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飛騨古川観光なら、ユネスコ無形文化財の古川祭
飛騨・古川への観光と言えば!国指定の重要無形民俗文化財であり、2016年にはユネスコの無形文化遺産にもなったことから注目度があがっている古川祭。
日本国内はもちろん、国際的にもその重要性が認められた古川祭の起源や歴史をご存じですか?
古川祭は岐阜県飛騨市の気多若宮神社の例大祭
その最も古い文献上の記録は、安永五年(1776年)、金亀台に祭り屋台が建設されたというもの。起こし太鼓については、天保二年(1831年)に定式として認められたというのが、文献に残る一番古い記録です。
しかし、祭りそのものはもっと古く、天正十七年(1685年)頃からはじまったということで、実に400年以上の歴史を誇ります。
元禄五年(1692年)に飛騨が天領となり、祭りは大きく盛んになっていきました。
やがて、祭り屋台や起し太鼓が登場して、現在のような勇壮さと優雅さを持った盛大な祭りになっていったのです。
飛騨 古川祭の特徴
古川祭の特徴は、動と静。
そして、三大行事です。
祭りの夜、祭りを知らせる太鼓の音が響きわたります。
太鼓と、太鼓を打ち鳴らす「太鼓打ち」の男達が乗った櫓めがけて、小さな付け太鼓が突っ込んできて、競り合いをする様子は荒々しく勇壮。まさに祭りの「動」の部分です。
日中の屋台行事はうってかわって、優雅で豪華絢爛。
飛騨の匠ならではのからくりや子供歌舞伎の舞台の付いた屋台(山車)、美しい装飾の屋台が九台並び、祭りは「静」の表情を見せます。
二日間、華々しく展開するのが御神輿行列。
先頭の走り太鼓、屋台の台名旗、警護役、雅楽・神楽などが連なる時代絵巻が祭りを彩ります。
このように、動と静の起こし太鼓と屋台行事。そして、祭りの中心となる御神事の御神輿行列の三大行事が古川祭を構成しています。
飛騨 古川祭開催スケジュール
古川祭の開催スケジュールは、毎年4月19日と20日の二日間。
「動」の太鼓:19日の夜に起こし太鼓が行われます。
「静」の屋台行事と御神輿行列:19日と20日の二日間に渡って繰り広げられます。
現在では4月19日、20日と決まっている古川祭ですが、古くは9月上~中旬頃のお祭りでした。
それが疫病の流行によって11月になるなどし、現在の日程で行われるようになったのは時代が下って1889年(明治22年)からだそうです。
飛騨 古川祭タイムスケジュール
さて、二日間のタイムスケジュールはどうなっているのでしょう。
初日の19日:
早朝から神社で御神事、お旅所まで御神輿行列があります。
8時からお旅所で屋台引き揃え、獅子舞やからくり、子供歌舞伎の奉納。
屋台曳き回しは19時頃まで。
夜の19時頃にはお旅所に太鼓が集合、20時半頃から起こし太鼓出発。
起こし太鼓の攻防は深夜まで続き、0時頃にお旅所へともどります。
二日目の20日:
20日も8時にお旅所に屋台引き揃え、獅子舞・からくり・子供歌舞伎奉納、屋台曳行があり、19時半には屋台曳き別れで屋台蔵へ帰着。
御神輿行列が気多若宮神社へ還り御神事が済むと、古川祭の二日間が終わります。
両日ともに8時から深夜まで盛り上がりを見せます。
どこに観に行けばいいの?古川祭のメイン会場はココ
古川祭のメインとなるスポットは二カ所あります。
取りあえずこの二カ所をおさえておきましょう。
●ひとつはこの祭りのお旅所
お旅所とは、神様が巡幸の途中で休む場所、または巡幸の目的地のこと。
古川祭のお旅所は、飛騨古川祭り会館です。
御神輿行列の御神輿はここに一泊します。
また、屋台引き揃え、起こし太鼓の集合もお旅所である飛騨古川祭り会館で行われます。
<飛騨古川祭り会館>
岐阜県飛騨市古川町壱之町14-5
●もうひとつは、気多若宮神社。
古川祭は気多若宮神社の例大祭です。
古川祭の御神事は19日早朝と20日夜、ここで行われます。
御神輿行列は19日の朝に気多若宮神社からお旅所へ向けてスタートし、20日の夜に帰ってきます。
<気多若宮神社>
岐阜県飛騨市古川町上気多1297
古川祭の見どころとは?
