「安定感」が魅力とも言われる地方公務員、民間企業から転職して後悔した・・・という人もいる模様。
どんな仕事でもイメージと現実のギャップは起こりえますが、地方公務員ではどんなことがポイントだったのでしょう?
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Contents
地方公務員ってどんな仕事?イメージは?
基本は一般事務?地方公務員の仕事
最近倍率が下がってきていると言われる公務員試験。
筆記試験と面接のある公務員試験を突破すると公務員になることができます。
地方公務員は採用された自治体に勤務地が固定されているため、民間企業からの転職で地方公務員を目指す人にはそこも魅力のひとつとなっているよう。
警察や消防となると少し事情は違ってきますが、その多くは窓口業務などの一般事務が仕事となる地方公務員。
土木・建築・電気などの技術職もあり、転職で公務員を目指す人には民間企業での経歴や経験を生かしてそういった分野を選ぶ人も。ただし技術職の場合には採用枠自体が非常に少ないそう。
ホワイトなイメージの地方公務員
よく言われる地方公務員の仕事のイメージとしては
- 土日祝日の休み、有給休暇をしっかり取れる
- 始業時間前や残業などの時間外労働はほとんどなく、毎日定時で帰れる
- 年2回のボーナスなど福利厚生もしっかり
- ノルマがない
- 倒産の心配がない
などが挙げられるでしょうか。
過酷な労働環境から大手企業で自殺者といったニュースを見かけたり、ブラック企業という単語も今や「うちはブラックだけど、まだ一般的なブラックだからマシだよ」なんて使われ方をする昨今。
そんな一部の民間企業のイメージからすれば、驚くほどホワイトなイメージですよね。
応募の年齢制限も広いことも多く、民間企業から地方公務員を目指したという人もいます。
給料だけいったら、民間の方が高く、良い生活ができるかもしれません
公務員独特の満足感や優越感は仕事上感じることも多い
あんまり必要以上にぺこぺこすることもないし、そういった意味でのすり減らすような折衝はない
40歳からの公務員案外良いものですよ!!
しかしどんな会社や職種でも、先行するイメージに反して実際は・・・というギャップはあるもの。
民間企業からの転職組が、地方公務員になって後悔したケースの2大ポイントも、やはりギャップにありました。
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ポイント1 思ったより実は激務な地方公務員
転職組に限らず、地方公務員の「辞めたい理由」として挙がるもののひとつに「激務」があります。
給与は安いが、そのかわり、休みは十分とれる
田舎の地方公務員は、ノンビリして、今の私には最適
一般事務が多いと言われる地方公務員、実は配属先によってその忙しさはずいぶん違うこともあるよう。
公務員は「ところによりハード」?!
民間から公務員に転職しようという人には、「民間で苦労したから・・・」という理由があることも。
しかしそう思って転職して後悔・・・ということも?!
2007年7月から2015年5月までのデータから集計したという「ハードワーク公務員ランキング」。
国家公務員のデータも含まれているため見過ごしてしまいそうになりますが、よく見ると地方自治体もランクイン。
13位の茨城県では18.60時間/月、京都府が19.60時間/月、神戸市で30.00時間/月、大阪府は23.33時間/月。
比較的残業時間が長い神戸市や大阪府では有休消化率が50%を超えていますが、茨城県・京都府では1/3未満という結果に。
早く帰れることは確かですが、超過勤務ができないということで、残業手当も少なく申告
ストレスが溜まって鬱病になるかたは相当数
地方公務員は5~6年毎に別の業種に転職するようなもの。その都度法律から勉強。あと福祉や建設は年中残業だしやばい相手に関わる
「大学1~2年生の就職希望1位は地方公務員」に「夢も希望も無い国」という声 「… https://t.co/9o6g1MQqGA #niconews
— 三月鼠 (@trapfuse) 2017年8月2日
実は公務員、こんなところが大変!
