確定申告をしなくてもふるさと納税をすると寄付金控除される「ワンストップ特例制度」をご存知ですか?
今回は「ワンストップ特例制度」について、簡単にご説明します。
Contents
ワンストップ特例制度とは?
簡単に言うと、ふるさと納税を行って税金の控除を受けることができる人が確定申告をしなくてもよくなる制度です。
以前は確定申告をしなければ、税金の控除がされませんでした。
つまり、ワンストップ特例制度が使える人は、手間が減るので気軽にふるさと納税をしやすくなったことになります。
ワンストップ特例制度を利用するには2つの条件をクリアしている必要がある
ふるさと納税を行った人すべてがワンストップ特例制度を利用できるわけではありません。
ワンストップ特例制度を利用するには以下の条件をクリアする必要があります。
1.職場で年末調整をしていてもともと確定申告の必要がない給与所得者
2.1年間にふるさと納税をした自治体が5つ以下である
※1つの自治体に複数回寄付をしても1つとしてカウントされますのでご注意ください。
一般的な会社員の方で、投資や副業などからの副収入が無ければ、だいたいの方が利用できそうですね。
なお、ふるさと納税の控除額には限度額があるので、それについてはこちらの記事を参照してください。
ワンストップ特例の申請方法
ふるさと納税を行うと、その自治体からお礼状などと一緒に申請書が送付されてきますので、記入の上、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに提出(必着)します。
提出方法は郵送になります。期限までに不備のない状態で提出する必要がありますので、余裕をもって提出した方がいいと思います。
もしもふるさと納税をする時に「ワンストップ特例の申請をしますか?」と聞かれたけれど「いいえ」と答えてしまった人や、提出期限までに自治体からの申請書の送付が届かない人もご安心を。総務省のHPからダウンロードすることもできます。
⇒ 参照 : 総務省 ワンストップ特例申請書PDFファイル
ワンストップ特例申請の必要書類は?マイナンバーが無いと申請できないの?
申請するには本人確認書類が必要になります。
「そういえば、マイナンバーが必要になるって聞いたことあるような・・・」という人も多いかと思いますが、その通りです。
マイナンバー(個人番号)が記載された何らかの書類は必ず1点用意する必要があります。
「でも、マイナンバーカードが手元にない・・・」と言う方もいるかと思いますが、大丈夫です。
以下のいずれかで当てはまる書類を準備してください。
パターン | 数 | 必要書類 |
マイナンバーカードを持っている | 1点 | ・マイナンバーカードの表と裏のコピー |
マイナンバー通知書を持ってい かつ 運転免許証またはパスポートのある人 | 2点 | ・マイナンバーカード通知書のコピー ・運転免許証またはパスポートのコピー(どちらか) |
個人番号記載の住民票の写しを持っている かつ 運転免許証またはパスポートのある人 | 2点 | ・個人番号が記載された住民票の写し ・運転免許証またはパスポートのコピー(どちらか) |
個人番号記載の住民票の写しを持っている が 運転免許証もパスポートもない人 | 3点 | ・個人番号が記載された住民票の写し ・以下のうちのいずれか2点 – 健康保険証 – 年金手帳 – 提出先自治体が認める公的書類 |
注意: 個人番号入りの住民票の写しをとる際には、運転免許証などの本人確認書類が必要になるケースがありますので、事前に各自治体に確認をしておくといいです。
ワンストップ特例制度を申請しても確定申告が必要な場合があるので注意
ワンストップ特例を申請したとしても、確定申告が必要なケースはあります。
次のような人は確認してみてください。
- ワンストップ特例申請をした後に追加でふるさと納税を行った
ふるさと納税をすると、自治体によってはお得な特産品を貰えたりするので、「たくさんの自治体にふるさと納税したい!」という人もいるかも?しれませんね。
自治体の数が5つまではワンストップ特例制度によって確定申告をする必要がありませんが、自治体の数が6個以上になった場合には確定申告をする必要があります。
全部でいくつの自治体に納税したのか把握しておいた方がいいですね。
もしも自治体数が6個以上になっていた場合には、全てのの自治体の分を確定申告する必要があります。
「5個まではワンストップ特例で、6個目からを確定申告すればいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、それでは控除を受けることはできません。
しっかり確定申告していきましょう。
- 医療費控除を受けたい
ワンストップ特例を申請した後で、医療費控除を受けることになった場合、確定申告をする必要があります。
確定申告の際には、ふるさと納税の分もしっかり申告していかなければいけません。
- 住宅ローンを組んだ
住宅ローン控除を受ける場合には、初年度に確定申告をしなければなりません。
この場合にも、確定申告をする際にふるさと納税の分を申告するのを忘れずに。
要は、ワンストップ特例制度の要件に当てはまらなくなった場合と、ふるさと納税以外にも税金の還付を受けた方が得をする場合には、確定申告が必要になります。
ワンストップ特例申請をした後に確定申告したらどうなるの?
ワンストップ特例制度の申請と確定申告の両方を手続きしたときは、確定申告が優先されます。
特に手続きは不要です。
ただし、ワンストップ特例制度の申請から住所や名前が変わった場合には変更届を出す必要があります。
ワンストップ特例申請をした後にやっぱり確定申告の必要があったという場合には、手続き不要です。
前述の通り、確定申告をすればそちらの内容が優先されるからです。
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ふるさと納税をしたのに所得税の還付がない?
ふるさと納税をすると、納税した金額などによって所得税と住民税の控除が受けられます。
ところが、ワンストップ特例申請を行うと、所得税の還付はありません。
所得税還付ではなく、翌年度の住民税から所得税の控除分と合わせて控除される仕組みになっています。
申請をすると、翌年の6月に自治体から住民税決定通知書が届きます。
ここに控除額を引いた金額が記載されていますので、還付額について確認してみてください。
もしも具体的な控除後の税額が知りたい方は次の記事でふれています。
⇒ 参照 : ふるさと納税で特産品をもらって税金控除が受けられます。何をいくら控除されるの?
まとめ
ワンストップ特例申請をしておくと、必ずしも確定申告が必要にならないので、気軽にふるさと納税ができます。
他にも還付を受けた方がお得な方は確定申告が必要ですので、ワンストップ特例申請をしたから確定申告は不要だと思わないようにご注意を。