チクッ。あ、刺された!
洗濯物を干していたら、何かの虫に刺されてしまいました。最初はそうでもなかったのですが、しばらくして赤く腫れて、痛くなってきました。なんだか不安です。病院へ行った方がいいのでしょうか。行くとしたら何科に行けばいいのでしょうか?それとも、虫刺され程度で受診するのは大げさでしょうか。

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病院に行く目安

虫刺され、特に、蚊に刺されることは、誰しもよく経験するでしょう。蚊に刺された場合は、かかないようにしておけば自然と治りますから、病院に行く必要はありません。蚊以外の虫でも、症状がひどくなくて市販の薬を塗って回復していれば、病院に行かなくても大丈夫です。
しかし、次のような場合は、大げさだとは思わないで、病院を受診してください。

症状が重い

皮膚の症状だけなら皮膚科を、全身症状が出ていたら内科を受診しましょう。

特に子供さんは、大人よりも抵抗力が弱く、体質によってはアレルギー反応が強く出てしまうこともありますので、病院で診察をうけましょう。子供は、掻きむしって感染症をおこすことも心配ですから、病院で処方された薬で早く治したいですね。市販の塗り薬には、かゆみや痛みに即効性のあるステロイド剤が含まれていることが多いですが、医師に処方してもらえば、年齢や部位に応じて最適な強さのステロイド剤を選んでくれます。

ただし、赤ちゃんの場合は、かかりつけの小児科があれば、そちらへどうぞ。
赤ちゃんの病気には、突発性発疹・水ぼうそう・アレルギーなど、皮膚の症状を伴うものが多いので、虫刺されではない可能性があります。自己判断せず、専門家に診てもらった方が安心です。

ぐったりしている。発熱・頭痛等の身体症状がある。
単なる虫刺されではない可能性もあります。

・耳鳴り・悪寒・呼吸困難
アナフィラキシーショックを起こしているのではありませんか?

・腫れ・痛み・ほてりが強い。我慢できないほどのかゆみがある。
病院で、症状に応じた薬を処方してもらう方が、早く治ります。

・掻きむしって、炎症が広がってしまった。
かゆみのために掻きむしってしまうと、そこから細菌が入って感染症をおこすことがあります。

・5日~6日以上、市販の薬を塗っているけれども、症状が良くならない
「ムヒ」などの市販薬の説明書には、「5~6日使用しても良くならない場合は使用を中止し、医師・薬剤師または登録販売者に相談してください」と書いてあります。虫刺されだというのは思い込みで、他の皮膚炎の可能性もあります。

・水ぶくれがある
虫刺されによるアレルギーで水ぶくれになることもありますが、とびひ(伝染性膿痂疹)などの細菌性の皮膚病を発症しているケースが見られます。その場合、水ぶくれをやぶって中の液が他につくと、広がっていきますので、やぶらないようにしましょう。

毒性の強い虫に刺された!

虫にも、毒性の強いものと、弱いものがいます。(ここでいう「虫」とは、「昆虫」に限りません)
毒性の強い虫は「ハチ」「ムカデ」「クモ」「毛虫」「ブヨ」などです。実際問題として、どの虫に刺されたか判断できないことも多いですので、症状がひどく、激しいかゆみや痛みを伴うときには、病院を受診しましょう。

ハチ

ハチの中でも、スズメバチの毒は強く危険です。
ハチに刺されたら、まず、そこから離れましょう。ハチが襲ってくるときは、ハチの巣が近くにありますから、同じ場所にいると、また刺されてしまいます。
次に、刺された箇所にハチの毒針が残っていたら、それを抜きます。ピンセットかそれに類するもので抜いてください。手で抜くと毒を押し入れることがありますので、手で抜こうとするのは止めてください。抜けないときは、無理に抜こうとしてはいけません。病院に行って処置を受ければ、皮膚と一緒に切り取ってくれます。
それから、流水で刺された箇所を洗い、毒の成分を流します。口をつけて毒の成分を吸い取るのは止めて、ポイズンリムーバーを使って、毒を吸い出しましょう。
抗ヒスタミン剤とステロイド剤を配合した薬(ムヒアルファなど)があれば塗って、病院へ行ってください。

(ポイズンリムーバー)

出典:Yahooショッピング https://store.shopping.yahoo.co.jp/merecare/367628.html?sc_e=slga_pla

ブヨ

小さなハエのような虫で、皮膚をかみちぎって血を吸います。麻酔のような成分を注入してかむので、かまれて数時間以上たってから激しいかゆみや痛みがあらわれます。中には、歩けないほどの痛み・はれが出るケースもあります。

