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神田祭その起源と歴史
下町の江戸っ子ならではの気っぷのよさを感じさせる神田祭。
粋でいなせな神田祭は、江戸の賑わいを今に伝える、大変に盛り上がる大きなお祭りです。
いつから始まったのか正確には分からない
しかし意外なことに、神田祭は知名度が高く多くの人が訪れる大規模なお祭りであるにもかかわらず、神田祭のルーツは詳しくはわかっていないのです。
というのも、正確な記録がないからなのです。神田祭の起源についての明確な記述がされた文献や記録というものは、見つかっていないのだそうです。
江戸自体には「天下祭」と呼ばれた
神田祭が行われる神田明神そのものは1300年もの歴史を持ち、江戸時代には江戸の守護としてあがめられました。
そして、神田祭りが大きくなったのも江戸時代。江戸時代には、祭礼行列が江戸城内に入ることが許され、祭り費用の一部を幕府が負担し、「天下祭」と呼ばれたほどでした。
というのも、天下統一を果たして江戸幕府を開いた徳川家康が、神田明神を崇敬したためたからなのです。
神田明神は江戸の総鎮守
1600年の上杉景勝との合戦である会津征伐や、天下分け目の戦いである1603年の石田三成との合戦である関ヶ原の戦いに際して、家康は神田明神に祈祷を命じます。神田明神は家康の命に応え、日々祈祷を続けました。
これにより家康側は勝利。家康は晴れて天下を納めることになりました。
このことをきっかけに、家康は神田明神を強く崇敬するようになり、社殿、神輿・祭器を寄進、神田明神はその庇護をうけるようになったというわけです。
こうして、神田明神の祭りである神田祭も盛大に欠かさず執り行うようにと命じられ、以後、神田祭は徳川家康縁起の大きなお祭りへと発展していきました。
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神田祭ってどんなお祭りなの?特徴は?
江戸時代には天下祭と呼ばれ、他のお祭りとは一線を画してきた神田祭。その盛大さは、三大祭りに数えられることからもわかります。
神田祭りは「三大祭り」のひとつ
日枝神社の山王祭、富岡八幡宮の深川祭と「江戸三大祭」に並び称されています。さらに、京都の祇園祭、大阪の天神祭と一緒に「三大祭り」にも数えられているほど。
つまり、東京だけでなく、日本を代表するお祭りでもあるのです。
どんなことをするの?
神田祭りの主な行事は①例大祭、②神幸祭、③御輿宮入、④附け祭と⑤太鼓フェスティバルの5つです。
①例大祭
神田明神で行われる、最も重要な行事です。
②神幸祭
神田明神を出発した二の宮・少名彦命・三の宮・平将門の鳳輦や宮神輿と、それに付き従う平安装束の人々と巫女・乙女の行進です。
③御輿宮入
もっとも熱気にあふれ盛り上がる行事。
まるまる一日かけて各町内の約百基にもおよぶ御神輿が次々と神田明神へ練り込む様子は圧巻です。
④附け祭り
能・浄瑠璃・歌舞伎・踊り、お囃子による舞台や、巨大な人形や張りぼてによる曳き物などの出し物行列のことで、神幸祭の途中から加わります。近代化によって電線が引かれたことにより、明治期から大正時代には姿を消しますが、平成になって復活しました。
今では、相馬野馬追の特別参加や大学のサンバチームなどが、附け祭りに新たな彩りを添えています。
⑤太鼓フェスティバル
各地の太鼓チームが多く出演するイベント。
神田神社隣にある宮本公園の特設ステージで開かれます。
日程とスケジュール
神田祭りは毎年5月中旬に行われますが、隔年で奇数の年には本祭としてより盛大に執り行われます。
例大祭が行われる5月15日をメインとし、一週間もの開催期間をかけて大々的に神田祭り行われることになります。
5つの行事はいつ執り行われるの?スケジュールは?
