看護に携わる学生にとって、実習は欠かせない学習の場です。
でも、その時の評価の対象となる「レポート」は、どう書けばよいかわからないと悩む人も多いようです。

看護学校一年生です。
初めて基礎実習に行ってきました。
課題レポートというものがあってそれの書き方が全くわかりません。
原稿用紙4枚で、1450文字以上です。
まず、なにから書き始めたら良いでしょうか。
学校の指示は、目標を理解してそれに沿って書けって感じです。
引用元:YAHOO知恵袋より

こんな風に、書き方を教えて!と切望している人むけに、何をどうすれば上手に書けるのか、また逆に、どんなものだと不可とされてしまうのかを、ご紹介します。

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レポートってどんなもの?

そもそも、「レポート」って、聞きなじみがある人も、そうでない人もいますよね。
高校生までは、レポートを求められる場面ってあまりないでしょう。
でも、専門学校や短大、大学などに上がると、とたんにレポートだらけの毎日です。
どんな教科でも、評価をテストの代わりにレポートで行ったり、宿題でレポートの提出を要求されたりします。

レポートは、論文ほど長くもないので、「小論文」なんて言い方もされる事から紛らわしいのですが、ざっくりと、報告書ほどは客観的ではない、「主観的な感想文寄りの報告書」とでも言えばわかりやすいでしょうか。

主観的な、つまり、自分の思いや考えをテーマに沿って書いていき、結論をまとめて報告する、といった感じになります。

かといって、読書感想文のような、ただただ感想を書けば良いわけではありません。
「テーマに沿って」新たな自分の考え方や学びを見つけ、どういった過程でそうなったか、を詳しく説明しなくては、「報告する事」、つまり先生や他人に自分の思いを正しく伝える事ができないのです。

学校によっては、あらかじめ課題やテーマが決められ、こういったことを学んできなさい、と題材を設定してくれている所もあります。
その場合は、そのテーマについて自分の学びの予想、実際の経験、結果などをまとめていけば良いのです。
課題の設定はなく、自由テーマで4~5枚で実習結果をレポートにしてきなさい、と言われた場合は、自分なりのテーマ設定が必要になってきます。

看護実習でなぜレポートが必要なのか

看護に限らず、レポートを必要としている多くの場合、先生や教授は、生徒自身の学びの姿勢、考え、文章力などを読み取ろうとしています。
自分の経験や考えをわかりやすい文章にできるという事は、それだけ論理的な思考力を持っているという事になりますし、文章で説明できるという事は、社会に出た時になんにでも応用できる、大事な基礎の能力なのです。

また、生徒の考え方や、感じ方を読み取ることができれば、今後どの方向へ導けば良いかの指針になります。

患者さんを相手にする看護実習においては、特に、相手の立場にたって、考える事を求められる場面が多くなります。
そういった時に、自分の主張だけではなく、相手の立場や目的をいかに察して、自分の考えとすり合わせてより良くなる方向へ支援していくという難しい課題に挑戦しますよね。
その中では、自分の考えをしっかり持って認識していないと、相手との違いもわかりません。

人の心という難しいものがすぐ傍にある職業でもあるので、実習生には、レポートにする事で、より自分の考えを自らが認識できるいい機会にして欲しいという想いもあるのでしょう。

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ダメな書き方がわかれば、上手に書くことができる

看護レポートの書き方、最初に考えること

レポートには、あまりかっちりとした決まりはありません。
とはいえ、各学校や先生によっては、あらかじめこういった書式で何文字で、どのテーマに沿って書くかを指定されている場合もあります。
その場合は、必ず指定されている条件を満たすように書きましょう。
条件に合っていなければ、当然ダメな書き方という事にされてしまいます。

また、文末を「である」調で書くのか、「です、ます」が良いのかなども、先生によって違ったりしますので、そこはあらかじめ聞いておきましょう。
だいたいの所の基本は、である調です。

このブログを見てくださっているあなたが、まだ実習に行っていない段階なら、まずはテーマが決められているのかいないのかを確認してください。
決まっていないのであれば、実習へ行く前に、ぜひ、今まで教科書等で学んだことをヒントに、実習で何を学びたいのか、どこを重点的に見てきたいのかなどのテーマを決めましょう。

もう実習がすんでしまっているけれど、テーマを決めていなかった!という場合は、実習で一番心に残った部分を元に、シラバスなどの目標からはずれないように気を付けながら、今までの学びの中で感じた事との相違点をテーマにしてみましょう。

上手なレポートとダメなレポートの境目は?

