フライパンを持ったり、ドアノブを回した時に手首が痛い。
ゴルフやテニスが趣味だけど、最近は手首が痛くてなかなかできない。
このように手首の小指側の部分が痛む疾患はTFCC損傷と呼ばれています。

 

 

TFCC損傷のリハビリ方法とリハビリ期間は?

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TFCC損傷とは

TFCCとは「三角繊維軟骨複合体」という手首の軟骨周辺のじん帯の総称で、手首の関節を構成し、動きに安定性をもたらす重要な器官です。

  • 手首の衝撃を和らげる
  • 手首を回す時に、手首から肘にかけてある橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)が離れないようにする
  • 物をつかみやすくする

こうした役割を持ち、これらのじん帯を痛めてしまう状態をTFCC損傷と呼びます。
手首の小指側に痛みや腫れの症状が現れ、程度によっては手術をする場合もあります。

TFCC損傷は発症すると治りにくく、日常生活に支障がでる

  • フライパンを持つ
  • ペットボトルのフタが開ける
  • 蛇口をひねる
  • ぞうきんを絞る

一度TFCCを痛めてしまうとこうした何気ない動作が困難になり日常生活に大きな影響を与えてしまいます。

TFCC損傷は発症すると治りにくい

そしてやっかいなのが、TFCCは一度痛めてしまうと完治は難しく、なかなか治りにくいという事です。
治ったかな?と思っても痛みがぶり返したりとスッキリしない事が多いのです。

TFCCにはゴルフやテニス、バドミントンなど手首をよく使うスポーツをする方が発症しやすいと言われている慢性のものと、転んだ拍子に手をついてしまったり、事故などで瞬間的に手首に負担がかかったことで発症する急性のものとがあります。

TFCC損傷はどんな治療をするのか?

TFCC損傷と診断された場合、湿布や注射・テーピング・サポーターなどの保存療法を行うことが多く、ほとんどの方が手術を受けることなく完治すると言われています。
しかし、痛みや腫れなどの症状が治まるまでは、ある程度、治療に専念する期間が必要といえます。

TFCC損傷にテーピングは効果があるのか?

テーピングには、ケガの予防、ケガの再発防止、応急処置、運動時の除痛などの役割がありますが、TFCC損傷の場合は、手の関節の動きを制限して、痛んでいる場所にストレスを加えないように安定するという目的があります。

テーピングは慢性的なTFCC損傷の治療に効果的

TFCC損傷はスポーツをしたり日常生活を送るなかで発症する慢性的な物と、事故や転倒などで発症する急性の物があります。
どちらの損傷の場合も、治すためには患部を安静にする事が重要だと言われていますが、テーピングでの固定は慢性的なTFCC損傷の治療に効果的だと言われています。

頑丈な固定が必要な急性のTFCC損傷と違い、慢性的なTFCC損傷の場合は手首に無理な力が加わらなければ修復されるので、ギプスのようにしっかりとした固定は必要はありません。
また、ある程度の治療期間が必要なこと、その間も仕事や日常生活を送る事を考えると複雑でなく、費用の面でも続けられる事が大きなポイントになってきます。

こうした事から慢性的なTFCC損傷の治療にはテーピングが現実的な治療といえます。

テーピングの巻き方と注意点

テーピングを選ぶポイントやテーピングをする場合にはどんな事に注意する必要があるのでしょうか?

どんなタイプのテーピングを使うのがいいの?

テーピングといっても様々な商品があるので一体どれを使ったらいいの迷ってしまいますが、TFCC損傷の治療の場合はどのようなタイプのテーピングを使うのがいいのでしょうか?

テーピングにはキネシオテープと呼ばれる物とホワイトテープと呼ばれる物があります。
キネシオテープは伸縮性があり、筋肉に沿って貼ることで患部をサポートし、筋力を高める「筋収縮のサポート」の働きがあります。

一方ホワイトテープはキネシオテープとは違い伸縮はせずに患部を固定する働きがあるのでTFCC損傷の治療が目的でテーピングを使う場合には非伸縮タイプのホワイトテープをオススメします。

薬局やドラッグストアでも手首用と書かれている商品が簡単に手に入るので探してみてください。

出典:amazon

 

テーピングをする時の注意点

・自己流で巻かない
テーピングは目的やケガの場所・程度・体系により様々な巻き方があり、巻き方を間違えると効果が得られないだけではなく逆効果になってしまう場合もあります。
動かなければいい、と自己流で巻くのではなく動画や本などを参考にするようにしてください。

・シワを作らない
テーピングを巻く部位の形に合わせられずにシワができてしまうと、テーピングの効果が得られないだけでなく、水ぶくれや痛みの原因になってしまいます。

・ポジションに気を付ける
テープを巻く人、巻かれる人が適切な姿勢や角度をとらないと効果が得られないことがあります。

・その他の注意点
過度に圧迫しすぎていないか、肌荒れ、湿疹、かぶれなど肌のトラブルは出ていないか等も気を付けてください。

テーピングを失敗したらどうなる?

