パスポートを申し込むとき、「所持人自署欄」という項目があります。ここにはいわゆる「サイン」を書くのですが、「通称は使えるのか」「かなりくずしてもかまわないのか」「本人が書けないときはどうすれば」などなど、いろいろな疑問が湧いてくると思います。今回はそんな疑問を調べてみました。

パスポートのサインの書き方:基本の決まりごと

所持人自署欄に記入した署名は、枠内がそのままパスポートに転写されます。そのため二度書きしたりかすれたりしたサイン、枠からはみ出してしまったサインなどは却下されます。この欄を書き損じた場合、もう一度申込用紙をもらって書かなければならないので、事前に他の紙で練習してから書くのがいいでしょう。

ところで、所持人自署欄には点線が入っています。この点線より下にはみ出したサインは認められるのでしょうか。これは調べて見ると、基本的に大丈夫なようですが、自治体によっては点線の上に書くことを勧めている場合があります。例えば神奈川県パスポートセンターのページでは、必ず点線から上に一行で署名するように書いています。

出典:神奈川県パスポートセンター

一方、三重県旅券センターではサインの例として、こんな風に点線の下にはみ出したものを公開しています。

出典:所持人自署記入例のPDF

点線より上に書くのが基本だけれど、そこからはみ出しても却下はされないと覚えておけばよいでしょう。ところでこの点線は何のためにあるのでしょうか?

パスポートのサインの書き方:本人が書けない場合

所持人自署欄は、本人が文字を書けるなら必ず自分で書くものですが、乳幼児、あるいは書けても失敗する確率が非常に高い子ども、または病気で書けない人、など、本人がサインするのが無理な場合があります。その場合には親や、法定代理人が代理でサインすることができます。その際に生きてくるのが、所持人自著欄にある点線です。

代理人がサインする場合、点線より上に、パスポートを所持する人のサインを書き、点線の下に誰が代筆したかを書くことになっています。ちなみに代筆人として自分の名前を下に書くときには、名前をイニシャルだけに、例えば「Y. Fujita(father)」などと書くのが許されます。

パスポートのサインの書き方:戸籍名が基本ではあるものの

パスポートのサインは漢字かローマ字(筆記体)で、戸籍の名前を書くのが普通です。しかし、結婚して戸籍の名前が変わったけれど、日頃の生活は旧姓でしている人がよくいます。また、本名を公表していなく、どこでも芸名で通している人たちもいます。こうした通称は、パスポートのサインとして認められるのでしょうか。

これは自治体によって異なるのが現状です。ある人が、かつて京都で通称のサインを用いたパスポートを取得し、次に大阪でそれを通称のまま更新、次に愛知で更新する際に初めて断られた顛末が詳しく書かれたページがありました。この人は結局、一旦京都に転居したことにして、再び京都で通称のサインを用いたパスポートを取得しました。

ちなみに取得後、愛知県に通称のサインを認める嘆願書を出したら、一度は断った職員が、実は書面資料とともに「事情説明書」というものを作れば、外務省と協議して、許可されれば申請できると言い出したそうです。

こんな風に、自治体によってはなかなかうまくいかないこともあるようですが、基本は通称でサインするのは問題ないようです。ちなみにこの人は外務省に、この欄のサインはなんでも良いことを確認しています。

自筆サインの箇所。ここについても、自分の戸籍姓名を書く人が多い。しかし、実はそのように書けという規定はない。

職員と何度も確かめたが、たとえば自分の名前を書けない幼児なども、自筆でサインをする必要があるため、「横1本の線」でも「ぐちゃぐちゃの模様」でも、実は何でもよい。再現性のある本人の筆跡であれば、何を書いても自由なのである。

