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目の前にふわふわ漂ってみえる糸くず・・・あれは何?
空や白い壁を見た時に明らかに目の前の景色にはない物が見える事ってありませんか?
決してホラーな話ではありません。例えば糸くずのような形をしていたり、ゴマのような点々だったり・・・まばたきをしたり視線を動かすと一緒に動いて見えて気になる、なんて経験ないでしょうか?
見える数も1個の時もあれば、数個がただよって見える時もあるし「一体あれはなんなんだろう?もしかして病気!?」と心配になっている方もいるのではないでしょうか。
実はこのような症状には「飛蚊症(ひぶんしょう)」という名前がついていて健康な目にも起こりうる症状なのです。
ホッと一安心したいところですが、飛蚊症の症状が起こる原因の一つには重大な目の病気の初期症状である可能性もあるので安心だとは言い切れないのです。
飛蚊症とは
飛蚊症はその字の通り、まるで蚊が飛んでいるかのように見える病気です。
見え方の症状は人それぞれで蚊のように見える場合の他、糸くずやタバコの煙、水玉や点など様々な形で数も1個の時もあれば一度に複数個見える場合もあるようです。
まばたきや視線を動かすと一緒に移動しているように見えたり細かく動いて見えるのが特徴です。
白い壁や明るい空をみた時に症状が出やすいとされていて、夜や暗い所では気が付きにくいと言われています。
ちなみに管理人が一番最初に飛蚊症を自覚したのは小学校高学年の冬でした。雪の中を下校中にふわ~っと糸くずが浮かんでいるのが見えてとても気になった事を覚えています。
数年後にコンタクトを作るため眼科を受診した際調べてもらいましたが、病的なものが原因ではないと言われて安心しました。
飛蚊症の原因は?
生理的な事が原因のもの①紫外線・加齢・ストレス・目の疲れ
私たちの目が紫外線を浴びると硝子体の中に活性酸素が発生されます。
また、ストレスや疲れが溜まると発生される活性酸素が硝子体の組織を変質させてしまい飛蚊症を引き起こすとされています。
さらに、年齢を重ねると活性酸素を分解する酵素が減っていくので飛蚊症を引き起こしやすいといわれています。
生理的な事が原因のもの②生まれつき
私たちは胎児としてお母さんのお腹の中にいる間、目が作られる過程の中で眼球の形を保つ役割をもつ「硝子体」と呼ばれる部分に血管が通っています。
血管は産まれるまでになくなってしまうものなのですが、一部の血管が産まれたあとも硝子体に残ることが原因で飛蚊症になることがあります。
この場合は生理的飛蚊症と呼ばれるもので健康な目にも起こることなので問題はなく治療も必要ないと言われています。
病的な事が原因のもの①網膜剥離・網膜裂孔
目の内側にある網膜に破れ目ができてしまう事を網膜裂孔と呼び、放置して網膜がはがれてしまい視力が低下する症状を網膜剥離といいます。
網膜剥離は失明の危険があります。
網膜裂孔の初期症状の一つに飛蚊症があげられます。
病的な事が原因のもの②ぶどう膜炎
内眼炎とも呼ばれる目の中に炎症を起こす病気の総称で、飛蚊症の他にもかすんで見えたりまぶしく感じる、充血や視力低下など様々な症状がみられます。
「そのうち収まってくるから」と放っておくと最悪失明など重篤化してしまう場合もあるので違和感を感じたら医療機関を受診するようにしてください。
病的な事が原因のもの③硝子体出血
加齢や糖尿病、網膜裂孔など様々な原因で目の中の血管からの出血が硝子体内に入り込んだ状態のことを硝子体出血と呼び、飛蚊症の症状が現れます。
病的な事が原因のもの④強度近視
強度近視の方は目の良い方と比べ眼の奥行が長くなり、網膜に穴や裂孔なのができる事があります。
これらを放置してしまうと網膜剥離に繋がる可能性があり、初期症状の一つとして飛蚊症があります。
- 見える数や範囲が急に増えた
- 最近急に視力が落ちた
- 視野の一部が欠けて見える
- 暗い場所で稲妻のような光がみえる
こんな症状がある場合は病的な飛蚊症の可能性も高いので、少しでも気になる症状があれば医療機関を受診するようにしましょう。
長時間のスマホやパソコンも影響はあるの?
