中学や高校の理科の教科でレポートの宿題を出された場合、何をどうやって手を付けてよいか迷いますよね。
あまり作文の作業にむいていないし国語も苦手なので難しい、なんて考えていませんか?
実は、レポートは、ある程度型にはめてしまえば簡単に書けるものなのです。
むしろ、難しい表現や、文学的表現、漢字の羅列などをしなくて良い上に、論理的に考えた事をわかりやすく簡単に書けば良いのですから、理系が得意な人の方がむいているかもしれません。
そうはいっても、レポートという物自体、どういう物なのか見た事がない場合は、書き方がわからないですよね。
そこで今回は、基本的な型と文章表現の方法、どんな内容を盛り込めば良いかなどをご紹介してみます。
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Contents
レポートってどんなもの?
理科で「レポート」と言われてもピンとこない人でも、小学生の頃から、何らかの形で「自由研究」は目にした事があるのではないでしょうか。
夏休みなどに出される宿題である自由研究も、立派なレポートの一種です。
レポートと一口に言っても、感想を主体に求められる簡単で文字数の少ないものから、学術論文的な枚数の多いものまで、様々なものがあります。
概念も今一つはっきりしていないのですが、わかっている事は、ある程度形が決まっていて、ルールに従って書き進めると一つのまとまった形になるという事です。
誰かに見てもらうための報告書でもあり、自分の考えや感想を入れる感想文でもあり、調べたり、研究した事を書き留める客観的な記録文でもあるので、それらがバランスよく配置されていれば、立派なレポートになるのです。
要は、あるテーマを考え、テーマに沿って自分が何かを観察したり、研究したり、調べたりした事によって、どんな結果(実験結果ではなく、自分にとっての学びの結果)を得られたか、という部分を文章などで形にしたものがレポートという事になります。
中身の書き方
レポートには、ある程度決まった形があります。
もちろん、宿題や課題を出された時に、ある程度こうしてくるように、と決められているのであれば、それに従います。
なければ、だいたい次のような枠に当てはめていけば、割とすらすらと書いていけます。
用紙は、A4のレポート用紙を使う事が一般的です。
1.「表紙」の部分
- 自分が選んだテーマや題材から、タイトルを考えて真ん中のやや上の部分に書きます。
- 下に、自分の学年、クラスなどの所属と、氏名を書きます。
- 右上か、タイトルの下くらいに作成した年月日を記入します。
2.「はじめに」の部分
- 副題として、二枚目に、「はじめに」と書き、テーマを書いて、なぜそのテーマを選んだのか、何がきっかけで思いついたか、などを書いていきます。
- 次に、どんな結果が得られそうなのか、といった予想を書きます。それをもとに、どんな下調べや、実験準備などを行ったかを次の本編へ書いていきます。
3.「本編」の部分
- 「方法」まず、実験ならばどのような実験をおこなったのか 、その方法や準備した道具などを順番に書いていきます。観察であれば、どんな状況で、または方法で、どのくらいの期間観察を行ったかなど、環境の部分を書いていきます。
- 「記録」次に、実験や観察、調査などの詳しい記録を書いていきます。
- 「結果」成功した例も、失敗した例も、特に自分の考えを入れることなく、ありのままの結果を書いていきます。
4.「結論」の部分
- 「考察」実験や観察、調査などから、あらかじめ予想していたものと合っていたのか、違っていたのかを書きます。
また、その結果になったのがなぜなのか、自分なりに考えた結果を書いていきます。 - 「反省」今回の結果から、次につながる興味が出てきたなら、次があればどういった事をテーマに〇〇したい、などの展望を書きます。
失敗から考察し、成功するためにこうしたい、というだけではなく、成功した場合も、今回は成功したけれど、似たような部分で次はこれならどうなるだろうと疑問を持った、という形でも良いです。
何か今後につながるものが得られたとアピールすることで、評価が高くなるポイントでもあります。
5.「参考文献」の部分
- なんらかの調査をした場合、参考にした本のタイトル、著者名、出版社や、インターネットのサイト名、閲覧した日付を箇条書きでかまわないので、書いていきます。
本来は、細かな決まりや、引用の方法、記録の仕方もあるのですが、理科の宿題レベルでしたら、箇条書きで一覧にしただけでもかまわないでしょう。
ただし、参考にする事は悪い事ではないし、詳しく調べたという評価にもつながりますので、忘れずにしっかり書いておきましょう。
ここまでできれば、あとは右下隅にページ数を入れ、左上をステープラで止めれば完成です。
絵や写真などを入れるようでしたら、わかりやすいように文章の近くに配置します。
特に規定がなく、模造紙や、画用紙など、大きな紙にまとめる方が綺麗で見やすいようでしたら、それでもかまいません。
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ニュースを元にレポートを書く
