成人女性の二人に一人は何かしら冷えの症状を感じていると言われています。
特に夏場でも手足が冷たい末端冷え性の症状に悩む方は多く、管理人もその中の一人です。
冬場は意識して重ね着や温かい飲み物をとるようにしているんですが、夏になるとつい冷たいビールに手が伸びて気が付くとひざ下が冷たくなってしまうというパターンです。
でも、こうした末端冷え性の症状って体質だから仕方がないものなんでしょうか?

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末端冷え性の症状ってどんなもの?冷え性とは違うの?

冷え性と末端冷え性は同じ?

「冷え性」とは4つのタイプに分類されています。

  • 下半身冷え性タイプ
    上半身はほてっているのに、下半身に冷えの症状がみられるこのタイプは30代以降の男女に多く見られます。
  • 内臓冷えタイプ
    皮膚表面や手足は温かいのに体の芯の体温が低いタイプです。
    内臓の冷えから腸にガスが溜まりやすく、膨満感を感じやすいです。
  • 末端冷えタイプ
    手や足の先が冷える「末端冷え性」がこのタイプに当てはまります。
    食事の量が少なかったり運動不足が原因で上手く熱を作り出すことが出来ずに冷えに繋がってしまいます。
  • 全身冷えタイプ
    基礎代謝の低下や、食事量・運動量不足、体力低下などが原因で冷えてしまうタイプです。
    甲状腺機能低下症が原因の場合もあるので、症状に心当たりのある方は医師に相談してみてください。

末端冷え性とはどういうもの?

手や足の先、「末端」が冷える末端冷え性。
もう少し詳しくその特徴を見ていくと、世代的には10~30代の女性に多く見られます。
手先や足先が冷えるという特徴がありますが、それに反して体は普通に温かいという特徴もあります。
末端だけが集中的に冷える、というのが末端冷え性の特徴とも言えるでしょう。

そんな末端冷え性では、体を動かして体が温まったように感じるのに手先・足先はそれほど温まって感じられなかったり、手袋や靴下で保温をしているのにちっとも温まらない、といったことも起こるのが厄介なところ。

また手足の先が極端に冷えていることで、冬場など布団に入ってもなかなか温まらずに寝付けないために睡眠不足になったり体調を崩してしまうこともあります。
人によっては冷えで痛みを感じることまであるそうですよ。

普段からなんとなく感じている不調の原因が実は末端冷え性が原因なのかも?

  • 手や足先だけ冷える
  • 足がむくみやすい
  • 肌荒れ
  • 腰痛、肩こりがある
  • 貧血ぎみ、動悸やめまいがある
  • 布団の中でも足が冷たく、寝つきが悪く眠りが浅い
  • 生理不順、生理痛

管理人はほぼ当てはまっていますね・・・。
特に冬場に布団に入ると「これが生きてる人の足なの?」と思ってしまうほど冷たくなるので、靴下と湯たんぽは欠かせません。

やっぱり「冷えは万病のもと」だった!末端冷え性が原因で起こるこんな悪影響

湯たんぽや靴下のように、冬場の冷えはツライので何かしら対策をとろうと思いますが、夏場はどうでしょう?
管理人の場合、夏場でも手足を触ると冷たいと感じることはあるけど特にこれといった対策はせず、冷たい飲み物や肌の露出の多い服を着る機会も珍しくないです。
このように体が冷えたままだとどんな影響があるのでしょうか?

