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葵祭の基礎知識
葵祭の起源と歴史
京都三大祭りのひとつである葵祭は、賀茂御祖神社・賀茂別雷神社の例祭です。
欽明天皇の頃、天候が悪く作物ができなかったことがありました。占ってみると、賀茂の神の祟りだったのです。そこで4月吉日に祭りを行うと、国内は再び穏やかさを取り戻したと言います。こうして、葵祭は国の重要な祭祀となったのです。
平安貴族にとって「祭り」といえば葵祭のことで、「源氏物語」にも登場し特に「車争い」の場面は有名です。
本来、加茂祭という名称であるこの祭りが葵祭と呼ばれるようになったのは、江戸時代のこと。葵祭の王朝絵巻さながらの大行列・路頭の儀は、今では京都の春の風物詩となっています。
スケジュール
葵祭の日程は毎年5月15日と決まっています。
これは、陰暦四月の中の酉の日が現在の5月15日にあたることからです。ただし、雨天の場合は翌日16日順延となり、判断は当日の早朝になされます。
2017年の葵祭スケジュールは?
期日:2017年5月15日(月)
10:30~ 行列が京都御所を出発
~11:40 下鴨神社到着、社頭の儀
14:30~ 下鴨神社出発
~15:30 上賀茂神社到着、社頭の儀
上記の本祭以外にも、5月1日~20日くらいまでは、流鏑馬などの前儀および後儀が執り行われます。
観光でその期間に京都へ行かれる方は覚えておくといいですね。
葵祭の会場
葵祭の主な会場となるのは、以下の2か所です。
・京都御所から下鴨神社
こちらには有料観覧席が設置されます。
・上賀茂神社
当日販売の有料観覧席があります。
京都御所・下鴨神社参道では路頭の儀を、下鴨神社楼門内では社頭の儀を見ることができます。
行列のコースは、
10:30 京都御所を出発、堺町御門→丸太町通→河原町通→
11:40 下鴨神社到着、路頭の儀
14:20 下鴨神社出発→下鴨本通 →洛北高校前→北大路通→北大路橋→賀茂川堤→
15:30 上賀茂神社へ到着
の予定です。
この道順を覚えておくと、どこかで見ることができると思います。
各会場へのアクセス
●京都御所へのアクセス
・市営地下鉄烏丸線丸太町駅1番出口から徒歩3分
・市営地下鉄烏丸線今出川駅3番出口から徒歩3分
・京阪神宮丸太町駅より徒歩15分
・京阪出町柳駅より徒歩20分
●下鴨神社へのアクセス
・市バス1番・205番下鴨神社前(もしくは糺ノ森前)
・叡山電鉄・京阪電気鉄道出町柳駅より徒歩12分
●上賀茂神社へのアクセス
・市バス4・46・67番上賀茂神社前バス停
・市バス9・37・北3番上賀茂御薗橋バス停
・市バス北3番御薗口町バス停
・京都バス30・32・34・35・急行36番上賀茂神社前バス停
ちなみに、当日は会場周辺は交通規制がされていますのでマイカーは注意が必要ですよ。
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葵祭の見どころ
何と言っても見どころは、路頭の儀。
京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社までの8キロを、約5時間かけて練り歩く大行列です。
その行列は、平安装束の人々500人に、馬36頭、牛4頭、牛車2台、輿1台という絢爛豪華なもの。
路頭の儀の行列は、勅使の本列と、斎王代中心の斎王代列に大別されます。
祝詞奏上を行う勅使こそが、葵祭の最高位であり本来の主役。
けれど華やかさでは、斎王代をメインに、蔵人所陪従、命婦、女嬬、童女、騎女、内侍、女別当、采女でなる斎王代列に軍配があがります。
中でも、輿に乗った斎王代こそが、現在の葵祭の主役と言ってもよいでしょう。
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葵祭を初めて見るならおすすめは?
葵祭は大きく儀式である社頭の儀と行列である路頭の儀にわけられます。
そのうち、社頭の儀は、もともと一般公開のない儀式だったもの。
チケットの販売があるわけではなく、下鴨神社へ初穂料を納めて拝観させていただくもので、初心者が見学するにはハードル高めと言えるでしょう。
初めての葵祭なら、誰もが思い浮かべるであろう絢爛豪華な時代行列と祭りの主役・斎王代が見られる路頭の儀がおすすめです。
観るならどこが一番いい場所なのか?
もちろん、有料観覧席が確保できればばっちりです。
それ以外でのおすすめポイントをあげるとすれば、眺めの良い加茂街道と、上賀茂神社参道でしょう。
上賀茂神社参道の芝生ゾーンには、無料観覧席があります。観覧席で見学したいのであれば、遅くとも30分前、できれば一時間前には到着して、見学場所を確保しておきたいところです。
斎王代ってどんな人がやってるの?誰がどうやって決めてるの?