一番まずいのが、ただの感想文になってしまう事です。
それを避けるためにも、テーマに沿って、何を学んだのか、今までの自分の考えと、どう変わったのか、などを記述すると、良いレポートに近づきます。

実習に行くという事は、教科書などの座学で得た知識とはまた違って、実際に触れ、見て、感じる事ができます。
それにより、今までの自分と考えが変ったり、学んだり、そこまでいかなくても教科書で学んだこととはちょっと違う、違和感を感じたりすることがどこかに必ずあるはずです。

その部分をしっかり覚えておき、可能であれば記録しておき、レポートにまとめていくと良いのです。

記録や実習中の日誌をシラバスや実習要項と合わせて振り返ってみましょう。
記録や日誌がないということはまずないかと思いますが、万一なければ自分で「今日見たこと・考えたこと・やったこと」などを箇条書き程度のメモでもつけておくと良いですね。

シラバスや実習要項には「この実習で学ぶべきことはなんなのか」ということが必ず書いてあります。
実習前には言葉も難しくて「言っている意味が分からない・・・」ということもあるかも。
でも実習が終わってみれば「こういうことだったのか」と新たに理解することもありますよね。

そのポイントに沿って、自分の考えや見つけた課題、感想をきちんと書けること。
それが上手なレポートの基本的なポイントになるでしょう。

看護実習レポートはどこから書く?書き出しは?

記録や日誌、看護覚え書といった、指導にあたってくれた先輩ナースたちにダメ出しややり直しを言われながらも実習中頑張って書いてきた自分の記録。
それとシラバスや実習要項と突き合わせてレポートに書くべき要点を見つける。
なんとなく本編のイメージはそれで湧くかと思いますが、書き出しがわからない、という方も多いとでしょう。

はじめに、「今回の実習で私なりに~という事を学ぼうと思った。~となる予想をした。」
本編で、「経験1、2、から~を感じた。」
結論で、「~だったので今後はどうすれば良いと考える。」
以上の流れで、特に本編では実際の経験を簡潔にわかりやすく、なにがどうしてどうなった、と膨らまして書きます。
書き始めに結論を持ってくる上級テクニックもありますが、まずは基本に沿って、自分がどんな事を学ぼうとしたのか、教科書のどの部分を重点的に実習で得ようとしたのかなどを書き始めると、その後に続けやすくなるかと思います。

上手なレポートは具体的な書き方は?

ネット上では、上手い書き方の例などが載っているサイトもあります。
例えば、こんなところを参照してみても良いかもしれません。
参照URL:http://xn--vcsu3i47b045b7ovynbe85c.co/?p=1970

先ほどざっと触れた流れをもう少し詳しく考えてみましょう。

レポートは性質として学術的な文章ですから特有のマナーもあり、論理的思考力が要求されます。
ですます調ではなく、だ・である調(常体・文語)を用いるため、使用する語彙も変わってきます。
見直しの際には文字数の過不足も合わせて確認しなければなりません。

基本的なレポートの形としてはこのような章立てになるでしょう。

  1. 序論・序文(題材やテーマ・目的)
  2. 本論・本文
  3. 結論(まとめ)
  4. 文献(引用や参照した文献があれば)

序論・序文

「私がこの実習で学ぼうとしたこと」は何でしたか?
シラバスに対して、自分自身の課題だと事前に考えられたことは何だったでしょう。
シラバスや実習要項以外に想定していた課題はありましたか?
それは、なぜ課題だと感じ、その課題をクリアする必要をどのように考えましたか?

本論・本文

基礎看護実習であれば、多くはこんな目的が提示されていませんでしたか?

  • 看護学についての意欲と関心を高める
  • コミュニケーションなどを通して対象を理解することを学ぶ
  • 看護過程を展開する経験
  • 自分自身の看護感を形成すること

シラバスや実習要項に沿って、そうしたテーマごとに節を区切ってひとつずつまとめて行ってみましょう。

1つめの目的に対して、最初はどう考えていましたか?
それは実習の中でどんなことがあり、どんなことができ、どんなことに苦戦し、どんな感想があり、どんなことを考え、どんなことが今後の課題となりましたか?
これまでの授業などで学んできた理論などが生かされた部分や、より深めるべきだと気づいた部分はどんなことでしたか?
今後その点について、どのように取り組もうと考えましたか?

ひとつひとつ思い起こして、箇条書きのようにリストアップしてから文章として考えていくという方法もありますよ。

結論(まとめ)

看護実習の目的や課題に対して、全般を通して学んだこと、感じたこと、あらためて出てきた今後の課題は何でしたか?
何ができて、何ができなくて、今後についてどんな目標を持ちましたか?

文献

自分の考えや本文中の説明を裏付けるために引用したものなどを最後にまとめます。
例としては

1) 著者名(発行年):書名(第〇版), 対象となるページ, 発行地:発行所

といった書き方ですね。
参照した範囲が10ページから20ページ目であれば対象となるページの部分には「10-20」といった書き方をします。
編著の場合は少し順序がかわります。

1) 著者名(発行年):章などの表題, 編者名, 書名(第〇版), 対象となるページ, 発行地:発行所

といった形です。

WEBサイトに掲載されている情報を参照したり引用した場合は

1) 著者名:WEBページの題名, WEBサイト名, 入手先URL, (参照日付)

という形になり、ページ数や発行地・発行所の代わりに掲載されていたURLと「それをいつ見たのか」を記載します。

先輩たちはどう乗り切った?アドバイスはある?