基礎代謝・免疫力の低下

現代人の理想の体温は36.5以上だと言われていて、体温が1℃下がると基礎代謝は12%低下し、免疫力は30%低下すると言われています。
冷え性と平熱が35℃台の「低体温」は別の物ですが、どちらにも共通するのは筋肉量の低下や血行不良・低血圧などです。

自律神経の乱れ・不眠

血の巡りや血管の収縮・拡張などは自律神経が調整していますが、冷えによる血行不良を起こしてしまうと自律神経の乱れにつながります。
人は一旦体温を上げて、体の表面から熱を放つことで眠りに入りやすい状態になりますが、冷えによる血行不良を起こしてしまうと熱が上がりにくく不眠に繋がってしまいます。
さらに、寝不足続きで交感神経が優位になってしまうと緊張状態が続いてしまい眠れなくなるという悪循環にはまってしまう事があります。

不妊の原因につながる

脳から分泌されるホルモンは血液と一緒に運ばれてきますが、冷え性により血行不良を起こしてしまうと卵巣や子宮に大切なホルモンが届きません。
卵巣や子宮にきちんとホルモンが届かなければ卵子の育ち方が悪かったり、子宮も悪影響をうけてしまい不妊の原因に繋がってしまうのです。
結婚し、いざ子供を作ろう!と思った時に初めて不妊だと気が付き、そこから冷え性の対策を始めるという方はとても多いです。

末端冷え性の原因は?

冷え性を放置すると体に様々な悪影響が起こるのはわかりましたが、ではなぜ末端冷え性になってしまうのでしょうか?原因をいくつか紹介します。

筋肉が少ない

筋肉は体が熱を生み出すためにとても重要です。
筋肉が動くことで熱が生まれるのですが、女性は男性に比べて筋肉量が少なく、筋肉がつきにくい体のつくりになっています。
その為、熱を生み出しにくく冷え性になりやすいのです。

また普段から運動量が少ないことによって筋肉量が落ちているというケースもありますね。
その場合は筋肉量の低下だけでなく、筋肉を刺激する機会自体が少ないために血液を送ることが十分に出来ていないために末端にまで行き渡らず末端冷え性の原因となっている場合も。

偏った食事をしている

ダイエットで食事制限をするなどの偏った食事をしていると栄養不足になり、少ない筋肉がさらに落ちてしまい熱を作れなくなってしまいます。
普段から小食の方も同じ事が言えます。

原因になる栄養の偏りを具体的に挙げると、加工精製食品の取りすぎ、タンパク質や脂肪・糖分は取りすぎているのにミネラルやビタミンは不足している・・・という食生活。

こうした食生活によって、熱を作り出す筋肉を維持することができず筋肉量が減ってしまうことも考えられますし、そのほかにも「冷え」そのものと直結した冷たいものの取りすぎ、「冬に夏野菜」など季節外れの野菜や果物の摂取なども原因として考えられます。

生理周期による影響

生理周期によって血流や体温の変化する女性の体では、生理前や生理中に特に冷えるという人も。

女性の体内では生理前には子宮を温めるために、子宮周辺の血管が拡張され体内の血液を集中的に集めています。
そのため、子宮から遠い特に手や足といった末端までよく行き渡らず冷えの原因となります。
また生理前には体が水分をため込もうともするため、その水分がまた冷えやすくなる原因のひとつ。

生理中では主にホルモンの影響によって冷えが起こりやすくなります。
プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンは体温を上げる働きも持っているのですが、生理中にはこのプロゲステロンの分泌が減少し、代わってプロスタグランジンというホルモンが分泌されます。

このホルモンは経血の排出を促すために出てくるのですが、血管を収縮させる働きを持っているために全身の血流を悪化させやすくなります。
さらに経血の排出のために血液が子宮に集中している時期でもあるために、生理前の冷えの原因にホルモンの影響が追加され、特に末端が冷えやすいという状態になるのです。

肌の露出・薄着・体の締め付け

特に若い女性だとおしゃれを意識して一年中薄着でミニスカート。冬でも生足で肌の露出が多かったり、かわいい小さい下着を身に着けるなんて事は特別ではありませんが、こうしたファッションは冷えにつながります。
痩せて見えるようにガードルなどで体を締め付ける事も血行不良につながります。

便秘

便秘が冷えに直結するというのは少し想像がしづらいですが、実はこれも立派な「冷え」の原因。
便秘になるということは、その原因はともかく腸のぜん動運動が必要なだけ行われていないという状態が考えられます。
そのぜん動運動が行われていないという状況は、基礎代謝低下の原因となります。

