過去に病院や医院などで受付などの医療事務を経験したことのある方が、子育ても一段落したし、再び働いてみたいと思われることは現代ではよくあることです。

または、今勤めている病院を辞めて、他の病院に勤めたいと思うこともあるでしょう。

 

そのような場合、求人広告を見たり、ハローワークで紹介されたりして面接予定日まで決まったら、その時には履歴書に職務経歴書をつけて出さなければなりません。

そのような際に職務経歴書にはどのようなことを書けばよいのだろうと思われる方も多いのではないでしょうか。

 

職務経歴書には、病院や医院で医療事務をする人に対して何を求めているのか、何をやってもらいたいのかなどに対して、上手くアピールするように記入していく必要があります。

そこで、医療事務を経験されている方が採用試験職務経歴書の書き方について調べてみました。

 

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医療事務経験者の職務経歴書とは

 

職務経歴書とは、採用する病院や医院が、採用候補者に対して、過去にどのような仕事を実際にしていたのかを書いて提出させ、採用の判断するためのものです。

候補者が求めるものに対応できるかどうかを、経歴によって判断するための材料にするのです。

就職を希望する病院に提出する職務履歴書は、病院や医院の採用担当者が職務経歴書を見て、この人にはこのくらいの仕事がまかせられるなと感じられるように書く必要があります。

 

例えば、結構大きな病院での医療事務経験の場合、業務が分かれており、一つの業務しかしていない人も多いと思います。

もしも職務経歴書には、狭い範囲の業務しかしていないと書いてあったら、どうなるでしょうか。

医院などで窓口業務から医療請求まで幅広く対応してもらえる人を雇いたいと思っている場合は、他に候補者がいれば不採用の箱に入れられてしまいます。

 

このように、これから勤めたいと思う病院、医院の状況を見ながら、職務経歴書の書き方を変える必要が出てきます。

資格の関係などで対応ができないことであれば、書くことは難しいですが、入ってから対応の効くようなことであれば、うまく自己アピールを書くことで印象が違ってきます。

 

上手に職務経歴書を書いて、採用担当者に印象をよくしてもらうようにしましょう。

 

医療事務経験者の職務経歴書の書き方のポイントと見本

 

医院や病院の採用担当者へのアピールの第一段階になりますので、丁寧に書くようにしてください。

 

面接の前に提出しておく場合、職務経歴書での印象が悪いと、面接では先入観を持たれてしまいます。

よい先入観ならよいのですが、最初からだめと決め付けられて面接を受けることほどつらいことはありません。

 

面接時に提出する場合も、面接でうまく話せなくても職務経歴書がカバーしてくれます。

 

医療関係の職務経歴書の書き方のポイントは、取得している資格やスキル、今まで勤務した医療機関の規模、職務内容をわかりやすく具体的に書くことです。

それに加えて、患者さんへの対応など、資格以外の自分の能力をアピールするようにしましょう。

 

職務経歴書に書くべき項目は、下のようなものです。

 

職務経歴

勤めていた病院・医院名と、そこで何をしていたか。診療科目や医院の規模も具体的に書きましょう。

 

職務要約(職務内容)

医療事務とだけ書くのではなく、受付・予約対応、レセプト業務、データ入力などなるべく具体的に書きましょう。

 

業務内容

職務内容をさらに詳しく具体的に書きます。

予約受付、レセプト入力、カルテ作成、カルテ出し、どのような医療用品の在庫点検と在庫管理表を作成したかなどを具体的に書いておきます。

 

保有資格

資格は取得年月を必ず入れてください。

 

自己PR

具体的に、職務経歴書の例文を見てみます。

 

職務経歴書 具体例

【職務経歴】

勤務先 :〇〇整形外科医院(個人医院)

勤務期間:〇〇〇〇年4月〜現在(在籍期間:5年)

雇用形態:正社員

診療科目:整形外科

医院規模:医師1名、看護師4名、受付2名

 

【職務要約】(職務内容)

医院における医療事務全般、受付、会計、医療用品の在庫管理など

 

