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出典:ベネッセ教育情報サイト


国内でも民間企業を中心に「働き方」が大きく変わりつつある昨今。日本経済を支えてきた「右肩上がりの給料」も「終身雇用制度」も徐々に心細いものとなってしまってきています。

「あー、でも、公務員は良いよな。安定しているし、退職金だってしっかり出るし、、、」

でも、待てよ。本当に公務員って、安定していて、退職金もしっかり出るの?

これから公務員を目指したいと考えているひとも、そうでないひとにも、公務員の退職金がどんな計算方法で決まるか知っておきませんか?

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こんなにいたの!公務員の数

ひと口に公務員と言っても、中央官庁もあるし、先生や警察官だってそうだし、地域の役場に勤める方もいるしと、公務員にもさまざまな職種があります。

公務員を大きく分けると、国家公務員と地方公務員に分けられます。

平成28年度の国家公務員の数は58万人。地方公務員は、なんと273万人もいます。「こんなにいるの?」と思われる方もいると思いますが、平成12年度と比較すると、国家公務員(郵政などの現業職員を含む)が113万人、地方公務員が322万人と、国家公務員数では、平成28年度の数に含まれていない現業職員が平成12年度には31万人含まれていますが、多いか少ないかは別として、公務員の数自体は減っていることが分かります。

参照:人事院「国家公務員の数と種類」

やっぱり高かった!公務員の退職金

それでは、まず、国家公務員と地方公務員が実際にどのくらいの退職金をもらっているのか、見てみましょう。国家公務員も地方公務員の退職金も、自己都合退職や応募認定退職を含まない一般的な定年退職の退職金を調べてみました。

国家公務員が定年退職したときの退職金!

平成27年度の国家公務員「常勤職員」の定年退職者の平均退職手当は2,181万3千円で、そのうち人事院の給与法の適用を受ける「行政職俸給表(一)」にあたる一般行政職員だけに限ると、2,239万8千円と、ちょっと上がります。

参照:内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」

地方公務員が定年退職したときの退職金!

平成27年度の全地方公共団体の一人あたりの平均退職手当額で、「勤続25年以上の60歳定年等退職者」の全職員の平均退職手当額は2,280万4千円。ちなみに一般職員の平均退職手当額は2,233万5千円、教育公務員の平均退職手当額は2,359万1千円、警察官が2,270万2千円でした。

参照:総務省「平成28年地方公務員給与実態調査」

市町村、県、政令指定都市で違う地方公務員の退職金!

もうちょっと地方公務員の退職金を深掘りして、総務省の「平成28年地方公務員給与実態調査」で、市町村、政令指定都市、都道府県ごとの退職金を見てみましょう。先ほどの「地方公務員が定年退職したときの退職金!」と同じく、「勤続25年以上の60歳定年等退職者」を対象に、それぞれの地方公共団体の一人当たりの平均退職手当額を比べてみます。町村は2,099万8千円。市は2,233万8千円。指定都市は2,261万4千円。都道府県の平均は2,320万9千円となりました。これは、平成28年4月1日現在における国を100とした場合の地方公務員の一般行政職の給与水準を数値化したラスパイレス指数が都道府県は100.3、指定都市は100.1、市は99.1、町村は96.3となっていることによる違いと言えます。ということは、国よりも都道府県や指定都市の公務員の方が、給料は高いんですね。びっくりです。

民間企業よりも多かった国家公務員の退職金!

平成29年4月に人事院が発表した「民間の退職金及び企業年金の調査結果並びに国家公務員の退職給付 に係る本院の見解の概要」によると、企業規模50人以上の民間企業4,493社を対象とした調査で、「平成27年度中に退職した勤続20年以上の事務・技術関係職種の常勤従業員の退職給付額」の退職一時金は1,006万1千円。企業年金が1,453万5千円で、退職一時金と合わせた民間企業の退職給付額は2,459万6千円。一方、民間の働き方に合わせた方法で抽出した国家公務員の退職給付額は2,537万7千円(退職手当2,314万1千円、共済年金給付223万6千円)と、民間企業よりも国家公務員の方が、退職給付額が多いということが分かりました。もちろん人事院では、この調査結果を下に、「官民均衡の観点から、上記の比較結果に基づき、退職給付水準について見直しを行うことが適切」との見解を出しています。いずれ、国家公務員の給付水準が下がり、それに合わせて、都道府県、市町村の公務員の水準も下がっていくはずです。

参照:人事院「民間の退職金及び企業年金の調査結果並びに国家公務員の退職給付 に係る本院の見解の概要」

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どうなっているの?公務員の退職金の算定法

出典:消費者庁


それでは、国家公務員と地方公務員の退職金がどのようにして算出されるのかを調べてみましょう。

国家公務員の退職金の算定法は?

