「筋肉痛」というと、激しい運動をした後になるものと思っていませんか?
実は「運動もしていないし、何もしていないのに筋肉痛になる」ということが実際にあります。
いったいどういう現象なのでしょうか?
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Contents
運動したあとの筋肉痛は、なぜ起こるの?
以前の記事にも書いたとおり、一般に筋肉痛と呼ばれる症状は、運動した数時間後から数日後に発生する「遅発性筋肉痛」というものです。
慣れない運動をした後や、日頃使わない筋肉を使った後は、時間を置いて筋肉が痛くなりますね。
よくある現象ですが、実はそのメカニズムは、医学的には、まだはっきりとは解明されていないのです。
以前は、疲労物質の「乳酸」がたまって筋肉を硬くし、神経を刺激して炎症と痛みを発生させる、と考えられていました。
しかし、筋肉痛の発生する時には、乳酸はそれほど多くないことから、近年は乳酸が原因だとする説は、違うのではないか、と言われています。
現在では、運動して傷ついた筋繊維の損傷を修復させる際に発生する物質が、痛みを引き起こさせる、という説が有力になっています。
筋肉痛のメカニズムとは、次のようなものです。
- 運動により、筋繊維が損傷を起こす。
- 修復のために集まった白血球などが、炎症を引き起こし、ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどの物質が発生する。
- ブラジキニンなどの物質が、筋膜を刺激し、痛みを起こさせる。
また、筋繊維の損傷とは無関係に、筋肉の収縮に伴って発生したブラジキニン(BK)や神経成長因子(NGF)といわれる物質が痛みを起こさせることもあるようです。
つまり、筋肉痛とは、運動などによって発生した発痛物質が、直接的に引き起こす痛みなのです。
それに対して、特に運動してないのに筋肉痛のような痛みが発生する場合があります。
このような身に覚えのない筋肉痛には、戸惑いと不安を覚えますね。
なぜ、運動もしていないのに、筋肉が痛むのでしょうか?
運動していないのに筋肉痛!その原因とは
特に激しい運動をしたわけではないのに、筋肉が痛くなる原因は、いくつか考えられます。
軽いものから病院の受診が必要なものまでありますので、もしも似たような症状がある場合には、ご自身はどうなのか、チェックしてみてください。
原因➀運動不足による筋肉痛
何もしていないのに筋肉痛があるという場合、一番多い原因は、「運動不足」です。
筋肉を構成する筋繊維は、使わないでいると細くなり衰えてきます。
病気やけがでしばらく動けなかった経験のある方は、その後
「走れなくなった」
「重いものが上がらなくなった」
「歩くのが疲れる」
などと感じたことがあるはずです。
それは、筋肉が衰えた(=筋繊維が細くなった)からなのです。
運動不足の状態が続いて筋繊維が細くなってしまうと、以前は何ともなかった動作でも、筋繊維に負担をかけて、傷つけてしまうようになります。
そのため、今まで通りのいつもの生活をしているだけなのに、運動不足で弱くなった筋繊維を損傷させてしまい、その結果、筋肉痛になってしまうのです。
筋肉量の低下や運動不足が原因で、ひざの痛みや筋肉痛に悩まされている方は、薬で補うという方法もあります。効くと評判のこちらの医薬品について、その評判や口コミ情報を詳しくまとめています。
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原因➁筋肉に負担をかけ続けることで発生する筋肉痛
激しい運動でなく、よくある日常的な動作でも、筋肉に負担をかける動作を長時間継続すると筋繊維の損傷を引き起こします。
例えば、よくない姿勢のまま座り続けると、筋肉に負担をかけ、筋肉痛を引き起こすことがあります。
正座をした時でも、イスに座っている時でも、横になっている時でさえも、長時間無理な姿勢をとり続けると、筋肉が痛くなってきます。
太っている人は長時間立ち続けるだけで下半身に負担をかけ、筋肉痛になる場合があります。
長時間同じ場所にいる時は、適度に体勢を変え、同じ姿勢を取り続けない工夫が必要です。
筋肉痛の予防のために
さて、運動不足から来る筋肉痛と、筋肉に負担をかけ続けることで発生する筋肉痛について見てきました。
運動不足から起きる筋肉痛を、未然に予防するためには、日頃から、適度な運動によって、筋肉を動かす習慣をつけておくことが必要です。
筋肉に負担をかけることで起きる筋肉痛に関しても、日頃から筋肉を鍛えることで、改善されてきます。
少しずつ、ウォーキングやストレッチを生活の中に取り入れて、体を動かしましょう。
また、バランスの取れた栄養を摂取することも大事です。
特に、タンパク質やビタミンを積極的に摂るように心がけてください。
運動不足が続くと、年齢を重ねた時に、筋量や筋力が低下して動きにくくなります。
筋肉の衰えは、ひざの関節の負担を増加させ、ひざが痛くなる原因ともなります。
