大学生になったとたんに、なぜかレポートの嵐。
どの教科でもなぜか、出される宿題といえばレポート。
テストもなぜかレポート。
今までに聞きなじみもないレポートをいきなり書けと言われても、見たこともない料理の名前だけを提示され、作ってみなさいと言われているようなものですよね。
ハウツー本は何冊も出ていますし、ネットで検索すると、面白くてわかりやすく内容を細かく説明したレポートの書き方のサイトがいくつも出てきます。
それらを読んでも、どうしても書き出せない、なにから手を付ければよいかもわからない、そんなあなたに捧げる、超初心者向けのレポートの書き方をまとめてみました。
(関連記事)この記事を読んでいる方におすすめの関連記事はこちら。
※ 小論文はどう書けばいい?作文との違いや構造、書く時の注意点は?
※ 大学入試小論文の書き方は?何が求められているのか分かればできる
※ 意外と知らない横書き原稿用紙ルール!記号や数字の書き方知ってる?
Contents
レポートといっても種類がある?どんなタイプか知ることから始めよう
「レポート」と一口にいっても、実は曖昧な概念がかなり含まれており、きっちりこれです、と説明しきれるものではありません。
ただ、卒業論文や研究論文とは違い、文字数も少なくまとめるため、別名「小論文」といわれることもあります。
レポートは、読書感想文とは違い、テーマが必要です。また、自分で疑問点や問題点を出し、それに対する結論はどうなのか、その結論を導き出すための過程はどうであったかという、体験なり情報なりをわかりやすくまとめて伝えなくてはなりません。
報告書のような性格も持ち合わせているので、基本的には、自分の考えや研究、または体験や文献から得た情報を整理し、簡単にまとめて不特定多数の人にわかりやすいよう伝え、説明するものとなります。
一般的には上記のようなものですが、大学で耳にするレポートの場合、ざっくりと分けると、次の4つの種類が挙げられます。
- テスト代わりに短時間で出された課題について論じる、あるいは感想を求められるもの
- 講義で出された内容をまとめるもの
- 教科書や参考文献から概要をまとめるもの
- 講義の内容、課題に沿って自分でテーマを選び、自由にレポートを書くもの
まずは、今あなたが書こうとしているレポートがこの4つのどのタイプなのかを考えてみましょう。
それぞれに書くコツが違ってきます。
1と2については、比較的簡単で、文字数も少ない場合が多いです。
テスト時間内に終わらせなければならない1などは、ゆっくり考える暇などありませんから、教授が強調して伝えようとしている部分を想像し、そこからあまり外れないような感想を、文字数に気を付けて書けば良いです。
論じろと言われた場合にも、課題は既に決まっていますし、それに対する結論部分も大抵は講義の中で言われていますので、どの視点でその課題を考えたか、そしてどう結論付けたかを書く流れを意識すれば大抵文字数は埋まります。
2の場合は、とにかく教授の一番教えたかった考え方を聞き逃さないようにして、そこをメインに書き、簡潔にノートをまとめる要領で作文していきます。
3については、まずは参考になる図書を探すところから始めます。
いくつか似たような、あるいは違った考え方の本を選ぶことができれば、課題について核となる部分を抜き出して引用しながらまとめていきます。
一番やっかいなのが4のパターンです。
自分でテーマを決めなくてはならないのですが、大抵は大きな課題を提示されていますので、その中で自分がとっつきやすい、少しでも興味がわく情報について、考察していきます。
そのうえで、参考になる文献を探します。
探せたら、様式やルールに従ってわかりやすく書いていけばよいのです。
様式と暗黙のルールはきっちり守りましょう
1のパターンについては、レポート用紙ではなく、教授の方から四角い枠だけの用紙などを渡され、そこへ書くように指示されることが多いので気にしなくてもよいのですが、2〜4のパターンについては、多くの場合、自分でA4サイズの横書きレポート用紙を用意して書くことになります。
教養課程で初心者に優しい教授なら、ある程度ルールを教えてくれる場合もあるのですが、大抵は暗黙のルールを自分で調べてレポートの様式にのっとって書き、提出するようになっています。
教授側から下記の情報を細かく指定される場合もあるので、その場合はきっちりその通りに仕上げましょう。
- 文末の「〜である」「〜です、ます」をどちらで統一するか。
- 手書きか、ワープロ文書か、清書するなら鉛筆かボールペンか。
- 表紙は、決まった書式や様式があるのか。または、表紙は不要でそれに代わるものがあるのか。
もしわからなければ、あらかじめ教授に質問するか、先輩に聞くかしてみましょう。
聞きづらいようでしたら、次の点は押さえておきましょう。
- 表紙は必ず付ける。
- 左上をステープラで止める。
- 何枚目なのかがわかるよう、右下隅か真ん中の下部分に数字を入れる。
