ある日突然、激痛が!しかも、手指の関節が腫れあがってる!これって何?
そう思って病院へ駆け込んだら、血液検査の結果、「痛風です」と言われて愕然。
痛風って、贅沢病ともいわれ、男性に多く、最初は足関節に痛みが出るものなのでは?と思っていたのに、手に出る事もあるんですね。
なぜ手に出るのか、そもそも痛風とはどういうものなのか、まとめてみました。
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Contents
痛風って何がどうなって起こるの?
痛風とは、公益財団法人痛風財団のHPによると、次のように書かれてあります。
尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う症状になる病気です。
医学研究が進み、良い薬も開発されたため正しい治療を受ければ全く健康な生活が送れます。
しかし、放置すると激しい関節の痛みを繰り返したり、体のあちこちに結節が出来たり、腎臓が悪くなったりする重大な病気でもあります。痛風が起きる前に血液の尿酸値が高い状態が長く続きます。
これを高尿酸血症と言います。
それを放置すると、ある日突然、足の親ゆびの付け根などの関節が赤く腫れて痛みだします。
痛みは激烈で、耐えがたいほどの痛みです。発作的な症状なので痛風発作と呼びますが、これはたいていの場合、1週間から10日たつとしだいに治まって、しばらくすると全く症状がなくなります。痛風発作は、炎症を抑える薬を服用すると比較的早く治る事が多いです。
ただし油断は禁物で、多くの場合1年以内にまた同じような発作がおこります。
そして繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔が次第に短くなってきます。
このころになると、関節の痛みだけでなく、関節の周囲や身体のどこかに結節ができたり。
腎臓が悪くなったり、尿路結石が出来たりする人が出てきます。
最終的には重症の慢性痛風になる可能性も高いので放置するのは危険です。
尿酸が結晶化して関節炎になったものだから、関節が腫れたり、激痛を伴なったりするんですね。
おおむね、足の親指の付け根から始まり、治まった後忘れた頃に他の部位で発作が起こるようになって、そのころにはかなり症状が進んでしまっているという怖い病気でもあります。
初期の症状はどんなもの?
男性の割合が9割を超えるなど、女性がかかる率が少ない病気ではありますが、わずかながら、女性もなり得る病気です。
関節に激痛が走る発作の前に、実は違和感を感じる事もあるようで、人によって、「じんじん」するものだったり、「チクチク」するものだったりしますが、いずれも初めて経験する人にとっては、何かにぶつけたかな?程度の違和感です。
一度でも発作を起こした人なら、感覚的にわずかな違いもわかるようになるのかもしれませんが、残念ながら、初めての人にとっては、痛みの初期段階で痛風だと判断する事は難しそうです。
ただ、健康診断などで血液中の尿酸値の値がわかるのであれば、痛風になる前段階で、「高尿酸血症」の状態になりますので、自分の値が正常範囲内なのかによって痛風の可能性を確認する事ができます。
もし高い値を示しているようでしたら、発作が起きてしまう前に、医者と相談しながら尿酸値を正常に戻すためのコントロールを行いましょう。
また、足の親指関節や、下半身を中心に発作が起こる事が多い病気にはなるのですが、最初に他の部位で起こる可能性も0ではありません。
現に、今まで一度も発作を起こしたことがないのに、手の指、または手の甲、手首、ひじなどに発作が起こって、めずらしいと言われた例もいくつかあるようです。
なぜ足の親指に出やすいかという事も、有力な説はあっても、はっきりとは解明されていないのですから、体中のどの部位、関節で発生してもおかしくないのだと思っていた方が良いのかもしれません。
ただ、痛風の発作と、他の様々な関節炎やリュウマチとは、特徴が違うとはいっても症状が似ているため、自己判断は危険です。
やはり、早めに医者にかかり、血液検査と共にしっかりとした診断をしてもらう事をおすすめします。
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放置するとどうなっちゃうの?
初期段階で適切に処置をして、尿酸の値を減らす努力がしっかりできれば、その後の発作の再発は防ぎやすくなります。
しかし、実際に発作が起こったとしても、長くても10日ほどですーっと痛みが治まってしまうので、放置されがちというのも、痛風の怖いところです。
特に、病院嫌いの人にとっては、我慢しておけば治ると勘違いしやすい症状でもありますよね。
ところが、痛みが治まりつつある間も、治まってからも、見えない所で地味に、尿酸値の上昇が続いているのです。
つまり、尿酸がうまく排出されない状況が改善されないまま、日々暮らしてしまうのですから、尿酸自体がどんどん溜まっていき、再びどこかで結晶化し、炎症を引き起こし、発作となってしまうのです。
発作だけでも辛いのですが、それが何度も続いていくと慢性化します。
そして、体のどこかで尿酸結晶が大きな「結節」となり、腫瘍のようなものになってしまいます。
こうなってくると、尿路結石もできてきたり、腎臓が悪くなってくる人もいます。
慢性疾患になってしまうと非常に治しづらいものになりますので、できるだけ早く治す事が必要になってきます。
原因ってビールじゃないよね?
