晴れて定年退職を迎えて、「これからは悠々自適の生活を送ろう」と思っていたものの、はじめこそ、満喫できていたのんびりしていた生活が、日が経つにつれ、なんだか手持無沙汰のような感覚が高まって、なぜか社会から切り離されてしまったような感じがしてしまう。でも、再就職は考えてもいないし、あてもない。そんな、高齢者の方たちが、「働くことを通じて生きがいを得て、地域社会の活性化に貢献する組織」として存在しているのが、全国の各市区町村に設置されている「シルバー人材センター」です。
ここでは「シルバー人材センターで働いてみたい」と思われている方に、シルバー人材センターがどういった組織か、どうしたら働けるのか、どんな仕事があるのか、どのぐらいの報酬を得られるのかなどについて、紹介していきます。
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Contents
シルバー人材センターで仕事をしているひとたちの感想は?
まずは、シルバー人材センターで実際に仕事をされている方の感想を紹介しましょう。
東京都杉並区シルバー人材センター82歳の男性会員の感想!
家でじっとしてるのなんて嫌だもの。ひとりだから、テレビを見てるだけじゃつまらないし、こうやって、だれかのお役に立てるならうれしいでしょう? 足腰がしっかりしているうちは、まだまだがんばって働くつもりですよ!
引用:全国シルバー人材センター事業協会
沖縄県豊見城市シルバー人材センター女性会員の感想!
勤めた会社を定年退職し、自由の身になった途端、退屈で寂しくて・・・シルバー人材センターの存在を知り、入会し、市の広報紙配り等を就業しています。就業では長い距離を歩くので体は丈夫になり、風邪もひかず元気です。この経験から人間、気の持ちよう、努力で健康を維持することが可能です。夫、共々シルバー会員です
引用:全国シルバー人材センター事業協会
どうですか。シルバー人材センターで働いている方たちは、皆さん、働くことを通じて、健康でエネルギッシュな生活を送られていることが分かりますね。
シルバー人材センターはどういうところ?
実際にシルバー人材センターで働いている方の声を聞いて、前向きな気持ちになられたのではないでしょうか。それでは、さっそくシルバー人材センターについて説明していきましょう。
シルバー人材センターの成り立ちは?
シルバー人材センターは、昭和50年に「急速な高齢化が進展する中で、高齢期を有意義にしかも健康に過ごすためには、定年などで現役引退した後も、 なんらかの形で働き続けたいと希望する高年齢者が増えてきたこと」を背景に東京都で設立された「高齢者事業団」がきっかけとなって、その取り組みが全国に広がっていったものです。
昭和55年(1980年)に、高年齢者に対する任意的な就業機会を提供する団体を育成する自治体に対して国庫補助が行われることになったことを受けて、全国各地で活動していた「高齢者事業団」などの名称が「シルバー人材センター」と統一され、事業もさらに拡大されていきました。
シルバー人材センターの規模は?
シルバー人材センターは、原則、各市区町村に設置されていて、全国シルバー人材センター事業協会の統計年報によると、平成27年度のセンター数は全国で1314のセンターがあり、全国で720,948人(男性483,470人、女性237,478人)の会員が所属しています。
シルバー人材センターの運営方法は?
シルバー人材センターは、「高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、 地域社会の活性化に貢献する」ことを目的とし、それぞれのセンターが独立した運営をしています。それぞれのセンターでは、「自主・自立、共働・共助」の理念に基づいて、 会員の総意と主体的な参画によって運営する社団法人を基本としています。各センターは、地域の家庭や企業、公共団体などから請負または委任契約によって仕事を受注し、会員として登録した高年齢者の中から適任者を選んでその仕事を行い、 それぞれの仕事の完遂については、契約主体であるセンターが負うことになっています。
シルバー人材センターで請け負う仕事は?
