食中毒のニュースといえば、梅雨の時期・・・だったのはひと昔前。
今や、一年中なんらかの食中毒のニュースが聞こえてきます。

食中毒を経験した人の中には、ちゃんと予防処置をしていたにもかかわらず、なぜか患ってしまった人もいます。
一体何をどう予防する事が身を守る一番の対策になるのでしょうか。

家庭での、ちょっとだけ見落としがちな予防対策を、少しだけピックアップしてみました。

真面目に原因を知りたいなら

食中毒と言えば、厚生労働省が力を入れてイラスト入りのチラシを作ったり、ホームページで呼びかけたり、国が関係部署を通じてポスターなどで一般への広報活動をしているので、どんな対策をすれば良いのか、基本的な事を知っている方も増えていると思います。

小中学校でも、結構時間を割いて、食中毒の怖さや、対策を教えているようです。

食中毒の主な原因は、細菌、ウィルス、自然毒、化学物質、寄生虫などがあります。
他に、特殊な例として、1才未満の乳児にのみ危険な、蜂蜜によるボツリヌス菌が引き起こす食中毒があります。

詳しい情報は、厚生労働省のホームページに詳細が載っています。

「食中毒予防の3つの原則」”って、聞いた事ありますか?原因菌を”【付けない、増やさない、やっつける】

というものです。
引用:厚生労働省食中毒予防の3原則

そして、それを実行するにあたっての、6つのポイントというものもあります。

原因であるもののうち、自然毒や化学物質、寄生虫については、そもそも発生数が少なく、流通の段階で、それらを取り除く努力が既になされています。
そのため、家庭において、対策をしておいた方が良い食中毒の原因の種類は、「細菌」と「ウィルス」ということになります。

菌の代表格であるカビも、そのへんにいくらでも生えていますし、空気中にも漂っています。
雑菌や食中毒の原因になる菌も、人間の体に既に無数に存在しています。
そのため、ちょっとしたことで食材に付いて増えてしまい、食中毒の原因になりやすい身近なものでもあります。

ウィルスも同様です。
菌と違うのは、食品に付いてもそこで増えるわけではなく、わずかな量でも付いてしまえば食中毒になることから、【増やさない】かわりに、あらかじめ調理場所へ【持ち込まない】【ひろげない】が必要になってきます。

3原則といいつつ、最近とウィルスを合わせると、「持ち込まない、ひろげない、つけない、増やさない、やっつける」の5つが予防として必要な事になります。

具体的には何をする?症状で怖いのは

持ち込まない

ウィルスによる食中毒の代表的なものは、ニュースでも頻繁に話題になる、「ノロウィルス」ですよね。
ノロウィルスに汚染された二枚貝や、井戸水を飲んだ場合以外に、感染した人間からの飛沫感染、嘔吐物などから二次感染する事が知られています。

激しい嘔吐や下痢、腹痛などが起こりますので、予防策の「持ち込まない」を実行するためには、まず調理する人間が感染しないよう、普段から健康に注意しておく必要があります。
そしてもし感染してしまったとか、怪しい症状があるようなら、調理はしないようにします。

ひろげない

ウィルスが調理場に持ち込まれたとしても、食べ物にさえつかなければ、食中毒が起こる事はありませんので、手洗いをこまめに行い、洗い流してしまいます。
もちろん、調理器具や調理に使うすべてのものは、よく洗ったあと、定期的に熱湯で消毒をしましょう。

つけない

手は、様々な菌やウィルスが付いているものですので、手洗いをしっかりして、食べ物に付けないようにします。
また、手以外の髪の毛や様々な皮膚にも原因菌が存在しますので、食べ物に接触しないよう厳重に注意します。

増やさない

低温保存、つまり冷蔵庫などで、買ってきた食材などをできるだけ早く保存し、早めに食べる事です。
菌は10度以下で増殖がゆるやかになり、-15度以下で増殖を停止するのだそうです。

やっつける

加熱処理をする事です。
ほとんどの菌、ウィルスは熱に弱く、中心部分が75度以上で1分以上加熱してあれば安全だと言われています。
調理器具も、熱湯をかけて定期的に対策を行う以上に、肉や魚、卵を使った後には殺菌作用を持った洗剤を使うか、熱湯消毒をするようにしましょう。

