みなさん高校野球を見ていますか? 管理人も昔はよく見ていました。今回は「夏の高校野球」、正しくは全国高等学校野球選手権大会を中心に、高校野球の対戦組み合わせをどのように決めていくのかと、その抽選方法について、少し詳しく書いてみようと思います。

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そもそもどれだけの高校が出場するの?

少し古い話(高校野球の始まり)

高校野球の第1回は1915年でした。みなさん、生まれていませんよね。管理人ももちろん生まれていません 笑

それはさておき、当時は代表校が10校でした。日本をどんな風に分けていたかというと、東北、関東、東海、京津、関西、兵庫、山陽、山陰、四国、九州です。 京津という見慣れない地区名がありますが、これが調べてもどこなのか分かりません(T_T)

その後、毎年のように地区の新設、分割が行われて、1924年の第10回大会では北海道、国内16地区(東北、関東、東京、神静、甲信越、東海、北陸、京津、大阪、兵庫、紀和、山陰、山陽、四国、九州)と海外3地区(朝鮮、台湾、満州)を合わせた19代表になりました。またまた見慣れない地区名が出てきていますが、そこらへんは目をつぶって、先に進みましょう。ちなみにこのときの大会で、甲子園が初めて舞台となっています。

都道府県1校路線へ

その後だんだんと各都道府県1校の線が固まってくるのですが、高校の数が多い地域と少ない地域とでは、地区大会での試合数が異なってしまいます。これは不公平ではないかということで、北海道は北北海道と南北海道に、東京は東東京と西東京に分かれ、現在の49校に落ち着いてきました。しかし、1998年の第80回記念大会、2008年の第90回記念大会では、埼玉県・千葉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県の6府県もそれぞれ2校枠になっています。

それからも、東東京の高校数増加に伴って、今まで西東京だった世田谷区の高校が東東京に移ったり、いろいろと変更があるようです。こんな風に所属地区が変わったり、1地区が2つに分かれたりすると、観戦者も戸惑いますね。例年だと地区予選で見られた対決が、両校とも甲子園まで行かないと見られなくなったりするのですから。

とりあえず、夏の高校野球に出てくる高校は、49校となりました。この高校をどのように組み合わせるのでしょう。その組み合わせを考える前に、シード校をどうするかを考えなければなりません。

シード校をどう扱うのか

シード校は何のために?

高校野球に限らず、どんなトーナメントでもたいてい、一試合目は出なくてよい「シード校(選手)」がいます。これは元々、強豪を最初から対戦させたくない、という考えから来ています。例えば昨年の優勝校と準優勝校が第1回戦から戦ったらどう思います? もったいないですよね。

高校球児はみな平等。そこにもったいない高校と、もったいなくない高校を考えて、それを分けるのは、平等精神に反しています。しかし、有力校というのは、それを応援している人たちも多いものです。そういう人たちは、有力校が、初戦で他の有力校に負けてしまったりしたら、その後の大会を見る気まで無くすかもしれません。そのような大人の(?)事情もあって、シード校は必要だとなるわけです。

シード校ができるもうひとつの理由

シード校が生まれる理由はもうひとつあります。全体で奇数の数の高校が出場する場合、第1回戦は1校余ります。代表校は49校なので、1校だけシードにして、他は普通に第1回戦から?

これが、そういうわけには行かないのです。例えば参加校が6校だけだったとします。初戦はそれぞれ2校ずつのペアにするとして、そこから勝ち上がると第2回戦は3校で戦うことになります。この場合には、まず2校だけ戦わせて、その勝者と3校目が戦うことになります。このように、最初の数が偶数で、すべてを2校ずつ組み合わせたとしても、普通は途中でシード校が生まれてしまいます。

シード校ができないようにできるのか?