【業務内容】

受付・電話対応

レジ管理

レセプト作成

カルテ作成

データ入力

薬品・医療用品(消耗品)の在庫管理

医療器具の滅菌

 

【保有資格】

  • 〇〇〇〇年〇月 普通自動車運転免許
  • 〇〇〇〇年〇月 Word検定
  • 〇〇〇〇年〇月 診療報酬請求事務能力認定試験
  • 〇〇〇〇年〇月 日本医療教育財団 メディカルクラーク(医科・歯科)

 

【自己PR】

診療に来られる患者さまの状態に応じたきめ細やかな対応を心かげてきました。整形外科医院の患者さまは、身体に痛みを覚えておられる方が多く、高齢の方や移動に不自由な方もいらっしゃいます。そこで、必要ならば患者さまの移動の手助けを行い、帰宅時のご家族やタクシー会社への連絡なども進んでいたしました。

痛みを覚えて病院に来られる患者さまやご家族にとっては、受付での感じよい応対は、安心感を得るために必須だと考えます。丁寧ではっきりした言葉遣いと、明るい笑顔、清潔感のある身だしなみにも気をつけてきました。

患者さまご本人やご家族の方の不安を少しでも軽くできるように、待ち時間の短縮化をはかるため、正確で迅速な事務処理をするようにしました。パソコン入力には自信があります。

医療保険制度、介護保険制度、病気や薬剤に関する基本的知識、医療報酬の点数と加算については進んで学び、業務に役立てるようにしました。

診療報酬改定時には、講習会に参加して最新の情報を得るように努めてきました。

今回、規模の大きい病院に勤務することで、今までの経験を生かしつつ、これまで以上に幅広い診療科目の知識を身につけて経験を積んでいきたく思い、転職を決めました。

地域医療の中核を担われる貴院で、職責を果たすことができるように努力を惜しまない所存です。よろしくお願いいたします。

(以上)

 

再就職を希望する場合は?

出産や育児などのために仕事を辞めたが、育児も一段落したので再就職をしたいときには、どうしたらよいでしょうか。

 

採用者側としては、ブランクが長い場合は新しい制度についての理解に不安があるはずです。

乳幼児がいる場合の保育態勢はどうなっているかについても、心配でしょう。

 

ですから、自己PR欄で、それらについて記入しておく方が望ましいでしょう。

ただ、「ブランクを埋める努力をする」ということは書きやすいですが、子どもに関しては、実際問題として保育所が決っていないことも多いですし、書くことでかえって採用者の不安を煽るようであれば、書かないほうがよいでしょう。

書かなくても、面接で質問されるのは確実ですから、どういう答え方をするかについては、よく考えておきましょう。

 

しかし、子どもがいるということは、決してマイナス要因とばかりは言えません。

患者さんやご家族に対する共感や思いやりの面で、独身者にはないものがあると、アピールできます。

 

職務経歴には前職を辞めた理由に「妊娠のため」「出産のため」などと書きましょう。

 

自己PRでは、ブランクを埋める努力を行う用意があることなども書きましょう。

 

【職務経歴】

勤務期間:〇〇〇〇年4月〜〇〇〇〇年3月

出産のために退職(在籍期間:6年)

 

【自己PR】

(前略)妊娠・出産を経験し、命の重みを改めて実感いたしました。医療の現場で、この経験を生かし、患者さまとご家族の不安を取り除けるように、尽力したしたいと思います。

子どもは保育所に預けますが、近所に実家があって協力を約束してくれています。

4年のブランクがありますが、制度の変更点などに適応するための最大限の努力を払う所存です。

 

医療事務経験者の職務経歴書における業務内容の書き方は?

