異業種転職成功

転職総合サイトのDODAが行った転職理由の調査によると、主には「ほかにやりたい仕事がある」「残業が多い/休日が少ない」「会社の将来性が不安」という理由が上位に来ています。年代別に見ると、30代・40代になると会社の将来性や業界の先行き不安なども出てきますが、すべての世代でTOP3に入る理由は「給与に不満がある」が転職理由でした。

出典 DODA『みんなが退職を考えたきっかけは?転職理由ランキング<最新版> 年代別』

評価への不満や、会社の将来性の不安とも関連しますが、給与はダイレクトに生活に影響を与えますので、やはりこれ抜きには語れません。転職による「給与アップ」は望んではいるものの、「転職すると年収が下がる」という噂もあります。

ましてや、異業種ともなると、やっぱり年収をあげるのは難しいのでしょうか?

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転職で年収ダウンは都市伝説?実態調査では異業種でも給与アップ

そこで、実際には転職で年収がアップしたのか、ダウンしたのか、調査結果があります。

転職サイト リクナビNEXTが行った調査では、転職先が同業種の場合には給与アップが67.5%もいるのに対して、異業種の場合には46.6%とダウンしています。中途採用は即戦力を求めているという原則に照らせば、当然の結果と言えなくもないですが、意外と異業種への転職でも給与アップした人がいるな、という印象も受けます。

異業種への転職では、給与ダウンが46.0%なのに対し、給与アップは46.6%とほぼ同率。現状維持の7.4%を考慮すると、むしろ給与ダウンの比率の方が少ないと言う結果なのです。

結論としては、そもそも転職で年収ダウンという噂は都市伝説にすぎず、やり方によっては給与アップしている人の方が多いということと、異業種への転職であっても必ずしも給与ダウンするわけではない、と言えます。

転職で給与アップorダウン
出典 リクナビNEXT『給与アップ転職者vsダウン転職者』

転職での給与アップのポイント

それでは、同業種・異業種に関係なく、転職をして給与アップするのには、どういう理由があるのでしょうか?

「資格があれば給与アップする」は間違い

転職で有利になるために資格を取得するというのは一つの方法ではありますが、必ずしも給与アップにつながるとは限りません。

先ほどの調査でも、転職後に給与アップした人のうち、転職後の会社で活かせる資格を持っていた人は35.2%しかいないですし、むしろ給与ダウンした人のうち33.9%は資格を持っていたのにダウンしています。

資格は転職での給与アップに直接関係ない
出典 リクナビNEXT『給与アップ転職者vsダウン転職者』

もしもその資格を有していたら資格手当が出るなどが初めから分かっていたり、取得の難しい資格であれば、転職後の給与がアップする可能性はあります。とは言え、資格があるからと言って必ずしも給与アップにつながるかと言うとそうでもないということなのです。

「給与アップの転職をするために何か資格を取ろう!」と言うのは安易な考えなのです。

給与アップするのはどんな時?

あなたの希望する給与額があったとして、それがそのまま叶う訳ではありません。そもそも中途採用の募集をする際に、企業側にもある程度の人件費予算が決まっていますので、その範囲であなたの給与が決まると言うことになります。

と言うことは、最初の会社選びの時点で、ほとんどの場合であなたの転職後の給与レンジが決まるということに。

それでは、一体どういうことに気を付けて会社選びをしたらいいのでしょうか?

転職で給与アップを目指すなら、会社選びで見るべきポイントとは?

会社選びで見るべきポイントとは

給与レンジが現状より高いかどうか

仮にあなたが今年収450万円だとします。次に転職先で検討している会社があったとして、給与レンジが400~500万の会社と400~700万の会社があった場合、あなたならどちらをえらびますか?

気持ちとしては、後者を選びますよね。その様に、そもそも給与レンジが低めの会社では、給与交渉をしても天井が見えてしまっていますので、交渉の余地が少ないのです

また、その会社全体で見たときに平均給与額が高いのであれば、入社後の昇給率が高い可能性もあります。その場合には、募集時のレンジ以外にも会社全体としてのレンジを参考にして選択することをおすすめします。

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そのポストに役職が付くかどうか

例えば、現状の会社では課長の補佐のような仕事をしていたとしても、その会社では明確に役職が付かない場合があります。すると、なかなか昇給に結び付きません。転職後の会社では係長もしくはリーダーという明確な役職での募集であれば、その分基本給のベースアップが見込まれます。

実際に転職後の給与アップを実現した人は、「役職があがった」という人が68.3%もいます。役職と言うのは、給与を上げる分かりやすい理由なのです。

転職で役職があがれば給与も上がりやすい
出典 リクナビNEXT『給与アップ転職者vsダウン転職者』

福利厚生が厚いか薄いか

思わず額面ベースの給与ばかりが気になってしまいますが、福利厚生についても目を向けてみましょう。

給与はあくまでも諸手当を除いた金額となりますので、その他にも住宅手当、資格手当、時間外/休日手当、家族手当などが付く場合があります。これらの手当が付くと可処分所得としては増える場合がありますので、報酬額以外にも手当の有無や金額なども確認しましょう。

一般的に、福利厚生の手厚い会社では、可処分所得が高くなる傾向があります。

例えば、たとえ報酬額の額面は現状維持だとしても、住宅手当が月に5万円支給されれば、年間で60万円相当の給与アップと考えていいのです。また、手当の種類によっては一定額以下が非課税となることもありますので、給与として見込み手当をもらうよりは、別途手当として支給された方がお得なことも

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まとめ

転職を考える時、給与待遇をアップしたいと思う人は多くいます。

給与=やりがいという訳ではありませんが、ある程度満足できる給与を得ることは、頑張る理由にもなります。ましてや、家族がいる、子どもが増える、などの明確な支出増加が分かっているときはなおさらです。

会社選びの段階で、ある程度給与を上げる選択をしておくことで、給与交渉の余地や、転職後の昇給余地が増えますので、意識してみるとよいでしょう。

市場価値が高い人や、募集企業にとって魅力的な人材の場合には、給与レンジを超えた待遇で転職する人もいます。もちろん数は少ないですが、自分の市場価値を意識しながら高めていくと、将来的にはこうしたことも可能なのです。

ただし、志望動機で「給与をあげたいから」というのはあまり好まれません。もちろん、給与交渉をするので給与をあげたい希望は伝えなければなりませんが、給与面だけがその会社を選んだ理由ととられてしまった場合、「この人は給与が思ったように上がらなければまた転職しちゃうのかな」と思われかねませんので、注意しましょう。

どうせ転職をするのであれば、自分の市場価値に見合った範囲での給与アップは可能です。異業種への転職でも給与アップしている人は多いので、ぜひチャレンジしてみてください。

 

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