いよいよ次の昇格試験に臨むことができるようになった!という人は、受ける試験レベルにもよりますが、ほぼ100%面談を受けることになります。
なぜなら、今までの実績など、ペーパーテストでわかるようなことは、人事担当は既に把握しているからです。
昇格できるかできないかは、面接にほとんどの比重がかかっているといっても過言ではないでしょう。
とはいえ、数人の面接官を前にして、自分が何を聞かれるのか不安にもなりますよね。
百戦錬磨のシチュエーションの達人、営業職の人でも緊張する瞬間です。
面接を担当する人は、いったい何処を見て判断しているのか。
100%ではなくても、ある程度心づもりができているかいないかで、緊張の度合いも変わってきます。
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Contents
あなたのやる気は見ていない!?
さて、今あなたが受けようとしている昇格試験は、どのランクからどのランクへの昇格試験なのでしょうか。
もし、大企業でいうところの「部長」クラスまで上がるものなのか、そこまでではないけれど、何人かの部下を持つ管理職へのアップなのか、単に個人レベルで一段階上がるものなのかによっても、面接官の見るところは違ってきます。
昇格とは、今までとは格の違う仕事に就けるようになるという意味でもあります。
個人レベルでやる気満々でバリバリ仕事するのも一つの才能であり、それを一生通すのも良い生き方かもしれません。
ただ、昇格試験を受けるのであれば、今後は、自分がやる気を出せばすべて良くなるわけではありません。
多かれ少なかれ、後進の人間に影響を与え、自分を含めて複数人を管理する仕事ができなくてはならないわけですから、そのランクによって、求められるレベルが変ってきます。
もちろん、やる気がまったくない人間に任せられるものではないので、やる気はあって当たり前なのです。
それプラス、どの部分で会社の役に立ってくれるのか、その一点を見極めようとしています。
コミュニケーション能力を見る?
例えば、今までより一段階上がるけれど、数人の部下ができる程度のものであれば、まずは人柄を重視するでしょう。
そして、今後さまざまな問題をうまく処理できるのかという点で、コミュニケーション力を探ります。
とはいえ、今までの人事評価でそのあたりのことはつかんでいる場合が多いので、面接当日には、本人の説明能力を見極めようとする場合が多いようです。
面接官が問いかける問いに対して、その意図を正しく読み解き、表面的ではない答えを返せるかどうか。
本人が今までどのような問題に直面し、解決に導く努力をしてきたかなど、短い時間で適切にまとめてわかりやすく伝えられるかどうかを見ます。
昇格した後は、なんらかのリーダーになる場合が多いので、当然、今までよりは責任が重くなってきます。
その中で、問題解決能力は必須のスキルになってきます。
自分だけの問題だけではなく、部下の問題を、いかに解決へと導いていけるかどうかは、コミュニケ—ションスキルにもかかってきます。
今まで仕事でどんなことをしてきたか、主に失敗からの復活例や、誰かと協力して何かを得た実例などがあれば、短めにまとめ、聞かれた場合にはスムーズに答えられるようにしておくと良いかもしれません。
プレゼン能力のアピールにもなります。
コミュニケーション能力を見ている質問例は?
コミュニケーション能力を見るための質問例のテッパンとしては
- 簡単に自己紹介をしてください
- 現在の部署でやってきた仕事で一番印象深かったものとその印象深かったものを教えてください
といった、どちらかというと「自分自身の経歴やスキルの面を訊かれている?」と思ってしまうような質問です。
そのほかには
- 上司や先輩たちから、あなたはどの点で評価されどの点で物足りなさを感じられていたと思いますか
- 一緒に仕事をするうえで苦手なタイプ、その理由とあなたなりの対処方法はどのようなものですか
- (すでに答えた質問に対して)その理由をもう少し詳しく説明してください
といった傾向の質問が考えられます。
コミュニケーション能力とは、その名の通り「伝える力」。
社内外のコンペなどでも、「その企画について自分のアピールしたいことをいかにしっかりと伝えられるか」というのは必要ですよね。
そして部署内・一緒に仕事をするチーム内でも、業務内容における「伝達」というだけでなく、そのスムーズさや分かりやすさは重要になるところです。
たくさん話せばよいというものでもありません。
昇進試験・昇格試験の面接であれば、特にあなた自身の経歴やスキルなんて、会社側としてはある程度把握しているはずのことですよね。
まして会社側からすれば、上司や先輩からの評価なんて本人の認識以上によほどよく知るところでしょう。
それをあらためて質問されている意図をしっかりと汲み取った回答をすることが必要です。
コミュニケーション能力を見る質問への回答例は?