基礎代謝が低下すれば、代謝によって発生する熱が少なくなるため体温も引きずられて低下してしまい、これが結局は冷えの原因になるんですね。

環境的な要因と生活習慣

冷暖房が完備されている環境にいることが多い現代の住環境。
これもまた、冷えの原因のひとつとなってしまいます。
夏場の冷えすぎた室内なども問題になりますが、温度差がありすぎたり逆になさすぎたりといったことが体内の温度調節機能を低下させる原因に。

また生活習慣という点で言えば、カフェインの取りすぎや喫煙なども冷えの原因になりますね。
コーヒーや緑茶に多く含まれるカフェインは利尿作用が強く、この作用によって体内の水分が排出される際に体温が下がってしまいます。
喫煙については急激な血管の収縮による血行不良が冷えの原因として考えられます。

そのほか過度のストレスによっても血行不良が起こると言われます。
カフェインの取りすぎでも交感神経が刺激されイライラや不眠の原因となりますから、例えば眠気覚ましにコーヒーを飲んで仕事などを頑張った影響が、あとから「冷え」として体に出てくるといったパターンも。

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末端冷え性の改善法は?

不妊や免疫力の低下などにつながる冷えが、普段の生活スタイルや、生理などの避ける事ができないものが原因だとわかったところで今日からでもすぐにできる対策をまとめてみました。

運動をする

末端冷え性を改善するためには熱を生み出す筋肉をつけるのが効果的ですが、筋肉をつけるにはある程度の期間が必要です。
また、今まで運動習慣がなかった方だとハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、徒歩で通勤・通学をしている方ならいつもより歩くペースを速めてみる、歯みがきや料理をしてる時に爪先立ちを繰り返してみるなど簡単にできる事から始めてみるのもいいかもしれません。
手足をぶらぶらと揺らしたり、手をグーパーするなどの動きでも血行促進の効果があります。

ちょっとした努力が効く「ふくらはぎ」

筋肉を刺激して体温や血流を上げるという意味で有効なのが「ふくらはぎ」の筋肉を使うこと。
足から心臓に向けて血液を送り返すポンプの役割を持っているふくらはぎの筋肉は、歩いたりして足首を動かすことで動きます。

歩くだけでなく、マッサージで刺激を与えたり、立っているときにかかとを上げ下げするといったちょっとした動きでもOK。
そうしてこまめにふくらはぎの筋肉を刺激することで、血流も改善し末端冷え性対策だけでなくむくみの予防や改善にも役立ちますよ。

便秘が原因なら「ラクチン腹筋」がオススメ

便秘の改善には食物繊維や発酵食品を意識的に取ったり、朝食をキチンと食べるといった対策もありますが、運動からのアプローチなら「腹筋」に注目。
腹筋がつくことで腹圧が上がり便秘解消につながるほか、筋肉を動かすことによる熱の発生の面からも冷え対策になります。

そこで鍛えるべきは「下腹の腹筋」。
おヘソより下のエリアですね。
しかしそこの腹筋を鍛えるには、足上げ腹筋などが有効ではあるものの、なんといっても「ツライ」・・・!
つらいものは続きません・・・ということでもっと簡単にできるものをご紹介しましょう。

「やること」としては、背筋を正して下腹に力を入れてキープするだけ!
通勤電車の中で立っている時間や、座っているちょっとした時間を有効活用できちゃいます。

すぐに体を温められるようにする

ミニスカートや素足にサンダルなど、「今しか楽しめないファッション」を楽しむのはとても素敵なことですが、インナーにキャミソールを重ねる・腹巻やお腹まで隠れる下着を身に着ける・普段からストールや羽織ものを持ち歩くなどの外出先での冷え対策を意識するようにしましょう。
冬場であれば厚手のタイツや手袋、マフラーを積極的につかってみるのも効果的です。

