大学生になったら必須の小論文。
公務員試験など、就活にも求められることのある小論文。
看護や医療の世界はもとより、最近では高校入試や大学入試にまで必要になってきている小論文。
「論文」ではなく、「小」がつくけど、一体何をどうやったらうまく書けるの?
小説でもなく、感想文でもなく、報告書でもない、「小論文」をまとめるにあたって、誰もがつまずきそうな部分を少し解説してみました。
ひとつひとつ当てはめていけば、わりと型がしっかりしているものですので、慣れれば簡単に書けます。
どのように文章にしていけば良いのか、例文を基に、一緒に考えてみましょう。
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Contents
そもそも小論文ってどんなもの?
小論文って、「論文」とついているので、だいたい想像できるとは思いますが、「何かについて論じている文章」ということです。
課題を出されるとき大きなテーマを掲げられているなら、それに沿った内容から一つだけテーマを絞り、結論を考え、その結論に至った過程を論理的に説明する文章です。
テストの課題等の800字くらいであれば、慣れてしまえば1時間もあれば充分に書けてしまいますので、それほど難しいことではありません。
型さえ覚えておけば、あとは言葉を考えれば良いだけですので、まずは次の手順に従って、一度は何かを書いてみてください。
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小論文はこうして完成する!
書き出しよりも、まずは結論と構成を考えよう!
小論文の課題は、多くの場合、ざっくりとしたテーマの中で、自分なりに論じてみなさい、と出題されます。
まずは自分でテーマ=タイトルを決め、そこから考えられる結論を決めます。
テストや就活で問題が出されたときもほぼ同様ですが、とりあえずここからは、大学の宿題で出されたと仮定して説明します。
仮に、保育を専攻していたとします。授業で習ったことの中からテーマを選び、小論文を書いてくるという課題が出されたとしましょう。
ここでは、例文として、次のタイトルを選んでみました。
そして同時に、テーマに対する結論も決めてしまいます。
テーマ=タイトル=「軽度発達障害の世間認知度が高まることは子供の幸せにつながるか」
副題=「ある知人の親子から学んだこと」
結論=「世間一般の認知度が高まれば、子供全員の幸せだけでなく、その家族の幸せにもつながる可能性が大きい」
ここで重要なのは、タイトルだけで、ある程度内容が想像できるかどうかです。
単純に「軽度発達障害とは」などと書いてしまうと、テーマが大きすぎるうえに、辞書を引けばわかる内容なのではないかと、マイナス面にとらえられがちです。
あなた個人が結論を出したものについて、具体的に疑問点がわかるようなタイトルをつけてみましょう。
副題はあってもなくても良いのですが、課題にテーマがある場合などは、自分ならではの副題を付けると、読みやすくなります。
とりあえずは「なぜなのか」を書いてみよう!
さて、テーマと結論が決まったら、次は、内容を考えます。
内容とは、その結論を出すに至った背景や、考え、理由です。
経験や、本で得た知識があればなお良いです。
ただし、言いたいことが多ければ多いほど、文章は書きづらくなってしまいます。
そこで、次のように、項目ごとに1〜2個ずつピックアップしていきます。
結論
「世間一般の認知度が高まれば、子供全員の幸せだけでなく、その家族の幸せにもつながる可能性が大きい」
↓なぜか
(結論に至った理由)
子供に合わせた対応ができる環境が整い、子供たち全体の発達にとって最適の環境になる。
↓なぜか
(その理由に行きついた前段階の理由)
軽度発達障害児は、障害を持たない子供と大差なく、障害児に合わせた環境作りは、普通の子の能力促進にも効果的だとわかってきている。
↓なぜか
(その理由を考えた背景・具体例)
知人の親子に話を聞いた経験
テレビで聞いてわかってきたこと
↓そのため
(以上から導いた結論を改めて言う)
結論
「世間一般の認知度が高まれば、子供全員の幸せだけでなく、その家族の幸せにもつながる可能性が大きい」
このように、結論に至った理由を逆追いで掘り下げていくと、なぜそのような考えに至ったかの筋道がわかりやすくなります。
構成が完成すればできたも同然!文字数に注意して肉付けをしよう!
例えば、今回結論に設定した例文は、何文字だかわかりますか?
