製氷機の耐用年数・メンテナンスなどについて、考えました。
特に、業務用製氷機の耐用年数が何年かということには、2つの説があるので、どちらが正しいのか、調べてみました。

「製氷機」とは

「製氷機」と一言でいっても、さまざまなものがあります。

  1. 業務用製氷機:カフェや喫茶店などで使用される、大量に氷を製造するための機械。価格は十数万円から数十万円のものもある。
  2. 家庭用製氷機:氷をたくさん使う家庭で使われる、短時間に氷を作る機械。価格は2万円前後から。
  3. 冷蔵庫に付属した製氷機:家庭用冷蔵庫の機能の一つ。水をタンクに入れておくと、自動で氷を作って製氷室に貯蔵しておいてくれるもの。

3の「冷蔵庫に付属した製氷機」の清掃やメンテナンスに関しては下の記事をご覧ください。

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ここでは、1、業務用製氷機と、2、家庭用製氷機について考えます。

業務用製氷機の耐用年数

国民の3大義務のひとつ、「納税」。自営業の人は、その申告に頭を悩ますことも多いでしょう。
飲食店などを経営する人は、製氷機のような備品を購入すると、経費として1年にどれだけ計上できるかという計算のために「耐用年数」を調べなくてはならなくなります。

耐用年数は6年?8年?

税金の申告において、10万円を超える設備・備品は、減価償却という税務処理をしなくてはなりません。
購入した年だけで購入金額を経費とするのではなく、数年に渡って分割して経費としていくのですが、その計算のために、「法定耐用年数」が決まっています。それは国税庁のホームページから見ることができます。

さて、飲食店で使用するために製氷機を買ったとして、その耐用年数は何年でしょうか?

国税庁が公開している「耐用年数(器具・備品)(その1)」によると、「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器」の耐用年数は、6年です。

参考:国税庁「耐用年数(器具・備品)(その1)」
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34358.php

しかし、製氷機を「機械及び装置」と見れば、「飲食店業用設備」となって耐用年数は8年です。

参考:国税庁「耐用年数(機械及び装置)」
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34360.php

製氷機が「器具・備品」なら6年で、「機械及び装置」なら8年ということになってしまいますが、どちらなのでしょうか。

「器具・備品」と「機械及び装置」の定義は

国税不服審判所で「器具・備品」と「機械及び装置」に関しての裁決されたことがあります。それによると、

“「機械及び装置」とは、外力に抵抗し得る物体の結合からなり、一定の相対運動をなし、外部から与えられたエネルギーを有用な仕事に変形するもので、かつ、複数のものが設備を形成して、設備の一部としてそれぞれのものがその機能を果たすものをいう”

“「器具及び備品」とは、耐用年数省令の別表第一が個別資産ごとに耐用年数を定めていることから判断すると、それ自体で固有の機能を果たし独立して使用されるものをいう”

引用元:平19.10.30、裁決事例集No.74 214頁
http://www.kfs.go.jp/service/JP/74/16/index.html
(国税不服審判所)

平たく言うと、いくつかの機械が結びあって1つの設備を構成して働いているときは、「機械及び装置」で、単体で働いているものは「器具及び備品」ということですね。
とすれば、一般的な飲食店の、単体で使われている製氷機は、「器具及び備品」で耐用年数は6年、と考えられます。

もちろん、これは税務上の計算のための法定耐用年数ですから、実際に使える年数、つまり寿命は、使い方やメンテナンスにもよりますが、もっと長いでしょう。

業務用製氷機の修理・メンテナンス

業務用製氷機などの厨房機器に関しては、メーカーと保守契約を結ぶことができます。
サービスマンが定期的に廻ってきてメンテナンスをしたり、調子が悪いときは、電話一本で見に来たりしてくれます。お金がかかりますが、安心感はあります。
私は厨房でアルバイトをした経験があるのですが、定期メンテナンスでサービスマンが来て、機器の使い方や手入れのアドバイスをしてくれると、とても嬉しく感じました。修理を頼むほどではないけど、なんだか調子悪くて心配、という時もありましたから。(ちなみに、私がいたところでは、あのペンギンマークのメーカーから来られていました)

保守契約料を払うのはもったいない、という意見もあります。
が、故障して業務に支障が出たときの損失を考えると、ある程度の料金は仕方ないという人もいます。

この件に関しては、機械に詳しい人が店にいるかどうか、保守契約料を払う余裕があるか、その機器の故障によって業務にどの程度の支障が出るか、などのさまざまな条件の違いがあるので簡単には言えません。

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家庭用製氷機の耐用年数

家庭用製氷機はどれくらいもつのでしょうか。
通販サイトのレビューを読んでみると、短期間の使用で壊れたという記述も、目につきます。もちろん、商品によほどの不満を持ったからこそレビューを書き込んだのですから、レビューだけが真実ではありません。何年も故障することなく使い続けている人も、いるでしょう。
しかし、『小さなお店づくりのヒントシリーズ カフェをつくりたい人の本』(学研パブリッシング)の「そろえておきたい主な備品」の記述を読むと、

“製氷機 壊れやすいので中古より新品を買った方がよい”

引用元:『小さなお店づくりのヒントシリーズ カフェをつくりたい人の本』129ページ

とのことです。
業務用ですら、「壊れやすい」というのであれば、家庭用は、もっと壊れやすくても仕方ないのかもしれません。
保証期間であれば、修理なり交換なりをしてくれるはずですから、販売元やメーカーに問い合わせてみましょう。

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最後に、家庭用製氷機のお手入れに関して。
しばらく使っていないときなど、衛生面で心配になりますね。氷タンクなど、取り出せる部品はキレイに洗えますが、取り出せないパイプなどは、中がどうなっているか、気になります。
そんなとき、給水パイプの中をキレイにするのには、冷蔵庫の製氷機の洗浄剤が使えます。

 

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引用元:Amazon
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まとめ

業務用製氷機の法定耐用年数は、「器具・備品」ということで、6年になります。実際の寿命は、メンテナンスをきちんとすれば、もっと長く使えます。メンテナンスの保守契約は、安心を買う保険とも言えます。それぞれの事情に応じて考えましょう。


 

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