目が紫外線を浴びると硝子体の中には活性酸素が発生します。
目にダメージをあたえる紫外線に近い光が私たちが普段からよく使うスマホやパソコン、テレビなどの画面から発せられる「ブルーライト」です。
ブルーライトは人間が見ることのできる光の中でも波長が短いために、光が目の奥の網膜まで届き負担をかけてしまうのだそうです。
長時間のスマホやパソコンでブルーライトを直視してしまうと飛蚊症の症状につながる事が考えられます。
厚生労働省はパソコンでの作業1時間に対し15分の休憩をとるよう推奨していますし、ブルーライトをカットする眼鏡を取り入れるなど対応するのも効果的です。
⇒PCでブルーライトカットするためのソフトは何が良いのでしょう?
飛蚊症の治療法はあるの?
レーザー手術
飛蚊症の原因となる硝子体の濁った部分にレーザーを照射し破砕・分散する事により症状を軽くするもので、症状の完治ではなく改善のための手術になります。
一度の治療で完治できる治療ではなく、硝子体内の濁りが同じ場所に出てくることもあるのでその場合再度の治療が必要となることがあります。
治療時間は30分ほどで行われます。
硝子体手術
局所麻酔で行われる手術で、出血などで濁った硝子体などを切除・吸引除去します。
硝子体や病的組織を取り除いて病気の原因を除去するのが目的の手術で、手術時間は20分から1時間程度と言われています。
飛蚊症にサプリは有効?
サプリや普段の食事で飛蚊症を治療するのはできないと考えられていますが、目の疲れや過労が原因の飛蚊症の場合、予防策としてサプリが活用されています。
ブルーベリーや緑黄色野菜に多く含まれるルテインには抗酸化作用があり、目の疲れや負担を軽減する事ができるとされています。
サプリの他にも普段から長時間スマホやパソコンの画面を見た後は目を休ませてあげるなどの対策をとることも目の負担軽減に効果的です。
積極的にとりたい食材
パイナップル・納豆・山芋・大根おろしなどに多く含まれる酵素はストレスや紫外線を受けたことによりできた活性酸素を分解する効果があると言われています。
たんぱく質・脂質と一緒に食べる事でより活性酸素を分解する効果を発揮すると言われています。
目の疲れ対策
仕事でのパソコン、長時間のスマホ、読書・・・私たちの生活は目の酷使することばかり。
そこで目の疲れに効果的な方法をいくつかあげてみましたので参考にしてみてください。
目薬を使う
ドライアイなどで涙が少なく乾いた状態だと必要以上に目に負担がかかり疲れやすくなります。
特にコンタクトレンズを使用している方は目が乾きやすい状態にあるので積極的に目薬を使う事をおすすめします。
蒸しタオル
固くしぼったタオルをレンジで温めた蒸しタオルを目に乗せる事で目の周りの血行を改善する効果があります。
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市販のホットアイマスクも同様の効果がありますが、どちらも目が充血していたり炎症を起こしている場合は使わないようにしてください。
目の周りのストレッチ
目の周りの筋肉をほぐす効果のあるストレッチです。
- まぶたをぎゅっと閉じた後に、大きく開く動作を数回繰り返す
- 目をゆっくり上下左右に動かす
- ゆっくり円を描くように右回り、左回りに動かす
- 遠くの景色と近くの物を交互に見る事も目の周りの筋肉をほぐす効果があると言われています。
夜更かし・飲酒・喫煙をしない
夜はできるだけ早く目を休ませてあげるなど、規則的な生活を送ることが目の健康を保つことにも効果があります。
⇒ドライアイが辛い。自分でもできるドライアイの治し方は?ストレッチも効果的!
⇒コンタクトの時に辛いドライアイの症状緩和におすすめの目薬10選
まとめ
飛蚊症はあくまで症状のひとつで、飛蚊症そのものは病気ではありません。
飛蚊症の原因が加齢・ストレス・目の疲れの場合は治療法は存在しないと言われているのであまり気にしない事が大切ですが、飛蚊症を自己判断することは危険です。
網膜には痛覚がないため、重篤な症状に気が付きにくいと言われています。
少しでも気になる症状があれば一度専門医に診てもらうようにしてください。
もし生理的な事が原因の飛蚊症と診断された場合は今回紹介した対策を取り入れてもらえたら嬉しいです。