大学生活の締めくくりが「卒論」です。
卒論でコケれば、「留年」することになってしまうのですから、今までのレポートやテストとは比べ物にならないくらい大切です。
卒論を書こうとして最初に悩むのが、テーマ選び。
どうやって選べばいいのでしょうか。
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Contents
卒論についてのルールを知っておこう
卒論と一口に言いますが、大学や学部によって、分量、提出の方法、時期、口頭試問の有無などに関してさまざまな決まりがあります。
先輩からの申し送り的なローカルルールが存在することもありますから、まず、自分の所属している大学、学部、学科の決まりを確認しておきましょう。
いつ決める?
先輩たちは、3年の秋に決めていたという人が多いようです。
その次に多いのは、4年の春。
遅くともそのあたりまでには、決めておきたいですね。
学科やゼミによっては、早い時期にテーマの提出をさせたり、中間発表をさせたりするところもあります。
そういうスケジュールを頭に置いて、できるだけ早めにテーマを決めて資料調べに入りたいものです。
卒論テーマを決める上での注意点3つ
注意点その1:所属ゼミに合ったものを
卒論テーマは、自分の所属するゼミの教授の研究内容と、研究手法に沿ったテーマを選びましょう。
大学の学問は専門分野が細かく分かれていますので、たとえ教授でも自分の専門の範囲でなければ、それほどの知識はない、ということもあります。
卒論を書き進めるうちに、やがて教授に相談することもできてくるでしょう。
その時、教授が「僕の専門ではないから、あまり分からないんだけどな…」と思いながら対応している場合と、「これは、こういうことなんだよね。はっきりとは教えられないけど、ヒントだけは出してあげよう」と思ってくれる場合とでは、結果が違ってきます。
たとえば国文科で、ゼミの教授が「万葉集」の専門家なのに、「井原西鶴」で卒論を書こうとするのは、無理があります。
もちろん、専門外の教授でも、一般的な論文の書き方や文献の探し方などは教えてくれるでしょうし、知識は学生よりはあるでしょうが、それでも、担当する学生が自分の専門とは違う研究をするのは、あまり良い気持ちはしないでしょう。
あくまで教授の守備範囲の内容でテーマを選びましょう。
どうしても書きたいことがある学生や、優れた論文を自分だけで書く自信のある学生は別ですが、普通の学生は、教授の土俵に上がって、卒論を書くべきです。
教授とまったく同じでは、マズイ!
では、教授が研究しているテーマを、自分の卒論のテーマにすればいいのでしょうか?
もちろん、それは、だめですよ!
教授からしたら、「たかが学部生が、俺と同じことを研究しようっていうのか?」と、噴飯ものです。
教授の研究から、少し外れたところをねらいましょうね。
注意点その2:自分の興味・関心のあるものを
卒論として研究するテーマは、やはり自分の興味のあるものにしましょう。
今後、しばらく付き合うテーマですから、嫌々研究するのは辛いですよ。
どうせなら、関心があり面白いと感じられるテーマを選びましょう。
その方が、やりがいがあり研究も進みます。
注意点その3:テーマは限定する
あまりに漠然としたテーマで卒論を書くのは難しいですから、テーマは狭く限定しましょう。
たとえば、「戦後政治における政党の役割」というテーマを考えてみます。
これは広すぎます。
「戦後政治」を限定して、「政権交代時における」「昭和30年代の」という風にしたら、少しは書きやすくなります。
または、「政党」を限定して「〇〇党」と、一つの政党だけに絞ると書きやすくなるでしょう。
全然見つからない人のためのヒント3つ
ヒントその1:新しい事象・新しい手法
「まったく思いつかない……何も興味ないし…」
という人のために、ヒントをあげます。
それは、「新しい事象・新しい手法」。
「卒論」には、何かしらの「オリジナリティ」が必要ですね。
「独自の切り口」「新しい発見」と言い換えてもいいのですが、「コレは、私の発見なんですよ!」と言える何かがほしいです。
新しい事象を研究対象にすれば、先行論文がないのですから、何をやっても「新しい発見」があるはずです。
たとえば、「インターネットを利用した教育方法」だとか「ゆるキャラの経済効果」だとか、最近登場したことの研究の歴史は浅いですから、他の人が気づいていないことに気づく可能性が高いです。
逆に、昔から研究され尽くしたことを卒論のテーマにすると、新しい発見なんて言っていられません。
ごく一部だけに絞って細かく見てみたり、いっそのこと、研究の歴史の研究をしたりと、切り口で勝負です。
そういう意味では、源氏物語や万葉集など、研究の歴史が長いもので卒論を書くのは大変ですね。
(専攻している人は、書かないと仕方ないのですけれども)
