友だちの結婚式に招待されて、「あっ、そうだ! ご祝儀袋を用意しなきゃ」とコンビニへ。「いろいろあるけれど、結婚式だから、ちょっと豪華なものが良いのかな」ぐらいで買っちゃっていませんか?
どうして、ご祝儀袋にいろいろな種類があるのかというと、ご祝儀袋は「結婚」だけでなく、「出産」「入学式」「成人式」「長寿祝い」「引っ越し」など、さまざまなお祝いごとに使われて、そのお祝いごとや、中に入れる金額などによって、使うご祝儀袋が違うからです。
(関連記事)この記事を読んだ方はこちらもおすすめです!
※結婚式の招待状の返信のマナーは?今流行の返信アートって何?
Contents
年配の方でさえも失敗している祝儀袋選び!
祝儀袋を渡す機会や習慣も減ってきていることもあって、若い人だけでなく、年配の方でも知らずに間違って渡しているということもあるみたいです。
親戚に頂いた叔父三人の祝儀袋が蝶結びでした。50代の大人が祝儀袋を間違えるなんて信じられなくて、結婚を祝福してないのかなと思い悲しい気持ちになりました
常識的だと思っていた義父も、義妹の出産祝いを結び切りで渡していました
友人の出産祝いで友達が熨斗の下の部分、普通は自分の名前を書く所に、なぜか友人の産まれた赤ちゃんの名前を書いていました
「今では笑い話しになっている」という方もいましたが、お祝いの気持ちを贈ったのにマナーを知らなかったために「悲しい気持ちになった」と思われてしまっては、贈った方も恥ずかしいだけではすみませんよね。贈った相手に、きちんと喜んでもらえるように、お祝いに合った祝儀袋を、きちんとしたマナーで渡しましょう。
祝儀袋どこが違う?水引と熨斗をチェックしよう!
祝儀袋の違いは、主に水引の結び方と色、熨斗(のし)の有無などで使用用途が分かれます。
水引とは、袋の中央に「赤白」などで描かれていたり、実際に結ばれているヒモのことで、熨斗とは、袋の右上に描かれていたり、張ってある飾りのようなものです。
熨斗は、縁起物とされてきた「熨斗あわび」を形骸化したものといわれています。
水引は結び方と本数に注目!
水引の結び方は、大きく分けると「蝶結び」と「結び切り」があります。
蝶結びは、何度も結んだりほどいたりできる結び方なので、主に結婚以外のお祝いやお礼など人生に何度もあって良いことに使われ、結び切りは、一度、結んだらほどけない結び方なので、主に結婚式関係の人生に一度きりのお祝いごとに使うほか、病気や怪我を繰り返さないようにという願いからお見舞いや快気祝いにも結び切りを用います。
結び切りをアレンジした「あわじ結び」は、両端を持って引っ張るとさらに強く結ばれ「末長く付き合う」という意味を持つことから、結び切りと同じように結婚式関係のほか、弔事などにも使われます。
また、ひもの数にも違いがあり、婚礼関係は、「夫婦は二人で一つ」という意味から5本を二つ組み合わせた10本のものを。婚礼関係以外のお祝いやお見舞いなどは、「5本」や「7本」のものを使います。
蝶結びで使われるお祝い
- 子供の誕生のお祝い(出産祝い、出産祝いのお返し)
- 子供の成長のお祝い(お宮参り、七五三、入園・入学祝い、卒業祝い、合格祝い、就職祝いなど)
- 長寿のお祝い(還暦祝い、古稀祝い、喜寿祝いなど)
- 一般的なお祝い(優勝祝い、受賞祝い、定年退職祝い、当選祝い、新築祝い、引越祝い、栄転祝いなど)
- お礼(婚礼以外の御礼全般やお返しの内祝い関係など)
- ご挨拶(お中元、お歳暮、暑中見舞い、残暑見舞い、お年賀など)
- 神社や神職へのお礼(祈祷や祝詞、婚礼以外のお祝に関する神社や神職へのお礼全般 。御神饌料、初穂料、玉串料など)
- その他(お年玉、心づけ・チップ、お餞別 、おはなむけ、御車代。神事や祈祷の際の御酒肴料、お祭りの時の御祝儀など)
(参照:超便利!冠婚葬祭マナー)
結び切りで使われるお祝い
- 結納金
- 結納飾り
- 婚約祝い
- 結婚祝い、結婚式お祝い
- 結婚式の引出物
- 結婚祝いのお返し
- 結婚に関するお礼
- 御見舞、快気祝い
(参照:超便利!冠婚葬祭マナー)
お見舞いや弔事には熨斗は付けない!