職務経歴書においては、どこの医院もしくは病院にどれくらいの期間勤めていたかを詳しく記載する必要があります。

その際には、以前勤めていた医院や病院は正式名称で書き、病院や医院の規模がわかるようにしておきましょう。

 

スタッフの人数なども書き入れておくと、病院の大きさがイメージしやすくなります。

大きな病院の場合は、所属した診療科の人数も必要です。

 

また、診療科目は経験を見る上で重要なポイントになりますから、記入します。

特に歯科、眼科、耳鼻科などは特殊になりますから、具体的に書きましょう。

 

所属していた部署や雇用形態(パート・アルバイト・正社員など)も記入します。

職務内容は、これから採用される病院での仕事と同じ部分を強調して書きましょう。

なるべく具体的に、かつ対応できる範囲をなるべく広く書いておきましょう。

 

募集要項、必要資格欄などを見ますと、何を求められているかが見えてくるはずです。

まるっきり対応の効かない業務を求められているのであれば、応募そのものが難しいと思います。

 

しかし、経験がなくても、少し勉強すれば対応が効くような業務であれば、「以前行っていた業務に関連しているので対応できます」というように書いておけば、考えてもらえます。

 

経歴が複雑ならば読みやすい工夫を

今まで勤めた病院が1箇所だけなら、各項目を羅列するだけでもいいのですが、もしも、2箇所以上の病院に勤めた経験があるときや、一般の会社勤務を経て医療事務へ転職した場合などは、読む人が分かりやすいように、書き方に気をつけてください。

一般的には時系列で書きますが、もしも、一般企業→病院勤務のような流れで書いたら、経歴書の最初に医療に関係のない企業の名が出てきますので、必ずしも時系列でなくてもよいのです。

 

たとえば、《医療関係》と《その他》のように分けながら経歴を書いていくこともできますし、直近の職場が最初に示されるようにして、下にいくほど古い職歴になるようにすることもできます。

 

箇条書きでなく、文章で表わすのも分かりやすくする方法です。

 

(文例)

〇〇〇〇年〇月~〇〇〇〇年〇月(在籍3年)

△△医院(皮膚科:医師2名・看護師6名・受付3名)に、正社員として勤務。

医療事務全般を担当し、受付・会計及びレセプト作成、薬剤の在庫管理、カルテ整理などを行いました。

〇〇〇〇年〇月~現在(在籍4年6カ月)

□□クリニック(内科:医師1名・看護師4名・受付2名)に、非正規職員として勤務。

医療事務全般を担当し、受付・会計及びレセプト作成、診療補助、書類作成補助、カルテ整理などを行いました。

 

…というように勤務先ごとに文章でまとめると、勤務先がたくさんあっても読みやすくなります。

 

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医療事務経験者の職務経歴における保有資格の書き方は?

応募資格欄などを見て、どのような資格が求められているのかを確認しておきましょう。

求められている資格があるのであれば、強調してアピールできるように書いておきます。

 

ワードやエクセルなどのパソコン関係の資格や、事務処理能力に関わる資格なども書いておきます。

秘書検定・簿記の資格なども事務能力を示すものですから、印象はよくなります。

 

ただし、医療事務と関係のない資格は記載すべきではありません。

採用担当者から見て、他にやりたい仕事があるのではないかと疑われてしまいます。

あらぬ疑いを掛けられるくらいなら、書かない方がましですね。

 

運転免許は通勤手段に関係があるので書いておきましょう。

 

職務に関係ある資格取得のために現在勉強しているのであれば、そのことも書き加えましょう。

 

保有資格のない場合の書き方

該当する医療事務関連の資格を持っていない場合でも、過去に関連するような経験があるのであれば、積極的にアピールできるものを書き入れましょう。

例えば、PCスキルには自信があるとか、入力スピードは誰にも負けないなどはよい印象を与えます。

 

求められている資格がない場合でも、その他の医療事務関連の資格があるのであれば、それをしっかりと書いておいてください。

また、事務処理能力や受付としてのコミュニケーション能力などは武器になりますから、アピールできるように書き入れましょう。

 

医療事務経験者の職務経歴書での自己PRの仕方は?

