レポートを書いてきなさいと言われても、何をどうやって書けば良いのかわからないものです。
なぜなら、「レポート」という言葉自体、あまり馴染みがなかったりするのですから当たり前です。
報告書を書けばいいの?感想文を書けばいいの?
いいえ、どちらでもありません。
それなりにポイントを押さえて、単なる報告でもなく、感想でもないものを書かなくてはなりません。

では、美術の課題で出された場合、具体的にはどんな風に書けば良いのでしょうか。
一般的に良いとされている例や、ダメだとされている書き方の例も一部、ご紹介してみます。

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レポートにはテーマが必要といわれるけど?

美術の科目や教科で出されるレポートの代表的なものは、美術館で美術品や作品展を見てきて、書きなさいという内容です。
美術自体が、教科書だけでの座学では得にくい、直接目で見たり、心で触れて得られるものが多い教科なので、こういった課題が出されることも結構増えています。

課題を出す側にとっては、形にしづらい、個人の「どう学んだか」という部分を、生徒に「文章」という形にして提出してほしいのです。
それによって、生徒の中で何が得られて、何がまだ不足しているのかが見えてきますし、課題を与えた側の想いが伝わっているのかどうかが感じ取れるからです。

「感じたこと」が主体になるとはいえ、それだけを書いてしまっては、ただの感想文になってしまいます。
では、読書感想文のような、「感想文」とどこが違うのかというと、「どう学んだか」を入れるというところです。

つまり、学生個人の「テーマに沿った学び」がなんだったのか、どこにあったのかを記述するという部分で、大きな違いがありますし、次の学びへつながるテーマも出てきます。

大抵の場合、レポートの課題を出されるときに、テーマが設定されているか、「~について書きなさい」と指定されるのですが、まれに、単純に「美術館へ行き、レポートを提出しなさい」とだけ言われるような場合もあります。

こういった、テーマがあるようで指定されていない課題の場合は、普段学んでいる教科書や先生の教えたいことから推測し、テーマを一つに絞って書かなければなりません。

要は、どんなレポートの課題だろうと、必ず、出題者の意図があるので、その意図を想像しながら「テーマ」を決め(あるいは決められたものに従い)、それに対して自分の調べた、見た、考えたものを文章として形に表せば「レポート」として完成するのです。

ちなみに、美術のレポートの中では、たまに写真を必要とするような出題のされ方もあるかもしれませんが、大抵の場合は、美術展などでは撮影禁止ですし、特に何も言われていないようであれば、写真や絵は不要です。
もちろん、美術以外のレポートでも同様です。
理系の実験結果は別ですが、レポートや小論文と呼ばれるものは、基本的には、文字だけで表現します。

調べた事は、教科書に載っていることでもかまいませんが、それにプラスされるような情報だと、なお良いです。

読む先生側としては、そんなこと知っているのでは?と思うような内容かもしれませんが、それでいいのです。
何より大事なのは、生徒自身が調べたのがどういうことなのか、がわかるという事です。

中学生~大学向けレポートの内容

実際に書くときの内容としては、いったいどう書き進めれば良いのでしょう。

まずは、レポートの体裁として、基本的に暗黙のルールとして決まっていることがいくつかあります。
  1. 表紙を付ける。
  2. 横書きA4サイズのレポート用紙を使用する。
  3. 引用したときや、参考にした図書があれば、参考文献として、最後に図書名、書作者、出版社、ページ数などを明記する。
  4. 本文は、「はじめに」の序文にあたる部分と、「本編」にあたる部分、「終わりに」の結論にあたる部分とで構成する。
  5. 既定の文字数プラスマイナス2割くらいで納め、レポートの左上をステープラで綴じ、ページ数を入れて提出する。
などです。
他にも、出題者や学校によって、細かな決まりがあるかもしれません。
それは、一度、先生や先輩に聞いてみる必要があります。

聞くまでもなく、用紙を渡されたり、課題をどのように書くか指定されているのであれば、もちろんそれに忠実に従います。
指定されなかった場合は、少なくとも、上記の5つは守るようにしましょう。

それぞれの手順は次の通りです。

1.表紙を付ける

最低限、自分の名前、所属クラスなどは明記しておきましょう。
これがなければ誰のものかわからなくなるため、先生も評価できなくなってしまいます。
あとは、タイトル、書いた日付、どこかへ鑑賞に行ったのであれば、その美術展の名前と行った日、場所などを入れます。
レイアウトは自由です。

とはいっても、どう配置すれば迷う人は、次のように書いてみてください。
中央やや上寄りに、タイトルを書きます。
テーマを簡単にまとめたようなタイトルだと、わかりやすいでしょう。

右上隅に、書いた日付を入れます。
平成○年、○月○日でかまいません。

中央に書いたタイトルのすぐ下に、行った美術展の名前、美術館の名前、場所、行った日などを記入します。

中央下側に、所属クラス名、自分の名前などを書きます。
大学生ならば、研究チーム名や、担当教授名なども記載すると良いでしょう。

2.レポート用紙なら何でもいい?