一昔前は、贅沢病ともいわれ、プリン体が悪いんだからビールをのまなきゃいい、なんて極論も出ていたのですが、そもそも尿酸ってなぜ体内で生産され、排出し辛くなってしまうのでしょうか。
現代では、遺伝によるものと、環境により、血清尿酸値が高い人がいるのだと解釈されています。
尿酸自体は、誰の体にも存在しています。
私たちの体の細胞の中でも、遺伝子を構成しているDNAや、エネルギーの放出や貯蔵を担当するATP(アデノシン三リン酸)が分解されると、尿酸ができるのです。
ちなみに、DNAや、ATPなどは、生物学を習った人なら聞いた事があると思うのですが、細胞にある「核」を構成する物質の事で、「核酸」とも呼ばれています。
デオキシリボ核酸、がDNAの事ですよね。
よく聞く、「プリン体」とは、これらの核酸を構成する成分になります。
まぁ、小難しい事はさておいて、生きていくうえで必要なエネルギーを消費したり、遺伝子の活動があるだけで、その老廃物である尿酸は日々作られているのです。
ほとんどの動物では、分解されたあと、体内にはほとんど残りません。
ところが、人間は、尿酸を分解する酵素が、遺伝子はあるけれど壊れている状態のため、尿酸が残る傾向にあるのだそうです。
それでも通常は尿と一緒に排出されるのですが、ストレスだったり、食生活などの環境悪化、体質などが原因で、排せつ能力が低下してしまうと、尿酸は体内に溜まってしまいます。
プリン体を含む、核酸が分解されて尿酸になるので、それならプリン体が多く含まれる食べ物を食べなければ、尿酸はあまりできないのでは?と考えられたのが、一昔前の事になります。
今では研究も進み、食べ物を摂取する事で作られる尿酸の割合は、2割ほどしかない事がわかっているようです。
8割は新陳代謝など、日々生きるエネルギーから生み出されるのですから、プリン体が多い食べ物を減らしたからといって、それほど血清尿酸値は減らないのです。
治療法はどんなもの?
痛風発作は、発作というだけあって、ちょっと触れただけでもかなりの激痛を伴ないますので、生活にも支障が出てきます。
そうなってしまったなら、一日でも早く内科を受診し、適切な診断と処置を受ける事が良いと思われます。
主な治療方法としては、血中尿酸値を下げるための薬や、排せつを促される薬を処方され、低い数値になるまで飲み続けるというものがあります。
同時に、食生活改善指導なども行われるようです。
適切に数値をコントロールできるようになり、低い数値を維持できていると、結晶化してしまった尿酸も数年で消えていくのだそうです。
もちろん、そうなる前に自分が高尿酸血症であるとわかったなら、アルカリ性の食べ物や飲み物を多めに取り、尿から尿酸を出せるよう努力したり、医者と相談しながら普段の生活リズムを整えてストレスを減らすなどしましょう。
予防法、何が効果的?
尿酸が多い体質の人人も、諦める必要はありません。
排出し辛いのであれば、積極的に排出させる努力をする事はできるからです。
アルカリ性の食べ物や飲み物で代表的なのは、牛乳などの乳製品です。
一日1杯の牛乳でも効果的なのだそうです。
野菜類も、尿酸を排せつする効果が期待できるようです。
また、水を多めに摂取する事で、尿路結石を予防できます。
逆に、確かに原因としての割合は低いとはいえ、アルコール類は、プリン体が多く含まれる飲み物です。
やはり尿酸を作る原因の一つではありますので、ビールに限らず、全般的に摂取を控える方が良いでしょう。
また、意外と見過ごしがちなのが、肉や魚に含まれるプリン体です。
いわしなどの魚、干物にもプリン体は多く含まれます。
肉食文化が入ってきて、洋風化したことで、日本人にも痛風患者が増えてきたというデータもあります。
肉や魚を多く食べる人は、いきなりガクッと減らして食べないのではなく、少しずつ控えるようにしていきましょう。
尿酸だけで見ると確かに取らない方が良いものかもしれませんが、他の健康維持に欠かせない良い成分ももちろんあります。
ただ、何にしろ、食べすぎは良くありません。
また、尿酸というだけあって、酸性で水に溶けにくいという特性をもっていますが、尿がアルカリ性に近づけば、溶けやすくなるのだそうです。
そのため、アルカリ性の食品や飲み物を多く採る事と、水分を十分に取る事は予防に効果的です。
水分は、健康な人でも、健康維持には一日2リットルが目安とされています。
通常の食事でも水分は取れますし、食事と同時に一杯のお茶などを飲めば、一日1リットルは軽くクリアできるのですが、意外と2リットルとなると、意識して飲まなければクリアできない目標です。
高尿酸血症だとわかっている人は、発作が起きる前に、まずは食生活と運動などで積極的に予防していきましょう。
早めに気付き、適切に治療ができれば、進行を食い止め、健康的に生活できます。
痛みを抑えたい場合に気を付ける事は?