シルバー人材センターで請け負う仕事は、「臨時的かつ短期的な就業」で、専門的な知識や技能を必要としない仕事を主に請け負います。各センターによって請け負う仕事は違いますが、草刈りや屋内外などの清掃、調理、家事サービス、建物や施設の管理、家庭教師、パソコン指導、車の運転、一般事務、経理、大工仕事、店番、配達や集金など多岐に渡ります。平成27年度の東京都の統計では、81,578人の会員で、207,906件の仕事を受注。そのうち家庭を含めた民間からの仕事の割合は50.9%で、自治体などからによる公共の仕事は49.1%となっています。
シルバー人材センターで働いて得られる報酬は?
シルバー人材センターで働くといっても、シルバー人材センターと雇用関係が結ばれるわけではありません。各センターに入会した会員は個人事業主(一部派遣事業もあり)として、それぞれのセンターから仕事の仲介を受けて、請負や委任の形式で仕事を行います。報酬は、時給や日給ではなく、それぞれの仕事を行った後、センターから配分金という形で受け取ります。一ヶ月の報酬額は、全国シルバー人材センター事業協会によると次のとおりです。
一定した収入(配分金)の保障はありませんが、全国平均で月8~10日就業した場合、月額3~5万円程度です
引用:全国シルバー人材センター事業協会
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シルバー人材センターで働くには?
それでは、シルバー人材センターで働くためには、どうしたら良いのかについて説明していきましょう。シルバー人材センターに入会するための条件は次のとおりです。
- 原則60歳以上の健康で働く意欲のある方
- シルバー人材センターの趣旨に賛同していただいた方
- 入会説明を受け、入会申込書を提出した方(理事会の入会承認が必要です)
- 定められた会費を納入していただける方
この四つの条件を満たしている方が、自分の住んでいる地域にあるシルバー人材センターに入会を申し込み、各センターの理事会で入会が承認されて、入会が認められます。東京都の練馬区シルバー人材センターでの入会の流れは、次のとおりになります。
①月2回程度開催されている入会説明会に予約
②入会説明会に出席(代理人の出席は認められていません)し、センターの説明を受ける
③センターの趣旨に賛同した場合、年度会費2,000円の支払いと合わせて入会手続きを行う
④入会の手続きが済んだ月の理事会で承認を得て会員となり、会員証が郵送される
シルバー人材センターで希望する仕事はできるの?
港区シルバー人材センターでは、入会説明会を2回に分けて行い、1回目の説明会ではセンターの趣旨や仕事の仕方などを説明。入会を希望された方を対象に2回目の説明会を行って面談を行い、希望職種などの聞き取りを行うそうです。
ほかのセンターでも同様に、希望職種など自分が働きたい仕事の要望を伝えることができますが、例えば希望する職種が人気の職種だったり、そもそも、希望する仕事の依頼が少なかったりする場合は、希望する仕事を自分が考えていたペースで行うことはできないので注意しましょう
。一般的なセンターではセンターのコーディネーターが会員の希望などを考慮して人選を行い、仕事が引き受けられるかどうかを確認する方法で仕事を仲介しているようです。東京都シルバー人材センター連合の平成28年度の就業延人員の統計によると、実際に仕事を行った職群の内訳では「清掃や商品整理などの一般作業群」が42.4%、「公共施設やビル管理などの管理群」が31.0%を占めていたほか、サービス群では、「家事・育児サービス事業」のニーズが高まって10年間で約2倍の伸びになっているそうです。
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シルバー人材センターで仕事をするにあたって!
シルバー人材センターの目的は、あくまでも、「高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、 地域社会の活性化に貢献する」こととなっています。そのため、希望する職種に付けなかったり、希望する収入を得られなかったりすることもあることを認識した上で働くことが必要になります。特に東京都などと違い地方は自治体などの公共的な仕事の割合が低い傾向もあり、「公共施設やビル管理」などの仕事が少ない場合も多いです。
それでも、シルバー人材センターによっては、仕事を行えるようになるための講習会の開催や、ボランティア活動や文化教室などにも力を入れているセンターもあります。
興味を持たれた方はまず、自分がお住まいのシルバー人材センターに問い合わせて、そのセンターでの活動や働き方などを聞いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。