小学校の国語の授業から「作文」といえば必ずといって良いほど出てきた、なじみ深い原稿用紙。
文章を書く仕事など触れる機会のある人ではなくても、「ああ、あれね」と思い出せることでしょう。

しかしあの原稿用紙の「正しい使い方」を問われると・・・あれっ?
意外と知らない・忘れている原稿用紙の正しいルール、縦書き原稿用紙編!

 

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知ってるようで、実は知らない?原稿用紙の使い方

学校の作文では必ずと言っていいほど原稿用紙に書きますし、「400字詰め原稿用紙」などと言われれば何となくどんな用紙だったかくらいはイメージができるもの。

お子さんのいる人なら、このあいだ夏休みの宿題の読書感想文でうちの子が広げてたなぁ・・・といったこともありますよね。

それほどなじみがあるはずの原稿用紙には意外な落とし穴が。
「かぎかっこ」「記号」「数字」「英語(アルファベット)」に「句読点」。
実はあらためて聞くと「そうだっけ?!」とちょっとしたトリビアに遭遇したような感覚を覚えるようなルールもあるのです。

縦書き原稿用紙のルール

もう学生ではないし、そういえば就職活動のときに試験に作文があった会社もあったけど、もう使うこともない・・・と思っていたら、なんと昇進試験で「原稿用紙○枚で」といった指定のある課題が出された、なんてことも。

「小学校で習ったでしょ!」と言われれば確かにそうなんですが・・・。
昇進試験などであればなおさら、忘れてましたでは許されない?!原稿用紙の使い方をおさらい!

題名や氏名の書き方、段落の書き始め

小説の原稿などでは1枚目に題名と作家名だけを書き2枚目から本文が始まる・・・なんていうのもありますが、通常、作文ならば題名や氏名は1枚目の最初の行に書いてそのまま本文へ続きますね。

このときの題名の書き方は、行頭を2~3マス空けて書き始めます。
また氏名は2行目に下に詰めて書きますが、姓と名の間と名のあとは各1マス空けて書きます。

3行目からは本文が始まりますが、本文中の段落の書き始めは1マス空けて2マス目から書き始めます。

出典:読書感想文レシピ

 

頭とお尻が嫌いな「かぎかっこ」のルール

会話文などが出てくると必要になるかぎかっこ。
誰かの話したことの中にさらに別の人物が話したことが出てきた・・・となると出てくる二重かぎかっこ。
二重かぎかっこは引用中の会話文や書籍の名前などに対しても使用しますね。

このかぎかっこ、はじめに書く方を「開きかっこ」終わりに書く方を「閉じかっこ」と呼びます。
この開きかっこ・閉じかっこそれぞれに、見落としがちなルールがあるのです。

「お尻がきらい」な開きかっこのルール

行頭から始まる会話文での開きかっこでは、1文字として扱い段落のはじめでなければ1マス空ける必要もありませんし、一見とくに困ることはなさそうな開きかっこ。

しかし文章には”○○さんは「××です。」と言いました”のように、文章の中に会話文がはさまるようなことも出てきます。
きれいに原稿用紙の1行に収まっていてくれれば良いのですが、文字数の関係で原稿用紙の行末に来てしまった場合が問題です。

開きかっこを原稿用紙の行の最後のマスに書くのは実はNG。
こうなってしまう場合にはそれ以前の文章の文字数を調整するという方法もありますが、もっとも簡単な方法は「改行してしまうこと」。
会話文は会話文として、独立させてしまえば良いのです。

「頭がきらい」な閉じかっこのルール

行末に来てはいけない開きかっこでしたが、閉じかっこはと言えばこちらは「行頭に来てはいけない」というのがルール。
行頭に閉じかっこが来てしまうときは、原稿用紙の枠外に収めます。

また閉じかっこの場合には、会話文の終わりの句点と閉じかっこが連続で出て来ることがありますね。
これを句点と閉じかっこで1マスずつ使うのは実は間違い。
句点と閉じかっこが続く場合、1マスにまとめて書くのが正しいルールです。

数字の書き方には2種類のルール

縦書き原稿用紙の場合、数字は漢数字が基本です。
ただし、「2017年」など桁数の大きい数字を扱うときには算用数字で寝かせて書く場合もあり、算用数字で書くときは1マスに2文字ずつ入れます。

出典:読書感想文レシピ

 

 

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英語(アルファベット)は「単語か否か」

アルファベットは英単語の場合など通常は、数字と同じように1マスに2文字ずつ寝かせて書きます。
ただし略称などの大文字だけのものなどは、縦書きのまま1マスに1文字を入れます。

句読点と記号のルール

「、」や「。」の句読点は、記号と同じルールが適用されます。
その記号に含まれるものには中点(・)や長音(ー)などがありますが、そのほかにいわゆる小さいつ(促音)や「ゃゅょ」(拗音)があります。

これら句読点と記号に共通するルールとして、「1マスに書く」ということのほか、「行頭に書かない」というものがあります。
どうしても行頭に来てしまう場合には、閉じかっこと同じように原稿用紙の枠外に書きます。

多少微妙な問題をはらんでいるのが「っゃゅょ」の促音・拗音について。
これらは例えば小学校の授業でも

  • 行頭に来てもよい
  • 前の行の行末、最後の一文字と同じマスに入れる

と、良いとするか悪いとするか先生によって教え方が違うのだそう。

このどちらを取るかは迷うところですが、少なくとも字数制限があり決まった文字数で書かなければならない場合には1マスに複数の記号や文字を書いてはいけないという制約があります。
その場合には「行頭に来てもよい」を採用することになりますね。

そのほか、ちょっと変わったルールを持つ記号に「3点リーダー(…)」と「ダッシュ(―)」があります。

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これらはともに、1記号1マスでかつ「2マス続けて書く」のがルール。
たとえば3点リーダーなら「……」と2マスに6つの点が並ぶことになります。

原稿用紙の行末で1マス足りない!という場合はほかの記号と同じように改行せずに枠外に書きます。

 

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「そんなのあったっけ?」原稿用紙の使い方

知っているようで知らない、あるいは教わったはずなのにスッカリ忘れている、原稿用紙の使い方。

社会に出てからは文書を作成したとしてもパソコンでWORDなどを使うことがほとんどになってしまい、手書き、ましてや原稿用紙にという機会はなかなかなくなりますよね。

もう学生じゃないから要らない!
と言わず、あらためて調べてみるとちょっとおもしろい雑学でもありますよ。
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