いつも使うからこそ清潔に保ちたい浴槽。
水回りの中でも、特に肌が直接触れる浴槽であればなおさらそうお考えの方が多くいらっしゃるかと思います。
どんなに毎日浴槽掃除をしていても「なぜか湯垢が出てきてしまう」というお悩みの原因は、風呂釜に蓄積された汚れ。
本日は、そんな風呂釜の掃除方法を原因や根拠と一緒にご紹介したいと思います。
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Contents
風呂釜掃除のサインを知ろう!
一般的に風呂釜の掃除をする頻度として推奨されているのは1カ月に1度。
もちろんあくまで基準であるのですが、もし浴槽に湯垢が浮遊してきた場合はかなり汚れが貯まっているというサインなので、そんな時は早急な掃除をおススメします!
汚れの原因は何?
風呂釜が汚れる原因は湯垢。
風呂釜内の掃除を怠ると、皮脂や石鹸カス、ホコリなどが風呂釜内に蓄積。湯船に水を張る際に一緒に剥がれ落ちて出てくることになります。つまり、これが浴槽にただよう湯垢の正体なのです。
と言うことは、湯垢が浮遊している=すでに風呂釜内は汚れがたまっている、ということ。
風呂釜の汚れを放置するのは危険!
せっかく毎日掃除して清潔にしている浴槽も、風呂釜まで洗わないと汚れが溜まり、衛生面でよくないだけではなく、さらに風呂釜が効率的に熱伝導出来なくなってしまうなど、正しく機能しなくなる原因ともなるのです!
タイプ別!風呂釜の掃除方法
皆さんのご自宅にある風呂釜を見ていただくと、穴が1つ穴の場合と2つ穴の場合があります。この構造の違いによって汚れ方が異なります。
- 1つ穴(強制循環式)の場合は、配管が長くお湯が循環する流速が速いため、湯垢のように目に見える汚れがつきにくいのですが、配管が長いため雑菌などが繁殖しやすいという特徴があります。
- 2つ穴(自然循環式)のものはゆっくりとお湯が循環することにより湯垢が風呂釜に溜まりやすいと言われています。
つまり、1つ穴は湯垢などの目に見える汚れはたまりにくいが雑菌がたまりやすく、2つ穴は目に見える湯垢がたまりやすいということ。
1つ穴は、汚れが見えないだけに、お掃除サインが出てくるころにはかなり汚れていると思っていいでしょう。
どちらにしても掃除を定期的に行うことで清潔な浴槽を保つことができるのです。
それでは早速、掃除方法をタイプ別に見ていきたいと思います。
●1つ穴(強制循環式)
<用意するもの>
・酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
・ホース
<方法>
① 40℃程度のお湯を吸込口より5㎝程度上まで溜めます。
※残り湯の利用もできます。
② お湯の中に酸素系漂白剤200g-300g入れて混ぜます。
③ 追い炊きをして湯船のお湯を循環させます。
④ 追い炊きを切りそのまま1晩放置させます。
⑤ 汚れた水を排水し、ホースを使って勢いよく穴に水を入れます。
※湯垢が出なくなるまで注いでください。
⑥ 全体的に湯垢が出なくなりましたら通常通り浴室を掃除して完了です。
●2つ穴(自然循環式)
<用意するもの>
・酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)
・ホース
・タオル
<方法>
① 下の吸込口をタオルで塞ぎ、上の吸込口に酸素系漂白剤を50-100g入れます。
② 50℃程度のお湯を上の吸込口に注ぎ込みます。
③ 1-2時間放置した後、下の吸込口のタオルを取り除き、ホースで上下の吸込口に勢いよく注ぎます。
④ 通常通り浴室の掃除をして完了です。
このように、ご家庭にある風呂釜のタイプによって掃除方法が異なり、汚れの蓄積具合も違います。
冒頭でもお伝えした通り、1カ月に1度程度定期的に行うことが大切なのです。
風呂釜掃除におすすめの洗剤は?