内閣官房の「国家公務員の退職手当制度の概要」によると、退職手当の算定構造は次のとおりになります。

退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額
引用元:内閣官房「国家公務員の退職手当制度の概要」

専門用語みたいで、分かりにくいのですが、大まかにいうと「基本額+調整額」で、基本額は退職した日の月給額に、退職した理由と勤続期間によって決まっている支給率を乗じた金額。調整額は、「基礎在職期間の初日の属する月から末日の属する月までの各月ごとに、当該各月にその者が属していた職員の区分(第1号区分~第11号区分)に応じて定める額(以下「調整月額」という。)のうち、その額が多いものから60月分の調整月額を合計した額」とありますが、在職期間中に一番高い職員区分(階級のようなもの)に就いた時期の60カ月分を抜き取って、それぞれの区分で決まっている調整額(0円~95,400円)をもらうというものです。つまり、国家公務員の退職金は、「退職時にどれだけ高い月給をもらっているか」「退職理由は何か」「勤続年数はどのぐらいか」「在職中の60か月間でどの職分まで上り詰めたか」で、決まります。

国家公務員の退職金を大きく左右する俸給月額とは?

国家公務員の退職金額を決める大きな要素である俸給月額とは、どういったものなのでしょうか。俸給月額とは、国家公務員法に関する給与に関する法律「一般職の職員の給与に関する法律」で定められている国家公務員の「月給」のです。国家公務員は、それぞれの職種に応じて給与が決まる「俸給表」があり、俸給表は、縦軸に1号から100号を超える「号棒」と、1級の係員からはじまり10級の課長まである横軸の「職務級」からなります。縦軸の「号棒」も横軸の「職務級」も上がっていくと、定められている俸給月額が上がっていくという仕組みです。例えば一般職の大卒の場合の初任給は1級25棒からスタートして俸給は176,700円。一般職の高卒の場合の初任給は1級5号棒からスタートして俸給は144,600円となります。そこから毎年、一年間における勤務成績が5段階評価で査定され、一番評価の高い一般職員は1年で8号棒以上アップ。次いで2番目に評価の高い職員は6、可もなく不可もない職員が4、さらに、2、0とアップすることになります。例えば、大卒2年目で最高の評価を得た職員が8号棒アップしたとすると、俸給は1級33号棒となって、190,200円となります。つまり、よっぽど悪い評価を得ない限り、基本的に国家公務員の給料は毎年上がっていくことになります。

国家公務員の退職金を計算してみよう?

ちょっと複雑な俸給月額のことが分かったところで、それでは、国家公務員の退職金を二人のケースで計算してみましょう。一人は、勤続30年の5級課長補佐25号棒で定年退職。もう一人は、勤続20年で一般職の俸給表で最高の10級課長21号棒に登りつめて自己都合退職した方です。調整額は、それぞれ、最終の区分に60カ月在職したこととします。勤労条件が他の官職に比して著しく特殊な官職に対し、その特殊性に基づいて支給される俸給の調整額は俸給月額に含まないものとします。

勤続30年の5級課長補佐25号棒定年退職者の退職金

退職金=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額
基本額は(337,300円×42.4125)で14,305,736円
調整額は32,500円×60カ月で1,950,000円
退職金は14,305,736円+1,950,000で、16,255,736円となります

勤続20年の10級課長21号棒自己都合退職者の退職金

退職金=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額
基本額は(558,300円×20.445)で11,414,443円
調整額は70,400円×60カ月で4,224,000円となりますが、勤続年数10年以上24年以下の自己都合退職の場合は調整額が半額となるので、調整額は2,112,000円
退職金は11,414,443円+2,112,000円で、13,526,443円となります。

参照:内閣官房「国家公務員の退職手当制度の概要」

地方公務員の退職金の算定法は?

地方公務員の退職金の算定法は地方自治法によって国家公務員制度等に準じると定められているので、算定方法も、国家公務員と同じく退職日の月給に退職理由別、勤続年数別の支給率を乗じ、調整額を加えることで求められます。

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公務員の退職金は年功序列型だった?

出典:農業女子PJ


国家公務員も地方公務員も、退職金の基本額のうちの「退職日の俸給月額」は、よっぽどのことがない限り1年ごと上がるうえに、「退職理由別・勤続期間別支給率×調整率」も、勤続年数によって上がることが分かりました。つまり、何事もなく過ごせば、勤続年数に応じて、退職金が上がる「年功序列型」であるとも言えます。

とはいえ、高齢化が進み、人口減少に転じていく日本では、これからの公務員も、少なくなる財源の中で、これまで以上に効果が見込まれる計画や事業を考えて実行し、それを効率良くこなしていくことが求められるでしょう。ただただ無事に過ごせば退職金が上がるという時代ではないのかも知れませんね。

 

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