例年の神田祭りのスケジュールは、だいたいこんなかんじになっています。
初日は鳳輦・神輿遷座祭、二日目は氏子町会神輿神霊入。
期間中には、献茶式・明神能も行われます。
神幸祭とそれに伴う附け祭りは5月15日に近い土曜日。そして、神幸祭の翌日に神輿宮入があります。
神幸祭・御輿宮入当日には太鼓フェスティバルも開催。
例大祭は基本的に5月15日固定ですが、15日が日曜日の場合は神輿宮入が優先されるなど、例大祭の日程がずれることもあります。
つまり、2017年はどうなるか?というと、そのスケジュールもチェックしておきましょう。
2017年神田祭開催スケジュール
期間:5月11日~17日
5月11日(木) 午後7時~ 鳳輦神輿遷座祭
5月12日(金) 夕刻~ 氏子町会神輿神霊入れ
5月13日(土) 終日 神幸祭
5月14日(日) 終日 神輿宮入
5月15日(月) 午後6時~ 明神能(金剛流薪能)
5月16日(火) 午前11時~ 献茶式(表千家家元奉仕)
5月17日(水) 午後2時~ 例大祭
2017年の今年は奇数年。つまり正祭ということで、より盛大な神田祭りが見られる年にあたります。
ますます楽しみですね!
各行事はどこへ行けば見ることができるの?
それでは、神田祭のおすすめ見学ポイントをご紹介しましょう。
附け祭りの見学ポイントは、日本橋三越前からスタート
江戸時代、神田祭の中でも特に庶民に人気のあったのが、附け祭りです。
神幸祭に附け祭りが合流するのは、日本橋三越本店前から。
ですので、日本橋三越本店前に行けば、日本橋三越本店前~のコースをたどる神幸祭の一の宮鳳輦、二の宮神輿、三の宮鳳輦や、諌鼓山車、獅子頭山車などからなる古式ゆかしい行進に加え、平成になって復活した賑やかな附け祭りが一緒に楽しめます。
江戸時代の神田祭の賑わいを感じることができるでしょう。
神輿宮入のおすすめ見学ポイントは、もちろん神田明神境内
各地区を巡行してきた御神輿が、一日中続々と境内へと練り込んで来て、まさに御神輿のクライマックス。各町の御神輿の最も熱気あふれる姿が見られるポイントです。
また、御神輿の巡行コースでは、秋葉原が特におすすめの見学ポイントです。
現代の日本を代表する秋葉原の電気街を背景に、伝統的な御神輿と担ぎ手たちの賑わいは、ここでしか見られないものです。
初めていくならどれが見どころ?
いろいろと行事がある神田祭。初めて行く方は何を見たらいいのかよくわからないと思います。そこで、初めての人におすすめの見どころをご紹介します。
神田祭でもっとも賑わうのは神幸祭と神輿宮入
5月13日の神幸祭の大行列は、神田祭のメイン神事になります。
この大行列は、朝8時に神田明神を出発、夜19時頃に戻ってきますが、その様子は超クライマックス!