A4サイズの横書きタイプのものが良いでしょう。
高校や大学であれば、購買で売られています。
中学で出される場合は、用紙を渡されることが多いですが、なければ、文房具店で購入して書きましょう。

3.引用や参考図書について

一般的には、<著者名、『図書名』、出版社、出版年月.>
<著者名、「論文名」、『雑誌名』、巻(または号)、出版年月、引用したページ.>
の順に並べて記述します。

これも、学校や先生によって細かな違いがあったりするので、引用部分の記号の付け方や、最後の文献一覧の並べ方など、聞いてみて必要に応じて合わせます。
文字数の少ない美術レポートなどでは、そこまで厳密ではなく、見た図書名と著作者等を箇条書きにするだけで良い場合もあります。

4.本文に盛り込む内容は?

例えば中学生で展覧会へ行ったときの美術レポートを書く場合なら、「はじめに」の部分で自分が何を見ようと思って、どんなものだろうと想像して行ったのか、などをかきます。
「本編」で、実際に行った時に感じたことと、説明書きなどから抜粋した内容や、参考図書で調べた内容などを書いていき、「終わりに」の部分に自分が想像していた部分と何が違ったのか、これから興味を持って他の似たようなデザインのものを見てみたいと思ったのかなど、学んだ結論を書けば立派なレポートの完成です。

大学生ともなれば、基本は同じなのですが、美術関連の参考文献だけではなく、さらに時代背景、経済や政治など違った分野とからめて自分の考え方を深めた部分を本編で表現できれば、更に高い評価に結び付くかもしれません。

5.文字数、綴じ方などについて

いうまでもないことですが、せっかく書いたレポートがバラバラだと、提出後、混ざってしまって誰のものかわからなくなります。
きっちり止めて、右下隅か下の真ん中あたりに、ページ数を入れておきましょう。

文字数に関しては、例えば1000字くらいで書いてきなさい、という課題だったとすれば、800~1200字の間で納めます。
ピッタリ1000字というのは難しいのでそこまでは求められませんが、できればプラスマイナス1割の、900~1100字だと、なお良いです。
出題された文字数が多ければ多いほど割合は少しゆるくても大丈夫ですが、出題された文字数が少なければ少ないほど(400字など)、できるだけ厳密に文字数ピッタリに近づけるよう努力しましょう。

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具体的に何がNG?

文章を書くうえで、NGとなることは多々あります。中でも、レポートにおいては、感想文でも報告書でもないですし、誰にでもわかりやすくする必要があることから、さまざまなNGがあります。

とはいっても、ポイントさえ押さえれば、それほど難しくはありません。
具体的には、以下の部分に気を付けて書いてみましょう。

盗用と剽窃は、絶対にNG!

大抵の人にとって、宿題や課題はしんどいものです。
ましてや、書きなれていないレポートで苦手な文章を書かなければならないとなれば、少しくらいは、とネット上の言葉や考え方を借用したり、そのままコピペですませようと考える人もいるでしょう。

ですが、盗用や剽窃は、実際にしてしまうと、想像以上のペナルティが待っていることがあります。

剽窃(ひょうせつ)という言葉も聞きなれないものかもしれません。
これは、他人の考えや言葉を無断で借用し、自分のもののように書くという意味です。
盗用は、まるっきりコピーすることですが、剽窃は、文章中の「一部だけコピーする」ことも含まれています。

自分が考えて、苦しいながらも生み出した文章であれば、どれだけ稚拙であっても、先生はちゃんと評価してくれます。
また、それだけ苦しんだ経験は、必ず自分の中で学びとなって、見えない心と頭の奥深くで蓄積されていきます。

どれだけ面倒でも、盗用、剽窃を行うことで、その後の人生を台無しにしてしまうような、裁判沙汰にまで発展したくはないですよね。
大げさに聞こえるかもしれませんが、実際、過去にそういったもめごとに発展した事例もあります。

現代はネット社会ですから、中には、読書感想文やレポートをまるっきり書いて売り出しているような取引もありますが、安易に手を出すのはやめましょう。

また、最近はコピペに対抗して、剽窃を見抜けるツールも開発されています。
そうでなくても、文章を読むことに長けている先生にとっては、その生徒らしくない考え方や、文章だと、すぐにばれてしまいます。

ズルはしないで、頑張って自分の言葉で考えを書くようにしましょう。

レポートなのだからと箇条書きにするのはダメ

ときどきありがちなのが、レポートを報告書と間違えて、下記のように箇条書き風に書いてしまっているものです。

○○を見に行った。
素晴らしい点
・○○
・△△
残念な点
・◇◇
他の作品では、こんなところを見た。
同じ作者の展示は、ここにもある。

など、ひたすら事実と状況だけを箇条書きしていっているのです。

出題した側は、貴方の行動や、作品の良し悪しをレポートにして欲しいわけではありません。
事実や状況も大切ですが、必ず、それに対して貴方がどう思ったのか、そのため次に何をしたのか、あるいは思ったのかなど、感想部分や考えたことを入れるようにしましょう。

