「読書感想文は自由に書きなさい」って先生が言ったけど、でも、自由って言われるほど、どう書けばよいかわからない!

と思っている人もたくさんいるでしょう。

大丈夫です、あなただけではありません^^

 

人間は(日本人は特に)、自由度が高いほど、どうして良いかわからなくなる生き物だったりもします。

筆者の知っている話で、中学生時代に、とある先生からちょっとしたコツと書き方を教わり、その通りに書いたところ、賞をもらったという生徒もいます。

 

つまり、自由ではあるのですが、読む人にとってわかりやすく見せるための決まった形や、コツがあるのです。

何をどう書けばスラスラ書きだせるのか、最終的に「うまいね!」と言われるような文章にする事ができるのか、簡単に説明してみます。

これを見て、ぜひ今年は先生に感心してもらえるような感想文を素早く仕上げてしまいましょう!

 

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なにから書けばよいかわからない!こうすればOK


 

課題図書があったとしますね。

これをとりあえず読み終わり、なんとなく、ここが印象に残っている、という場面が一つは見つかったとします。

 

そこから文字数を膨らませて書かなくてはならないけれど、まず書き出しがどうして良いかわからない。

タイトルからつまずき、「〇〇を読んで」にしてみたけどイマイチ平凡で、その次にくる冒頭の部分をなんて書きだせばわからない---。

そんな事はありませんか?

 

最初の部分に「何を書くか」については、色んなテクニックもあるのですが、とりあえず最初さえ決まれば案外、スラスラと続きが書ける人も多いので、次の方法を試してみてください。

 

読書感想文の書き出しテクニック1:本に付箋を付ける

まず、読書感想文を書き始める前に、読んだ本に付箋を付けてみてください。

それも、できれば三か所以上が良いです。

 

付ける場所は、
  • あなたが一番心を動かされたページの中の一文
  • あなたが、なぜ?と思ったページの一文
  • あなたが、これは誰かに教えたいと思った部分
です。

 

読みながら、感動したり、疑問に思ったりした箇所に付箋を付けていきましょう。

 

読書感想文の書き出しテクニック2:結末から始める

付箋を付けたら、次に感想文の結末を考えます。

最初に結末を決める!

これが、コツです。

まだ一行も書かないうちから、最初に結末を考えてしまうのです。

 

先ほど読みながら本に付けていった付箋を、改めて見てください。

付箋を付けた場所というのは、どれも結末になりうる、読まれた本の一番の魅力にあたる部分です。

そこから、自分がその本を読んだ結果、どう思ったか、どうしたいと思ったか、自分がどう変わったかなどを盛り込んだ文章を考えます。

 

いくつかある付箋の中で、最も強く感じる所を選びます。

そこを結末にして、感想文を書いていきましょう。

 

まだ、原稿用紙には書きません。

別の紙かノートに感想文の結末に当たる部分を書いてみます。

 

「一番心を動かされたページの中の一文」が印象に残った人は、結びは

□「~という部分で心を動かされたので、今までの自分が変わり、~になった。」です。

 

「なぜ?と思ったページの一文」が心に残った人は、

□「~が不思議だと感じた。今までに知らなかった部分がとても面白いと感じたので、もっと他に似たような本を読んでみたいと思った。」

□「なぜ、~だったのだろうか。おそらく~からなのではないだろうか。そこから、~と思った。」

などを結びにします。

 

「これは誰かに教えたいと思った部分」を中心に書きたい人は

□「主人公や他の人物の~の部分を、誰かに伝えたいと思った。」を結びにします。

 

読書感想文の書き出しテクニック3:書き出しを決める

感想文が、最終的にどういう結末になるかが決まりましたね。

あとはその結末に、どうやって持っていくかを考えて書いていけばいいのです。

 

まず、先ほど決めた結末を、アレンジしながら最初の文章にして書き始め、続いて、「なぜなら、~という本に~という形で出会えたからです」などの言葉で続けていきます。

 

「とにかく感想文が書ければ良い」タイプの人は、この段階からは、原稿用紙に書いていってもかまいません。

質の高い感想文を書きたい人は、「下書き」として書きましょう。

 