その結果、「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」といわれる、筋肉や骨や関節などが障害を受けて活動しにくい状態になってしまうこともあります。
おどかすわけではありませんが、ロコモティブシンドロームが進むと、要介護状態に陥る危険性が高くなります。
筋肉痛の予防のためにも、健康寿命を延ばすためにも、若いときから、軽い運動を習慣にしましょう。
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原因③何らかの病気の症状としての筋肉痛
筋肉痛には、病気が原因で引き起こされるものもあります。
筋肉痛が長く続く場合や、激しい場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けましょう。
インフルエンザ
インフルエンザにかかって、筋肉や体の節々が痛い、という経験はおそらく多くの人にあることでしょう。
人間がインフルエンザウィルスに感染すると、白血球からサイトカインという物質が出され、免疫活動を調節していきます。
また、同時にプロスタグランジンという物質も作られます。
プロスタグランジンは、血管を広げる作用と発熱作用によって、免疫細胞をより活発に働かせる役割があります。
サイトカインが過剰に分泌されて臓器に悪影響を及ぼすことも防ぎます。
このように、プロスタグランジンは免疫のために大切な働きを行っているのですが、全身に痛みを感じさせる原因物質でもあるのです。
ですから、インフルエンザで起きる筋肉痛や関節痛は、体がウイルスと戦っている証拠なのです。
もしも、インフルエンザでおきる筋肉痛が痛くてたまらないときは、患部を冷やすと、しのぎやすくなります。
ただし、体は発熱することで免疫活動を活発に行っているのですから、必要以上に体を冷やすことは避けましょう。
膠原病
膠原病(こうげんびょう)とは、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる病気の総称です。
病原体を防ぐための免疫システムの異常で、自分の免疫が自分を攻撃することで発症します。
免疫が体のどこを攻撃するかで、さまざまな場所に症状が出現します。
ですから、膠原病は、体の中のいろいろな所に炎症がおき、しかも、慢性化しやすいのが特徴です。
関節リウマチ・ベーチェット病・川崎病・潰瘍性大腸炎など、さまざまな病気が膠原病の一種とされています。
膠原病の中でも、「リウマチ性多発筋痛症」「多発性筋炎」などが筋肉痛をおこす病気として挙げられます。
膠原病には、原因不明の発熱や体重減少といった全身症状、関節の痛みやこわばりといった関節の症状、筋肉が衰えたり痛んだりする筋肉の症状などがあります。
その他、皮膚の赤い斑点、ひじやひざのしこり、目の炎症、口の中の乾燥などのさまざまな症状も見られます。
膠原病は、発熱、体がだるい、関節が痛い、湿疹、下痢など、風邪や胃腸炎のような症状から始まります。
風邪や胃腸炎かと思いがちですが、もしも症状が数週間も続くようでしたら、膠原病かもしれません。
病院を受診しましょう。
線維筋痛症
関節、筋肉、腱などの広範囲に慢性の激しい痛みとこわばりが現れます。
これも、膠原病の一種と言われています。
今のところはっきりした原因は分かっていませんが、ストレスが発症のきっかけでないかという指摘もあります。
リウマチと似たような症状もあるため、リウマチとして治療を受けていることもあります。
線維筋痛症の痛みは、市販の痛み止めではあまり効果がなく、辛い病気です。
まだ、あまり知られていない病気なので、他の人に理解してもらえず、一層、患者さんの精神的な負担が大きくなっている面もあります。
自律神経失調症
自律神経失調症が原因で筋肉痛がおこることがあります。
自律神経失調症とは、全身の器官をコントロールする自律神経が乱れ、さまざまな症状を引き起こす病気です。
自律神経には、体を活発に活動させる交感神経と、休ませる副交感神経があります。
この2つの神経のバランスが崩れ、交感神経が働き続けると、運動していなくても、運動した時のように血管や筋肉が収縮し続けます。
本来ならば、そこで体を休ませる副交感神経が働くはずですが、自律神経の乱れから、副交感神経があまり働かないと、筋肉の疲労が蓄積して、筋肉痛が引き起こされるのです。
自律神経失調症には、めまい・発熱・頭痛・吐き気・肩こりなどの身体症状と、イライラ・無気力・倦怠感などの精神症状があります。
症状があるのに、検査をしても異常が認められないときには、自律神経失調症と診断されることが多いようです。
心配ならば、病院を受診しましょう。
まずは、今出ている症状に応じて内科・耳鼻科などの一般的な病院へ行ってみましょう。
アルコール筋症
「アルコール筋症(アルコール性ミオパチー)」と言われる、アルコールを摂取した後におこる筋肉痛もあります。
お酒を飲んだ翌日に、足のふくらはぎがだるい、筋肉痛のような感じがする、という経験はありませんか?
