梨と言えば

管理人は山形にしばらく居たことがあります。当時の山形で梨と言えば、有名なのは長十郎とラ・フランスでした。それぞれ和梨と洋梨なので、味わいも口当たりも全然違います。管理人はシャリシャリした長十郎が好きでしたね。でも昨年、ラ・フランスをもらって久しぶりに食べたら、こうした味わいも楽しめるようになっていました。歳によって味覚・好みも変わってくるのでしょうか。

今回は改めて、いったいどれだけの梨の種類があり、どれが人気なのかを探ってみます。

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梨の基礎知識

梨には大別して和梨、中国梨、洋梨の3つがあって、世界中で栽培されています。日本で梨と言うと、通常は和梨を指します。形状は球形で、果肉は白色。甘く果汁が多く、尻の方が甘みが強く、一方で芯の部分は酸味が強いためあまり美味しくないのが普通です。りんごとは違う、シャリシャリとした独特の食感が、和梨の特徴と言えます。

洋梨はやや縦に長く、いびつで独特な形をしていますが、品種によっては、比較的球形に近いもの、逆に、縦に長いものなどがあります。皮は赤や黄色、緑など様々です。日本で栽培されている品種の多くは緑色で、熟すと黄色になります。実は、洋梨は収穫後あまり甘くなく、一定期間置くと熟して、表面が黄色になり、強い芳香を発するようになります。収穫したらすぐに食べる和梨とは異なります。また、和梨のようにシャリシャリした食感はなく、果肉が柔らかいのも特徴です。

中国梨は、中国東北地方原産のホクシヤマナシが栽培化された栽培変種です。形状は一見すると洋梨のように見えますが、食感は和梨のようにシャリシャリしています。国内ではあまり生産量が多くなく、現在では北海道、青森県、長野県、岡山県のごく一部の地域で、非常にわずかな量が栽培されているのみです。香りと食感が良く、贈答用としても利用されるときがあります。

梨の品種は、皮の色から黄褐色の赤梨系と、淡黄緑色の青梨系に分けられます。また、梨に限らず作物栽培に関する一般用語として、早生種(わせ)や中生種(ちゅうせい)、晩生種(ばんせい)があります。早生は生育が早く、つまり早い時期から出回り、晩生種は生育が遅いので、早生種よりも後から市場に出回るという特徴があります。

それではこれらの基礎知識を踏まえた上で、これから人気のある品種について、その特徴を紹介していきましょう。

幸水(こうすい):和梨の生産量一番

和梨の幸水は赤梨系の早生種で、和梨の34%を占める最も生産量の多い品種です。果肉は柔らかめで、非常にジューシーで甘味を感じる梨です。早生種の中でも特に収穫時期が早く、毎年真っ先に出回る梨としても知られています。7月初旬頃から出回り始め、産地を変えながら8月下旬から9月上旬頃までが出回る時期となっています。

豊水(ほうすい):糖度が高くて濃厚な味わい

赤梨系の中生種で、和梨生産量第2位の品種です。豊水は幸水より少し大きめになる品種で、果肉は幸水と同様に果汁が多く、柔らかくて、非常に糖度が高くなる傾向にあります。その分酸味も伴い、全体として濃厚な味わいになります。8月下旬頃から10月初旬まで出回っています。登場以来、生産量は順調に伸びてきましたが、出荷時期が次に紹介する二十世紀と重なるために、近年は横ばいで推移しているようです。

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二十世紀(にじっせいき):鳥取生まれの青梨系代表

青梨系の中生種で、和梨生産の13%を占める生産量第3位の品種です。青梨系と言えばこれ、というほどの代表品種で、皮は薄く、和梨の中では最もジューシーで、上品な甘さを備えたさわやかな味わいです。鳥取県が一大産地になっています。ところで、この品種の名前について面白い話があります。

明治21年に梨園の経営者の息子が、親戚のゴミ捨て場で苗を発見し10年かけて栽培したところ、これまでにない青梨が実りました。彼はそれを「新太白」と名付けましたが、その後、明治37年に東京興農園主の渡瀬寅二郎氏と東大助教授の池田伴親氏が、20世紀における代表的品種になるであろうとの観測と願望を込めて新たに「二十世紀」と命名したそうです。実際、生産量では幸水、豊水に負けていますが、かなりの人気品種と言って良いでしょう。8月中旬から9月上旬までが収穫時期です。この品種は管理人も非常に好きです。

