新人教育も、広報活動も、広い意味ではプレゼンの一種です。

すべてのビジネスシーンにおいて、プレゼン力が必要です。

 

さらに、後に述べるように、プレゼンで、その人のいろいろな能力が判断できます

ですから、昇格試験でプレゼンが課されるのです。

 

プレゼンを通して、何を見られるのか?

 

では、昇格試験のプレゼンを通して、採点者は受験者の何を見ようとしているのでしょうか?

 

思考力・分析力など

プレゼンテーションというと、現在では、パワーポイントを使ったスライド・ショーの形式が中心です。

そうでない場合は、紙の資料とホワイトボードを使って説明するケースや、先に提出した昇格論文をもとに、その内容を口頭で説明するというケースもあります。

 

いずれの場合も、受験者の説明を聞けば、課題をどう分析し、どう考察したかが分かります。

プレゼンによって、受験者の思考力や分析力の程度が明白になります。

 

パソコン操作力

 

パワーポイントを使って行うプレゼンの場合、パソコンの操作力がはっきりと現れます。

パワーポイントのスライドの作り方と操作を見ていれば、パソコンの操作に慣れているのかどうか、おおよそ判断がつきます。

 

ただし、パソコンの力と、ビジネスの力は、必ずしも一致しません。

たとえアニメーションを駆使して、凝った素晴らしいプレゼン資料を作っても、「すごいでしょ」とドヤ顔になるとマイナス評価です。

「パソコン屋」と陰口を叩かれないようにしましょう。

 

パワーポイントのスライドや資料などから、「美的センス」もうかがえます。

一般の会社では、少々センスが悪くても問題はないでしょうが、服飾・インテリア関係などの美的センスが必要な会社であれば、美的センスも、評価に影響を及ぼす可能性もあります。

 

話術・態度

受験者の話しぶりや表情、態度から、その人の性格や人柄がすけて見えます。

どんなに取り繕っても、神経質だ、いいかげんだ、真面目だ、豪快だなどと、伝わってしまいます。

 

しかし無理に「素晴らしい人」を演じても、どこかで破綻しますから、ありのままの自分でいいのです。

自分の中の「一番良い自分」を前面に出しましょう。

服装や姿勢なども評価対象になりますから、きちんとした服装・姿勢を心がけましょう。

 

対応力

パソコンが急に動かなくなったり、予定時間より短くしてほしい、などの注文が入ったりすることもあります。

そのようなときに、あたふたせず、落ち着いて対応できるのか、それも見られています。

 

何の不都合もなく、予定通りにプレゼンが進んでいくなら、それはそれで良いことですが、万一、トラブルが起きても慌てずに、対応を見られているのだと思って、あくまで冷静な態度を取りましょう。

 

※ 昇格試験では、プレゼン以外に論文を求められることもあります。昇格論文について書き方を徹底的に解説してます!

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プレゼン資料を作ろう

 

パワーポイントでプレゼン資料を作るときは、まず、ストーリーを設計します。

 

課題について、タイトルや論点、結論などを考えながら、紙にあらましを書き、一つの流れをこしらえます。

それをもとに、スライドを作っていきます。スライド作りと並行して、スピーチ原稿も書いていきましょう。

 

パワーポイントの使い方に関しては、書店でマニュアル本を一冊買ってきて、読んでみることをオススメします。

プレゼンの途中に、何らかのトラブルが起こらないとも限りません。

ですから、ネットでちょこちょこと調べながら資料を作るのではなく、本一冊を読んで、パワーポイントの操作を、ひととおりは理解しておくようにしたいのです。

 

資料作りの実例

資料作りを実例で見てみましょう。

  1. 現状分析
  2. 問題提起
  3. 解決への提言
  4. 結び

という流れを作ります。

 

課題「いかに残業を減らすか」

「残業を減らすために、どうするか」という課題が出されたとしましょう。

残業を減らす方法をプレゼンさせるということは、その会社は労働時間の長い会社で、経営陣は残業を減らす方向で検討しているのでしょう。

そうであれば、残業を減らすための、前向きで具体的な提言をするのが望ましいですね。

 

資料はこう作る

  1. 現状分析:社会全体に、長時間労働で心身を病む労働者への同情と、長時間労働を強いる企業への批判が出やすい風潮がある。我が社では、平均残業時間は〇〇時間で、有給休暇の消化率は〇〇%であり、労働時間は平均より長いと言える。
  2. 問題提起:必ずしも必要のない、習慣的な残業が行われてはいないか。早く帰るという意識改革をすれば、
    業務の効率化ができるのではないか。
  3. 解決への提言:労働時間の短縮が、採用や社員の定着率などに良い影響をもたらすことを説明。「ノー残業デー」を作り、帰りやすい職場作りのため、管理職はできる限り早く帰ることを提言。他社の取り組みを紹介し、自社で行えるものをやってみることを提案。
    削減される残業代は、ボーナスに上乗せすることで、労働組合との合意を取り付ける必要にも言及。
  4. 結び:業務を効率化して、労働時間を短縮し、働きやすい職場環境を整えることは、会社の経営にも大いにプラスになる。

 

このように、ストーリーを作り、スライドに割り振っていきます。

1枚のスライドに情報を盛り込み過ぎず、文字は見やすい大きさで、ゴチャゴチャさせないようにしましょう。

 

ここで注意しなくてはいけないことは、スライドにすべてを語らせなくてもよい、ということです。

自分が主役だという意識を持ちましょう。

 

画面を見てばかりで、「結局、スライドの説明をしただけ」になってはいけません。

採点者の方を向いて、話しかけるつもりで説明していくのです。

 

リハーサルを欠かさない

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資料ができたら、「リハーサル」を繰り返しましょう。

本番さながらに練習できるというのは、プレゼンの大きな利点です。

 

家族に見てもらい、感想を聞くのも効果的です。

家族はプレゼンの内容は分からないかもしれませんが、「声の大きさ」「話し方」「態度」などが適切かどうかはよく分かります。

 

「何か質問は?」と尋ねると、家族は、自分の思ってもみない質問をすることがあります。

本番でも意外な質問が出されるかもしれませんから、家族の質問を馬鹿にせず、きちんと答える練習と思い、対応しましょう。

 

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まとめ

昇格試験では、昇格後の役職に就いたときに必要とされる能力が、受験者に備わっているかどうかが判定されます。

どのような能力を示せば良いかを考えて準備しましょう。

 

課題については、「現状分析」、「問題提起」、「解決への提言」というステップでストーリーを作り、資料にまとめます。

資料は補助的なもので、自分の説明がプレゼンの中心でなければなりません。

 

なお、プレゼンでは、内容ももちろん大切ですが、話し方や態度も見られています。

常に冷静でいられるために、繰り返して練習し、自分の能力と魅力を十分に伝えましょう。

 

他にも、会社員の「昇進」「昇格」にかかわる記事はいろいろあります!
まずは、しっかりと情報収集してみてはいかがでしょうか?

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