それでもなかなか筆が進まないことってありますよね。
そんな時には、ニュースや時事問題とからめて書くのも、テクニックのひとつです。
決まったテーマが出題されているレポートが宿題の場合、「○○○(テーマ)+ニュース」などで検索すると、テーマに沿ったニュースや時事問題が出てくるでしょう。
いくつか記事を読んで、自分なりの考えをまとめていけば、だんだんと文章が書けてくるはずです。
決まったテーマがなく、自由な話題についてレポートを書く宿題の場合は、ニュースサイトの「自然科学」などの分野をチェックしてみましょう。
最近、話題になった理科に関係するニュースが出てくるので、それらを読んでテーマを決めます。
テーマが決まったら、上記の宿題としてのテーマが出題されているレポート同様、「○○○(テーマ)+ニュース」と検索していくと、参考になる記事が出てきます。
この方法の良いところは、ニュースサイトを利用するため、記者によって書かれ編集の手の入った、わかりやすく質の良い文章を参考にできること。
これから書くべきテーマについて書かれた文章を読むことは、どのようにレポートを組み立てていけばよいのか、考える目安になります。
注意しなくてはならないのは、情報の正確性です。
少なくとも、信頼のおけるサイト2つ以上を参照し、フェイクやデマ、ジョークニュースサイトでないことを確認するようにしましょう。
中学生におすすめするレポートのテーマ
レポートのテーマが自由な場合、中学生にはこのような理科分野のテーマがすすめられているようです。
いくつか例をあげてみます。
- 天動説と地動説について
百科事典、図鑑、インターネットの資料をあたれば書けそうですね。 - 太陽光エネルギーについて
現代のエネルギー問題とからめて、ニュースサイトや新聞も参考になりそうです。 - 錯覚について
インターネットや画集、美術館で錯覚アートを見て、そのしくみを予測・検討します。 - アルキメデスの原理について
食塩水に卵を浮かべる簡単な実験を行いアルキメデスの原理を実証しレポートを書きます。
中学生の場合、自由研究に添付するといった形でのレポート提出が多いようです。
高校生におすすめするレポートのテーマ
高校生におすすめされているレポートのテーマも、いくつか例をあげてみます。
生物分野、化学分野、物理分野のテーマです。
- 遺伝子組み換え食品について
生物分野のレポートに。ニュースサイトや新聞記事が参考になりそうです。 - 外来種について
生物分野のレポートに。身近な外来種を観察したり、資料を参考にルートや歴史を調査します。 - 化粧品の成分調査
化学分野のレポートに。成分表をもとに調査します。 - ドップラー効果について
物理分野のレポートに。サイレンや警報機など、ごく身近な物理現象を参考にできます。
後は、科学館、博物館を見学してレポートをまとめるという方法もあります。
そもそも文章が苦手な場合の書き方
そろそろ、レポートのフォーマットがわかって、レポートのテーマについての掘り下げ方がわかってきたかとおもいます。
それでもやっぱり書き進められないとなると、それはもしかしたら文章を書くことそのものが苦手なのかもしれません。
理科のレポートといってもやはり「文章」ですので、作文的なテクニックは多少必要になってきます。
文章そのものの書き方、コツについてもふれておきましょう。
まず、自分の考えや事実を単語の状態で良いので書き出していきましょう。
「はじめに」「本編」「結論」に分けて書いていきます。
書き出した単語に説明となる言葉を加えひとまず箇条書きにし、時系列順に並べてみます。
箇条書きにした「文」同士がうまくつながるように、「まず」「つぎに」「それから」などの接続詞を入れて、「文章」にしていきます。
どうしてもうまくいかない箇所は「次にまとめる」などとし、箇条書き一覧を作ったり、表にしてしまう方法もあります。
具体的な文章作成例
例えば、「ヨウ素デンプン反応」についてのレポートだとします。
「結果」についてまとめると、このようになります。
まず、単語状態で考えや事実を書き出します。
この場合、「結果」部分なので主に事実を書き出すことになります。
- 青紫色
- 反応
- 加熱、脱色
- 冷やす、再び青紫色
- デンプンにヨウ素、たらす
これらを時系列順に並べ直し、箇条書きの「文」にしてみます。
デンプンにヨウ素をたらすと反応が起こった
- 青紫色に変化した
- 加熱したら脱色した
- 冷やすと再び青紫色になった
「文」をつなげて「文章」にしてみましょう。
「デンプンにヨウ素をたらすと反応が起こり、青紫色になった。つぎに加熱したところ脱色した。それから冷やすと再び青紫色になった。」
「文章」にするのが難しい場合は、箇条書きをまとめましょう。
「デンプンにヨウ素をたらすと次のような反応が起こった。」
- 青紫色になった。
- 加熱したところ脱色した。
- 冷やすと再び青紫色になった。
文章の書き方がわからないという時は参考にしてみてください。
感想と考察は別物!レポートらしく書くコツ
レポートを書いたはずなのに、ただの感想文になってしまったということはありませんか。