古川祭は動と静のコントラストが魅力だと言われています。
荒々しい「動」の起こし太鼓が19日の見どころ。
日中や20日は、雅やかな屋台行事の「静」が見どころ。
その「動」と「静」の対比を楽しむことこそが、古川祭ならではの醍醐味といえるでしょう。
飛騨 古川への関東からのアクセス
実際に古川祭を見に行きたい!と思ったら、まずはアクセスをチェックしましょう。関東エリアから飛騨市へ行くことを想定してみました。
●車で行く場合
自動車で関東エリアから飛騨市へ行くための所要時間は、渋滞などの道路状況により変わってきますが、平時で約5時間10分。
例えば都内からの場合、調布ICから中央・長野自動車道で松本ICまで約2時間30分→国道158号線・国道41号線で飛騨古川まで約2時間40分となります。
長時間のドライブとなりますので、余裕を持って出かけ、十分な休憩をとりながら移動しましょう。
●電車で行く場合
電車でのアクセスの主なルートは、新幹線利用で2パターンあります。
北陸新幹線かがやきで富山駅→JR特急ワイドビューひだで飛騨古川駅のパターン。
東海道新幹線のぞみで名古屋駅→JR特急ワイドビューひだで高山駅→高山本線で飛騨古川駅のパターン。
大宮方面からの利用ならかがやきルート、横浜方面からの利用ならのぞみルートがより便利でしょう。
どちらののルートで行っても所要時間はあまり変わらず、それぞれ約4時間20分です。
●ツアーでらくちん
個人でチケットやホテルを手配するのがおっくうな人や、スケジューリングが苦手な人には、ツアーがおすすめ。
ツアーなら、全ておまかせで古川祭の旅が楽しめますからね(^-^)
関東エリアから出ている古川祭の観覧ツアーは、ほとんどがバスツアーです。
出発は、都心(新宿・上野)、神奈川(町田・横浜)など。
ツアー費用は一泊二日間で二万円前後~。
バスやホテルのグレードで価格に幅があり、二泊三日の旅程でハイグレードクラスのツアーですと、八万円前後になります。
現地での会場アクセス
飛騨古川へついてからの会場へのアクセスもチェックしておきましょう。
●飛騨古川駅をスタート地点にする場合
電車の場合、飛騨古川駅が現地でのスタート地点になります。駅には飛騨市観光案内所が併設されているので、飛騨古川散策ガイドをもらうなどしましょう。
飛騨古川駅から古川祭のメインスポットとなるお旅所(飛騨古川まつり会館)へは、徒歩約5分、県道476号線沿いにあります。
気多若宮神社は駅の北側にあり、徒歩約21分ほど。飛騨古川まつり会館とは駅を挟んで反対方向にあるので注意しましょう。
●駐車場ってあるの?