熨斗は、お祝いに使われるものであるため、「御見舞」や、香典などの「弔事」にも使われません。また、お寺に対しては、御祝や御礼の時でも「のし」を使わない方がいいとされています。それは、「のし」が、元々「アワビ」からきている生臭い物であるからだそうです。
どんな袋を使えばいいのか分からないときは、地方やお寺によっても違うので、事前に確認することをお勧めします。
結婚式の祝儀袋は贈る相手との関係と包む金額も要チェック!
ここまで説明したように、結婚式では、熨斗付きで、10本の水切を結び切り(もしくは、あわじ結び)で結んだ祝儀袋を使いますが、この条件を満たした祝儀袋であれば、何でもいいという訳ではありません。
包む金額によって選ぶ祝儀袋も変えてみる
水引の色は正式なものは金銀のものですが、包む金額が3万円以下の場合は、赤白の水引を選んだり、水豪華な結び方の水引を避けたりするのがマナーです。また、職場の上司や先輩などの結婚式のときは、カラフルな色の祝儀袋を選ばず、正式な色の「白色の祝儀袋」を選ぶと良いでしょう。
祝儀袋のデザインにも配慮が必要です。
包む金額が3万円未満の場合は、熨斗が付いただけのシンプルなもの。
3万円~5万円の場合は、多少飾りが付いたもの。
5万以上の場合は、鶴などの豪華な飾りが付いたものを選んでください。また、短冊の文字も正式な文字の「寿」を選ぶようにしましょう。祝儀袋への名前などの書き方も、表紙の水引の中央下に贈り主の氏名や会社名、お金を包む中包みの表に漢数字で金額、裏面に住所と氏名を記入すると決まっています。
祝儀袋を渡すときは袱紗に包んで!
これで、お祝いごとに間違いのない祝儀袋を選べるようになったと思いますが、まだ、安心してはいけません。
ご祝儀袋を渡す際は、袱紗(ふくさ)に包むのがマナーとされています。
これは、お祝いの品を汚れないように、ていねいに渡すためでもありますが、贈り物を直接、触れることなく、なるべく清らかな状態で渡すためとも言われています。そのため、渡す際にも、祝儀袋に触れずに、ほどいた袱紗を台にして、渡すようにしてください。
スポンサーリンク
袱紗を選ぶ際にも、慶事のときは明るい色、弔事のときは暗目の色を選びますが、紫色は慶事、弔事ともに使えるので、紫色を用意しておけば間違いはありません。また、袱紗の包み方にも、慶事と弔事で反対に包むなどのマナーがあります。
(関連記事)この記事を読んだ方はこちらもおすすめです!
きちんとしたマナーも含めて「お祝い」です!
祝儀袋を含めたお祝いの贈り方は、長い年月をかけて培われたもので、本来はもっと細かなマナーがあります。今回、紹介した祝儀袋の選び方でも、「こんなに覚えることがあるの?」と思われた方も多いかと思います。
ですので、「お祝いごとに合った祝儀袋がある」ということだけを覚えておいておけば、実際に贈る際に調べ直すことで間違いのないものを贈れるはずです。
きちんとしたマナーも含めて、相手をお祝いすることになりますので、失礼のないようにしましょう。