ビジネスにおいて、失敗はつきものです。
でも顛末書を書けと言われても、ひな形や過去例がない会社では、どう書けば良いか迷いますよね。
ミスなくして成功はあり得ないのですが、どのようなミスがあったのか把握し、その経緯を元に反省し、次へのステップにする事ができなければ、改善や発展は見込めません。
そういった改善の余地を見極めるために、ビジネスの世界では始末書や報告書、顛末書と呼ばれるものが存在します。
その違いをしっかり把握したうえで、命じられた顛末書を書く場合のケース別で例文サンプルをご紹介してみます。
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※ 顛末書を書くことに!書き方や始末書との違いやコツを教えて!
Contents
まずは顛末書ってどんなもの?始末書や反省文との違いは?
「顛末書」を書けと言われた場合、大きな会社ならば、過去に作成された例文などが大抵はあります。
会社によっては、しっかりとした区別なく「始末書」「顛末書」「報告書」を混同しているような命じ方をされてしまう事があるようですが、本来は、少し意味合いが違っており、命じる側の意図は明確に分ける必要があるもののようです。
一般的に、「始末書」は反省や謝罪を含む、個人の意思が含まれ、企業側は、個人の反省度合いを見極めるために命じます。
「報告書」は、業務に関する報告を行う文書です。
一方、「顛末書」は、何か事故や過失が起こった場合などに淡々と経緯を客観的に記した文書になります。
顛末書に比べるとそこまで大きな扱いにはならない反省文は謝罪や反省の意味合いが強く、直属の上司が管理し社会的に扱われる物ではありませんが、必要な場合には会社に提出する可能性もある書類なので丁寧に作成しなければいけません。
「企業の労働問題解決ナビ」ホームページでの解説によると、
顛末書は、経緯の報告のみに留まる内容のものであって、始末書と異なり、労働者の反省、謝罪といった意思が含まれていません。そのため、顛末書の提出を強要したとしても、憲法上保証されている「思想・良心の自由」を侵害することはありません。
そのため、始末書の提出を拒否されたとしても、顛末書の限りで従業員に対して提出を命令し、強制することが可能となります。引用元: 企業の労働問題解決ナビ
このブログを読まれている方には、拒否するといった考えはないと思いますが、そういった違いもある、という事だけ知った上で、本来は、事の顛末、つまり経緯を客観的に記述していけば良い物なのだと思って良いでしょう。
ただし、会社によっては、そのあたりの意味を混同している所もあるようですので、命じられた人の求めている物がなんなのかによっては、少しだけ謝罪を意味する文章を追加する方が良い場合もあるようです。
その場合は、前文に含めるか、最後の再発防止に関する記述などに含めるかしましょう。
顛末書を書く場合には、まずは先輩に助言を求めるなり、過去に同様の顛末書がないか、調べておくなりしておきましょう。
意味を混同されがちな会社では、大抵の場合は、軽めの事故やミスの場合は顛末書で、重大になれば始末書を書かせる、といった使い分けをしているようですので、その場合は謝罪の言葉も入れておく方が無難になります。
どんな事態を引き起こしてしまった時に顛末書を書くの?
真面目に業務に取り組んでいるつもりでも、ついうっかりのミスが取返しのつかない事態にまで発展してしまった・・・というケースもあるかと思います。
では、具体的にどのような事が起きた時に顛末書を書くのでしょうか?
会社の印象を大きく傷付けてしまった場合
午前中に大切な会議や打ち合わせが予定されていたのに、目覚まし時計をセットするのを忘れてしまい大遅刻してしまった・・・。
社内のみの会議や打ち合わせももちろん重要ですが、もしその打ち合わせが取引先の方を含めての物であれば今後の取引を左右するとても重要な物だという事が想像できます。
もし、あなたが必要な資料を持っていたとして、欠席してしまったらどういう結果になるか、想像するだけで恐ろしいですね・・・。
こうした大切な場面で遅刻をしてしまった場合には再発防止の意味を込めて顛末書を作成する場合があるようです。
他には商品の不具合やサービスに不備があり会社のイメージをダウンさせてしまった。
会社の許可なく社名を使用した、顧客や取引先に迷惑をかけてしまった、会社の周辺住民の迷惑になるような行為をしてしまった場合等があるようです。
会社に金銭的損害を与えてしまった場合
携帯電話を落として破損してしまった等、会社からの貸与品を壊してしまったり、備品を移動中に不具合を起こしてしまう等、うっかり破損してしまった時にも場合によっては顛末書を作成する必要があるようです。
この他には金銭を紛失してしまった、交通事故を起こしてしまった、納品と在庫のデータが合わなかった、帳簿の内容が一致しないなど直接的に金銭に関わらない場合も当てはまります。
ルール違反を犯してしまった場合
就業規則を違反してしまった場合や、一般常識から明らかに逸脱した行為、法律違反を犯してしまった場合には顛末書や始末書を求められる場合があります。
内容によっては顛末書や始末書の提出をせずに解雇処分になる場合もあります。
顛末書を書くためには何が必要?