「世間一般の認知度が高まれば、子供全員の幸せだけでなく、その家族の幸せにもつながる可能性が大きい」=47文字。
一文の文字数って、この長さならほぼ50文字前後になるのです。
文章の長さは、およそこのくらいで切っていった方が、読み手側にはわかりやすい文章となります。
そのため、目分量で良いので、一文をこの長さで留められるよう注意し、最低限の肉付けをしながら文章を作成していきます。
もちろん、書きながら増減はあってかまいません。
ざっくり予想ですので、多い文章も少ない文章も当然あります。
ただ、いちいち途中で文字数を気にしなくても、文章の数や長さでなんとなく把握できれば、このくらいで止めておこうかな、と考えられ、不要に文字が多くなって削る作業をしなくても良くなります。
文字数の設定が、〇〇文字以内と指定された場合は、最低でも8割、できれば9割以上を目指しましょう。800文字以内という指定があった場合は、最低でも640文字は書きましょう。800文字に近い字数ならなお良いです。
〇〇文字くらいでと指定された場合は、プラスマイナス1割前後に収めるのが理想的です。
800文字なら、720〜880文字ということになりますね。
また、作文時には、「である調」と、「です、ます調」が混じってしまわないよう、注意しましょう。
どちらかで書き始めたなら、最後までどちらかで通します。
一般的に、論文の場合は「である調」が採用されることが多いので、例文でも「である調」でまとめてみました。
完成した例文はこんな感じです!
題:「軽度発達障害の世間認知度が高まることは子供の幸せにつながるか」
副題:「ある知人の親子から学んだこと」
私は、保育を学ぶ中で、軽度発達障害の世間認知度が高まることは、本当に子供たちの幸せにつながるのか、疑問に思っていた。
結論から言うと、今は子供たちだけでなく、周りも含めて幸せにつながると思っている。
なぜなら、周りの理解ある環境が整えば、障害児は、のびのびと、普通の子供として大人になっていくことができるのだ。
また、環境を整える中で、障害を持たない子も、その能力を今よりも伸ばせるというデータもある。
軽度発達障害児は、その多くは知能には遅れが無く、ただ個々に感覚過敏や脳の特異性(究極の個性)による困難を抱えているだけで、いわゆる「普通」の子供と全く変わらない知性と感情を持っている。
私の知人に、軽度発達障害児を持つ母親がいるが、その親子と何時間か一緒にすごした中では、子供に障害があるようにはまったく感じなかった。
母親によると、数日一緒に生活すれば注意欠陥などによる違和感は感じるだろうし、家庭よりも集団生活の中では特に、目立つものがあるそうだ。
それでも、園の協力と、母親や周りの大人が、年齢ではなく発達に応じた子育てのノウハウを学んで対応をしたため、悪化することなくのびのびと安定して成長しているという。
ただ、その親子の通う障害児支援センターの友人の中には、園でも理解が得られず、苦しんでいる親子が多数いるらしい。
プロの保育士や先生でも、軽度発達障害の子供に対する偏見や誤解がまだ根強い人がいる。
一般人だとなおさらだ。
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しかし、障害児に合わせた環境作りを学校で行い、そのおかげで子供全体の集中力が増したという結果につながった例を、先日テレビで見た。
それを見て、苦しむ子供を疑問に思いつつどう接して良いかわからない周りにとっても、苦しんでいる子供自体も、発達障害がどんなもので、どう対処すれば良いかの認知が世間に広まれば、誰もが、今より幸せに生きていけるだろうと思った。
さまざまな異論はあると思うが、私は以上の考えから、世間認知度が高まれば、障害の有無を超えて、子供たちも周りの大人も今より幸せになれると考える。
(854文字)
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まとめ
小論文は難しそうに思えるのですが、型さえ理解できれば、あとはパターン通りに構成することで、わりと簡単に書けるようになります。
たった一つのテーマを決め、その結論を先に考え、それに基づいて文章を考えればよいのです。
型にはめて、結論の理由や背景を並べていくと、あっというまに数百字書けてしまいます。
高評価とまではいかないかもしれませんが、とりあえず「不可」という採点にはならないと思います。
2〜3回書くうちに慣れるものでもありますので、苦手意識を持つ前に、とりあえず自分なりに書いてみてくださいね。
気が付くと、小論文得意な人になっているかもしれませんよ!