では、参加校がどんな数ならシード校が生まれないのでしょう? 大会に出ている高校数は試合ごとに半分になっていきます。それを繰り返して、最後に2校にならなければなりません。つまり、2の累乗の数の参加校なら問題ないわけです。って、「累乗」という言葉がわからない人もいることでしょう。累乗というのは、同じ数を掛け合わせるという意味です。例えば2の3乗と言ったら、それは2×2×2=8です。

高校野球の出場校49から1を引いた48は、2の累乗でしょうか? 残念ながら、そうではないので、48校を2校ずつ組み合わせて、それに1校のシードで始めると、途中で不具合が出ることがわかります。

シード校を最小にするには結局どう組み合わせればいいか検証

では、49校をどのように分けて組み合わせれば、最小のシード校で済むのでしょう。最初を48に一番近い2の累乗である32校から始めると、あまりは17校。一方、32校の中で第2回戦に進むのは16校。

うーん、うまく行きません。

高校野球連盟の方々も、組み合わせをどうするのか、昔悩んだのでしょうね。結果として現在は、1回戦(ノンシード校)は34校から始めています。シード校は49-34=15校。第1回戦の34校、全17試合が終わると、第2回戦に17校が勝ち上がります。そこにシード校の15校が出てきて、余った2校は、シード校とは関係なくお互いに戦うわけです。さて、このような仕組みになったものの、シード校17校はどうやって選ばれているのでしょう?

実は甲子園球場での全国大会にシード制はない!?

地区大会ではシード校あり、全国大会は違う?

地区大会では各都道府県がそれぞれの基準でシード校を選んでいます。シード校の選出方法は通常、春季大会または、秋季大会以降の公式戦の成績を元に決定する。もしくは高校野球関係者の投票によって決定します。前者の方式は明らかに強豪校かそうでないかで判断しています。後者だと各関係者の考えによって、さまざまな視点が入りますね。

一方、甲子園での大会では、すべてが抽選方式で決まります。まず第1回戦に出るのか、第2回戦から出るのかを抽選で決めます。次に、どの高校とどの高校が対戦するかの抽選があるのです。シード校を設けるのは、元々、強豪校同士を第1回戦から戦わせないことを目的としていました。しかし、その意味で言うと現在の高校野球にはシード制はない、と言えるのです。

今年はこことここがシード校か、などと話しているとき、ふと「なんでこの高校がシードなんだろう?」と疑問に思ったりする人が絶対いることでしょう。そんなときに「高校野球には本当の意味でのシード校はいないんだよ。第1回戦から出るか2回戦から出るかは抽選で決まるから」と言うと、ちょっとトリビアネタ的で喜ばれるかもしれません (笑)

第3回戦以降の抽選方法

第1回戦、第2回戦は上記のようにして決めるものの、第3回戦以降をどう抽選するかは、時代によって違っています。夏の高校野球は34校による17試合で始まり、次は15校のシード校が加わって全16試合。そして第3回戦はベスト8の戦いとなり、その後準々決勝、準決勝、決勝と進んでいきます。

第1回大会から基本は、全試合抽選です。各校とも初戦が終わったら、次の試合のために抽選をして、それに勝てばまた抽選をして、というようになります。一時期この抽選方式ではなくなっていたのが2013年に改めて、全試合抽選になりました。理由は応援する側の負担を考えてというものです。

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例えば、すでにトーナメント表が書かれていて、そのどこから始めるかを決める抽選方式なら、一回の抽選で最後まですべての対戦が決まります。応援する側としてそれを見た場合、「この相手なら勝てるだろうから、第3回戦から見に行こうか」という選択肢も出てきます。これが全試合抽選だと、試合の日程まで含めて、予想がつかないのです。

しかし全試合抽選には選手側の負担がありました。試合が終わってすぐそこで抽選ができるわけではなく、主将はまた別の日に抽選会場に行かなければなりません。練習場所がそこから離れていたら、これは結構な手間です。

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今年の抽選会はいつ?

そうした事情を踏まえてなのか、2017年の夏の大会から、最初の抽選で第3回戦までの日程を決めることになりました。抽選は8/4、大阪フェスティバルホールで、夏の高校野球が始まるのは8/7です。

みなさん、今年も高校球児たちの熱い戦いを楽しみましょう!

 


 

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