ストレスで網膜剥離?

人の目はものを見ると、それが眼球奥の網膜で像を結び、そこから視神経を通って見たものを感知します。この網膜が、加齢や物理的なショックなどの原因で剥がれてくると、そこに正常な像を結べなくなり、ものが歪んで見えたり、視界が狭くなったりして、ひどくなると失明の危険性も出て来ます。この網膜が剥がれている状態を網膜剥離と呼びます。

ストレスは万病の元です。とは言え、ストレスのみで発症する病気は心身症、精神病などの心の病で、その場合には肉体的な検査をしても、どこにも異常が見つけられません。一方、肉体的な疾患がはっきりと認められる病気の場合には別な原因があって、ストレスがその原因から病気になるのを早めている、というのが普通です。

網膜剥離は明らかに肉体的な疾患です。そのような症状が、ストレスだけの原因で起きるものなのでしょうか。Yahooの知恵袋にこれに関したやり取りがあったので、それを紹介しましょう。

ストレスが原因で網膜剥離になる場合もありますか?

この質問のベストアンサーは、こうでした。

強度近視の人で、過度のストレスが溜まると網膜剥離を引き起こすことはあります。実際に私の後輩がなりました。

強度近視の人はもともと網膜剥離になりやすい眼球の形をしているので、若年層でも網膜剥離の予防に気をつけなければなりません。この回答者の後輩さんは、ストレスによって、強度近視が原因の網膜剥離になるのが早まったのでしょう。もうひとつ別な例を紹介しましょう。

網膜剥離ってストレスでなるものなんですか?
友人Aの義母がこの病気になりました。義父に「Aのせいでこの病気になった」と言われています。 旦那さんもご両親と同意見です。

Aは少し前から義両親や旦那さんとうまくいかず、子供のことなど心労が絶えず うつになっています。

とても心配です。

この病気に詳しい方や客観的にみた皆様の意見など聞かせていただきたいです。よろしくお願いします。

この質問のベストアンサーは下記です。

ストレスは、精神疲労、肉体疲労の原因になる

精神疲労、肉体疲労は、肉体の老化を促進させる

肉体の老化=目の老化で、眼が老化するとものが見えにくくなったり、その他、網膜剥離などの病気にもなりやすくなる(要は、お年寄りが色々な病気になりやすいのは老化のせい、というだけのこと)

ストレスで網膜剥離になる可能性としたら、これくらいでしょうか…眼精疲労(眼の使いすぎ)ならまだわかりますが、はっきりいって、無理矢理こじつけてるとしか思えませんね…

このように、ストレスが原因のように見えても、実は他の原因があり、ストレスはその原因から結果に行くプロセスを早めているだけに過ぎないように思えます。

ところが、ある芸能人が網膜剥離になった原因が、それこそストレスしか考えられない、という実例があるのです。そちらを紹介する前にまず、網膜剥離の症状と原因について概説しましょう。

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網膜剥離の前兆・症状・原因

まずは、これから出てくる用語が目のどこを指しているか分かるように、図を用意しました。


網膜は目に見えたものを像として結ぶところですが、その中央に位置するのが黄斑です。黄斑は黄色の細胞でできているため、こう呼ばれています。この黄斑を中心として、網膜は直径40mmくらいの広さに広がっています。網膜には、見えたものを視神経に伝えるための視細胞がありますが、これは直径1.5mm~2mm程度の黄斑部分に集まっていて、周囲に行けば行くほどまばらになっています。そのため、黄斑から外れたところに結ばれた像は、ぼやけたものとしてしか認識できません。

網膜には痛点がないため、剥がれてきても痛みを感じません。また、剥がれたのが周辺部だと、まず自分で気づくのは無理でしょう。しかしこれをほっておくと、だんだんと剥離部分が広がっていき、いずれ黄斑まで剥がれ、失明することになります。