こうした質問に対する回答例や回答のポイントを挙げるとするなら、
- 相手の目を見て感じよく伝えられるか
- 初めて聞く人にとっても分かりやすい話し方になっているか
ということが大きなポイントになるところでしょう。
コミュニケーション能力とひとくちに言ってしまえば意思疎通がスムーズにできるかというポイントもありますが、こうした質問からはその人のマネジメントスタイルをも見て取ることができます。
また他者からの評価や苦手なタイプやその対処法、回答に対して更に深堀りするような質問では、あなたの考え方を問われていると同時にそれを論理的に説明できるのかが問われています。
他者からの評価や苦手なタイプなんて、ちょっと話しづらい要素もはらんでいますが、そういったものごとに対してもキチンと話ができるというのは、特にこれから部下を抱えて仕事をしていくようなポジションへ進んでいくという前提を考えれば、非常に重要なポイントですね。
ただし、その場で一問一答が始まったなら、必ず相手の意図をくみ取るように気を付けながら答えることに集中した方が良いです。
コミュニケーション能力を見ようとしている以上、黙ってしまうことが一番マイナスになります。
いかに言葉でのやり取りが臨機応変にできるか、が重要です。
そのときの伝え方、考え方や聞く姿勢などで、面接官は判断することでしょう。
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部長クラスともなれば
大企業であれば、主任、係長、課長……などと昇格していき、部長、役員……と続きますが、部長クラスへの昇格試験ともなると、求められるレベルがより高くなってきます。
日経Bizアカデミーのホームページ内で、こんな文章を見つけました。
目標管理シートの結果を見ながら、「この目標を達成するために部下にどんな指導をしましたか。具体的にどんなことを言いましたか」と聞く。
小論文の内容を踏まえながら、「この小論文を書いたのはいつで、それはどんなシチュエーションでしたか」と、内容ではなく、書くためにとった行動をたずねることもある。
なぜそんな質問をするかといえば、とった行動に嘘はつきづらいからだ。
興味深いのは、部下にどんな指導をしたかという質問です。
部長クラスともなれば、会社にもよりますが、なかなかの人数をまとめ、指導するので、マネジメント能力が必要になってきます。
どんなに自分が優秀であっても、部下を育てる能力がなければ、上に立つことはできません。
これは保育の現場にも通じるかもしれませんね。
子供が、与えられた課題ができないからと、過保護に支援しても育ちませんし、うまく個人に合った支援ができなければ、目的を達成させることができません。
ましてや、集団で何かを成し遂げるためには、適材適所に人を配置する能力も必要です。
部下が未熟であっても、ある程度信頼して思い切って仕事を任せる、そして失敗をうまく乗り越えられるようにサポートし、その部下に力をつけさせることができる人材が求められています。
部長以上の人間が、自分自身が仕事ができるからと、部下に任せず自分でなにもかもやっていては、会社にとってはプラスにならないのです。
また、できる人間ほど、人を使うことが上手です。
自分の得意部分と不得意部分はもとより、他人のその部分を見極め、上手に任せていける人なら、大きな仕事でも効率的にその人が受け持つ部署に任せられると、上は判断します。
課長・部長クラスへの昇進試験の質問例と回答例は
マネジメントスキルやマネジメントについての考え方が問われることも多い、課長・部長クラスへの昇進試験。
必然的に質問も、人材育成に関しての考え方や実際の過去の取り組み、それに対する成果や今後改善していきたい部分などといった方向性のものが出てきます。
こうした質問に対する回答として期待されるポイントは
- 会社の発展や現在抱える問題点に関連してどのような人材を育成すべきだと考えているのか
ということがひとつあると言えるでしょう。
そしてそのうえで
- どのような取り組みが必要だと考えているのか
- そのために自分はどのように対応しようと考えているのか
- 実際の過去の取り組みとして、それについて挙げられた成果と反省・改善点はどこにあるのか
というところまでをひとまとまりの回答として答えられることが必要になってきます。
もちろん「ひとりよがりの持論」になってしまわないことや、論理的で分かりやすいなどのコミュニケーション能力に関連した要点が満たされていることには注意したいですね。
またこうした質問への回答例としては、問題や改善だけにこだわらず、現状についての良い点を述べそれをさらに伸ばしていくためにという考えを回答するという方法もあります。
その2方向を合わせて「こう考える、こうして行きたい」ということを自身の今後の成長も含めて話せれば、かなり100点満点に近い回答と言えるでしょう。
それを実現するためのひとつの方法としては、自分と会社の10年後のビジョンを考えてみる、というのも有効です。
具体的なビジョンを考えてみて、その実現のために必要なことは何か、すぐできることと時間のかかること、その優先順位はどうなのか。
今現在という時点だけでなく、これからのことを具体性をもって考えられることは、会社組織のなかで課長・部長といったポジションを担うにあたり期待される要素でもあります。
また、もう一つ大事なのが、経営や社会情勢、時事問題への興味関心です。
社会情勢や時事問題から、自社の置かれている、あるいは目指すべき社会的な立場は競合他社との関係性も見えてきます。
そうした視野をもつからこそ、自社の状況や今後についての方策を客観的な視点で考えることができるのです。
そして自社の経営面として現在の利益率など、数字にも強くなくては高い地位の役職には就けませんし、実際に就けたとしても会社の求めるものに応え続けて行くことは難しいでしょう。