自動車の場合、気になるのが駐車場です。古川祭開催時には、臨時の駐車場が数カ所設置されます。
これまでですと、祭り会場に近いところでは、駅の北側、古川小学校とアルプス薬品工業が臨時駐車場になっていました。少し離れていますが、古川中学校とトレーニングセンターにも臨時駐車場ができていました。
また、期間中の祭り会場は交通規制がしかれますので、車は入ることができません。
あらかじめ最新情報を飛騨古川駅にある飛騨市観光案内所で確認しておいた方がいいです。
翌日合わせて飛騨エリアの観光をしたいなら
お泊りでお出かけの場合、せっかくですから古川祭以外にも、ちょっと観光したいですよね。飛騨エリアをもっと楽しむための、プラスアルファの観光情報です。
「君の名は。」の街並みが観光スポットに
今、一番旬な飛騨観光といえば、大ヒットした映画「君の名は。」に登場する街並みめぐり。
「君の名は。」のヒロインが暮らす糸守町のモデルとなったのが飛騨市ということで、国内外から多くのファンが訪れています。
飛騨古川駅の北側跨線橋からの線路、気多若宮神社、飛騨市図書館、宮川落合バス停などが「君の名は。」の背景として登場しています。
古き良き飛騨古川の街を堪能
情緒溢れる飛騨古川の街を堪能できるのが、瀬戸川と白壁土蔵街。
街を流れる瀬戸川にそって500mほど続く白壁の土蔵街は、歴史と文化を感じさせてくれます。
飛騨の自然にふれて癒される
飛騨の自然を満喫するなら足を延ばして天生湿原へ。
飛騨と白川郷の間に、ミズバショウやニッコウキスゲが咲く湿原とブナ原生林が広がっていて、その貴重な自然の姿は「岐阜の宝もの」にも選ばれています。
日頃の疲れを癒す温泉も良いでしょう。
飛騨市内には、割石温泉、たんぼの湯をはじめ、いくつかの温泉施設があります。
現地のグルメは?
●飛騨牛
飛騨といえばなんといっても飛騨牛です!
飛騨へ来て、これを味わわない手はありません。
市内には多くの飛騨牛を食べさせるお店がありますが、もっとお手軽に飛騨牛を楽しむなら、飛騨牛の牛串や飛騨牛コロッケ、飛騨牛カレーがおすすめです。
●蕎麦
また、飛騨はその環境から蕎麦の名産地であり、秋にはそば祭りが開かれるほど蕎麦作りが盛んです。
冷涼な気候と澄んだ水で育った市内産の蕎麦粉で打った蕎麦も、見逃せない飛騨のグルメです。
●とらふぐ
意外なグルメは、飛騨のとらふぐ。
海産物であるとらふぐが飛騨のご当地グルメだなんて、不思議に思うかもしれません。ところが、飛騨海洋科学研究所が高級魚とらふぐの養殖に成功。北アルプスをのぞむ飛騨で新鮮なとらふぐが食べられるようになったのです!
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飛騨のとらふぐは、現在、市内12軒のお店や宿泊施設で味わうことができます。
●五平もち
注目の飛騨グルメは、「君の名は。」作中にも登場する五平もち。
五平もちとは、ご飯をつぶして串焼きにした郷土料理のことで、散策で小腹がすいた時にぴったりです。
お土産は何がいい?
旅の思い出に、飛騨古川のお土産はいかがでしょう。
●飛騨の伝統工芸
飛騨は古くからの匠の街です。
一位一刀彫り、春慶塗、和ろうそく、和紙をはじめ、街には多くの伝統工芸品のお店が並び、実際にその技を目にしながらお買い物を楽しむこともできます。
大ものになりますが、飛騨家具は、まさに一生もののお土産になるでしょう。
●飛騨の地酒
そして、飛騨はおいしいお酒ができる条件の揃った土地です。
酒造りに適した気候、米、水と、すぐれた杜氏の技から生まれた地酒をお土産にすれば、古川祭の余韻に浸る一献が自宅で楽しめるというわけですね(^-^)
まとめ
古川祭をご紹介してきました。
・開催日程:毎年4月19日と20日の二日間
・見どころ:荒々しい太鼓、雅やかな屋台行事の「動」と「静」のコントラスト
・観光スポット:「君の名は。」観光スポット、古き良き飛騨古川の街並み、飛騨の自然など
・グルメ:飛騨牛、お蕎麦、とらふぐ、五平餅など
・お土産:伝統工芸品、地酒など
関東にお住いの方は、行ったことがないという人もおおいでしょう。
「君の名は。」を観て、行ってみたい!という人も増えていると思います。どうせなら、もうすぐ開催される古川祭にあわせて行ってみてはいかがですか?
古き良き飛騨の街並みを観ながら、伝統的な祭りを堪能するのもいいですね。