多少の作文的テクニックは必要と上記しましたが、それでもやはり理科の宿題ですから、求められるのは個人の「感想」ではなく、客観的な「レポート=報告書」なのです。
単純な感想文になってしまう原因のひとつは、主観が多くはいりすぎていること。
あるいは主観で終わってしまっているからです。
例えば、文章の書き方の例とした「ヨウ素デンプン反応」の実験についてのレポートであれば、ヨウ素をデンプンにたらした反応である「青紫色に変化した」の事実が「結果」で、「きれいだった」とするのは事実のない「感想文」です。
さらにレポートは「結果」を「考察」する必要があります。
そのためには、あらかじめ「予想」をたて、「予想」と「結果」を比較・検討する必要があります。
つまり、「予想」をたて「問題提起」することがレポートの鍵となるのです。
文章の流れも、レポートと感想文では異なります。
感想文や一般的な作文でよく言われるのは、「起承転結」ですね。
これは、もともと漢文から派生した文章の構成で、「起」=事の起こり、「承」=始まり、「転」=逆転、「結」=結果という流れのことです。
これだと物語的な文章構成となり、レポートとしてはわかりにくくなってしまいます。
レポートで必要な文章構成は「序論」「本論」「結論」です。
「序論」はレポートのテーマの提示です。
「本論」はレポートの本文にあたる部分で、説明をしていきます。
「結論」は結果について考察し、レポートのテーマに対する解答を述べます。
このように「序論」「本論」「結論」の構成となるように気をつけると、自ずと「問題提起」から「考察」、「結論」という考え方にもつながってくるので、感想文になってしまわずにすむでしょう。
ページ数や枚数を増やしたい!
宿題にレポートを出された中高生の悩みで多いのが、「レポートの枚数(ページ数)が決まっているが文字数が埋まらない」というもの。
一生懸命やってもあとちょっとが埋まらないという時には、こういう方法もないこともありません。
ひとつは、写真や図を使うこと。
資料となる写真や図、グラフを挿入して、スペースを稼ぎます。
枚数でカウントされる場合に使える方法です。
写真や図、グラフは出典元となる書籍、サイトタイトルを明記して使用しましょう。
箇条書きを増やすのも、行数が稼げます。
文字数でカウントされる場合、「はじめに」の部分の「きっかけ」の部分は具体的なエピソードを交えると、オリジナリティのある視点がアピールできるうえに文字数のアップがしやすいので、もしもの時はここのボリュームをふくらませるのがおすすめです。
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このような方法もあることはありますが、まずは一生懸命書いてみましょう!
気を付けなくてはならない事
様々な資料を調べていくうちに、これをそのまま書けば、と考えてしまったら、盗作になってしまいます。
文章の一部分を借りて、この人はこう書いていましたが、自分もこのような考えが良いと思って・・・など、「引用」する事は罪ではないので、最後にしっかり参考文献、出典元を書いて使います。
そうでない限りは、他の人が書いたものは、便利だからとコピーしたり、考え方をそのまま借りて、少しだけ言葉を変えて使うような事は、犯罪になってしまうのでやめましょう。
また、文章にまとめる時に、「~です、~だと思います」で文末をまとめるのか、「~である、~だと思った」の形でまとめるのか、大きく二種類に分かれると思います。
指定されない限りはどちらでも良いのですが、この二種類を混ぜて使う事だけは避けましょう。
どちらかに決めたら、その文末で統一します。
そして、一文は短めに、誰(何)がどうなってどうした。~だから誰(何)はどうなった。という形式でわかりやすく書いていきます。
凝った表現などは不要です。
あくまでも、自分なりに考えた事や、起こった出来事などを淡々と書いていけばよいのです。
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まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
誰もが簡単に書けるかどうかはわかりませんが、少なくとも、取り掛かりやすくはなったのではないでしょうか。
まずはテーマが必要です。
そのテーマに沿って、何をするかを決め、何かをして、結果が得られます。
その段階すべてを、ここに書いてあるきまりや枠に当てはめて事実を忠実に記録し、自分の考えや感想を書き、先生や、読む人誰にでもわかりやすいような文章で報告できる形式にまとめると、レポートの完成となります。
失敗は成功のもとです。
実験だけでなく、レポートも、実際に書いてみて、失敗しても良いのではないでしょうか。
いくつも書いて失敗していくうちに、だんだん慣れて、すらすらと迷うことなく書けるようになってきます。
まずは、最後の考察や反省の部分だけでも書いてみませんか。
そこから、前半部分を埋めていくと、案外すらすら書けるかもしれませんよ。
参照URL:http://yahuhichi.com/archives/1066.html
http://xn--olsz30coxt6eh.com/1404.html</a