事前の準備と「追求しすぎないこと」

  • 実習になると患者さんの疾患について調べたり、手術の方法を調べたり、毎日のケア、計画など書くことがたくさんあって、いっぱいいっぱいに
  • 主な疾患40個ぐらいピックアップして詳しく実習でも使えるようにノートを作ってました
  • 追求しすぎないこと
  • 自分のキャパシティーをみながら勉強すれば、そうは辛くない

引用元:「教えて!goo」

事前に準備できることはしておく、これはレポートや記録だけでなく実習全般を通して言えることですね。
準備ができている状態で臨む実習なら余裕もでき、担当する患者さんや先輩ナースたちとのコミュニケーションなどから気付きをえるための視野も広く持つことができるでしょう。

何を求められているのかを考えて

A4白紙の紙を目の前において

1、真ん中に○○と書く。

2、その○○から思いつく言葉を枝のようにいくつも周りに書く

3、更にその書いた言葉から思いつく言葉をどんどん枝を伸ばして行く

それを何度かすれば、○○の全体像が見えてきます。

その課題の狙いがわかりますか?あなたに何を書かせたいと思っているか。

しっかり悩んで、何を求められているか考えてみて

引用元:「Yahoo!知恵袋」

シラバスや実習要項をよく見てみましょう。
「コミュニケーションを通して対象を理解」なら「患者さんとの会話」「看護の基本となるもの」など、紐づいて出てくるキーワードがありますよね。
連想ゲームのように、実習を振り返りながら思いつく限り広げてみましょう。

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きっと「ああ、そういうことか」というところへたどり着きますよ。

目標や課題、改善点などを組み込もう

  • 序論→本論→結論の枠組みにそって、看護理論と実習での経験を結びつけるように書く
  • 実習でのどんな経験を通して、その理論を学んだか。
  • 自分はその理論を参考にしてどのような看護を提供したか。その看護を今振り返るとどうだったのか。
  • 結論では、本論の要点をまとめて何が大切なのか。
  • できなかった理由を書いた上で次はどんな風に行いたいかを書いたり
  • できたことも改善点があればどんどん書けると良い

引用元:「Yahoo!知恵袋」

実習レポートは与えられた課題や目標などに対して、実習を通して自分が何を考え、何を学び、どんな気付きを得たのかということが大切です。
また今後の実習や卒業後の自分に求める姿に対して、今何を考え、学び、何をすべきか、何をしようと思うのか。
より良くしていくためには、自分はどうしようと思うのか。
整理してかけることだけでなくそういったことが盛り込めているレポートこそが、感想で終わらない「上手なレポート」と言えるかもしれませんね。

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まとめ

看護実習レポートとなると身構えがちですが、要は、教科書や参考文献があれば、それから得た知識と実体験との違い(または同じと感じた事)を元に、誰が見てもわかりやすいように、順序良く自分が学んだ過程を説明すればよいのです。

日本人によくある癖で、自由に書いてくださいと言われれば言われるほど、何をどう書いていいかわからなくなるものです。
テーマがあり、はじめと本編とおわりがある文章を書くのだと意識すれば、まだイメージはしやすくなるのではないでしょうか。

その中でも、看護実習レポートである以上、人の心に寄り添うという観点は、どこかへ盛り込むとより良いものになるかもしれません。
あくまでも、出された課題の目標、目的をしっかり意識して、それに沿った内容でなければ、いくらわかりやすくて良い文章が書けても、不可とされてしまいます。

まずは出題者の意図を読み取り、自分がどんなイメージで実習に挑めば良いのかを考え、そこからテーマ(題)を書けば、あとはある程度の決まり事に従って、はじめ、本編、おわりの文章で自分なりの考え方、経験した事などを表現します。

文章といっても、難しい漢字を書かなくてはならないわけではありません。
誤字、脱字は論外ですが、丁寧に間違わないよう、短めの文章を心掛け、途中で話しが脱線しないように気を付けながら、誰でもわかるような感じで書けばよいのです。
テーマと結論を先に意識しておけば、膨らます事は後でできます。

手書きの場合でも、多くはボールペンで書くことが求められますので、まずは下書きをして読み返し、文字数が規定通りか、様式が規定通りかなどを見直してから清書するか、ワープロ、パソコンなどで書き起こすかしましょう。

あまり思い悩まず、まずはテーマを決めて書いてみる事からはじめてみましょう。
案外、すらすらと書ききる事ができるかもしれませんよ。

参照URL:http://student.iryouworker.com/studyreport/
https://sites.google.com/a/kangojisyuukiroku.com/kan-hu-shi-xi-ji-luno-shuki-fangga-fenkarimasu/
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