レポート用紙の一枚目を表紙にして、題名、自分の名前や学籍番号、クラスなど識別できる情報すべてと、講義名、教授名、書いた日付を入れます。
誰のもので、いつのものか識別できなければ、せっかく頑張って書いたレポートが、教授にとってはわけのわからないものになり、評価が出せないことにもなりかねません。
これだけは最低限、きっちりしっかり書いておきましょう。
文末は「である調」で書くことが多く、鉛筆は不可、ペン字かワープロ清書を求められることが多いかもしれません。
これらは、社会人になってから必要になる、書類のまとめ方にも通じます。
今から慣れておいて損はないでしょう。
(関連記事)この記事と併せて読むならこちらの記事もどうぞ。
※ 剽窃になっちゃう!レポートを書く時は参考文献の書き方例を確認してね
書き出し、本編、結末をきっちり仕上げるために
書き出し部分は、大多数の人が迷う部分でもあると思います。
最近はこのブログやニュースサイトでもよく見かけるように、「リード文」と呼ばれる冒頭部分を採用しているところが多くなっていて、ある程度ヒントにはなります。
リード文は、本編を要約していたり、読み始める人に興味を持たせるような工夫がなされています。
要は、自分がこのレポートで何を言いたいのか、何を考えてこのテーマを選んだのかなどを、「序章」でも「はじめに」でも副題をつけて簡単に書き、それでは……と本編へ移行していけばよいのです。
本編では、内容を具体的に、かつ、短めの文章で誰が見てもわかりやすいように書きます。
ひらがなだらけとか、誤字、脱字は論外ですが、難しい漢字だらけにした文章も読むのに疲れてきてしまいます。
新聞記事くらいの割合だと、丁度良いかもしれません。
テーマについて、どんな客観的な事実があり、それに対して自分がどう考え、またはどう調べたのか。
体験の有無、似たような事例や、反対意見のような事例があるかないか。
そんなことを、一つのテーマに絞って、ぶれないよう、脱線しないように気を付けながら書き連ねていきます。
そして結末に、自分の考え方から導き出した結論を書くのです。
参考文献があれば、最後に出典として本の名前、著作者などを明記しておきましょう。
ネット上で検索した文章はできるだけ使わず、図書館などから探してきた本を参考文献としましょう。
それでも、ど〜しても書けないんだよ!という方に捧げる構成例
作文が書けない人によくある特徴
- テーマが決まらない
- 書き出しをどうすればよいかわからず「私は、」で止まってしまう
- 語彙が足りなくて長く書けない
- 何が言いたいのかがはっきりせず、言い方が見つからない
今では筆者もブログを書けるまでに文章が好きになっていますが、昔は大嫌いでした。
読書感想文を書けと言われれば、「私は……」で止まってしまい、あとは何を書けば良いの?と悩んだあげく、その一行だけで宿題を提出したことがあるくらいです。
でもそのとき、読書感想文の構成を、事細かく論理的に教えてくれた先生がいたのです。
そして、先生が教えてくれた通りの構成で埋めていき、再提出した結果、クラスの中でも2位に選ばれるくらいの内容の文章が書け、褒められたのです。
それ以降、文章嫌いは薄れ、とりあえずなんでも書いてみようと思えるようになってきたのです。
おそらく私にとっては、「論理的な構成の説明」が作文という行為を理解するうえで重要だったのだろうと思います。
もちろん、世の中にはさまざまな人がいますので、このような方法だけでうまくなるものではありませんが、構成例と作文していく上で必要な手順の一例を書いてみますので、よろしければご参考になさってください。
テーマを選び出す方法
レポートを書くには、何よりもまず、テーマが重要です。
自分に出された課題のうち、一番学ぶべきことは何かを考えます。
出題のされ方によっては、既に主題が決まっているものもありますので、その場合はとても楽です。
主題に沿って、自分が着目する手法なり、小さな目的を「副題」として付ければ、立派なテーマの完成です。
主題が決まっていない場合、まずは、自分の心に印象深く残っている言葉から連想していきます。
例えば、東京オリンピック関連で何か自分なりにテーマを決めてレポートしろ、という課題があったとします。
そこで、東京オリンピック⇒東京⇒国立競技場⇒建て替え⇒選手の目線⇒行政側の目線⇒ニュース
など、つらつらと言葉だけを連想ゲームのように連ねていきます。
そうすると、今自分が最も興味を持っているものが、なんとなく見えてきます。
この場合であれば、私にとっては、競技などではなく、建物に関して、あるいは開催に間に合うのかどうかといった疑問がテーマにしやすいものとなります。
そこで、テーマは「オリンピック関連の施設は既存と新設のどちらが良いのか」とします。
副題は、「国立競技場の事例から学んだこと」とでもします。
構成の一例
(はじめに)
<オリンピックに使われる施設の既存利用と新設のどちらに利があるかについて論じたい>と説明します。
また、なぜそれをしたいと思ったのか、ニュースを見た背景と合わせて説明します。
次に、どういう手法で考察するかも説明します。
