白内障の原因は加齢だけじゃない!
アトピーや糖尿病、ステロイドの使用や外傷によるものまで、白内障のリスクは若い人から高齢者まで。
国内では少ないながら、世界的にみると失明の原因第1位と言われる白内障の原因は?
予防するためにはどうしたらよいのでしょうか?
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Contents
若い人から高齢者まで、白内障のリスクはある
世界的には失明の原因第1位という白内障、日本では眼科の数の多さや高い技術によって、2007年の厚生労働省研究班による調査報告書では第8位。
手術による治療法もでき、失明のリスクは低いとされる白内障ですが、そもそもどんな病気なのでしょうか?
白内障ってどんな病気?
白内障は、目の中にある水晶体という組織が濁ってしまう病気。
水晶体は外から入ってきた光を屈折させて網膜に像を移すという、カメラで言えばレンズの部分。
白内障になるとこの水晶体が濁り、目がかすんだりぼやけて見える、対向車のライトや晴れた日の屋外でとてもまぶしく感じたりといったことが起こります。
また遠くが見えにくくなるために、近視が進んだように感じられる場合もあるそう。
さらに水晶体の濁りは両目で同じ程度に進むことが多いものの、片目の濁りがもう一方より強いというケースや、片目だけが白内障になったというケースもあります。
加齢による老人性白内障があまりにも有名ですが、若い人でも外傷やアトピーや糖尿病などが原因となって白内障になることもあり、若い人に見られる白内障としては先天性のものもあります。
若くても要注意、白内障のリスク
加齢による白内障は、40代から見られはじめ、90代ではほとんどの人がなるとも言います。
このために白内障といえば加齢によるものというイメージもありますが、原因は加齢だけではありません。
最近では20~30代の若い人や稀に10代でも見られ、若年性白内障や併発性白内障などと呼ばれています。
外傷なども含めた眼疾患などにより併発されるという若年性白内障の最大の特徴は、その進行の速さ。
自覚してから急激に水晶体が濁るという若年性白内障では、外傷を含めた眼疾患のほか近年では生活習慣なども原因として言われています。
心当たりに要注意!白内障チェック
加齢による白内障でも、若年性白内障でも「白内障の恐れがあるか?」のセルフチェックは可能。
- 視界が全体的に白く濁ったように見える
- 視力低下
- 明るいところと暗いところで見え方が違う
- 室内では見えても日差しの強い屋外に出ると見えづらくなる
- 光がまぶしく目がチカチカする
- 天気の良い日にまぶしくて困る
- メガネが合わなくなる
- 運動や運転をしているときなどに距離感が掴みにくい
最後の距離感の掴みにくさなどは、階段の昇り降りなどのちょっとしたときにも感じられることがあります。
白内障では水晶体の濁りによって目に入る光の量が減り、濁って見えたりモヤがかかったように見えたりするだけでなく、実際の明るさに対して必要以上に光を取り込もうとしてまぶしく感じたりといったことがあります。
こうした症状が気になったら、特に若年性白内障が疑われる場合には早めに眼科を受診してみると良いでしょう。
白内障の治療はどんなもの?
白内障の治療では、視力の低下やかすみなどが日常生活に支障をきたさない初期の段階では点眼治療が基本。
しかし残念ながら、白内障は再発こそしないものの、一度濁った水晶体が透明に戻ることはありません。
点眼治療は、あくまでも進行を抑えるためのもの。
生活に支障が出るほど進行してしまった白内障では、手術による治療が行われます。
濁ってしまった水晶体を取り出し代わりに眼内レンズを入れるというもので、入れたレンズは取り換えの必要がないそう。
レーシック手術を受けると白内障の手術が受けられなくなる、という話もあります。
これはレーシックによって角膜の形状が変化していることにより、白内障の手術で入れる眼内レンズの度数を計算するうえで正確に測定できないといった理由から言われているよう。
最近では測定機器も発達し、レーシック後であっても通常と変わりなく度数の計算が可能になっているそう。
また将来に白内障の手術を受ける際にも、元の状態が分かるためレーシック手術の際のカルテのコピーを持っておくと良いようです。
加齢によるものだけじゃない、白内障の原因は何?
白内障はどのような原因によって引き起こされるのでしょうか?
- 加齢
- ステロイド
- 外傷
- アトピーや糖尿病
- 生活習慣
こういった原因がよく言われますが、実は紫外線も原因となるもののひとつ。
紫外線は日焼けやシミの原因だけでなく皮膚ガンの原因としても知られていますが、実は目の病気の原因にも。
そのひとつには白内障も含まれ、発症の原因だけでなく進行しやすくなるとも言われています。
生活習慣で白内障に?