衣類は重ねることで、布と布の間に空気の層ができます。
その空気が温度をキープしてくれますから、冷え対策には薄いものでも「1枚プラス」を意識すると良いですね。
例えば寝具でも、掛布団の上から足元だけブランケットを1枚プラスするだけで、温かさや温まり方、意外と違いますよ。

ネックウォーマーなどを利用する

首・手首・足首は太い動脈が皮膚の近くにあるので、気温の影響を受けやすく、この「3首」が冷えてしまうと冷たい血液が全身を流れてしまい体を冷やしてしまいます。
家にいる時などはネックウォーマーや長袖の服、靴下を履くなどして3首を温めてあげることを意識してみてください。

レッグウォーマーやリストウォーマーなどももちろん有効ですし、秋冬に高確率で流行りがくるファー小物のひとつであるファーブレスレットを取り入れるなど「ファッションと見せかけて実は冷え対策!」なんて発想もアリですよね。

湯船にゆっくり浸かる

冷え性を改善するにはシャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かることが大切です。
体を温める効果はもちろんですが水圧が血行を促進し、浮力が筋肉の緊張を和らげリラックス効果があります。

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また冷え対策を意識するなら、入浴前に一杯の白湯を飲むのがオススメ。
一度沸かしたお湯を50~60℃まで冷ました白湯は、それだけでも体を温めてくれますが、実はもっとオイシイ効果が。
入浴だけでは芯まで温まりきらなかったり湯冷めしやすい冷え性さんのカラダ。
入浴前に白湯を飲んで中から温めておくことで、湯冷めもしにくくなり入浴による温め効果もアップしますよ。

末端冷え性に効果的な食材

こんな食材が体を温めてくれる効果があります。

  • 野菜
    にんじん・ネギ・やまいも・かぼちゃ・にんにく・やまいも・しょうが・ごぼう・小豆・黒豆など
  • 肉・魚
    鶏肉・羊肉・たら・サケ・さばなど
  • 飲み物
    しょうが湯・黒豆茶・ほうじ茶ウーロン茶・紅茶・日本酒・赤ワインなど

おすすめは乾燥しょうが

この中でも特にしょうがは体を温めるイメージがあるかとおもいますが、しょうがは生のままで食べるよりも乾燥させる方が成分が変化し、より体を温める効果があるそうです。

管理人も去年の冬から生のしょうがを薄くスライスし、乾燥させて作る「乾燥しょうが」に挑戦しました。
紅茶に浮かべて飲むことが多かったのですが、生のしょうがのようにカーっとくる事もなく飲むとじんわり温まる感じが心地良いです。
2ミリほどの薄さにスライスしたしょうがを天日干しをしてカラカラの状態まで乾燥させたらできあがりというお手軽さなのでぜひ試していただきたいです。

「天日干しがめんどくさい!」という方には市販の乾燥しょうがパウダーもオススメです。

出典:やさしさ.net

しょうがの「温め成分」であるショウガオール。
乾燥だけでなく加熱によってもともと含まれるシンゲロールがショウガオールに変化する性質もあるため、温かい紅茶に入れて飲むならチューブのおろししょうがでも効果抜群です。

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まとめ

今まで「体質だから・・・」とあきらめていた末端冷え性ですが、ほんの少しいつもの生活を変えてあげるだけで改善するチャンスがある事がわかりました。
冷えを放置してしまった結果、自律神経の乱れからくる不調を感じたり、妊娠を望んだ時になかなか授からないというのはとても辛く深刻な問題です。
若い方はまだピンとこないかもしれませんが、漠然とでもいつかは子供が欲しいと思っているなら、いざ妊活を始めた時に遠回りになってしまわないようにすぐにでも冷え性の対策を始めてもらいたいです。
体はすぐには変わらないからこそ、熱を生み出す工夫や着るもの、食生活の改善などの毎日の積み重ねが重要になってきます。


 

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