公務員が激務となるパターンとしては、配属先がたまたま忙しかったということもあるようですし、部門的に忙しいということも。
そのほか、日常の業務とは少し違いますが、地方公務員ならではの激務エピソードも。
投票前日には会場の設営をし、当日は早朝から開票が終わるまで続く選挙事務。
開票が終わるまでに朝になってしまえば、翌日はそのまま朝から通常業務があり、当日から翌日の計35時間職場にいたという人も。
最近多い災害、自分の家や家族の心配よりも先に地域の役所に待機しに行かなければならないというのも、日常の業務のことだけでイメージしていると気づきにくいところですね。
忙しいときがあるのは仕事であれば仕方のないこと。
とはいえ、ストレスから病気になってしまうほどというのは避けたいですよね・・・。
ポイント2 特殊な環境とルーチンワーク
公務員といえばノルマなし・残業なしというイメージもあり、そんなところも民間から公務員に転職しようという人には魅力のひとつになっていることも。
しかしそんな公務員ゆえの悩みが後悔のポイントとなることも・・・?!
公務員ならではの悩みは「精神的な疲労」?
今の仕事(地方公務員)をやめ転職したいと考えています。在職8年目
人間関係にも悩み、まったく今の仕事に全く興味が沸かなくなって
人間関係に悩んで病気になったり転職を考えたという地方公務員、実は多いそう。
いわゆる民間企業の雰囲気というものと、役所などの地方公務員の職場は少し事情が違うようです。
公務員の「仕事の特徴」が疲労要因?
「お役所仕事」という言葉もありますが、実際にルーチンワークが多いという地方公務員。
民間企業の感覚で「仕事のやりがい」を求めたものの思うようには得られず、単調に感じる日々の業務が精神的な疲労を呼ぶことも珍しくはないよう。
仕事にやりがいを求めたりすると、部署によっては単調な仕事の繰り返しに耐えられず”
ノイローゼ・鬱病になる人も
採用説明会の時に担当者に「能力も大切だけど、鬱にならない精神力と体力のある人が欲しい。
実際、鬱になっちゃう人が多いんだよ。」と言われました
会社の利益を追求していく民間企業と違い、「国民に奉仕する」意味合いの強い公務員。
仕事にやりがいを持つことは大切ですが、民間企業でのそれと同じ感覚で求めるのは少し難しいのかもしれませんね。
ルーチンワークならではの「やりがい」を見出せると、変わって来るのかもしれませんが・・・。
公務員ならではの「人間関係」がある?
精神的な疲労を抱える理由になるのは、なにも仕事の内容だけではない様子。
民間企業と比べて数年は感覚がズレていると感じたという人もいる公務員、こんなこともあるようです。
出先機関で働いた経験がありますが、特にアフター5がすごかった
毎日飲みに付き合わされ
断るとあからさまに仕事の邪魔をしてくる
結局、出先にいる数年間毎日飲みに付き合わされました
民間企業で働いていると、近年あまり聞かなくなった気がする毎夜のお酒の付き合い。
地方公務員の職場では、まだまだ現役なようです。
そのほかにも、こんな意見も。
「公務員」は、上下関係が厳しく、精神的プレッシャーが、ハンパない職業
移動が多いのも特徴で部署が違えば仕事は転職するほどの違いがある
地方公務員では3年ごとなどで部署移動があるともいいます。
穏やかで働きやすい部署に配属になったり、それとは真逆の環境へ異動ということもあるそうですが、当然厳しい環境から良い環境へということもあるのが救いだという人も。
民間から公務員、後悔しない転職ポイントは?
地方公務員から転職したいと考える人もいるというほど、外から見えるほどは甘くない公務員の世界。
民間から公務員へ転職したら必ず後悔するの・・・?とふと不安になってしまうほど。
残業なしといったホワイトなイメージもあるものの、部署によっては残業も多く激務とまで言われる地方公務員。
とはいえ、一部にはそういった職場や部署もあるものの、全国レベルで考えればイメージ通りの残業なしというところも多く平均残業時間としてはそう多くはないようです。
また年間の賞与2回といった福利厚生面や倒産の心配がないなどの利点はやはり魅力ではあります。
そんな地方公務員への転職、後悔しないためにはどんなことに着目すれば良いのでしょうか。
公務員と民間企業の違いを理解すれば後悔しない?