見落としがちな家庭での対策

家庭で食べ物を取り扱う時に、これらの3原則を守るように対策するのは、ほとんどの人は実行できていると思われます。
ただ、ほんの少し、この手間を省いたためにせっかくの対策が無駄になりかねない、なんて事もあり得ます。
熱したはずなのに食中毒になった、とか、冷蔵庫で保存していたはずなのに・・といった事が該当します。

では、見落としがちな部分だけをピックアップしてみましょう。

・手洗いってかなり重要です
手洗いと一口に言っても、軽くゴシゴシ擦るだけでは、菌やウィルスが付着したままという事もよくあります。
特に爪の周り、親指の付け根、指の間、手首あたりは、少々洗っただけでは落ちにくい部分になります。
石鹸を付け、泡立てて擦り、水で綺麗に流すまで、30秒はしっかり洗う事が必要です。
また、どのタイミングで洗うかも重要です。
調理前は当たり前にできていると思いますが、生魚、卵を取り扱う前と後にも、必ず行うようにしましょう。

・低温保存とはいえ、10度以下の環境で、菌がまったく増えないわけではありません。
増殖が緩やかになるだけで、増えてはいますので、毒素が出るくらい増えてしまうまでに、早く消費し、できれば加熱処理をして食べる方が安全です。
では冷凍庫は、というと、確かに-15度以下に保たれた冷凍庫であれば、菌が増えないので安全と言えるかもしれませんが、詰め込みすぎていると、実際の温度が高めになっていて、結果、いつのまにか増殖していた、という事もありえます。
冷凍庫や冷蔵庫にはあまり詰め込まず、適度な空間を保って最適な温度を保つようにしましょう。

・加熱処理をすれば完全に安全!という神話を信じすぎていませんか?
確かに、ほとんどの最近、ウィルスは加熱で死滅します。
ですが、中には、熱に強いタイプのウィルスも存在します。
では、まったく予防できないのかと怖くなりますが、それぞれの菌には増殖までのパターンに特徴があります。
熱処理以外の予防対策をしっかりして、一度加熱したものを室温で長時間放置しない事が大事です。

特に、米やパスタ、煮物などは、調理したあとすぐに食べないのであれば、冷蔵庫等低温で保存する事が重要です。
そして、既に読まれたように、冷蔵庫も過信できません。
できるだけ早めに食べてしまうようにしましょう。

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まとめ

怖い菌やウィルスも、これだけやっていれば完全というわけではありませんが、かなりの確率で予防できる事は確かです。
見落としがちな部分をピックアップしてみましたが、更に細かな部分で挙げるなら、次のような部分に注意しましょう。

  • 食材を買う時の順番で、肉、魚などの生鮮食品、冷凍食品は最後に買って、できるだけ早く帰るようにしましょう。
  • 家に帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫へ保管するのですが、肉や魚を一旦取り出し、ビニール袋やラップで包みなおし、他の食材に汁が付かないように気を付けましょう。
    そうする事で、鮮度も保てます。もちろん、取り扱う前後で手洗いを忘れないようにしましょう。
  • ハムやベーコンなども、冷蔵保存してあるものですが、時間が経っている物なら食べる前には加熱して食べましょう。
  • 冷凍食品を解凍する場合は、できるだけ電子レンジを利用し、自然解凍で長時間かけるような事を避けましょう。
  • 解凍する場合は使い切り、再冷凍や解凍を繰り返さないように気を付けましょう。
  • 作った料理はすべて、長時間室温で放置しないようにしましょう。
  • 温めなおす時も十分に加熱し、少しでも怪しいと思った物や、時間が経ちすぎたと思ったら潔く捨てましょう。

見落としがちではないかと思われるものを重点的に挙げてみましたが、いかがでしょうか。
もちろん、これ以外に、基本的な予防対策はきっちり行う必要があります。

店で出されるものから食中毒になる可能性もありますが、まずは、毎日の生活に欠かせない家庭での食事に気を使い、家族みんなが安心、安全に暮らせるように頑張りましょう。

参照URL:食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
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