斎王とは身を清めて神に仕える女性のことで、未婚の女性皇族が務めるものでした。
承久の乱で途絶えていた葵祭の斎王は、昭和になってから葵祭を盛り上げるために、斎王に代わる斎王代として復活することになりました。
以後、斎王代は京都に縁のある民間の未婚女性から選ばれています。
どうやって決めているのか?
京都に縁のある民間の未婚女性から選ばれる斎王代。毎年4月中旬頃に、葵祭行列保存会からその年の斎王代が発表されます。
斎王代に選ばれるのは京都の女性の憧れとも言われますが、どんな人でも選ばれる可能性があるわけではないようです。というのも、斎王代に選ばれるには大きな条件があるからです。それは、巨額の費用を負担することだと言われています。
実は、斎王代の選考方法は京都の人でも明確にはわかっていないのが本当のところだそう。というのも、選考方法の全てが未公開だからです。少なくとも、一般公募やミスコンテストのようなことは一切行われてません。
主に神社・仏閣関係者や、古くから京都に縁のある文化人、費用負担に問題の無い家庭の子女に声がかかるというのが、広くいわれていることのようです。
選ばれる女性の年齢は、主に二十代。過去には、母と娘の二代にわたって斎王代に選ばれた女性もいます。
斎王代の負担する費用はいくらくらい?
では、斎王代の家庭が負担するという巨額の費用とは、一体、どれほどのものなのでしょうか。ちょっと気になりますよね、
負担金は、祭り費用にあてられます。「祭り費用」と言ってもいったいどんな費用にあてられるのでしょうか?
例えば、斎王代の衣装は豪華な十二単。この十二単を、祭りのために仕立てるわけですが、なんと500万円~600万円もかかると言われています。
その他の装束などの費用も全て、斎王代の家庭の負担になるそう。
斎王代に選ばれた女性の家庭が葵祭にあたって負担する金額は、8桁代、つまり数千万単位であると予想されています。
とても一般家庭の子女では負担できそうもありませんね(苦笑)
歴代の斎王代ってどんな人
いったいぜんたいどんなお嬢様が選ばれているのか興味がわいてきます。
斎王代の皆さんは、どのような家庭で育った女性たちなのでしょう。過去10年の斎王代について、調べてみました。
●家柄
ここ10年間に斎王代を務めた女性のほとんどが経営者の子女で、しかも創業何百年という老舗が多いのが特徴。それ以外では、寺院関係者、家元などでした。
●母娘2代で斎王代
過去に、母娘で斎王代に選ばれたのは全5組。そのうち4組までが、平成19年~29年の間に集中しています。
斎王代を請け負える家庭が京都内で一巡し、二代目へと世代交代している時期と言えそうです。ご兄弟が祇園祭で御稚児さんを務めたという斎王代も一名いました。
一家から斎王代と御稚児さんが出るとなると、総額負担費用はすごいことになりそうですね。
●斎王代の職業
社会人と学生の比率はほぼ半数ですが、やや学生が多め。社会人の場合のお勤め先は、ご実家という方がほとんど。
●年齢
年齢層は、19歳~28歳。
ほぼ全員が20代でしたが、10代の方も1名いました。
●京都に在住の女子だけ?
実は東京都在住の斎王代が一名だけいました。ですが、もともとお祖父様が京都の方で、斎王代発表会見のあったホテルの敷地にお住まいだったそうです。
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このような女性たちが、斎王代に選ばれています。
とにかく、超お嬢様がたであることは間違いありません。
関東からツアーでいくには
関東から行く場合、ツアーにした方が旅行の手配が簡単なのと、ツアーの方がメリットがありそうです。それでは、関東発の葵祭ツアーにはどんなものがあるのか、費用などもリサーチしてみました。
ツアーの利用交通機関は品川駅、新横浜駅発の新幹線で行くものがメジャーです。
だいたいの日程としては、1泊2日~3泊4日程度のスケジュールで、葵祭以外にも川床料理や鴨川をどりなどの京都観光、さらには奈良や滋賀、兵庫など関西の見どころをあわせて見て回れるツアーもあります。
価格は6万円弱~15万円台、ボリュームゾーンは約8万円~11万円くらいでした。
これらのツアーにした方がメリットがあるのは、大抵は葵祭の有料観覧席付なこと。
これは大きなポイントです。特に初めて行くのであれば、添乗員さんがついて、説明もしてくれて、観覧席からのんびりと観ることができるツアーの方がいいかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
有名な葵祭、斎王代に選ばれる女性たちは歴史ある京都の中でも由緒ある家柄のお嬢様たちでした。
毎年、斎王代が選ばれると記者会見を行います。今年はどんな方が選ばれるのでしょうか?
ちょっと楽しみですね。