顛末書はビジネス文書なのですから、当然、ある程度決まった様式があります。
パソコン等で作成したうえで、署名は自筆で書き、捺印をするか、手書きで書いてもかまいません。
文書作成の基本である、作成年月日を右上に書き、「顛末書」という文書名を次の行の真ん中に書き、次の行左詰めで宛先(上司の名前や会社名)を書き、次の行の右詰めで所属部署名や署名、捺印を入れる部分はしっかり入れておきましょう。
その次の部分からが、自由記述部分になります。
基本的には、最初に概略を前文として書き、必要であれば謝罪の言葉を入れ、「下記の通り説明する」事を書きます。
その後何があったのか、事の経緯を「記」と書いた後や数字で項目分けするなどして、時系列で記述し、5W1Hのビジネスの基本にのっとり、誰が、いつ、どこで、どんな事があり、どうしたか、なぜなのか、などを書いていきます。
そして、場合によっては今後の解決策や再発防止策も入れます。
顛末書の書き方 手書きとパソコンどっちがいいの?
顛末書は仕事をしていく上で起こってしまったミスやトラブルを報告し、今後どのようにしたら良いのか対策を講じるという目的で作成されます。
顛末書を手書きで書くことのメリットは読む相手に人間味を感じてもらえるという点です。
心を込めて完結に丁寧に作成する事で誠意と反省の気持ちを相手に伝えることができますが、清書に時間がかかってしまう点はデメリットかもしれませんし、自分の字に自信にない方には逆にプレッシャーに感じてしまうかもしれません。
誤字だからと修正テープを使ったりするのも印象が悪いですし、手書きで完結に顛末書を完成させるというのは労力がかかると言えるでしょう。
誤字でもすぐに修正ができて、字に自信がない方でも抵抗なく作成する事ができるパソコンでの顛末書は見た目もきれいに仕上がりますが、顛末書を提出するのが年輩の上司の場合には誠意が足りないと感じられる場合もあるようです。
会社によっては顛末書と始末書を混同している所もありますし、そもそも顛末書は手書きで作例するのが社内規則になっている場合もあるので会社の前例などを参考にして作成したり、上司に尋ねてみるのが良いかもしれません。
顛末書は縦書きでも問題ないの?使う便せんはどんな物が良い?
顛末書を作成する場合、特に社内規則で決まりがなければ縦書き・横書きどちらでも良いとされていますが、もし手書きで顛末書を作成する場合には国語の教科書のように縦書きで作成する事をオススメします。
もしも横書きの原稿用紙を使うように言われたら、意外としらない横書きルールは調べておきましょう。
⇒ 意外と知らない横書き原稿用紙ルール!記号や数字の書き方知ってる?
そして完成した顛末書ですが、封筒に入れずにそのまま提出するのは印象がよくありません。誠実さと反省している気持ちを相手に伝える為にも、便せんにあったサイズの封筒を用意して三つ折りにして提出するようにしましょう。
事例によってはどのように書くか迷う部分でもありますので、以下に事例別のサンプルが置いてある所をご紹介します。
顛末書の作成で注意するポイントとは?
