夏はレジャーの機会やイベントも多く、賑やかな季節。
一年のうちでも夏が好きだという人は多いのではないでしょうか。
しかし、一方で、夏はむしむしと湿度が高くて苦手な人も。
高温多湿の日本の夏。
夏の湿気を少しでも快適にする方法を探してみました。
※こちらの記事も参考にしてみてください。
Contents
日本の気候
日本の気候は、東北を除いた本州のほとんどが温暖湿潤気候。
温暖湿潤気候とは、一年間を通しての気温の変化が激しく、モンスーン(季節風)があり、降水量の多い気候のこと。
特に、夏は高温で雨が多いのが特徴です。
実際、日本は年間365日中、100日は雨が降っているという観測データもあります。
特に、初夏の梅雨、夏の夕立・ゲリラ豪雨など、夏季の雨量が多くなっています。
東京都の「不快日」は年間30日以上!
このような気候の特徴から日本は湿気が高く、平均湿度は60%~70%。
同じように気温差の大きなオーストラリアのシドニーの夏の最高レベルの湿度が65%なので、いかに日本の夏は湿度が高いかわかると思います。
ちなみに湿度が75%を超える「不快日」は、東京都で年間30日以上。
日本は湿気の国なのです。
湿気によるトラブル
湿気の多い日本の夏。
当然、湿気によるトラブルもおこりがちです。
湿気は私たちの身の回りのあらゆるトラブルの原因となるのです。
住まいのトラブル
湿気による住まいのトラブルは、賃貸住宅のクレームでも上位に入ります。
住宅に湿気がこもると、カビの原因となります。
カーテン、壁紙、キッチンの棚、布団などで湿気によるカビのトラブルがよく発生します。
これらのカビ被害は、見た目を損ねるだけでなく、健康被害までもたらすのが恐ろしいですよね。
壁紙のはがれも湿気が原因で起こります。
湿気により、住宅そのものに大きなダメージが発生することもあります。
床下に湿気がこもると、基礎や床、柱が痛み、大規模な修繕が必要となります。
日常生活のトラブル
日常生活においては、湿度は食品のカビ、腐敗の原因になります。
災害に備えての食料の備蓄にも注意する必要があります。
害虫の発生
湿度が高いと、虫の活動がさかんになり、発生・増殖しやすくなります。
湿気により、蚊、イエダニ、ハエなど人間に健康被害をもたらす衛生害虫、住宅に被害をもたらすシロアリの発生のおそれがあります。
健康面のトラブル
湿度が高いと、熱中症になったり疲労感を感じやすくなったりします。
湿度によって発生したカビや害虫も健康被害の原因に。
さらに、インフルエンザウイルスをはじめ、多くのウイルスは乾燥に弱く湿度が高いと活発になります。
また、湿気の多いじめじめした日が続くと、イライラしたり落ち込みやすくなり心の健康まで損ねてしまいます。
湿気は心身の健康に大きな影響をあたえるのです。
湿気対策をしよう!
日本の夏は湿度が高いこと、そして湿度は日常生活や私たちの健康まで、さまざまなトラブルの原因になることがわかりましたね。
これらを解決するために、除湿対策をしましょう。
もっともお手軽な除湿対策といえば、除湿剤。
身近なドラッグストアで購入できて、設置するだけの物がほとんどですからね。
気になる箇所にあわせたピンポイントな製品もあります。
除湿剤の主原料
除湿剤にどのような成分が使われているのか、気になりますよね。
ドラッグストアなどで市販されている除湿剤に使用されているものの主原料となるのは、塩化カルシウムという物質です。
塩化カルシウムは潮解性(ちょうかいせい)という性質を持ちます。
これは、空気中に存在する水分を吸収して液状になるというもの。
つまり、除湿剤は塩化カルシウムの潮解性を利用し、水分を吸収することで除湿しているのです。
他にも、シリカゲルがよく使用されています。
表面に多数の細かい穴を持つ多孔質構造で、水分を吸着させて除湿します。
除湿剤の特徴
基本的に除湿剤は、空気中の水分を自身の中に吸収・吸着させて、周辺環境から湿気を取り除くものです。
つまり、一度にたくさん使えば、それだけ吸収・吸着される水分量が増えるということで、それだけ除湿効果があがります。
より効果的に使うためには、水分が集まりやすい場所に設置しましょう。
つまり、下の方に置いて使う方が良いということです。
除湿剤が向いているのは、ある程度の密閉空間。