この人以外にも、所持人自署欄に書けるサインについて、外務省に実際に確認した人がいます。

その時の確認事項は、サインとは本人が「これが私のサインです」と言えば、ぐちゃぐちゃの書きなぐりでいいわけですから、たとえマルでもペケでもOKということでした。

パスポートのサインの書き方:大事なのは再現できること

パスポートのサインは通称でもいいし、グチャクチャにくずした、読めない文字でも構いません。ただ大事なのは、本人がそれをいつでも再現できることです。

例えばビザを申請するとき、パスポートの署名欄と同じサインを求められます。変に凝った、しかも書き慣れないサインを使っていて、こんなときにそれをうまく再現できないと、申請が却下されてしまいます。かと言って、きれいな楷書体のサインにしていると、誰かが簡単にそれを真似て、あなたの名前が悪用される可能性があります。ローマ字が筆記体で書くように言われているのも、ブロック体だと他人が簡単にそれを真似られるからです。

パスポートを申請する際、所持人自署欄には繰り返し同様に書ける、真似られないように適当にくずしたサインを書きましょう。

パスポートのサインはクレジットカードのサインと同じ?

ここまでで基本的なパスポートのサインの書き方について見てきました。

次に、実践編としては、クレジットカードのサインとの関係をどうするか?ということがあります。

みなさんどうしてますでしょうか?

同じものにしている方もいれば、まったく異なる場合もあるでしょう。そもそも、自署したタイミングが異なれば、
同じような違うものになっていることもあるかと思います。

正解はあまりないとは思いますが、
よく海外に出かける友人に聞くと、
パスポートもクレジットカードも、何でもサインは共通にする、という答えが多いようです。

理由はいくつかあるでしょうが、
まず、海外でのサインというものへの考え方が基本にあります。

日本人にとってのハンコウのように、本人であることを証明するためのツールですので、
自分のサインというものは、タイミングによる違いは多少あるでしょうが、基本、一つしかないわけです。

ですので、クレジットカードとかパスポートとかに関係なく、
契約書でも、なんでも、同じサインになる、というのが普通のようです。

また、日本人と異なり、アルファベットしかない、というのもサインの種類が多くはならない理由であるとも思います。

同じサインを使う2つ目の理由ですが、
日本人が海外に行った際は、身分を証明するIDとしてパスポートの提示を求められることになります。

そのため、クレジットカードと、パスポートを同時に提示することがしばしばあります。

年齢に関係なく、アルコールを購入する場合に、IDの提示を義務付けている国や州もありますし、
日本人の場合、高額な商品や大量の商品を購入する場合、IDの提示を求められることがあると思います。

この際、クレジットカードで支払うことになれば、
IDとしてのパスポートとクレジットカードの両方を同時に見せることになるので、
そのサインが異なるというのは、予期せぬトラブルの原因になりかねません。

両方アルファベットで、形が異なる程度でしたら、許容範囲内でしょうが、
漢字とアルファベットとなってしまっていたら、
ほぼ高い確率で、もめ事に巻き込まれ、多くの時間をロスすることになるでしょう。

そうならないためにも、海外に慣れている方などは、
共通のサインを持っているようです。

いっそのことプロに頼んでしまうというのもあり

パスポートのサインを考える際に、これを機会に、他のクレジットカードなどのサインと共通にすることが便利でいいようです。

そのためのサインを自分で考えるのもいいですし、
せっかくなので、プロの専門家にサインの作成を依頼することもありでしょう。

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サインを考える専門家に考えてもらったサインなら、どんな場面でも自信を持ってサインが書けます。

実は、管理人も、かなり前の話ですが、プロにお願いしたことがあります。
ローマ字の名前をフルネームではなく、短縮したものをサインとしました。
作ってもらったものを、何度も何度も練習して、覚えるのに時間がかかった記憶があります。
フルネームにしないで省略したものでも結構書くのは大変でしたね。。

こちらに紹介しておきますね。

● 署名ドットコムの評判や口コミはどうなの?オリジナルサインが欲しい

● 「署名ドットコム」公式サイト

他にも、サインの書き方については記事を書いております。是非ご覧ください。

● 【人気】かっこいいサインの書き方は?素敵なサインの簡単な作り方

● 漢字でサインの書き方・くずし方はこうするのが正解!

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