新しい事象の研究は、文献の少ないことが難点ですが、「自分の論文が文献になるかも」という意気込みで研究できるのが楽しいところです。
新しい手法を用いる、ということも有効です。
たとえば、ネットを利用してアンケートを取る、新聞社のデータベースで世の中の動きを調べる、というようなことです。
以前なら困難でしたが、今ではデータベース化された資料で、特定の言葉や現象がいつごろから出現したのか、調べ易くなっています。
このような新しい手法を使うと、研究に新しさを加えることができます。
ヒントその2:キーワードで決める
自分が興味あること、調べてみたいと思うことを大雑把に決めて、いくつか、キーワードを出します。
たとえば、江戸時代の文化、特に庶民の生活に興味があるのであれば、「江戸」「文化」「庶民」などが、キーワードになります。
専攻している学生なら、もっとたくさんキーワードを出すこともできるでしょう。
次に、自分が思ったキーワードでネット検索してみます。
- 自分の利用できる図書館の蔵書を検索
- Amazonで本を検索
- 論文データベースで検索
この3つでおおよその情報量が推測できます。
あまりたくさんの書籍や論文がヒットするようなら、読むべき参考文献の分量が多いので、敬遠した方がよいでしょう。
自分の卒論に使える時間、さらに学力とも関係しますが、トータルで10~20冊くらいの参考文献があるようなテーマが書きやすいでしょう。
自分の大学の図書館で、とりあえず関連ある書籍を借りて読んで気になることを見つけ、テーマの手がかりを得ます。
これは最終手段ですけれども、図書館の書物にあたってテーマを決める自信のない人は、Googleで検索して、「面白そうな情報」を探してみることですね。
ネット情報には、不確かなものも含まれていますから、あくまで「ネタ探しのヒント」という程度の気持で調べてください。
卒論を書く段階では、ちゃんとした書籍や論文を読み込んで書きましょうね。
ヒントその3:先輩のテーマを参考にする
「パクリ」ではありませんよ、「参考」ですよ!
「なるほどね、言葉を何か選んで、その使われ方を調べるという方法もあるのね」
「一人の人物を歴史とのかかわりの中で掘り下げる、という手法も使えるな」
など、ヒントになる情報が得られます。
もっと範囲を広げて、ネットで公開されている他の大学の卒業論文のテーマを参考にしてもよいわけです。
優秀な論文を公開している大学もあります。
ただし、内容を写してはいけませんよ!
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肩の力を抜いていこう!
卒論に四苦八苦している皆さんに言いたいのです。
あまり心配する必要はありません。
私は今まで「卒論の内容があまりに下らなくて、卒業させてもらえなかった」という人を知りません。
ほとんどの人は、卒業できるのです。
させてもらえるのです。
教授だって、鬼ではありませんからね。
これだけは、絶対にするな
ただ、絶対にしてはいけないことがあります。
まず、コピー・アンド・ペースト、通称「コピペ」。
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他の人の論文から一部を切り取って、自分の論文のようにしてしまう行為です。
本や論文を引用するときは、ちゃんと、どこからどこまでが引用か、明らかにしておく必要があります。
最後に「参考文献」で書いておくからいいだろう、というのは通用しません。
今は、簡単に利用できるコピーチェックツールがありますから、すぐにわかってしまいます。
コピペ厳禁!ちょっと言葉を入れ替えても、だめですよ!
次に、締め切りに遅れること。
これは、言うまでもなかったですね。
遅れてしまったら、いくら優しい教授でも、救いようがありません。
さらに、あと一つ、注意点があります。
卒論にばかり気を取られて、ほかの単位を落としてしまい、卒業できなくなる人もいますから、卒論以外の勉強も忘れないでしておきましょう。
「コピペしない」「遅れない」「卒業に必要な単位を落とさない」、これらに気を付けておけば、まず、ほとんど卒業できるはずです。
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まとめ
卒論のテーマは、ゼミの研究内容に沿っていて、興味のあるものにしましょう。
テーマが漠然としていては書きにくいですから絞りましょう。
テーマが見つからない人は、新しい事象を対象としたり、新しい手法を使ったりすると書きやすくなります。
コピペと、提出期限に遅れること、卒業に必要な単位を落とすことにさえ気をつければ、まず、卒業はできますから、あまり神経質にならない方がいいですよ。
卒論は、大学生活の大きな山。
そこを登ると、美しい風景が見えます。
がんばりましょう。