和食の日本といえど、近年すっかり欧米化した日本の食卓。
肉類やコレステロールの多い食事が増え、野菜不足によるビタミンやルテインといった栄養素の不足が皮質内白内障を引き起こすことがあるそう。
緑黄色野菜にはカロテノイドという赤や緑の色素が含まれ、ルテインもそのうちのひとつです。
カロテノイド自体に活性酸素を除去する効果があり、さらにルテインは白内障や視力低下といった症状を回復させる役割があります。
日ごろからこれらの栄養がきちんと取れていれば、若年性白内障の予防になるというわけですね。
そのほかにも生活習慣による原因としては、喫煙や飲酒、運動不足やストレスによる活性酸素の大量発生も言われますが、これらは脂肪を分解するルテインの吸収を妨げる原因ともなります。
偏食による必要な栄養の不足や、吸収の妨げとなる生活習慣、さらに「悪いもの」を体内に作り出してしまう生活習慣。
こまめに運動をするようにする、普段の食事でとりづらい栄養素はサプリなどで補うなど、なるべくなら、問題が起きてしまう前に気をつけておきたいですね。
水晶体の濁りはタンパク質が原因だった?
老人性白内障では、加齢によって水晶体に含まれるタンパク質が白く濁ったり硬くなることで起こります。
水晶体の細胞にはクリスタリンタンパクというタンパク質が含まれ、このクリスタリンタンパクを構成しているアミノ酸が異常なサイズのかたまりに成長することによって水晶体が濁ります。
このタンパク質の異常変質は、体内のさまざまな器官や細胞が錆びる「酸化」が原因。
加齢による酸化ストレスのほかにも、紫外線や目に対する衝撃などが酸化の原因として挙げられます。
忘れたころにも?打撲白内障
目に対する衝撃としては、ボールが当たったなどの強い衝撃だけでなく、アトピー性皮膚炎で目をかいてしまうといったものまで含まれます。
おそらく直接的な原因は『顔がかゆくて、夜中とかに顔中を指先でたたいていた』
目の打撲によって引き起こされる白内障
アトピーによる白内障はこれが原因だとも言われています
私の場合もかなり強く顔中をたたいていたので、これが原因で25歳にして白内障が発症してしまったと思います引用「のんびっき」
若年性白内障には考えられる原因がいくつかありますが、そのうちのひとつにこの打撲白内障を含む外傷があります。
この外傷による白内障、若年性白内障と診断された直近の時期では全く心当たりがない場合でも、まれにあるのが「忘れたころに出てきたもの」。
飛んできたボールが目にあたったことがある、といった眼球の打撲。
その悪影響があとあとになって表れてきた、ということも若年性白内障ではあることなのだそう。
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白内障を予防するには?
加齢によって誰にでも起こるという白内障、完全には防げないまでも、予防や進行を遅らせるためにできることはあります。
ビタミンCなどの栄養で酸化を防ごう
水晶体が濁る原因のひとつである「酸化」。
水晶体にはもともと高濃度のビタミンCが含まれており、酸化を防いでいます。
ところがこのビタミンCが不足すると、酸化を防ぎきれなくなってしまいます。
酸化を防ぐにはビタミンCだけでなく、「目に良い」と言われるルテインやアントシアニンなども有効。
ルテインはほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれ、アントシアニンはブルーベリーやカシスが有名ですが、黒豆やぶどうなどにも含まれています。
また喫煙はビタミンCを破壊する大きな原因に。
摂取することも大切ですが、禁煙して破壊しないことも大切です。
栄養という観点でいうなら糖尿病予防も白内障の予防につながります。
食べすぎや運動不足による肥満も原因となる糖尿病の予防には、野菜を中心とした栄養バランスも大切。
この野菜中心の食生活が、ビタミンやルテインなどの摂取にもつながり、進行が速いと言われる糖尿病による白内障の予防にも一役買ってくれますよ。
紫外線対策は目にも万全に!
水晶体のタンパク質を変質させる原因のひとつと言われる紫外線。
肌は日焼け止めなどがありますが、目の場合にはサングラスやUVカットのコンタクトレンズなども有効だそう。
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そのほかにも、つばの広い帽子をかぶったり日傘を差したりといったことでも紫外線は防げますよね。
紫外線を浴びたことそのものがその場で大きな変化にはつながらないというものの、酸化ストレスをためてしまう原因にはなるため、気をつけておくに越したことはありませんね。
つまりはアンチエイジング?!
ステロイド剤の副作用や外傷、アトピーや糖尿病といった原因疾患を除く、日常生活における白内障の最大の原因は「酸化」。
そしてこの酸化は、加齢によっても引き起こされます。
美容のためとして言われているアンチエイジングや抗酸化作用のある食品やライフスタイルなどの方法や考え方は、白内障予防にも効果アリだそう。
有酸素運動やストレッチ、栄養バランスだけでなく、睡眠不足やストレスをため込まないなど、白内障予防にもなるアンチエイジングの方法はいろいろ。
意識して生活習慣を見直せば、一石二鳥ですね。
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白内障は手術で治せる、でもならないことが大切
白内障の治療では進行を遅らせるための治療に始まり、生活に支障が出るほど進行してしまっても手術で治すことができます。
そうはいっても、やはりならないことが一番。
加齢によって誰でもなりうるとはいえ、なってしまう時期を遅らせる努力はできる病気。
外傷やステロイドの副作用によるものは防ぎようがないこともありますが、生活習慣や栄養面の見直しなら今日からでも、できることはきっとありますよ。