こまめな空気の入れ替えが難しい物入れなどに、非常に有効です。
タンクタイプの除湿剤
もっとも一般的な除湿剤です。
プラスチックの容器に塩化カルシウムが入っていて、封を開けて設置して使用します。
除湿に対する即効性はありませんが、除湿する水分の総量は400g~550gと多量。
ゆっくり、たっぷり除湿するのが特徴で、密閉空間に向いています。
湿気を吸うと塩化カルシウムが液状化し、容器中に水分がたまっていきます。
容器は二層構造になっており水分は下に落ちてたまるため、常に塩化カルシウムの表面は空気中に露出し、水分を吸収できるようになっています。
容器にたまった水分の正体は、高濃度の高濃度の塩化カルシウム水溶液。
使用後にこの高濃度塩化カルシウム水溶液を廃棄する必要があり、やや面倒なのがマイナスポイント。
他のタイプの除湿剤と比較してコストパフォーマンスに優れています。
シートタイプの除湿剤
シート状になった除湿剤で、除湿したいものの下に敷いたり、棚などに敷き詰めて使用します。
押し入れ用、食器棚用など、用途にあわせて選べるサイズのバリエーションがあります。
塩化カルシウムをゲル化させたものやシリカゲルが使用されており、シリカゲルを使用したシートタイプ除湿剤の中には干して乾燥させることで何度も使えるものがあります。
ハンガータイプの除湿剤
洋服を収納するクローゼットに特化した除湿剤。
ハンガーに吊して使うタイプ、ハンガー一体型のタイプなどがあります。
即効性があり、スピーディーな除湿は開閉の多いクローゼット向き。
除湿する水分の総量は250gくらいが一般的なようです。
天然素材の除湿剤
ナチュラルな天然素材の除湿剤もあります。
代表的なのが、竹炭を原料とした除湿剤です。
竹炭の多孔性を利用して除湿します。
具体的な除湿対策
以上のことをふまえて、どこにどんな方法での除湿がむいているか、特に湿気がこもりやすい場所の具体的な除湿対策をまとめました。
クローゼット・押し入れには
密閉空間ですので、主にタンクタイプの除湿剤が向いています。
タンクタイプは吸い取る湿気の量が多いので、何度もとりかえなくて済むのが利点。
他にも、用途別に除湿剤を使い分けるとプラスアルファの利点があります。
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お布団などをしまう押し入れには、シートタイプを敷き詰めて使います。
押し入れサイズのものを選べば無駄なく簡単ですし、場所のロスがなくて済みます。
開け閉めの多い洋服のクローゼットには、ハンガータイプが便利です。
防虫効果のあるものもあります。
靴箱には、消臭効果がプラスされた除湿剤がおすすめです。
また、収納は詰めすぎず、隙間を作るようにしましょう。
すのこをひくと、物の下にも空気の通り道ができます。
食器棚には
食器棚も詰め込みすぎないようにします。
お皿をしまう前に、水分が残っていないかよく確認しましょう。
除湿剤は、シートタイプのものが向いています。
安全性により気を使うなら、竹炭など天然素材を使用した除湿剤もおすすめです。
床下には
床下には、ゼオライトなど多孔性の砂を使った調湿剤をしく、竹炭を除湿剤としてしく、防湿シートをしくなどの方法があります。
また、換気をよくするためには、床下換気扇を設置したり、場合によっては、側溝や暗渠を作って排水する必要があります。
日付メモがおすすめ
製品ごとに大まかな使用期間が記載されていると思いますが、これはあくまで一般的な目安にすぎません。
環境によっては湿度が高かったり、低かったりで、除湿剤の交換時期も変わってきます。
そこで、除湿剤に設置した日付をメモしておくことをおすすめします。
こうしておくと、その場所ではだいたいどれくらい除湿剤が持つのかが把握しやすくなり、交換時期や除湿剤の増減を考えるヒントになります。
さっそく湿気対策を!
日本の高温多湿はわかっているつもりでしたが、年間100日も雨が降り、東京都では30日も不快日があったなんておどろきでした。
具体的なデータにしてみると、改めて湿気が心配に・・・
今まで何気なく使っていた除湿剤ですが、性質を見極めて、効果的に取り入れていく必要があるなと思わされました。
さっそく、クローゼットの除湿剤の設置場所をチェックしてみようと思います。