(新聞のデータや、ニュースから得た情報、参考文献など)
(本編)
<まず、国立競技場において、〇〇のデータから見ると……>
など、調べたデータを、わかりやすく詳細に、客観的に並べていきます。
<〇〇だから〇〇だった。>
<〇〇においては△△という意見がある。>
ここで注意したいのは、事実の羅列にならず、少しでいいので自分の感想も最後の方に付けておくということです。
たまに、箇条書きにしてしまうこともあるのですが、必ず、誰が何をして、どうであったのか、という「文章」にするようにしましょう。
そして、比較対象となる別のデータについても書いていきます。
行政側の意見とは、とか、選手側の意見とは、などがそれにあたります。
どういった理論や事実があるのか、誰の概念や理屈がどういうものなのかを、テーマに沿ってぶれないよう、まとめていきます。
(おわりに)
まとめ、結論、評価、次に続く課題などを書く部分ですが、まずは自分なりの結論を書きます。
<私は〇〇という理由で◇◇であると思った。>
<今回の調査では、××についての調査が不足しており、結論に至らなかった。>
など、失敗したこともそのまま書きます。
成功するに越したことはないのですが、失敗こそが学びでもあり、次に繋がる大事なステップなのです。
それ自体もちゃんと評価してもらえますので、安心して書いてください。
続いて、評価や次につながる課題を書きます。
<自分なりに考えたが、△△部分でわからない部分が多かった。今後は機会があれば、〇〇の観点からも広げて考察していきたい。>
などになります。
語彙は少なくてOK?言い回しをすらすら思いつく?
語彙が少なくても、心配することはありません。
言語の発達によほど自信のない方以外は、話し言葉として充分日本語が通じて、小学生にもわかりやすい言葉で話そうと思えば、話せますよね。
レポートは、その内容によっては、専門用語を多用しなければならないこともあります。
そういう場合は、少なくとも授業で習ったような言葉を使う方がよいでしょう。
でも、何より重要なのは、自分の考え方、論理、何をどう調べた、あるいは研究したかを、それこそ小学生が読んでもわかるような文章で書くということなのです。
普段使っている言葉を、綺麗に整えて、適度に漢字と平仮名を使って分かりやすい文章にすればよいので、一般的な語彙力があれば、さして問題はありません。
ところが、話し言葉は大丈夫なのに、文章にしたとたんに、稚拙に見える文章になってしまう方がときどきいらっしゃいますね。
スポンサーリンク
これはどちらかというと、言い回しの問題です。
言い回しに関しては、わかりやすい文章をたくさん読み込み、真似をするところから始めましょう。
これに関しては、慣れが一番です。
読書量が多い人ほど、言い回しが上手です。
なぜなら、読書を通じて、いろいろな話し方を経験しているからです。
できれば、良いと評価されているレポートをいくつか入手し、読んでみる、真似してみることからはじめてみましょう。
しかし、「真似してみる」といっても、剽窃してはいけませんよ!引用ルールはきっちり守ってくださいね。
あと重要なのは、最後に必ず自分の書いた文章を読み返し、校正と推敲をすることです。
これをするかしないかで、次にレポートを書くときの楽さ加減がガラッと変わってきます。
案外、自分の文章って読み返さないものです。
特に期限が迫っているときほど、省略しがちです。
ですが、自分の文章を読み返し、綺麗に整えることができる力が付くと、次の機会には、言い回しが、思いのほか簡単に出てきたりするのです。
騙されたと思って、試してみてくださいね。
(関連記事)この記事を読んでいる方におすすめの関連記事はこちら。
まとめ
誰でも、初めてレポートを書くときは戸惑うものです。
文字数はだいたい決まっていて、指定された字数の上下10%前後(1000文字なら900文字か1100字くらい)を目指せば理想的です。
4種類紹介しましたが、共通しているのは、出題した人の意図がどこにあるかを察しながら、資料等から文章を選び、自分ならではのまとめ方をしていくという点です。
ぜひ、一冊はハウツー本を買って手元に置いておき、わかりやすい文章を書く上での注意点や、暗黙ルールの細かい部分などで疑問が出たときに、すぐに開けて確認しながら書くと良いでしょう。
なかなか、簡単には説明しきれないものではありますが、何回も書くうちに慣れてくるものです。
最初はあまり深く考えず、とりあえず、チャレンジしてみてください。
一度形にしてしまえば、二度目からはスラスラと書けるようになるかもしれません。
楽しい大学生ライフにするためにも、あまり深刻にならず、けれどルールはきっちり守ったレポートをできるだけ早く書けるよう、このブログがお役に立てれば幸いです。
最後に、レポートの書き方について、わかりやすくまとめてあるWEBサイトをご紹介しますので、ご参考になさってください。
参照:大学レポート・論文の書き方
大学生はこれを見ろ
⇒ 「文章の書き方」に関する記事の一覧はこちら