神田明神の神様がお乗りになった鳳輦や御神輿が、氏子108町会を巡行し、その力で下町の各町会を祓い清めてくださるのです。鳳輦、御神輿に山車に平安の装束を纏った人々、巫女も連なった行列は、歴史ある祭りにふさわしい立派なもの。
さらに、平成になって再び行われるようになった附け祭りが加わると、数千人からなる巨大な行列になります。
「大江山の鬼の首」など、江戸時代にも人気のあった出し物の再現の他、ボーイスカウトなどの参加もあり、新しく生まれ変わった附け祭りは現代ならではの賑やかさを見せてくれて、見応えのあるものです。
総数200基にもなる神輿宮入の様子は圧巻
神田祭と聞いて、氏子と見学者の人波の中心を進む猛々しい担ぎ手の鉢巻姿や、豪華な御神輿の躍動する神輿宮入の様子を思い浮かべる人も多いかもしれません。
その神輿宮入が行われるのは、神幸祭の翌日、5月14日。
町会ごとに御神輿が出て、各地区を回ります。町会の御神輿の総数は200基。そのうちの約100基が神田明神へ宮入れするのです。
神輿宮入は朝9:00~始まり、終日、神田明神へと各町会の御神輿が宮入れされます。200人もの人が担ぐ江戸神社の千貫神輿、80年ぶりに復活した将門塚保存会神輿は見応えがあると言います。
日本古来の儀式を体感する例大祭
エネルギッシュな行事に目が行きがちかもしれませんが、厳粛な例大祭も見逃せない大切な行事です。
神田祭最終日の5月17日の例大祭では、日本の繁栄と平和を祈願。巫女によって、浦安の舞が納められます。
神田祭はこんなコラボレーションもしています
神田と言えば、海外からの観光客も訪れる電気街。ここは神田明神の氏子町ということで、「オタク」文化とのコラボレーションも行われています。
2016年は「ラブライブ!」
作中でもメンバーの練習場所として明神男坂が登場するなどしてファンからは神田明神は「聖地」と言われるほど、ゆかりの深い作品です。
神田明神を「ラブライブ!」コラボレーションポスターが埋め尽くした他、オリジナルのお守り、絵馬の販売、ショップイベントなどが行われ、大いに盛り上がったのでした。
2017年は「劇場版ソードアートオンライン」
気になる2017年のコラボレーションは「劇場版ソードアートオンライン」。
すでに3月に開催されたイベント「Anime Japan」で、コラボレーションブースを出展しています。アスナや直葉などのキャラクターが巫女に扮したキーホルダーや絵馬ストラップ、手ぬぐい、湯飲み、ポスター、Tシャツなどのコラボグッズがラインナップ。
今年の神田祭には、コラボTシャツに、コラボ手ぬぐいを鉢巻にして行くのも良いかもしれませんね。(ネットでも購入することができます。)
神田祭の最寄り駅はどこ?アクセス方法
神田祭が行われる神田明神へのアクセスは、JRの場合、中央線・総武線御茶ノ水駅聖橋口徒歩5分、あるいは京浜東北線・山手線秋葉原駅電気街口徒歩7分。
●地下鉄
丸ノ内線御茶ノ水駅1番口、千代田線新御茶ノ水駅B1出入口、銀座線末広町駅よりそれぞれ徒歩5分、または、日比谷線秋葉原駅徒歩7分。
●車
駐車場は秋葉原UDXパーキングが800台と大量収容の上、24時間営業で便利です。(平日 2,000円、土日祝 3,000円)
他に、同じく24時間営業で112台収容の秋葉原ダイビル駐車場(全日 2,000円)があります。
とはいえ、イベント開催時は混雑することは必至なので、都心部である神田祭へは電車利用がおすすめです。
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せっかく神田にきたのだからグルメは?
●神田で鉄板のグルメといえば、淡路町の「かんだやぶそば」。
明治創業の蕎麦の老舗です。
水曜はお休み。
神田明神より徒歩9分。
住所:東京都千代田区神田淡路町2-10
Tel:03-3251-0287
●須田町にある「竹むら」は甘味処。
揚げ饅頭が有名です。
日曜・月曜・祝日はお休み。
神田明神より徒歩9分。
住所:東京都千代田区神田須田町1-19
Tel:03-3251-2328
お祭りと一緒にお蕎麦を楽しんで、お土産に揚げ饅頭なんていうのもいいですね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
以下のような点についてご紹介してきました。
・神田祭その起源と歴史
・神田祭は「江戸三大祭」並びに日本「三大祭り」にも数えられているほど。
・主な行事について(5つある)
・2017年神田祭開催スケジュール
・各行事はどこへ行けば見ることができるのか
・初めていくならどれが見どころなのか
・2017年は「劇場版ソードアートオンライン」とコラボ
・神田祭アクセス方法
・神田グルメ
東京近郊の方でしたら、一度は見学してみてはいかがでしょうか?
もちろん、お祭りのあとはグルメも楽しんで下さね。