公務員を途中で辞めた人を一般の会社はあまり取りたがりません。何故なんでしょうか。
競争のない中で育って来ているので民間では通用しないと判断されるからでしょう
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q132250743
地方公務員を辞めて後悔した・している、という人の中には、その後の再就職先探しで苦労したという人が多いようです。
逆にいえば、淡々とルーチンワークを安定的にこなしたい人には適職とも言えそうです。
会社の利益を追求する民間企業となれば、営業職であれば営業成績であったりと「他人より抜きん出る」ことやその努力も必要ですよね。
「その逆に徹するのだ」と考えてみて苦にならないと感じる人であれば、かえって生き生きと働ける環境かもしれません。
民間から公務員への転職に限らず、職場環境や業務内容を調べてみたりと具体性を持って自分に合うかを考えてみるのは必要なこと。
まして性質が違う民間と公務員、なおさらじっくり考えてみる必要がありそうです。
地方公務員、「やりがい」を求めるなら職種は?
ルーチンワークが苦にならない、徹することができるという人ほど適職とも考えられる地方公務員。
かといって、地方公務員という仕事にも民間と同じようなやりがいを求められる職種がないということでもありません。
土木職の大半は設計業務または工事監督業務
設計は建設コンサルタントに指示して設計をまとめさせるのが仕事
特に難易度の高い都市土木が増えてきた昨今、土木職公務員には本当に技術力があるのかと問われている
工事監督は求められている施設を完成させるよう業者に指示する仕事
想定外の事態(掘ってみたら地質が違った、古い構造物が出てきた等)が発生した時に業者に指示し
必要な金を役所で付し、工期を管理する仕事
地方中級公務員であれば、技術職に分類されるものでは土木のほかにも建築・電気・機械・化学・農業・水産・林業などがあり、資格が必要な司書や保育士・臨床検査技師・診療放射線技師などもあります。
そういった専門性が要求される職種であれば、土木職の例のように民間の考え方を生かして「仕事のやりがい」を求めることもできるでしょう。
ただし東京都だけで見ても土木・電気では倍率が4倍近くなる年があったり、建築では7倍以上という年もある狭き門でもあります。
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転職組にも新卒並みに出世のチャンスはアリ
民間であれば転職組と新卒入社組では出世スピードが違ったりということもありますよね。
よほどのスキルがあればともかく、転職後の出世のことなどを考えると30代ですら転職するには遅いと言われることも。
では、公務員ではどうなのでしょうか。
公務員の出世や昇給は年功序列と言われますから、年齢が上になるほど不利なのかと思われますが実はそうでもないそう。
公務員の場合、経験年数ではなく年齢で出世していくため、転職当初こそ同年齢の新卒組との差はあるものの、数年後には追いついてしまうのだとか。
公務員については「出世の面で転職組は不利」ということはないようです。
そうはいっても民間からの転職の場合、民間での勤務年数の8割ほどしか考慮されない場合が多く、給与の面では「早く転職した方が損はしない」のだそう。
民間から公務員になって良かった!という人は
改めて公務員に転職して良かった。と思ったハナシ。
残業代がなくなると生活費に影響が出るから困るみたいなサラリーマンが
転職して4年目に突入しても、未だ前職の年収を下回っているが、十分に時給換算で得をしている
今は基本給がしっかりしているので、残業代が生活費を左右することはない
公務員になり、3ヶ月
SEのときの忙しさや責任の重さを忘れかけていたこの頃
久々にSE時代の話が聞けて、「転職してよかった」と思えた。
公務員の今、物凄く外注が多いのかと思っていたけど、意外と自分達で頑張っている
自分で仕事をすることでスキルもついていくし、逆にSEよりやりがいがあるような気もする
単純に年収の面だけで見てしまえば「下がった」という人の多い民間から公務員への転職。
企業ごとの体質に大きく左右される側面もありますが、公務員イメージそのままの「安定性」であったり、民間企業時代には味わえなかったやりがいが意外にも実現されたというケースもあるようです。
また育児休暇などからの復職のしやすさなど、公務員ならではの魅力と言えることもまだまだありそうですね。
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民間企業から地方公務員へ、後悔しない秘訣は実情を知ること?
倍率が下がっていると言われながらも、そのホワイトなイメージもありまだまだ人気の公務員。
新卒で目指す職業としても、民間企業からの転職先としても人気のある仕事ですが、イメージに捕らわれず実際にはどんな仕事・職場なのかという実情を知っておくことが後悔しない秘訣と言えそうです。