網膜剥離には、網膜にできた裂孔(れっこう、亀裂・孔などの裂け目)から起きる裂孔原性網膜剥離(れっこうげんせいもうまくはくり)と、そうではない非裂孔原性網膜剥離とに分かれます。裂孔原性網膜剥離では、裂孔ができたときに出血したりして、飛蚊症(ひぶんしょう)という症状が激しく出ます。飛蚊症は虫が四方八方に飛んでいるように見えたり、視野の所々が霞んだりする症状です。これとは別に、硝子体(しょうしたい)の劣化による飛蚊症もあります。ただ、この場合でもいずれは網膜剥離になる可能性があるので、この症状が出たら眼科で検査してもらった方が良いです。

硝子体は劣化してくると、形が変形してきて、網膜と本来はくっついている部分が剥がれようとしてきます。この際、網膜との癒着が激しいと、そこから離れようとして網膜を引っ張り、稲妻のような光が見える光視症(こうししょう)が現れます。

網膜剥離が実際に起きて、それが黄斑部まで進行してくると、視野が狭くなる視野狭窄(しやきょうさく)が起きたり、視力が突然極端に落ちたりします。この症状になったらもう、一日でも早く病院に行かないと失明の恐れがあります。

裂孔原性網膜剥離の原因としては、老化およびその他の原因による硝子体の劣化、ショックによる網膜の損傷、強度の近視による網膜への負担が挙げられます。非裂孔原性網膜剥離の場合は、糖尿病網膜症やぶどう膜炎などの一部の病気が原因となります。では、ストレスが原因で網膜剥離になったと言われる人の例を紹介しましょう。

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中川パラダイスさんの網膜剥離


「THE MANZAI 2013」王者・ウーマンラッシュアワーの中川パラダイスさんが、2014年に網膜剥離の手術をしました。彼は当時32歳。近視ではありません。特に病気もしていません。頭や目に物理的なショックを受けた覚えもない。それでも網膜剥離になったのです。しかもかなり進んだ状態になっていたため、一度の手術ではうまく行かずに再発し、2015年に再手術を受けています。その後に受けたインタビューから彼の言葉を抜粋しましょう。

“今考えると最初の診断を受ける1カ月くらい前から見え方がおかしかった。徹夜をしてから外に出て太陽を浴びると、目の奥が痛かった。それから2週間後には、カメラのフラッシュのようなピカッとした光が視野の右上にちらつくようにもなりました。”

“さらに悪化して、今度は視野の右上3割くらいが真っ暗になった。

さすがに病院で診てもらおうとマネジャーに相談すると、「スケジュールが詰まっているので1週間待ってください」と言われた。そうして結局1週間は普通に仕事を続け、入院直前には、3割だった暗さが7割にまで広がっていました。”

光視症と視野狭窄が起きていて、かなり危ない状態だったようです。光視症は過労や睡眠不足でも起こります。しかしそういった光視症が、網膜剥離に発展することは考えられません。となると、彼の光視症は硝子体が網膜を引っ張って起きていたと想像されます。さて、一体何が彼の硝子体をそうさせたのでしょう。

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結局分からない…

ストレスが大きくなると活性酸素が大量に発生するようになり、硝子体の組織を変質させると言われています。ただこの場合には飛蚊症が起きます。一方、中川パラダイスさんの例では、インタビューを見る限り飛蚊症は起きていません。

スマホやパソコンの見すぎで疲れると、硝子体が劣化するのでしょうか。確かにそれはあり得ますが、その場合にもやはり飛蚊症が最初に出ます。もしかしたらコンタクトが合わないとか、重度の花粉症とかが原因で、一日に何度も目をこすり、その刺激から網膜剥離になった? これはあり得なくはないですが、彼に聞かない限り真相は分かりません。

結局、中川パラダイスさんが網膜剥離になった原因は分かりません。それが分からない以上、ストレスが原因だったのでは、と言われても反論できません。ただ、一般的にはそんなことはないと言っていいでしょう。ストレスは、他の原因から網膜剥離になるのを早めるだけです。とは言え、ストレスはすべての病気の遠因となるので、みなさん、溜めないようにしましょう!

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