日本の大部分は温暖湿潤気候。
つまり、カビにとっては、一年中ちょこっと条件が整えばすぐに増える事ができる環境にあります。
その中でも、夏はとにかく蒸し暑いですよね。

梅雨から夏にかけては、ちょこっと条件どころか、ばっちりカビにとっては、生えてくれと言わんばかりの最適環境です。

そんな時期に、湿気に関する対策をとっていないとどうなるのでしょう。
まあ、予想はできると思いますが、カビ対策の代表的なものである湿気取りって、実際、どのくらい効き目があるのでしょう。

別になくても困っていないという人もいたりしますよね。
一体何が違うのか、今回はそのあたりを掘り下げてみます。

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湿気取り、どんなものがあるか、じっくりお店で見た事ってありますか?

湿気対策グッズは、種類も目的も多彩で、ものすごく多くの数が売られています。
ホームセンターなどで見ていると、除湿剤でも、炭、シートタイプ、固形のコンパクトで小さなものから大きなものまで、実に様々です。
除湿器ともなると、これまた、家電量販店で多種並んでいます。

除湿剤に書いてある注意事項をよく読むと、調湿してくれるものと、吸湿、つまり水分をその名の通り、吸い集めて取り除く機能を持つものとに分かれてきます。
珪藻土などに代表される、調湿効果のあるものは、湿度が高くじめじめしている時には湿気を吸い込み、乾燥している時には湿気を出して空気を調節してくれます。
ということは、家の中の空気中の水分を際限なく吸い取ってくれるものではないのです。

水とりぞうさんに代表される、吸湿効果のあるものは、一定期間空気中の水分を集め、水に替えて捨てる事で、湿度を下げてくれる効果があります。
ただしこれも、使い捨てですし、許容量いっぱい吸い取ると、それ以上効果を得られなくなります。
定期的な取り換えが必要という事です。

一方、除湿器は、容器に水を貯めて捨てる方式や、ホースにつないで連続的に水を捨てられる方式のものがあり、いずれも、壊れるまでは除湿してくれます。

湿気取りをしなかったらどうなるの?

湿気が気になる理由にベストテン入りしそうなのは、カビ、ダニなどの虫の被害、家具や建造物の被害ではないでしょうか。
一般に、木造住宅の場合は、湿気がこもらないように様々な工夫がされていますし、木材自体がある程度調湿効果があるので、よほど閉鎖空間で水分の多いものを放置しない限りは、深刻なダメージには至りません。

鉄筋住宅や集合住宅では、密閉度合いが高いため、換気に気を使わないと湿気が籠る場所も出てきます。

とはいえ、この記事を書いている私の場合は、木造住宅一戸建ての借家に引っ越したばかりの頃、畳表が替えられたばかりの綺麗な青い部分が、最初の梅雨の時期にふさふさのカビに覆われる、という大失敗をやらかしています。

日中家に人がいなくて閉め切っている場合で、わりと新しい畳にはよくあるパターンだったりもするのですが、木造住宅といえども、共働きなどで人がいない時間が多い所では、換気が行き届かない場所がありますので、湿気取りにも気を使わないと、カビの原因になります。

当然、ダニなどの虫なんかも、見えないけれど増えている可能性が高いです。
筆者の友人の場合、、鉄筋の集合住宅に引っ越したばかりで勝手がまだ掴めていない頃、木製のクローゼットの後ろ側が湿気でボロボロになり、穴が開いたなんていう極端な話もあります。

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湿気取り対策あれこれで結果はどうなるの?

