事業計画書とは、あなたがどのような経営をしているのかを、数字と言葉で、他の人に分かりやすく説明する書類です。とりあえず、個人事業として開業するために融資を受けたいとなると、創業計画書を書かなければなりません。
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Contents
開店資金を補充するための創業計画書は最初の事業計画書
事業計画書・創業計画書には一体何を書けばよいのか
日本政策金融公庫という、財務省所管の特殊会社があります。この会社は
- 「国民一般の資金調達支援」
- 「中小企業の資金調達支援」
- 「農林水産事業者の資金調達支援」
というように、いろいろな事業者に資金を低金利で貸付を行い、一方では、金融秩序の混乱、大規模な災害等による被害への対処をする会社です。
個人で開業する場合、日本政策金融公庫に融資を申し込むことが多いため、日本政策金融公庫のHP(https://www.jfc.go.jp/)では、借入申込書、事業計画書、創業計画書、資金繰り表など、融資に関連した書類フォーマットがいろいろダウンロードできます。
日本政策金融公庫の事業計画書フォーマットには、
- 経営上の課題
- 業績の推移
- 今後の計画
- 借入金 ・社債の期末残高推移
- 借入の負担推移
- 計画終了時の定量目標および達成に向けた行動計画等
といった項目があります。
一方、開店する際に書く創業計画書では、
- 創業の動機
- 経営者の略歴等
- 取扱商品・サービス
- 取引先・取引関係等
- 従業員
- お借入の状況
- 必要な資金と調達方法
- 事業の見通し
というように、かなり異なった項目になっています。
創業計画書は、どんな人がどんなものやサービスを提供したいのかに焦点があたっているのに対して、事業計画書はより大きな、それらによってどのような業績の推移があるのかに焦点があたっていると言えます。
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美容室・飲食店・学習塾などの創業計画書例を見てみよう
日本政策金融公庫に、いろいろな個人事業の創業計画書の例があります(https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html)。これは、自分とは違う分野のものだったとしても、一通り見ておきたいものです。結構簡単な例ですが、それなりに役に立つでしょう。ここでは、日本政策金融公庫の創業計画書のフォーマットに乗っ取って、それぞれの書き方のポイントを述べていきましょう。
美容業創業計画書の例に見る、創業の動機と経営者の略歴等
美容室は全国にたくさんあります。コンビニが5,6万軒なのに対して、美容室は23万軒以上あります。そういった世界の創業計画書を見るのは、どんな業界の人にとっても役に立つでしょう。ここでは、日本政策金融公庫でダウンロード可能な例の記述を元に、それぞれの項目に何を書いたらいいのかを見極めていきます。是非前述のページからダウンロードして、実際に例を見ながら読んでみてください。
まずは創業の動機です。この項目は、新しいお店をやる意欲があることと、すでに場所が見つかっていることをアピールします。単に、これ以上、人に使われるのは嫌だとか、自分の力だけでやってみたいというのは、あまり良くありません。
次は経営者の略歴等。ここは、自分の価値を融資担当者に認めてもらうところです。融資担当者としてはこの経歴で、この人が「使われる側」から「使う側」に移れるのかどうかを見ます。そのため略歴には、人材育成や組織存続に関わった経験などを記載したいものです。逆にそういった経験なしに経営者側に回るのはかなりの冒険だと思ってください。その観点から見ると、日本政策金融公庫の例にはちょっと物足りないものを感じます。
一方、技術力もあれば、どんどんアピールしてください。コンクールの受賞歴、お客さんのリピート率、指名率等の数字などもあげると良いでしょう。
取扱商品・サービス、取引先・取引関係等、従業員
取扱商品・サービスでは、どんな商品・サービスを扱うかだけではなく、そのセールスポイント、販売ターゲット・戦略、競合・市場など企業を取り巻く状況に踏み込みます。
取引先・取引関係等には、販売先が個人か会社か、支払いは現金かそれ以外か、仕入先、外注先などを書きます。ここを、仕入先や外注先が確定してなくて書けない、などという状況では融資は下りません。
従業員数は、客単価、原価率、給料をすべて計算した上で、妥当な人数を書きます。
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お借入の状況、必要な資金と調達方法、事業の見通し
借入金の状況は素直に書きましょう、下手に隠すといいことはありません。
必要な資金と調達方法では、まず必要な資金として、設備資金と運転資金を書きます。設備資金に関しては、業者の見積もりを転記するだけですが、運転資金はシビアに計算しなければなりません。特に広告等の資金は、その広告によってどれくらいの集客が望めるかを、聞かれたらいつでも答えられるようにしておきましょう。
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無事開店できても、事業計画書は常にアップデートしよう
無事に融資が下りて開店できても、事業計画書は常にアップデートしていきましょう。経営理念をブレさせないため、またいざというときに融資をまた申し込むため、常に2,3年先、10年先の見通しまで踏まえた事業計画書を用意しておきたいものです。