文章は短く、主語述語をはっきり書く

レポートは、報告書ではないので、自分の意見を書かなければなりません。
そのため、客観的な見方も含めた自分の考え方を、誰にでもわかるような簡単な文章で書く必要があります。
ひとりよがりのわかりにくい文章では、先生も読みづらく、せっかく書いても、高い評価にはつながりません。

例えば次のような文章では、一文が長くなりすぎ、言いたいことが伝わりづらくなっています。
素晴らしいと感じているのはわかるのですが、具体的に、何をどう素晴らしいと感じたかが不明です。

NG例
「私は、ピカソの、8歳で既にに素晴らしいデザインセンスを持ち合わせ突出した才能を覚醒させたが、キュビズムの時代にはモチーフを徹底的に分解し、素晴らしい抽象絵画を好んで描いたところに、興味を持った。」

これを、わかりやすく短い文章にまとめるなら、次のようになります。

OK例
「ピカソは8歳で突出したデザインセンスを持っていた。その後、さまざまな時代を経て、現代美術の元にもなるキュビズムを作り出した。私は、モチーフをバラバラに分解して新たに統合するという、ピカソの素晴らしいセンスに、興味を持った。」

このように、一文一文は短めにして、かつ具体的に誰が何をどうしたか、といった部分を書いていくと、より伝わりやすくなります。

誰にでもわかる文章ってどんなもの?

さて、主語、述語を入れれば良いとはいっても、誰にでもわかる文章と言われても、実際にはピンとこない人もいますよね。

レポートを書くあなたが中学生なら、国語で習ったような文法に気を付けながら、誰が何をどうした、と書いていけば、自然にわかりやすい文章になります。

例えば、このような絵を見に行ったとします。


書き出し部分では、このような感じです。

私は、絵画を描く時に、いつも水の表現の方法について難しさを感じている。
プロの描く水の表現は素晴らしいが、どうすればそれに近づけるのか、興味があった。
絵も版画も、作り方は違っても、どのような色を使っているのかを見て知ることができれば、表現を近づけられるかもしれないと思った。

そのため今回、笹倉鉄平さんの原画展が近くで開かれると聞いたので、主に水の表現がどのように描かれているのかを見るために行ってきた。

以上、いかがでしょうか。
特に難しい言葉は使っていないと思います。

高校生以上、大学生ともなると、ついつい難しい言い回しや、文学的な表現を多用してしまうこともあるかもしれません。
ですが、レポートの場合は、本を書くのとは違い、具体的な状況プラス自分の考えを交互に入れて行くようにして、雑誌や新聞で書かれているような、読者向けの読みやすい文章をイメージすると良いかもしれません。

もちろん、漢字も、使わなさすぎて平仮名だらけでは読みにくいですが、逆に漢字だらけでも読み手が疲れてしまい、イメージも伝わりづらくなります。

その点でいえば、インターネット上で一般の方々が書いている、ブログなどを参考にするのも良いでしょう。
ひたすら、誰かに読んでもらえる文章が書かれてあるので、その中の漢字や平仮名の配分などは参考になります。

ただ、うっかり顔文字、絵文字や、ネット用語などを入れてしまってはいけませんよ。
語りかけるような口調も、やめておいた方が良いです。
レポートでは、基本的に「です、ます調」ではなく「である調」で書きます。
(中学生の場合は「です、ます調」でもいいです。)

読ませる相手は、限定された先生ですので、語り掛ける必要はありません。
せっかくのレポートがダメになってしまいます。

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まとめ

美術に関するレポートでは、何かを鑑賞するという課題が出されることが多いかもしれません。
鑑賞する対象について、自分なりに調べ、あるいは説明を聞き、その結果自分がどう思ったか、今後の学びにどうつなげるか、などを書くのですが、単なる感想文でも報告書でもNGとなります。

まずは、出されている課題の意図を察して、テーマが既にあるならそれに従い、なければ自分で一つのテーマを作って予測したうえで鑑賞します。
その内容を詳しく、簡潔に記述したあと、自分の考えや、今までの考え方との相違点や、今後の自分の学びへの繋がりなどを書いていきます。

テーマを考えるうえでも、さまざまな見方ができるので、レイアウト、デザイン、時代、制作者の生きざま、後世の受け止め方など、自分の考えを伝えやすいものを選ぶようにしてみましょう。

そのうえで、丁寧にわかりやすくを心掛けて書けば、大抵は悪い点にはならないと思われます。
まずは、気軽に一通り書いてみて、読み直してみてください。
案外、あっさり簡単に、素晴らしいレポートができているかもしれませんよ。
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