土用丑の日の食べ物といえば、うなぎ。
うなぎは美味しいですが、高価です。
もっと安くうなぎを食べる方法はないか、探してみました。
すると、「え? あれが、蒲焼きに?」という驚きの方法がありました。
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うなぎが、将来、もっと高値になるかも!
まず最初に、ちょっとだけ、うなぎの状況をお話します。
もしかしたら、将来、うなぎがますます高価になるかもしれないのです。
うなぎは絶滅危惧種です
2014年にIUCN(国際自然保護連合)が、ニホンうなぎをレッドリストに掲載しました。
これは、ニホンうなぎが絶滅危惧種に指定された、つまり、絶滅する危険性が高いと認定された、ということです。
IUCNの指定には、法的な拘束力はありません。
IUCNが絶滅危惧種に指定したから食べてはいけない、という法律が作られるのではありません。
しかし今後、ワシントン条約(野生生物の国際取引を規制している条約)で、うなぎの保護のために、輸出・輸入が規制されるかもしれません。
うなぎのうち、ヨーロッパうなぎは、ワシントン条約で、すでに国際間の貿易が規制されています。
もしも、ワシントン条約で国際取引が規制されれば、ニホンうなぎは、輸入も輸出もできなくなるのです。
そうなれば、輸入に頼る割合の大きい日本のうなぎは、ますます価格が上昇すると思われます。
(平成27年の日本のうなぎの供給量の60%は、輸入です。しかし、養殖のもとになるシラスウナギの約30%は輸入されたものですから、それを勘案すると、供給量の70%以上は輸入に頼っていることになります)
うなぎの一生
うなぎの生態は、まだよく分かっていません。
ニホンうなぎは、日本の河川で5~15年過ごした後、海へ出て、マリアナ諸島付近の海で産卵します。
孵化した稚魚は、海流に乗ってフィリピン近海まで到達し、それから黒潮に乗って東アジア方面に移って、やがては日本の河川や海に戻ってくるのです。
うなぎの養殖は難しい
数が減少しているなら、養殖で増やせばいいのでは?と考える人もいるでしょう。
しかし、ウナギの場合は、養殖がとても難しいのです。
今までのうなぎの養殖は、日本の川や海岸に戻ってきたシラスウナギ(うなぎの幼魚)を捕獲し、池でえさを与えて大きく育てる、というものでした。
現在、捕獲されるシラスウナギの数が減少傾向にあります。
1960年代には200tあったシラスウナギの採補量が、2016年は15tです。
(出典:水産庁「ウナギをめぐる状況と対策について」より)
天然のシラスウナギを育てるという方法では、先行きが明るくありません。
マダイやエビは、親魚から卵を採って孵化させ、池で成魚にし、またその卵を採って孵化させ、池で成魚にし、またその卵を……という、「完全養殖」と呼ばれる方法で養殖されています。
うなぎの完全養殖は、実験段階では成功していますが、実用化には至っていません。
卵の孵化も難しく、稚魚に与えるエサもうまく作れない、など完全養殖までには、超えなければならない壁が多いのです。
「う」がつけばいい
うなぎが絶滅危惧種なら、うなぎを食べることは、遠慮した方がよいのでしょうか。
それに、うなぎは高価でもあるし、家計のことを考えて、今年は食べないことにしましょうか。
どちらかというと、自然保護よりは「高価で手が出ない」という現実のために、「仕方ない、今年、うなぎは買わないことにしよう」と、私は決意したのです。
でも、そのとき、「土用の丑の日は、うなぎ!」だと思い込んで、毎年、うなぎを食べたがる家族の顔が頭をよぎりました。
ああ、土用の丑の日はどうすればいいのですか?
私は、悩んだ末にネットで検索して、とある1つの事実を発見したのです。
それは、「土用の丑の日だからって、うなぎを食べる必要はない。うめぼしでもうどんでもいい」ということ。
本来、土用の丑の日に食べるものは「う」がつけばいいとされていました。
丑の日に「う」のつく食べ物を食べれば夏負けしない、という言い伝えがあったのです。
そこで、うなぎが売れなくて困っている商人から相談を受けた平賀源内が、「本日、丑の日」と書いて店頭に貼るように勧めた、というのが「土用の丑の日にはうなぎ」と言われるようになったきっかけなのでした。
なんだ。そうなのか。
私は、胸をなで下ろします。
よし、今年は「土用の丑の日」の「うどん」にしよう!