南水(なんすい):甘さではダントツの赤梨系

先程までの和梨は、生産量ランキングの上位で、人気もあるものです。一方、赤梨系の中生種である南水は、長野県での生産が9割ほどを占め、生産量としてはそう多くありません。しかし、果肉がやわらかく、甘みが強いので、好まれている品種です。その甘さは、和梨の中でも最も強い種類に属し、日持ちも良く、見た目にも美しいため、贈答品としても人気があります。10月初旬に出荷のピークを迎えます。

新高(にいたか):上品な味わいと食べ応えで贈答用にも

赤梨系の晩生種で、香りの良さと上品な甘さ、そしてソフトボールほどにもなるその大きさが特徴です。
梨は大きいほど美味しいと言われ、梨農園ではひとつの木になる実の数を制限したりして、少しでも大きな果実を得ようとしているところもあります。しかしこの品種は、普通に栽培していても大きくなるのです。大きいものは1.5kgにも達し、非常に日持ちも良いし、食べごたえのある梨です。出回るのは9月中旬~11月頃です。

他にもたくさんの品種がありますが、和梨はこの辺で切り上げて、次は洋梨を紹介しましょう。と、その前に価格情報を少し。和梨はたいてい数100円で買えるものですが、新高梨や、それ以外でも1kg以上に育った大玉の梨は、一個でも5,000円くらいします!

ラ・フランス:ジューシーでとろける味わいの洋梨代表


洋梨にもいろいろな品種があり、日本では20品種ほどが栽培されていますが、その70%はラ・フランスです。洋梨を食べたことがなかったらまずこの品種を試し、そして気に入ったらいろいろな洋梨を食べてみるといいでしょう。

洋梨を食べる際に重要となるのは追熟です。ラ・フランスの果実は中玉で、外見がごつごつとしていていびつで不揃い、あまり美しいとは言えない姿をしています。しかしこれが収穫後に追加で熟成させる追熟を経ると、果肉はジューシーでとろけるように柔らかく、高級マスクメロンのような食感で、糖度も14〜15度にもなり、濃厚な味わいが楽しめます。そして何よりも、芳醇な芳香が出てきて、西洋梨の最高峰と言われています。

追熟は低温(2℃~3℃)で10日間〜2週間程度するのが望ましいのですが、家庭では15℃〜20℃くらいの室温でもかまわないそうです。ただ、追熟の気温が高いほど、早く熟成します。食べごろの判断は、軸まわりが柔らかくなり、香りが出てきたらOKで、軸まわりを指先で軽く押して、少しひっこむくらいがベストです。

ラ・フランスの収穫時期は10月上旬〜中旬。10月中に出回るのは、自分で追熟をするタイプで、11月以降は、梨農園が管理した温度で追熟させたものを購入することができます。

鴨梨(ヤーリー):ルックスは洋梨だけど中身は和梨の中国梨

最後に中国梨も紹介しておきましょう。鴨梨は中国梨の代表品種で、日本へは明治初頭に導入されました。見かけは洋梨で、緑色の皮が熟すと黄色になり、芳香を放つところも同じです。しかし食べてみると和梨のような食感で、甘みは少なく淡白な味なのです。10月上中旬に収穫されますが、貯蔵がきき、3月頃まで出回ります。年末には贈答品としても店先に並びます。中国梨はもうひとつ、慈梨も有名です。

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雑学

いろいろな品種を紹介してきましたが、まとめとして、梨に関する雑学をいくつか紹介します。

雑学その1:料理に活用

梨はそのほとんどが水分ですが、疲労回復に役立つアミノ酸、咳止め、解熱効果のあるソルビトールを含んでいます。また、タンパク質を分解する消化酵素のプロテアーゼを含んでいるので、肉類を柔らかくするのに使われたりします。韓国料理では焼肉のタレに梨を入れたり、冷麺の上に乗っていたり、キムチ、プルコギなどにも梨が使われていて、とても欠かせない食材のひとつとなっています。

雑学その2:美味しい梨の選び方

ところで、何の気なしに梨を選んで買ってくると、甘みが足りなかったり、食感が今ひとつなことがあります。それを防ぐにはどうしたら良いでしょう。簡単な目安としては、青梨ならより明るい黄みがかった緑、赤梨の場合にはより黄色く赤褐色であるものを選ぶと良いです。さらに、軸の下であるお尻の部分が甘い傾向にあるので、その部分が元気に張っていて、お尻がふっくらしているものがおすすめです。

雑学その3:梨を美味しく保存する方法

最後の最後ですが、梨の保存で大事なのは乾燥を防ぐこと。新聞紙に包み、ビニール袋かジップ付き袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存するのがベストです。また、ヘタの部分を下にしておくと、長持ちします!


 

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