では風呂釜掃除をするためのおすすめ洗剤はどのようなものがあるのか比較してみましょう。
リサーチしてみると、次の3種類が主流のようです。
●おすすめ洗剤比較
・風呂釜洗浄剤
・酸素系漂白剤
・クエン酸+重曹
これらがよく風呂釜掃除に挙げられているおすすめの洗剤ですが、なぜこれらがおすすめなのでしょうか?科学的根拠にもせまってみました。
●湯垢の成分は?
湯垢は、人間の皮脂、水道水に含まれるカルシウムとボディソープなど石鹸の化合物となっています。
<湯垢の成分>
・脂肪酸カルシウム
・タンパク質
・遊離脂肪酸
・脂肪分
実は、湯垢の主成分として全体の大半を占めているのが、カルシウムと石鹸の化合物である脂肪酸カルシウム。
そしてその他の3つの成分に至ってはそれぞれ10%に満たない配合となっています。
「湯垢の主成分は人間の皮脂でしょ」と誰もが思っていると思うのですが、ナント人間の皮脂はたったの5.2%しか含まれていないそうです。
つまり、湯垢の主成分である脂肪酸カルシウムを効果的に分解し、働きかける成分が配合されている洗剤を使うことが、より高い洗浄効果があるといえます。
●脂肪酸カルシウムを分解する成分は?
この脂肪酸カルシウムは酸性の化合物。酸性の汚れを分解してくれる成分が含まれるものは、アルカリ性の洗剤となって、一般的に重曹や酸素系漂白剤が挙げられます。
●重曹と酸素系漂白剤ならどっちがいいの?
湯垢に効果的に働きかけるアルカリ性の重曹と酸素系漂白剤。せっかく掃除するなら、効果が高い方を利用したいですよね。
そこで思い出してほしいのがpH(ペーハー)と呼ばれる液性についてです。
pHというのはアルカリ性か酸性か中性、これらの性質を表す単位であり、学生時代リトマス紙を使って調べた記憶がある方もいらっしゃると思います。
同じアルカリ性の重曹と酸素系漂白剤でも、重曹は8pH、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は10.5pHという違いが。このpHの違いは、そのまま洗浄効果の強さをしましますので、pH値の高い酸素系漂白剤の方が洗浄効果を期待できるという事なのです!
結論としては、風呂釜掃除には重曹よりも酸素系漂白剤の方がよく効く、ということでした。
●結局どれがいいの?
今回ご紹介した次の3つの洗剤ですがについて、それぞれにメリットとデメリットもあります。
・風呂釜洗浄剤
・酸素系漂白剤
・クエン酸+重曹
<風呂釜洗浄剤>
メリット:比較的簡単に行うことができる
デメリット:高価である
<酸素系漂白剤>
メリット:安価に行える、効果が高い
デメリット:時間がかかる。
<クエン酸+重曹>
メリット:汚れの原因に応じて単体で効果的に働きかけることができる
デメリット:風呂釜洗浄には効果が低いため浴槽や浴室内の洗浄に向いている
ただ、いずれにしても大理石やヒノキの浴槽には利用できませんので、万一浴槽がそういった材質の場合には注意が必要です。
何度もお伝えしている通り、風呂釜の掃除の理想的周期は1カ月に1度。
しかしながら風呂釜用洗浄剤は高価なため、掃除をすること自体を躊躇してしまっては本末転倒です。他の物で代用がきけば、お財布に気兼ねなく掃除しやすくなりますね。
●酸素系漂白剤が効果的な理由
酸素系漂白剤の主成分は過炭酸ナトリウムであり、水溶させることによって活性酸素が発生、湯垢の成分である脂肪酸カルシウムに酸素が反応して分子分解され、汚れが浮き出てくる仕組みです。
つまり、液を付けておくだけでゴシゴシ洗いは不要!