どうして顛末書を書くのか?考えると見えてくるポイントは「起こしてしまった過ちを繰り返さないため」です。
起こった事実をありのまま、丁寧に記載してトラブルを再発させないためにどうしたらいいか?その為に何をしたらいいのか?を具体的に書く必要があります。
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※ 会社でミス、始末書を書くにあたりテンプレートがあれば・・・
基本的な例文
交通事故を起こしてしまった時の顛末書の書き方
再発防止策などを最後に入れる例です。交通事故を起こしてしまった時の顛末書の書き方には「5W1Hを明確に記載する」「客観的事実を詳細に丁寧に記載し、主観的な表現や言い訳は記載しない」という2つのポイントに注意する事が必要です。
「5W1H」を意識して作成することで交通事故の内容を漏れがなく、詳細に記載して誰が読んでもわかるような内容の顛末書を作成する事が可能です。
もらい事故のように自分の過失がほとんどないような時にはつい、言い訳をしてしまいたくなる物ですが、顛末書は報告を目的とするものなので個人の意見は必要がありません。
客観的に起こったことをありのままに記載するようにしましょう。
ミスなど、失敗時の顛末書の例文
何が原因なのかを詳しい経緯で説明しています。
顛末書や理由書はトラブルが起こってしまった経緯、原因を明らかにして再発防止に取り組む事が目的です。
まずは起こった事実をありのまま記載していきます。トラブルが起こった日時・場所・トラブルの当事者・当事者が実際に行った事と怠ってしまった点・トラブルの結果どのような損害が起きたかを客観的に記載していきます。
顛末書はあくまで客観的に記載する事が重要になってくるので、関係者の証言や残っている資料などを基にして正確に記載していきます。
次に、トラブルを具体的に記載していきますが、言い訳などは書かずに事実のみを正確に記載していきます。
最後に反省の言葉と、今後どのようにしたらいいのか対策や課題を書いていく必要があります。
言い訳は一切書かずに、再発防止策を記載する場合には実際に実行に移していることで相手の心証も良くなるでしょう。
商品、またはサービスに不備や不具合があった時の顛末書の例文
こちらも、今後の対策が必須となります。
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何かを紛失した場合の例文
鍵や携帯電話、社員証などは持ち出す機会も多いので紛失しやすい職場の備品といえそうです。
もちろん、備品の紛失はあってはならない物なのですが施錠の責任者や小さな職場などで社員全員が鍵を持っていたりする場合は通勤途中などで紛失する可能性が高いといえます。
また、通勤の途中でカバンの盗難にあい、中の鍵も戻ってこなかった・・・という可能性もないとは言えません。
このような場合にもいつ、どこで紛失してしまって、今後の対処はどのようにしているか「5W1H」を使って詳細、完結に記載して最後に反省の言葉を述べます。
顛末書はあくまでも起こってしまった状況をありのまま報告する物なので謝罪は必要ないと言われていますが、会社の備品を紛失してしまった今回のケースは社内に大きな迷惑をかけているので冒頭部分に謝罪の文章を入れるのも良いと言われています。
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顛末書は提出期限を忘れずに速やかに提出しよう
ミスや問題を起こしてしまった際に作成する顛末書は、業務命令として提出するものです。
顛末書を出すよう指示された場合には提出期限を伝えられる場合が多いですが、具体的な期限を指定されていない場合でも迅速に作成を済ませて提出することが重要です。
どのような場合でも謙虚さは必要ですが、自分がなんらかの失敗を犯して、あるいはどうしようもない事故だったとしても、会社に大なり小なり迷惑をかけた場合は、特に謙虚さが求められます。
顛末書では、事の経緯を時系列に沿って詳細に、かつ簡潔にわかりやすい文章で短めに書く必要があります。
淡々と経緯を書くのですが、最後や前文など、どこかには、お詫びの気持ちや謝罪を入れる場合もあります。
ついつい、言い訳や自分を擁護するような言葉を入れそうになるのですが、そこは省き、謙虚に、起こった事実を受け止め、客観的にどう見えたのかという視点で書き、その後再発防止にはどうすれば良いのかを考えて書きます。
ネットで少し検索すれば、例文集はたくさん出てきますが、そのまんまコピーして書くのではなく、ぜひ、ご自分の言葉に置き換え、会社内や、場合によっては社外に説明でき、納得してもらえるような文章にしてください。
それにより、今後の貴方の評価が変わってくると思います。
ミスや失敗を乗り越えて、次に大きく成長できれば、それは会社の大きな前進にもなりますので、くよくよせず、次にどうすれば良いかを考えてみてくださいね。
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