湿気取り効果がありそうなものは片っ端から試してみました。

1.炭や重曹を置く

下駄箱や小さめのクローゼットなんかには効き目がありそうなのですが、今一つ広範囲には効き目が薄そうです。
広い場所で効かせたいならば、大量に購入し、少しずつ気になる箇所へ置く事で湿度が下がってきます。

2.除湿剤

小さいものになると、やはり炭同様、見た目にもよくわからない上に、広範囲となるとさっぱり意味をなさなくなります。
水とりぞうさんは、結構広範囲でも、目に見えてたくさん吸湿してくれます。
ただ、湿気がかなり籠る所では、取り換えが頻繁になってしまいますので、経済的にはイマイチかもしれません。

3.除湿器

広範囲に効かせたいのであれば、間違いなく機械に頼った方が良い、と言えるほど吸湿してくれます。
ただし、音が気になったり、少し場所を取る、などのデメリットはあります。

4.段ボールや新聞紙など、紙類を敷くか挟むかする

思ったよりは湿気を吸い取ってくれます。
湿気が多い場所だと、わりとすぐにふにゃっとなるので、すぐに取り換えないとかえってそこがカビの原因になってきます。
こまめに交換をしなくてはなりません。
そして、場所によっては、見た目がイマイチ綺麗ではないかもしれません。

5.ペットボトルに水を入れ、凍らせて空気中の水分を「水」に変えてしまう

これはネットで調べて初めて知った方法ですが、ペットボトルの周りに結露した水を受ける入れ物を確保しなくてはなりませんし、当然、中が溶けて温度が高くなれば効果はストップします。
それ以上に、溜まった水が更に蒸散したら、結局空気中の水分をたくさん取っているとは言えないかもしれません。
こまめに水を捨てなくてはいけません。

参照URL:お部屋の湿気を取るおすすめの方法7選!

5の方法は、人がいない時間帯に除湿する事ができないため、人のいない部屋や押し入れ、クローゼットなどで使いたい場合は、1~4の手法を検討すると良いでしょう。

ただ、やはり基本は、換気です。

人がいる場合は、毎日一回は、10分で良いので窓を開け放ち、家じゅうの空気を循環させます。
クローゼットや押し入れなども、開けて空気の入れ替えを行います。
空気の通りが悪い、湿気が溜まりやすい場所には、扇風機やサーキュレーターなどを使って強制的に湿気を飛ばしてしまいます。
これを実行し始めてからは、私の家の畳や窓枠も、まったくカビずにすんでいます。

また、どうしても窓が開けられない環境にある場合は、エアコンの除湿が最適です。
一気に部屋中の湿度を下げてくれます。
その場合も、クローゼットなどの扉は開いてから行う事を忘れないようにしましょう。

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まとめ

日本は全体的に湿度が高いとはいえ、空気中には、どんな所でも多かれ少なかれ水分は必ずあります。
それなのに、湿気取りをしないとカビが生えてしまう場所と、何もしなくても生えない場所があるのは、高温多湿になりやすい条件があるからです。

多湿になってしまうとは、他の場所よりも空気の流れが悪く、水気が多く重い空気が溜まってしまう事です。
お風呂場や台所、水回りと呼ばれる部分は、そもそもの原因である「水」気が多い所なので、湿度も高くなりがちです。
ですが、そういった場所には、必ず換気扇がついていますよね。

家の、他の場所も同様に、まずは湿気の原因になるものを極力取り除きます。
例えば、特別な理由がない限りは部屋干しをしないとか、布団を使った後すぐに押し入れにしまわないとか、脱いだ直後の服をクローゼットにしまわない、などがあげられます。

その努力プラス、風で定期的に湿気を吹き飛ばしてしまえば、湿気取りにそれほど気を使わなくても、カビに悩まされずにすむと言えます。
扇風機があれば、家じゅうの扉という扉をあけ放ち、循環できるように回してみましょう。

エアコンがある家庭では、部屋の中はさほど気を使わなくてすみますが、今度は戸棚の中やクローゼットの中などが、気温差による結露を起こしやすくなりますので、やはり扉をできるだけ開放するように工夫して、中の湿気を逃がしてやりましょう。

どんなに空気を循環させても、それでもカビが生えるような場所があるのであれば、その時には、湿気取りのグッズをいろいろ試してみるとよいかもしれません。
重い湿気た空気を吹き飛ばして、今年からは、空気も心もカラッと元気にすごせるとよいですね。


 

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