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昇進・昇格試験の面接で必ず出てくる質問例とその回答例
「あなたは何故、昇格試験を受けたのですか?」と聞かれたら
ここからいくつか、昇進・昇格試験で必ずと言っていいほどよく出てくる質問例を示し、また、それに対する答えを考えてみます。
昇格試験を受ける理由は「昇格すれば給料が上がるから」「同期が皆受けているから」「昇格試験を受けないとやる気が無いと思われるから」などが多いでしょうが、これらの理由はどれも、回答としては向いていません。ここはそういった本音より、建前でもいいので、もっと前向きの回答をしていきたいものです。
個人的な視点からの回答例としては「昇格をし、今よりもやりがいを感じて働きたいから」「今までのランクだと任せてもらえない仕事をやりたい」などの回答が考えられます。これらは上述の回答例よりも、面接官に好印象を与えます。また「部下を持つことによって、自分がさらに成長できると思う」などの回答も良いでしょう。
しかしある程度ランクが上の昇格だと、会社としてはこのような個人的な視点からではなく、もっと大きな、部署、会社全体を俯瞰する視点からの回答を期待します。あなたがいかに会社や部署のことを考え、積極的に貢献していく姿勢があるかを聞きたいのです。回答としては例えば「昇格することによって部下を持ち、より大きな仕事をして会社に貢献したい」「各部署と連携できる地位に行き、より多くの責任を追うことで、会社をさらに成長させたい」「会社を経営者の立場から考えてみたい」などが考えられます。
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こうした回答は大言壮語にも感じられるかもしれませんが、本人のやる気はもとより、「会社のために何ができるか?」という純粋な考え方を示したほうが、良い評価に繋がります。
「昇格したらどんな風に仕事をしたいですか?」と聞かれたら
昇格はゴールではありません。あなたが心の中でそう思うのは自由ですが、面接官にその素振りは見せないようにしましょう。優秀な人ほど、昇格した後の明確なビジョンを持って昇格試験に挑みます。そして面接官も、そのようなビジョンを持った人を歓迎します。
「昇格したらどんな風に仕事をしたいですか?」という質問には、「部署が長年抱えてきた○○の問題の解決に挑みます」「1年間で生産効率を10%アップさせます」「徹底した合理化をし、10%のコスト削減を目指します」など、明確なビジョン、目標を持って回答しましょう。
「あなたの強みと弱みは何ですか?」と聞かれたら
この質問は基本的に、自分を正しく分析できているか、を聞きたくて出てくるものです。自分のことを分析できていないようでは、重要な仕事は任せられないということです。自分の強みと弱みを知るにはまず、過去の出来事を挙げて、その過程で自分がどう動いたかを振り返ってみるのが一番です。
そうして自分の強みと弱みが出ては来るのですが、ここでは必ず昇格するような人はどんな強みを持っているのかを、参考資料として紹介してみましょう。
まずは「年功序列にとらわれない」。目上の人に礼儀を尽くし、役職が上の人を立てるというのはあります。これは人として守って行きたいところです。また、管理職になる昇格試験では、ある程度のキャリアまたは年齢が受験資格になっている場合もあります。
こういったことからなんとなく年功序列の風潮が出来てくるわけですが、そこで「自分はまだ○歳だから、これくらいできれば充分」と縮こまってしまうようでは成功者になれません。ここは「自分はまだ○歳だけど、どんな仕事でもできるようになりたい」と、あくまでも上昇志向で考え、そんな風に考えられることを強みとして行きましょう。
出来る人は、経済、政治分野への関心を常に持ち、それを強みとしています。昇格試験の面接では、会社や業界をとりまく経済状況・政治動向など、時事的な問題についても質問されます。昇格試験のためにそうした知識を得るのではなく、日ごろからそうしたビジネスニュースに敏感に反応していくことが大事です。
ストレスを溜め込まない性格というのも、是非強みとして持ちたいものです。昨今の会社は、従業員たちのメンタルヘルスにかなり気を使わなければならなくなってきています。とは言え部署によっては、普通に考えたらかなりストレスの溜まる仕事もあります。昇格すれば売上の数字も任され、うまくいかないとどんどんストレスが増えていきます。こうしたストレスに耐えきれないようでは昇格など出来ないので、日頃からストレスを受け流すことの出来る姿勢を心がけたいものです。
さて、強みばかりを述べてしまいましたが、弱みについてはどう答えればいいのでしょう。具体的な弱みはなんでも構いません。大切なのは、「自分はどんな弱みでも強みに変えてみせる」という気構えを見せることです。
昇進・昇格試験の面接で面接官の見たいものとは
昇進・昇格試験という場で、面接官が見ようとしているもの。
それは具体例を挙げれば、コミュニケーション能力であったり、現状やこれから就こうとするポジションに関連した考え方、そしてその深さといったことが挙げられるでしょう。
場合によってはストレス耐性などを見られていることもあります。
そして回答した内容だけでなくどのように対応するのか、そこからその人が昇進・昇格後のポジションを任せるに値するのかを判断していくのです。
会社の方針をしっかり理解したうえで、自分が次の立場で会社の役に立てる部分はどこなのかを自覚しましょう。
それを説明した後、不足分は今後埋める努力をする姿勢を面接で見せる事ができれば、昇格も近いかもしれません。
他にも、会社員の「昇進」「昇格」にかかわる記事はいろいろあります!
まずは、しっかりと情報収集してみてはいかがでしょうか?
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