厚生労働省が公表した平成30年2月の有効求人倍率は1.58倍となり、求職者にとっての売り手市場が続いています。一部では、この流れは少なくとも東京オリンピックの開催される2020年までは続くと言われており、もしも転職を考えるのであれば最適な時期ということに。

何年か社会人経験を積んだ結果、キャリアチェンジをしたいという人は多いでしょう。もしかしたら、家庭の事情によってやむなくという人もいるかもしれません。また、リーマンショックのあった2007年以降、新卒採用での就職を希望したものの、非正規社員にならざるを得なかった世代にとっては、まさに正社員への道が大きく開かれている時期と言えなくもありません。

異業種への転職が非常にやりやすい時代になってきているとはいえ、やみくもにチャレンジするのではなく、異業種転職を成功させるポイントをきちんと考えて成功をつかみましょう。

参照 厚生労働省『一般職業紹介状況(平成30年2月分)について』

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異業種への転職をする場合の考え方

異業種への転職を考える場合、あなた自身が持っている武器(バックグラウンド、スキル、経験、人脈など)を有効に使うべきです。つまり、それらの武器を使えば成功できる転職の仕方を選んだ方がいいのです。

そのパターンは、大きく次の4つがあります。

パターン1:同職種を持ちまわる
パターン2:こっち側からあっち側へ行く
パターン3:スキルや経験を掛け算する
パターン4:間に挟んでステップアップする

それではそれぞれを見てみましょう。

パターン1:同職種を持ちまわる

これは、たとえその会社の業種はことなっても、募集の職種が同じという場合です。
例えば、営業マンが異なる業界へ転職する、食品メーカーの物流担当から文具メーカーの物流担当へ転職するようなケースです。

不動産の営業マンだった人が、いきなり法人向けのサービス営業になることはちょっと難しいかもしれませんが、不動産同様にBtoC向けの保険の営業マンになることは比較的キャリアチェンジしやすいでしょう。同じように、国内に特化したメーカーの物流担当として他のメーカーに転職したり、食品メーカーの物流担当として冷凍や冷蔵輸送の知識があればそれを活かしてフード系の物流センターへ転職するのはやりやすいと言えます。
 

ポイント:自分の経験や知識で選ぶ

ここでのポイントは、自分の持っている経験や知識が他の業界でも汎用的に使えるかどうかを意識しているかどうかです。ただ単に「食品メーカーにいました」と言うだけでは、「なんで物流センターに応募したのか」が分かりませんが、「冷凍や冷蔵の知識があります」と言えば納得です。

パターン2:こっち側からあっち側へ行く

プログラマーやSE経験のある人が社内SEになったり、住宅メーカーの営業マンから不動産業の営業マンになったりという場合です。自身の持っている知識やスキルを活かして、共通点のある職種へキャリアチェンジしています。

DTP経験のある人がWebデザイナーになったり、というのも同様です。

このパターンで考えれば、例えば営業マンとしてある程度PCやOfficeを使いこなせると言うのであれば、ユーザーサポートなどに転職するのも考えられます。営業マンとしてユーザー(顧客)と会話をするコミュニケーションスキルがありながら、PC初心者向けには十分なPCスキルを持っていることが強味となります。

ポイント:職種の共通点を探す

この様に、ちょっとした共通点を見出してキャリアチェンジすることは、誰にでも可能です。ポイントは、自分のスキルや経験を客観的に理解できるかどうか?です。

ただ単に、「営業をしていた」と考えるのではなく、コミュニケーションスキルがある、PCは一通り使える、今まで1000人以上の人に商品を販売した、というように考えれば、ユーザーサポートに向いていると言えるでしょう。

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パターン3:スキルや経験を掛け算する

例えば、プログラマーの方が営業事務へ転職することもあります。プログラマー時代に仕様書や資料を作成するためのExcelを使いこなしていたのであれば、営業事務として売上の集計や資料作成に活かせるためです。

さらに、プログラマーとして海外の技術者と英語でのコミュニケーションをしていた経験があれば、外資系企業の営業アシスタントも可能でしょう。外資系企業であれば、報酬面でも待遇がよりよくなる可能性がありますね。

ポイント:ひとつづつは人並でも積み上げれば強味に

ただ単に「Excelが得意」という以外にも、「英語でのコミュニケーション経験があります」となれば、市場価値が上がりますので、結果的に異業種であっても転職しやすくなります。

仮にひとつづつのスキルや経験は人並みだったり、ちょっとずつだとしても、経験者には変わりありません。ひとつづつは人並みでも、経験が積み重なると市場価値が上がるのです。プログラマーでも、ちょっとだけ英語が得意、リーダー経験がある、セールスSEもしていたことがある、など思い出してみましょう。

パターン4:間に挟んでステップアップする

未経験の職種をアルバイトや派遣で経験し、その後正社員として転職するというケースもあります。もしも目指している業種があれば、その業種にインターンやアルバイトで入ってみるのです。そこで経験を積み、その経験を持って転職すれば未経験者ではありません。

いきなり正社員は壁が高くても、できるところから「もぐりこむ」というパターンです。

また、同じ業界でも、小さくて条件があまりよくない企業に入社して経験を積んでから、条件の良い企業へ転職するというやり方です。中途採用は即戦力を求めているという原則を考えれば、たとえどんな規模の企業に所属していたとしても経験は経験です。

ポイント:計画的にキャリアアップする

もしもあなたが目指す企業や業種があって、そのために必要なスキルや経験があるのであれば、多少遠回りしても、それを経験する機会を得ておくことです。

全くの未経験なのと、バイトでも経験しているのとでは、大きな違いです。インターンやアルバイトからそのまま正社員になったりするケースもありますよね。同じことです。

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あきらめずに、自分なりにチャンスを狙えるように準備しておくことが、あなたの将来の転職を成功させてくれるので、非常にやりがいはあるでしょう。

自分のキャリアを見つめなおすことで見えるあなたの転職パターン

もしも転職を考えるのであれば、まずはあなたがどういうキャリアを歩んできたのか、どんな経験をしてきたのかをきちんと理解する必要があります。それによって、4つのパターンのうちどのパターンで異業種への転職を行うのかが決まるのです。

また、どのパターンにするかで、業種選びでも役に立つはずです。

そのために、あなたのしてきた経験を、なるべく細かく客観的に自分で理解することが重要です。
ただ「営業してきた」ではダメです。どんな人に、どんなものを、どんな方法で、何人くらいに、どれくらいの量を、営業してきたのか、成績はどうだったのか、など、どんなに些細なことでも書き出しておくなどして自分なりに理解しておきます。そうすることによって、その異業種の求人にあなたのどの経験が使えるのか、などが見えてくるのです。

経験は全てあなたの強みです。

あなたの強みを活かせる業種を選んで転職活動をすることで、異業種への転職成功率は上がります。

 

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