医療事務でも中途採用の場合は、即戦力が求められています。

新卒のように、最初からすべて教えなくてもいいように、中途採用者を求めているのです。

 

即戦力とは、まず医院、病院であれば、医療事務の処理能力とヒューマンスキルになりますね。

職務経歴書でヒューマンスキルをアピールするのは難しいですが、「対人関係や窓口業務は得意です」などは書いておけば、印象に残ります。

 

また、職務経歴書がきちんと書かれているかどうかで、事務処理能力が判断されます。

いい加減なことしか書かれていない場合や、手書きでなぐり書きのような書き方の場合は、まず外されてしまいます。

その意味で、職務経歴書はパソコンのワードなどで作成するのがよいでしょう。

 

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ワードで理路整然と書かれてあれば、それだけでもかなり採用担当者にアピールすることができます。

逆に手書きには自信があると言う方の場合は、手書きもよいでしょう。

字のきれいな方はそれ自体が事務担当者としての能力のアピールになります。

 

前職を退職した理由や、転職したい理由に関しては、たとえ「人間関係のもつれ」「給料が不満」などであっても、そのまま書くのはいけません。

前職に対してマイナスなことを書くのは避ける方が賢明です。

「医療事務のスキルをさらに磨きたいと考えたため」「より幅広い業務のできる職場で成長したい」「資格取得のため」など、意欲を感じさせる理由がベストです。

 

どうしても書きにくい場合は「一身上の都合」という便利な言葉もありますが、面接でなぜ辞めたのか聞かれたら、上手に説明できるようにしてください。

 

医療事務経験者の職務経歴書の書き方で気をつけるべき点

用紙は?

よく売られている履歴書の職務経歴欄を使う場合がありますが、通常売られている履歴書の職務経歴欄のフォーマットには、ここまで細かく欄が設けられていることはほとんどありません。

3行ほどの職務経歴と備考欄と資格欄くらいになりますので、なかなか具体的に書き入れることは難しいと言えます。

ですから、自分で別紙に経歴書を作って添付するのが望ましいと言えます。

 

履歴書と同じ大きさの用紙、1~2枚を使って書き、クリップで履歴書とまとめておきます。

その時、ホチキスを使ってはいけません。

コピーをとることもありますから、外しやすいクリップでとめておきましょう。

 

手書き?パソコン?

 

事務能力、特にパソコンの能力のアピールになりますから、パソコンのワードなどで作りましょう。

その際には、項目として、職務経歴、職務内容、業務内容、資格、スキル、自己PRなどの欄を作って、丁寧に入力しましょう。

 

特にテンプレートにこだわる必要はありません。

ただ、字の綺麗さに自信のある人は、手書きで書くのも好印象を与えます。

字の美しさそのものは、立派な能力と認められるからです。

 

手書きの場合も、職務経歴、職務内容、業務内容、資格、スキル、自己PRなどの欄を作って、丁寧に書きましょう。

ただし、職務経歴書とともに提出する履歴書の方は手書きで書くのが一般的ですから、字の綺麗さはそこで十分アピールできます。

経歴書の方はパソコンスキルを知ってもらうために、パソコンで書くのがいいのではないでしょうか。

 

ビジネスマナーに照らし合わせる

職務経歴書はビジネス文書の一つですから、一般的なビジネスマナーに照らし合わせてOKであればよいのです。

たとえば、

  • 手書きの部分は黒のボールペンか万年筆を使う
  • 書類にはページ番号を打っておく
  • 書き間違ったら修正テープで消さずに書き直す
  • 適度に改行を入れて、読みやすくスッキリとさせる
  • 書類の終わりを示す「以上」を忘れない

というようなことです。

 

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まとめ

病院や医院で医療事務の経験のある方が、転職を希望するとき、または、再び働こうとする場合、まず、最初の段階で気になるのが職務経歴書の書き方です。

履歴書はほぼ書き方は決まっていますが、職務経歴書は特段の定型はありませんので、採用担当者が何を求めているのかを良く考えて書く必要があります。

 

おおぼらを吹いて入ってから苦労するのは別ですが、きちんと自分に出来ることを具体的に、丁寧に書き入れるようにしましょう。

面接の前段階になりますので、自己アピールをしてよい印象を持たれて面接を受けるようにしてください。

 

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