では、例文で研究してみましょう。

 

例文で学ぶ感想文「走れメロス」

上で説明した方法で、太宰治の『走れメロス』の感想文の結末と書き出しを書いてみます。

単純な文章が中心の「シンプルコース」と、やや複雑な文章も書ける人向けの「上級者コース」の二種類を用意しています。

 

シンプルコース

【例】一番心を動かされた場面で書く

《結末》

僕は、メロスとセリヌンティウスが、お互いに自分の心の弱さを告白し合い、殴り合って抱き合う場面に心を動かされた。今までの自分は、人に自分の弱さを見せてはいけないと思っていた。でも、この本を読んで少し考えが変わり、本当の自分を見せることのできる友人には、弱さを見せてもいいと思うようになった。

 

《書き出し》

「強い男になれ」と言われて育った僕は、自分の弱さを認めるのは、いやだった。でも今、僕は、本当の友人には自分の弱さを見せてもいいのだと思うようになった。なぜなら、「走れメロス」という本で、メロスに出会えたからだ。

 

【例】これは誰かに教えたいと思った部分で書く

《結末》

私は、メロスが「信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題ではないのだ。」と言って走り続ける場面を読んで、兄に教えてあげたいと思いました。私の兄は、すぐにあきらめて「どうせだめだから、しようがない」と言うからです。

あきらめたり止めたりせずに走ったメロスは、間に合いました。メロスのあきらめない精神を兄に教えてあげたいと思いました。

 

《書き出し》

私の兄の口ぐせは「しようがない」です。いつも何かにつけて「だって、しようがないじゃん」といって、両親から「もっと前向きにがんばりなさい」としかられています。

私は、この本を読んで、兄にメロスのことを教えてあげたいと思いました。

メロスのどんなところを教えてあげたいかというと……

 

上級者コース

【例】一番心を動かされた場面で書く

《結末》

疲れ果てたメロスは、「ああもういっそ悪徳者として生き延びてやろうか。正義だの、信実だの、愛だの考えてみればくだらない。」と考える。私はこの言葉に、王様が言った「人間はもともと私欲のかたまりさ、信じてはならぬ」という言葉が重なった。これは、人間の弱い心を表わす言葉だと思う。

しかし、メロスは再び立ち上がった。

そして「なんだか、もっと恐ろしく大きなもの為に走っているのだ」と、走り続ける。

私はこのメロスの姿に心を動かされた。

人間は弱い心を持っている。しかし、同時に、「大きなもの」のために走り抜くこともできる。

「あなたは、何のために走るのか」と作者から問いかけられた気がした。

 

《書き出し》

実は、私は最初「お前などにはわしの孤独の心がわからぬ」「人間はもともと私欲のかたまりさ、信じてはならぬ」という王様の姿に、共感を抱いた。そうだ、人間は王様の言うようなものだ、と思いながら読み進めていった。しかし、私のそんな考えは、やがて打ち砕かれた。

 

【例】なぜ?と思った場面で書く

《結末》

メロスは自分が「悪い夢を見た」ことを正直に話し、セリヌンティウスに「私を殴れ。」と言い、セリヌンティウスも「君を疑った」と言った。黙っていればわからないことなのに、なぜ、お互いに本当のことを言ったのだろうか。

その答えは、二人に近づいた暴君ディオニスの言葉にあった。

「信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。」

二人には「信実」があるから、本当の自分を隠すことができなかったのだ。

『走れメロス』は「友情」をテーマにした作品だと言われることが多い。しかし私は、友情というより人間の「信実」をテーマにした作品なのだと思う。

 

《書き出し》

「私を殴れ。」

友との約束を守り、必死の思いで刑場にたどり着いたメロスは、こう言った。

なぜ、メロスはこんなことを言ったのだろうか。そんなことを言わない方が、「かっこいい」のに。

 