ダニ

ダニは種類がたくさんありますが、刺すダニとしては「イエダニ」と「ツメダニ」が身近な存在です。ダニに刺されたときは、1週間くらいかゆみが持続し、掻きむしってしまいがちですので、病院へ行きましょう。

特に、「マダニ」に刺された時は、注意が必要です。命に関わります。
マダニが媒介する感染症にかかった人が死亡したというニュースを、耳にした人も多いでしょう。
マダニは草むらの中などにいて、動物や人間の皮膚に取り付いて血を吸います。体長が1~3mmくらいで、目に見えるダニですが、痛みやかゆみを感じないので、吸血されていることに気づかないことが多いのです。血を吸って1cmくらいに膨らんだところで気がつくこともあります。
マダニは、病原菌を媒介し感染症を起こして、人を死に至らしめることもある、怖い虫です。マダニが肌に付いていたら、自分ではがそうとせずに、病院へ行きましょう。無理に取ると、マダニの一部が残って、感染症を引き起こすこともあります。

毛虫

蛾や幼虫の毛虫の中には、毒をもったものもあります。椿の木などにつく、チャドクガの幼虫が代表的な毒のある毛虫です。植木の手入れをしているときに刺されることが多いのですが、毛虫の毛が風で飛ばされて、洗濯物について、そのせいで刺されることもあります。赤い発疹が現われ、激しいかゆみを感じます。刺された直後で、毒毛が皮膚についているときは、ガムテープなどを使って、皮膚から毛を取りましょう。

ムカデ

ムカデは、刺すと言うより、かみつきます。種類や大きさによっても違いますが、かまれると激しく痛み、赤く腫れます。
人によっては、発熱・頭痛・吐き気・めまいなどの症状が出ます。このようなときは、すぐに病院に行きましょう。ムカデは、ハチと同様に、アナフィラキシーショックを引き起こすことがありますので、1度ムカデにかまれたことのある人が、2度目にかまれたときは、特に気を付けてください。呼吸困難・血圧低下の状態になったたら、救急車を呼びましょう。痛み・腫れなどの皮膚の症状だけでしたら皮膚科でいいのですが、全身症状が出たら内科を受診しましょう。

ムカデにかまれたら、傷口の周囲をもむようにして患部の毒を押し出します。口で吸い出すのは、衛生上おすすめできません。あればポイズンリムーバーで毒を吸い出しましょう。毒を出したあと、傷口を流水で洗い流し、
保冷剤などで患部を冷やし、抗ヒスタミン剤とステロイド剤を配合した外用薬を塗ります。

クモ

多くのクモは毒がないか、あっても、それほどひどいものではありません。しかし中には、外来種の「セアカゴケグモ」のように、危険なクモもいます。日本に昔からいる在来種のクモの中にも、毒を持つものがいますので、不用意にクモに近づかないようにしましょう。
かまれたときも、普通のクモであれば、傷口をよく洗って患部を冷やし、虫刺されの薬を塗っておけば腫れや痛みもやがて治まります。しかし、痛みや腫れが続くようであれば、病院へ行きましょう。

予防法

キャンプなどで、虫のいそうな野外に出るときは、長袖・長ズボン・手袋・帽子などを着用し、首にはタオルを巻いて、肌を露出しないようにしましょう。虫除けスプレーなどを適切に使用することも大切です。

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すぐに救急車を呼ぶ必要があることも!

虫に刺されたときに、最も恐ろしいのは、「アナフィラキシーショック」です。

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アナフィラキシーショックとは?

毒性の強い虫に1度刺されると、体内に虫の毒に対する抗体ができ、2度目に同じ虫に刺されると、その抗体のせいで急激なショック状態が起きます。じんましん・腫れ・呼吸困難・意識の消失・血圧低下などの症状が見られ、死に至ることもありますから、救急車を呼びましょう。
アナフィラキシーショックを起こす虫としては、特にハチとムカデが知られています。

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まとめ

虫刺されでも、場合によっては重篤な状態に陥ることがあります。大げさだとは思わず、病院を受診しましょう。抵抗力の弱い子供さんや赤ちゃんには、特に気をつけてあげてください。過去にハチやムカデに刺されたことのある人は、アナフィラキシーショックに注意しましょう。草むらや山林に入るときは、肌を露出しないようにして虫刺され予防を心がけることが重要です。虫除けスプレーも噴霧しておきましょう。

 

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