仮に自己流で、適当に固めれば良いとばかりに思い切り引っ張ってぐるぐるとテーピングした場合、過度に圧迫してしまう可能性があります。

圧迫しすぎると、当然ですが血流が悪くなります。
酷い場合だと、手指にしびれやケイレンが出てきたり、最悪の場合、一部組織が壊死してしまう可能性もあります。
もちろん、損傷部位の炎症や痛みを増加してしまう可能性も大きいです。

手指の感覚がちゃんとあるかどうか確かめつつ、動きだけを効率よく制限できるようなテーピングの技術は、しっかり下記の動画や専門書などを見て習得するようにしましょう。
それほど難しくないとはいえ、ポイントを抑えていないと失敗しやすいものでもあります。

また、ポジショニングがうまくいっていないとシワになる事があるのですが、シワがあるままで動かしていると、本来の固定力が出ず、予想外の動きができてしまう場合があります。
また、その隙間から汗や雑菌が入り、肌トラブルを引き起こしたり、皮膚がひきつれて水膨れになるなど、余計な痛みをプラスしてしまう原因にもなりかねません。

しっかり安全に固定したいのであれば、やはり無理なく体のラインに沿わせた状態が望ましいのです。

一度巻いたテーピングは何日くらい持つの?

テーピングは毎日交換する必要はないと言われていますが、患部の肌の状態を見て2日程度で交換するのが良いとされています。
中には5日貼っても問題なく過ごす方もいるようですが、長期間貼りっぱなしはオススメできません。

貼った直後でも肌にかゆみやかぶれなどの異常が現れた場合は優しくはがして使用を中止してください。

TFCC損傷の治療のためのテーピング方法

テーピングテープはぐるぐると続けて巻いてしまうとシワになったり、きつくなってしまうので一周ずつ切って貼るようにしてください。
また角度にも気を付けて貼るようにしてください。

出典:手首の痛み!TFCC損傷について

まず最初は手首よりも上の位置から貼りはじめます。手首よりも上の部分は傾斜があるので青い線の角度にして貼るようにしてみてください。
2枚目のテープは1枚目のテープから半分ずらして同じように貼ります。
同じように半分ずらして貼って完成です。
わかりやすく解説している動画がありましたので参考にしてみてください。

こちらの動画は自分一人でも簡単にテーピングできる方法を紹介しています。

あったら便利なテーピンググッズ

アンダーラップ

出典:テーピングの基礎知識

テープの下に巻くため固定力が落ちてしまいますが、長期間のテーピングから肌を守ってくれます。
アンダーラップに粘着力はないので粘着スプレーを吹きかけてから使用します。

粘着スプレー

出典:テーピングの基礎知識

アンダーラップと皮膚を密着させるスプレーです。

ちゃんとテーピングできるか心配

TFCC損傷の治療にはまず固定をする事が重要になってきます。
しかし、治療に長い期間がかかってしまうとテーピングをする事がおっくうに感じてしまったり、そもそも一人ではうまくテーピングが出来ずに思うような治療の効果が出ないという事も起こるかもしれません。
そういう場合にはサポーターを利用して手首の安静を保つようにしましょう。


サポーターを使うメリットは患部を固定することで安静を保ち炎症を抑えられる点ですが、手首を支える前腕の筋力が低下するなどのデメリットも考えられるので、長期の治療の中では付けっぱなしにせず、強い固定力にあまり頼りすぎないようにしましょう。

また、症状が軽くて少しの固定だけで治ったと感じる場合でも、元通りの動作に戻す前に、ストレッチやマッサージを併用し、リハビリを行い、筋力や血流量を高めることで、やっと損傷前と同様の動かし方ができるようになると考えておきましょう。

 

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TFCC損傷にも適用できる最適サポーターはどんなもの?

回復期の安定用固定や、リハビリ時、予防の時など、幅広く活用できて、一つあると便利な手首用サポーター。

急性ではないTFCC損傷においては、固定しつつも日常生活をしながら充分回復がみこめるのですが、その固定に使う物は、軽い状態であれば、ギプスではなくても、手首の固定用サポーターで充分です。
そしてサポーターは、テーピングに自信がない、あるいは頻回の作業で面倒になってきてしまった人にもおすすめです。

とはいえ、手首用のものって、意外と種類が豊富です。

手首固定用サポーターは、整骨院など、スポーツ整体も行っているような治療院には置いてある場合もありますが、近所の薬局などでは意外に数が少なく、購入し辛い場合があります。

大型のスポーツ店ならば、しっかりがっちりガードできる手首用のものもみられるのですが、どうしても近所にない場合は、医療用のものを病院で紹介してもらうか、ネットで購入するのも一つの方法です。

ネットで検索すると、これまた大量の情報が見つかります。
こんなに種類も価格も豊富だと、どれを選べば良いか、迷ってしまいますよね。
特に、TFCC損傷に最適となると、その目的にかなうようにするためには、一般的な手首固定用と同じで良いのかも気になるところです。