さらに、漂白効果や殺菌効果も併せ持っているので、単体で掃除効果を期待できるものとなっています。
●重曹+クエン酸は浴室内掃除に効果的!
先ほどまでの内容ですと、重曹+クエン酸の組み合わせと酸素系漂白剤を比較すると、効果が薄いと思われる方もいらっしゃると思いますが、それは風呂釜内についてのこと。
この組み合わせは浴室内掃除に効果的に働きかけてくれる優秀アイテムなのです!
ポイントは、重曹とクエン酸それぞれの働きの違いにあります。
酸性の皮脂汚れにはアルカリ性の重曹を、アルカリ性の石鹸カスや水垢には酸性のクエン酸を利用します。
それではこの二つを使った効果的な掃除法をご紹介します。
<掃除方法>
◆排水溝を洗う◆
利用するもの:重曹、クエン酸
①重曹をまく
②クエン酸を入れて掃除する※重曹とクエン酸を混ぜると炭酸ガスが発生して発砲します。
発砲によって汚れを浮かせてくれるのでキレイになりますよ。
◆洗い場の石鹸カスを洗う◆
利用するもの:クエン酸
クエン酸をスポンジにつけて磨きあげるとキレイになります!
使い勝手をよくするためにスプレー容器に入れても便利ですよ。
<注意点>
・クエン酸を他のアルカリ性の洗剤などと混ぜると有毒ガスが発生する可能性があるので要注意。
・大理石やヒノキ、鉄に利用することができない。
<効果がある理由>
湯垢の大半である脂肪酸カルシウム(脂肪酸:酸性、カルシウム:アルカリ性)をクエン酸(酸性)がカルシウム溶解し、合わせて水垢も落としてくれるというWの効果が期待できます。そして重曹(別名:炭酸水素ナトリウム、弱アルカリ性)によって、脂肪酸(酸性)のにおいを中和して、脂を分解する働きもあります。
風呂釜掃除に利用する場合、酸素系漂白剤よりも洗浄効果が弱いためおすすめしませんでしたが、どちらかというと浴室内の掃除箇所に応じてこれらを単体や、組み合わせて使うことで効果を発揮できるものといえます。
無駄に強すぎる洗剤を使う必要もなく、酸素系漂白剤よりも重曹やクエン酸の方が扱いやすく入手しやすい、という点で考えても、洗剤も適材適所がいいですね。
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掃除のプロに頼むといくらかかるの?
自分で掃除をしてしまえば、リーズナブルにできますが、プロにお願いするのも手。
1回徹底的にお掃除した後は、きれいさを保つのはマメさ勝負。日々の掃除は時間も短時間で済ませられます。
また、お忙しい方やお年寄りなども、一度プロにやってもらうと気が楽ではないでしょうか。
価格帯としては、平均1~2万円程度でプロの業者による風呂釜洗浄を行ってもらえます。
風呂釜を汚れないようにするための裏技はないの?
風呂釜の汚れは日常的に使用することによって汚れていきます。そのため、残念ながら汚れないようにする裏技などはありません。
定期的に掃除を行うことで衛生的に利用できますし、風呂釜の機能も維持することができますのでしっかりと行いたいですね。
●ふろ水ワンダーで掃除不要になるのか?
入浴後のふろ水に入れると、清浄成分が雑菌の繁殖を抑えてお風呂の水を清潔に保ってくれるというふろ水ワンダーという物。「お水がきれいなら風呂釜も汚れないのでは?」と思ってしまいがちですが、これはあくまでも雑菌の繁殖を抑えてくれるというもの。湯垢の成分である、カルシウムや石鹸カス、皮脂は分解されません。
と言うか、それが分解されるような水に体を浸すのは怖いですよね(笑)
やはりマメな掃除に勝るものなし!なのです。
まとめ
今回は風呂釜の掃除方法とその原因から根拠までをご紹介させていただきました。
是非、きれいさを維持するために定期的な掃除を心がけましょうね!