文字の書きすぎ、パソコンの打ちすぎなど手を動かす機会が多いと急に腱鞘炎かも?と思うような痛みを生じることがありますよね。そんなことで腱鞘炎になるの?!と思う人もいるかもしれませんが、うちの母はwiiリモコンの振りすぎで手首が腱鞘炎になってしまい、おかして笑ってしまったことを覚えています。
様々なことから起こり得る腱鞘炎ですが、一度なると癖がついてしまいなりやすくなると言いますよね。腱鞘炎になってしまったときに毎回整骨院に行くのかと言われれば、忙しくてそんなことはできないという人がいるのも現実です。では手首が腱鞘炎になってしまったときに自分でできる対処法はどのようなものがあるのでしょうか?
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Contents
腱鞘炎の基礎知識
腱鞘炎とは
関節は筋肉を動かして可動させています。筋肉は伸縮性と弾力性が抜群にいいですが、そのまま硬い骨と接合するには柔らかすぎるため、その筋肉と骨を腱で繋いでいます。
腱鞘とは腱の鞘(さや)と書くとおり腱にとって鞘のような構造をしていて、中の滑液で腱のすべりをなめらかにしています。腱鞘炎はこの腱鞘が炎症を起こして腱のすべりが悪くなり、擦れて痛んだり、曲がらなくなったりといった状態のことを言います。
腱鞘炎は正式名称「狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)」と言います。
狭窄性腱鞘炎として代表的なものが、ドケルバン病とマウス症候群(パソコン腱鞘炎)、ばね指(弾発指)などです。ドケルバン病は手首の親指側の腱鞘に炎症が起きる腱鞘炎のことで、マウス症候群は手首の小指側の腱鞘に炎症が起きる腱鞘炎、ばね指は指の曲げ伸ばしに支障が出る指の腱鞘炎です。
腱鞘炎となる原因
腱鞘炎の原因は一般的には手首や指の使い過ぎによるものだと言われています。腱と腱鞘の摩擦が短時間に集中することで、腱鞘に炎症が生じてしまいます。一時だけ使いすぎたことにより生じた場合はしばらく安静にしていればすぐに治りますが、それを繰り返すうちに悪化し慢性化してしまいます。一度慢性化してしまうと、今度は途端に治りにくくなってしまい、10年以上腱鞘炎が治らない人も存在しているようです。
腱鞘炎になりやすい人
下記に当てはまる人は比較的腱鞘炎になりやすいとされています。
- 日々デスクワークでタイピングあるいはマウス使用で手首と指を酷使している人
- 学生など極端に書き物が多い人
- 育児中や保育士などで赤ちゃんを長時間抱っこする人
- 楽器演奏者、テニスや野球などの手首を使うスポーツをする人
その他でも日常的に手首や指先を多く使う人には腱鞘炎が多く見られています。
腱鞘炎は原因となる手首や指の酷使をしない事が最大の予防となります。しかし特に仕事上などでどうしても避けることができないという人がほとんどだと思います。極力ストレッチやマッサージをまめに行い周辺の筋肉の疲れをほぐしながら、予防を行うことが必要になります。
それでは次に実際になってしまったときに自分でできる対処法と腱鞘炎の予防法を見ていきましょう。
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自分でできる腱鞘炎の対処法
患部を冷やす
腱鞘炎の発症初期症状として患部が熱を持つことがあります。その場合は、炎症を和らげるために患部を冷やすことで早期回復に効果的です。氷嚢やビニールに氷を入れ、タオルで覆った状態で患部に当てます。当てる時間は炎症具合と個人の感覚によって異なりますが、大事なのは患部の「感覚がなくなる状態」でまで冷やすということです。
このときに気を付けたいのが30分以上連続して冷やさないことです。凍傷の原因にもなってしまうため、適切な時間で冷やし、早期回復に繋げたいところです。
患部を固定する
炎症が起きている時に患部を動かすと、痛みが出やすく、場合によっては症状が悪化することもあります。患部を固定して動く範囲を少なくすることで、負担を軽減させてあげる必要があります。主な固定方法はサポーターを使用するか、テーピングにより固定します。
動きを制限することで炎症の進行を防ぐことはできますが、固定することで痛みが改善するわけではありませんので、できるだけ安静にするようにしてくださいね。
患部を温める
先ほど患部を冷やすとお話ししましたが、患部の痛みが治まってきたら、冷やすのではなく温めるケアに切り替えます。これは、温めることによって患部周辺の血行が促進され、患部の新陳代謝が良くなって組織が早く修復されるようになるためです。
急性期を過ぎてから冷やすと、患部の血行が滞るために新陳代謝が悪くなったり、周辺の筋肉が硬くなって患部の神経を圧迫し痛みがぶり返したりするので逆効果です。
患部を温める際には使い捨てカイロを当てたり、サポーターをの上から手袋で保護するなどが有効です。
予防にもなる!腱鞘炎のストレッチ
腱鞘炎の治療中は安静が必要なのですが、長期間固定していると血行が悪くなって周辺の筋肉が固まってしまい、かえって回復が遅れてしまいます。そのため患部の血行を促進させるため無理のない程度のストレッチを行なうのがおすすめです。
腕、手首、指のストレッチはすでに発症してしまった腱鞘炎の回復を促進するだけでなく、手を酷使する人の腱鞘炎を予防する効果もあります。
・手首のストレッチのやり方1
- 腱鞘炎の方の腕を伸ばす
- 手首を内側に曲げて10秒間、その反対に曲げて10秒間キープする
- 2を5回繰り返す
・手首のストレッチのやり方2
- 腱鞘炎の方の腕の肘から手首までを机の上に乗せ、手のひらは机に伏せておく
- もう片方の手で1の指先をつかみ、手の甲側に持ち上げる
- そのまま静かに手首を反らせた状態で10秒くらいキープする
- もう片方の手にも1~3を行なう
どちらも手首が温まっている状態や、入浴後などで血行がよくなっているときにやることで更に効果が期待できます。
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最終手段として鎮痛剤を服用する
仕事の最中などに痛みが出てしまい、病院に行きたいけれども、今すぐには行くことができないという場合に病院に行くまでの間に痛みを抑える方法として、鎮痛剤を服用する方法があります。鎮痛剤は市販のもので構いません。
これを服用することで、一時的に痛みが和らげることができ、症状が浅ければ回復も見込めます。しかし、鎮痛剤は飲む回数が増えていくと鎮痛作用が弱くなる上、直接症状の改善をするものではありません。服用する際はそれらのことを頭に入れ、どうしても必要なときだけにするようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?人は普段から手を使うことが多く、たくさんの人が腱鞘炎に悩まされていますよね。特に上記で述べたような腱鞘炎になりやすい日常を送っている方では、腱鞘炎にならないよう、日々から手首のストレッチを行うことをおすすめします。腱鞘炎は耐えれば治る症状でもありますが、頻繁になるようでしたら医者に診てもらい、再発防止に努めましょう。
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