もちろん、固定ができて、痛みが軽減できるのであれば手首用はTFCC損傷にも使えるという事になるのですが、問題はその目的にあります。

急性の損傷などで、最初の数週間安静にして様子を見ようとしている時であれば、かなりの固定力が欲しい所ですが、そうではなく、慢性的なTFCC損傷の場合なら、むしろ筋肉を衰えさせてリハビリに時間がかかってしまうなど、かえって完治までの時間を長引かせる可能性もありますので、強い固定力のあるサポーターは不要となります。

テーピングの代わりに、という目的であれば、手首の周りだけをまくタイプがおすすめです。

おすすめサポーター6選

ギプスほどではないけれど固定感が欲しい人向け

アルケア社 リストケア・プロ

出典:【あす楽】アルケア社 リストケア・プロ

口コミからすると、TFCC損傷治療の有名な先生が開発したということで、医者から勧められた人もいるようです。
添木のようなアルミステーが着脱でき、痛みが出る原因となる筋肉の使い方を制限する事ができるものです。
アルミステーを付ける時と付けない時で固定感が変りますので、一つあると目的に分けて長い間使える事が期待できます。

やはり老舗が安心できるという方向け

中山式手首用医学固定帯

出典:magico STORE

健康器具販売老舗の医学サポーターで、無理なく簡単に装着でき、安心して使えます。
ソフトなので、強く固定したい人には不向きですが、普段スポーツ等激しい動きをしない方なら、動きを妨げすぎることがないため、おすすめです。
色も目立たないものになっています。

パソコン作業などをされる方向け

愛知式バイオメカサポーターシリーズ

出典:筋肉の連鎖理論 愛知式バイオメカサポーターシリーズ

もちろん、スポーツにも使えます。
手を握る事もでき、動きを妨げないで理想的な形で手首だけを安定させてくれます。

手の姿勢を綺麗に保ち、使い方の矯正にもなるかもしれません。

スポーツなど、アウトドアにもつけていてかっこいい

丸光産業のnobleシリーズ

出典:MARUMITSU

デザインも良いですが、お値段も2000円くらいからと、手ごろです。
がっちり手首を大きめにガードしてくれるので、安定感があります。
いくつか種類も出ているので、好みと目的に合わせてチョイスできます。

スポーツ用ならおなじみの物が良い方向け

ザムストのリストラップ

出典:ZAMST

スポーツをされている方なら一度は聞いた事があるのでは。
日本生まれの有名なスポーツサポーター、ケアブランドになります。
手首用も種類がいくつかあるので、圧迫したい度合いにより選ぶ事ができます。
もちろん、スポーツをしない方にもしっかりサポートしつつ動きを妨げないという部分でおすすめです。

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軽く固定または予防として使いたい

Phiten RAKUWAバンド

出典:ファイテンオフィシャルストア

アクアチタンの技術で有名なファイテンですが、手首固定用サポーターもあります。
こちらはフリーな、ただ円筒状にまくだけのタイプですが、がっちり固定用もあります。

チタン効果なのか、付けていると、周りの筋肉もほぐされたり、血流が増えるような感覚があります。
しかしこれはこの記事の筆者の個人的見解なので、実際には、人によって合う、合わないがあり、個人差はかなりあるようです。

もし効くようであれば、リハビリの効果も上がるかもしれません。

他の製品で選ぶならどこを見る?

骨折や捻挫をした時や、スポーツをよくされる方なら聞いた事もあるかもしれませんが、他にもサポーターでは、アメリカ生まれのミューラー、ドイツ生まれのマヌヒット等があります。
いずれも、固定力には定評があるのですが、急性ではないTFCC損傷にとっては、やや固定力が高すぎるかもしれません。
徹底的に安静にしたくて、その後きっちりリハビリに取り組める人ならば、そちらを選ぶのも一つの方法です。
通気性や、体へのフィット感など、それぞれに高評価なものでもありますので、あとは好みで選んでみましょう。

 

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まとめ

TFCC損傷は2週間程度安静にしていれば痛みが治まることが多いと言われていますが、痛みが治まった状態イコール完治ではありません。

痛みが治まったからと、すぐに今までどおりの生活に戻ると痛みをぶり返すだけではなく症状を悪化させてしまう可能性もあります。

「もうそろそろ平気かな?」と油断したばっかりに治療期間を伸ばしてしまう、なんて事にならないように、テーピングの技術を磨いたり、サポーターを活用しつつ、しっかりと主治医と相談しながら、治療とリハビリに取り組むようにしましょう。

リハビリに関しては、「TFCC損傷のリハビリ方法とリハビリ期間は?」にも詳しく書いてありますので、一度ごらんになってみてください。

誰もがしっかり完治できるよう、参考にしていただけると幸いです。

 

手首の痛みの原因はいろいろ。もっと詳しく知りたいならこちらもどうぞ。

 


 

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