慢性的に痛みを起こしている人は、医者にかかっているようでしたら既に指導されているとは思いますが、初めての痛みで、市販の痛み止めで対処しようとしている人は、少し気を付けなければならない事があります。
バファリンなどに多く含まれるアスピリンと呼ばれる成分は、痛風の方に使用すると、悪化する事がわかっているため、禁忌とされています。
また、鎮痛薬のたぐいは、飲み合わせや体質との関連で、副作用が出やすいものでもあります。
できるだけ、病院で適切な薬を処方してもらいましょう。
どうしてもすぐには行けないけれど我慢できないなど、特別な場合にのみ、薬の箱や説明書に書いてある注意事項をよく読んでから、自己責任で自分に合った正しい量で、気を付けて飲むようにしましょう。
発作が起こった!その時何をする?
発作が起こるのは、なぜか夜寝ている時が多いようです。
一人で寝ていた場合は、パニックになりそうですが、まずは落ち着いて、自分に何が起きているのか、把握しましょう。
とはいっても、言葉では表せないくらいの激痛です。
しかも、ピークになるまでは半日くらいかかると言われています。
しばらくは、ずっと痛い状態が続く事になるのですから、冷静さを失っても仕方ないかもしれません。
そうならないように予防するのが一番ではあるのですが、もしも激痛が起こってしまったなら、そして痛風が疑われるのであれば、次のような対処法があります。
冷やす⇒安静⇒医者
痛みが出てしまった場合、既に結晶化した尿酸が元で、炎症がその部分に起こっています。
痛風に限らず、炎症の反応の場合は、冷やすことが有効です。
ビニール袋に氷と水を入れ、患部に当てて20分ほど冷やしてみてください。
アイシングといって、冷やす事で、患部の血流を緩やかにし、痛みを伝達する神経を麻痺させる効果が期待できます。
20分後、ビニール袋を外して体温が戻る程度まではずしておきますが、また体温が戻ってきたら冷やします。
これを繰り返して、痛みを緩和させるのです。
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痛みを和らげようと、マッサージする事は、逆効果になってしまいます。
血中で結晶化し、尿酸が溜まった関節などに白血球が攻撃を開始して炎症が起こっているのですから、血の流れを良くすると、痛みは促進されてしまいます。
また、心臓より高い位置に置く事も有効だそうです。
できるだけ早い段階で医者にかかり、一番強い痛みが多少治まってくるまでは、じっと安静にすごすようにしましょう。
また、既に処方された薬をお持ちの人は、ついついその痛みから、薬を多めに飲んでしまわないように気を付けましょう。
飲むタイミングも、怪しいと感じた頃に飲むものと、発作が起きてから飲むものと、様々な種類があります。
必ず、医者に処方されたものを、説明されたタイミングと量をしっかり守って飲むようにしましょう。
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まとめ
痛風になって、発作が起きると、生活に支障が出るくらいの激痛が走ります。
かなり腫れあがることもあり、骨折?関節炎?と、他の症状を疑う事もあるでしょう。
20代以上の男性がほとんどといわれるくらい多いのですが、女性もかからないわけではありません。
また、足の指関節をはじめとする、下半身に最初の発作が出やすいとされていますが、これも、100%ではないので、全身の関節や場所のどこに結晶化した尿酸が溜まるかで、出てくる所も様々です。
ただ、1日くらいで痛みのピークが来て、期間も比較的短く、徐々に治まってしまうものでもあるので、放置されがちです。
とりあえず痛みが出たら、自己判断せずに、内科にかかる事をおすすめします。
関節炎は他にもいろいろありますし、別の病気が関わっているかもしれません。
痛みを抑えるために市販の鎮痛薬を使うのも、できるだけ避けた方が良いと思われます。
その前に、患部を冷やしたり、高い所へ置いて安静にするなどで、痛みを緩和させる事も可能ですので、応急処置としては、そちらをおすすめします。
また、痛風の場合は、放置しておいても良くなるどころか悪化してしまうものですので、一日でも早く、尿酸のコントロールができる状態へ持っていくようにしましょう。
そうする事で、健康的な生活を送る事ができます。
痛風の痛さに限らず、痛みとは、他人や傍目から見てもわかり辛い、苦しい症状ですよね。
我慢しすぎず、体からのサインを素直に受け取って、できるだけ早く医療機関を受診してくださいね。
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