これが、アルコール筋症です。
実はアルコールはタンパク質の合成を阻害し、筋繊維を傷つけることが分かっています。
アルコールが体内に入ると、肝臓がアルコールを分解しようと働きます。
そのときに使われるのが、ビタミンです。
ビタミンは、筋肉を合成するときにも必要であるため、肝臓で大量に消費されると、筋肉の合成が間に合わなくなり、筋繊維が壊れてしまうのです。
アルコール筋症の症状が出ているときは、対策としてビタミンを摂取しましょう。
また、予防としても、ビタミン(特にビタミンB1)の摂取は有効です。
お酒を飲んでいるときには、水分をたくさん取ってアルコール濃度を薄めることもアルコール筋症の予防になります。
スポーツドリンクなどを飲むと、ビタミンと水分が摂取できます。
お酒を飲み過ぎて、次の日筋肉痛になってしまった、という状態は「急性」のアルコール筋症です。
呼吸困難などのひどい症状があれば、医療機関を受診しましょう。
しかし、重い症状が出ていなければ、自然に治っていきます。
恐ろしいのは、長期間アルコールを摂取し続けると、筋力が低下し、筋肉が萎縮する「慢性アルコール筋症」となってしまうことです。
慢性アルコール中毒とそれに伴うビタミン不足のおそれもありますから、病院で治療を受けることをお勧めします。
閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症とは、手足の動脈硬化が原因で、血流が悪くなり、手足にさまざまな症状が現われる病気です。
しばらく歩くとふくらはぎが痛くなって歩けなくなってしまいます。
しかし、少し休めば元に戻ります。
その他、手足のしびれ、冷え、疼痛などの症状もあります。
ビタミン不足(ビオチミン欠乏症)
ビオチンと呼ばれるビタミンB7(ビタミンHとも言います)が不足すると、筋肉痛の症状が現れます。
通常の食生活を行っていればめったに不足することはありませんが、過度の偏食や先天的な要因、ある種の抗生物質をのみ続けている、生卵白の多量・長期摂取などの場合に発症する場合があります。
慢性疲労症候群
慢性疲労症候群とは、その名の通り、原因のわからない強い疲労感が慢性的に続く状態のことです。
日常生活に支障があるような強い疲労が6か月以上続いているのが目安です。
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疲労感の他にも、微熱、頭痛、のどの痛み、低血圧、不眠などの症状が現れますが、筋肉痛も、症状のひとつに挙げられます。
全身や、特定の箇所に、動くことのできないほどの痛みが現れることもあります。
原因は、まだ解明されていませんが、ストレスの影響によるホルモンバランスの乱れや免疫系の乱れが関係しているのではないかと思われます。
びまん性筋膜炎
「好酸球性筋膜炎」とも言います。
筋膜に広範囲に炎症が起こる病気です。
そのため、筋肉痛のような症状が現れます。
初期の段階からむくみなどの症状が出て、だんだん全身に広がっていきます。
原因は不明ですが、感染症や腫瘍、自己免疫疾患などと関連があると言われています。
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まとめ
運動をしていないのに筋肉痛になったら、まずは、膠原病などの病気でないかと疑ってみましょう。
病気が原因でなければ、運動不足による筋肉痛だと思われます。
軽い運動をする習慣をつけて、運動不足に対処しましょう。
運動不足でどれくらい筋肉量が減るのか?
運動をしていないと、ヒトの体は1年に1%の筋肉が減っていくとも言われています。
人体の筋肉の割合は、年齢や性別でも違いますが、おおよそ30%から40%くらいだとされています。
仮に、20歳の男性が標準体型だとすると、平均的には25Kgほどの筋肉量があることになります。
(参考:筋肉量と筋肉率を計算 – WAKWAK)
ところが、10年間運動をしないと、10%減少で-2.5Kg、20年間運動をしないまま40歳になると、20%減少なので、-5Kgで筋肉量は20Kgとなります。
「たかが5Kgじゃん」と思いますか?
運動をしていないことと加齢によって代謝が減ることで体重も増えていることが予想できますし、体重が増えていないのだったらその分脂肪が増えていることが考えられます。
すると20%の筋肉量の減少は、筋肉痛以外にもからだに様々な影響を与えていきます。
例えば以下のような現象が見られます。
●筋肉量低下で見られる現象
- 疲れやすくなる
- 腰痛やひざの痛みが起こりやすくなる
- 糖尿病になりやすくなる
- 腎臓、副腎、泌尿・生殖器の機能低下が起こりやすくなる
- 女性なら更年期障害が起こりやすくなる
- 運動不足で筋肉痛にならないためには、日々の運動、正しい食生活、健康の維持が基本です。
毎日の生活のなかで、エレベーターをやめて階段を使う、車に頼りすぎないでできるだけ歩くなどの工夫で運動量を増やすと長続きしそうですね。
また飲みすぎや偏った食事も厳禁!
結局は特別なことよりも、ヘルシーな生活が一番なんですね。
最後に、筋肉量の低下や運動不足が原因で、ひざの痛みや筋肉痛に悩まされている方は、こちらの医薬品が効くようです。その評判や口コミ情報を詳しくまとめています。
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