やっぱり、うなぎを食べたい人のために。こんなのもあるよ
でも、さすがに、「うどん」では、家族一同から白い目で見られるだろう、と思った私は、さらにネットで検索し続けました。
うなぎの代用品を探してみた
「うなぎの代用品」を調べてみると、嬉しいことに、たくさんあります。「なんちゃってうなぎの蒲焼き」が。
いろいろあるよ
あなご・いわし・さんまや、ちくわ・とうふ・厚揚げ・ハンペンなどを蒲焼きにする、というものが主流です。
確かに、うなぎに似た食感のものに、蒲焼きのタレをかけたら、うなぎの蒲焼きになります。いや、ならないけど、それらしく見えます。
「あなご・いわし・さんま」は、通常も、「蒲焼き」で売られていることがありますね。味は違うけれども、魚の仲間ですから、喜んでうなぎの代用品になってくれるでしょう。
「ちくわ・ハンペン」は、原料が魚のすり身です。これも、いわばうなぎのお仲間です。
「とうふ・厚揚げ」は、精進料理で肉や魚の代用品として使われていたので、アイディア自体は、昔からあります。
なすがうなぎに?
「なす」も、蒲焼きにされています。
いったい「なす」と「うなぎ」に、どういう共通点があるのでしょうか!
実は、「なす」は、精進料理の鴫焼きに使われるくらいなので、肉や魚に見立てるというのは、昔から行われてきたのだと思われます。
ですが、そうは言っても、「なす」を「うなぎ」の代用にするのは、かなりインパクトがあるのでしょう、群馬県太田市の「かわとみ」が発売した「なす」を使った蒲焼きは、いろいろなメディアで取り上げられたそうです。
これ、うなぎじゃないの?
下は、芸術的な、うなぎの蒲焼の代用品。
木綿豆腐と長いもで、作られています。
皮に当たる部分は、海苔です。
なんちゃって♪うなぎの蒲焼
人間の知恵ってすばらしいですね。
なんだか私も、手近にある「何か」に蒲焼きのタレをからめて、オリジナルの蒲焼きを作ってみたくなりました。
ベトナムのナマズ
イオンでは、2017年5月30日から、ベトナムで養殖されたナマズの一種を蒲焼きにして発売しています。
トップバリュの製品として、蒲焼きにしたものも、味のついていない切り身のものも、両方とも取り扱っています。切り身はフライやムニエルにしても美味しいのではないかと思います。
イオンは2016年、近畿大学が研究した、うなぎ味のナマズ、「近大ナマズ」を発売しました。
近大ナマズは、エサを改良して、美味しくしたナマズです。
2017年は、ベトナム産ナマズです。
イオンの名誉のために付け加えますが、イオンは、このベトナム産ナマズを、「うなぎ味」「うなぎの代用品」と宣伝しているわけではありません。味は淡泊だと説明されています。
ですから、見た目は「うなぎ」みたいですが、うなぎの味は期待せずに、あくまで「パンガシウス」、「白身魚」として食べた方がよさそうです。
1枚 (税込645円)
3切 (税込950円)
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トップバリュ asc認証 甘辛醤油だれ白身魚(パンガシウス)のふっくら蒲焼
甘いたれが絡み程よい脂が食欲をそそる。
甘辛醤油だれ白身魚(パンガシウス)のふっくら蒲焼
真打ち登場! うなぎカマボコ、うな次郎
うなぎそのもの?と言いたくなる、限りなくうなぎに近い代用品を紹介します。
うなぎではなく、「うなぎの蒲焼き風練り製品」。いわば、うなぎカマボコの「うな次郎」です。
ネットの評価は、大変高いです。
私は、スーパーで見かけたら、絶対買おうと思っています。
製造元の一正蒲鉾株式会社は、まるでチキンのようなカマボコ「サラダフィッシュ」も製造しています。
発想が豊かな会社ですね。
「うな次郎」321円 (税込送料別)
まとめ
うなぎは、絶滅危惧種に指定されるほど、その数の減少が心配されています。
数が減少すれば、今でも高価なうなぎが、もっと値上がりする可能性もあります。
たまには、自然にもおサイフにも優しい、うなぎの代用品を試してみてはいかがでしょうか。
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