このように、最初に「一番感動した場面」「なぜ?と思った場面」「人に伝えたいと思った場面」を元にした感想文の結末を、原稿用紙ではなく、別の紙に書いておきます。

その後で、原稿用紙に、結末をアレンジした書き出しで書き始めると、簡単に印象的な書き出しが作れます。

(最終的には、最初に書いた結末をそのまま書くのではなく、文章の流れに応じて少し変化させて書くことになります)

 

書く前にタイトルを考えようとするなかれ

まだ、タイトルは決めていません。

 

最初にタイトルを考えようとすると、以下のようなことになりがちだからです。

ありがちな題になってしまってイマイチだ

逆にタイトルに囚われすぎてなかなか書き始められなかった

 

身に覚えありませんか?^^

ですから、タイトルは感想文をすべて書き終えてから、しっくりくる題を考えれば良いのです。

 

タイトルでありがちなのは、「〇〇を読んで」ですね。

クラスのほとんどの人が、こんなタイトルの感想文を提出するかもしれません。

感想文に自信がなくて、あまり目立ちたくない人は「〇〇を読んで」でかまいません。

 

でも、少しでも高い評価がほしい人は、もっと魅力的なタイトルを考えましょう。

たとえば、「人間の弱さと強さ」「メロスが教えてくれた友情のすばらしさ」など。

 

「信じるということ~『走れメロス』を読んで」のように、副題に「〇〇を読んで」と加えることもできます。

 

タイトルより先に結末を書くことのメリット

まずは冒頭の部分で結末に向けて書き始めることによって、自分が今何を書こうとしているのか、もしくは何を書きたいのかがはっきりわかり、後の展開がしやすくなります。

また、読むほうも引き込まれやすいという利点があります。

 

あらすじなしで次に何書くの?


 

あらすじは書いちゃダメ?

さて、最初の言葉が決まったなら、次に何をもってくるか・・・なのですが、ありがちなのがあらすじです。

でも、「あらすじは、なくても良い」と、よく言われているのではないでしょうか。

 

感想が読みたいのだからあらすじで字数を稼ぐな、とか、先生に言われたりしていませんか?(笑)

先生によっては「あらすじを書くな!」とまで言う人もいますね。

 

しかし、感想文を書いていると、ついついあらすじを書きたくなってしまうこともしばしば。

では、あらすじは、書いてはいけないのでしょうか?

決してそんなことはありません。

いけないのは「あらすじばかりを書いてしまうこと」です。

(学校の先生の方針が「あらすじを書かない」のであれば、それに従ってください)

 

あらすじを書くときのポイントは
  • 簡潔に書くこと。
  • 自分の書きたい結末に関連のある部分を書くこと。
だと思ってください。

 

あらすじの書き方次第では、あらすじイコール感想にしてしまうことも可能です。

例えば、「ここのあらすじと、ここのあらすじが自分はとっても感動したのだ!」と強調したい場合などが、これにあたります。

その場合は、あらすじに当たる部分は上手に簡潔にまとめて、あらすじ部分と自分の感想部分がはっきりわかるような工夫があれば、うまい感想文です。

しかしこの方法は、慣れない人には少し難しいかもしれません。

 

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あらすじじゃなく、場面を切り取れ

そこで、お勧めするのは、あらすじ一切なしの、場面切り取り型の感想文です。

付箋を付けた場所の、お気に入りのフレーズや心を動かされた一文(または段落)を、そのまま抜き出して次に書いてしまいます。

ここで、付箋が三か所以上あると、かなりの文字数で展開を膨らませる事が楽になります。

 

ここで、「自分」を前面に出します

作文の苦手な人も、「自分の過去の経験と照らし合わせると」「自分だったら」という視点で書くと書きやすくなります。

この部分は、できるだけ詳細に、思ったことはもちろん、状況なども書き、メインの部分にしてしまいます。

 

あらすじがないことで、感想文を読む人には何のことかわからないのでは、と思うかもしれませんが、実は意外と、わからないからその本を読んでみたいと思わせる効果もあります。

切り取った部分だけを自分と比較することで膨らませる、この方法で文章を作っていってみてください。

案外、書きながら次々と書き込みたい想いが湧いてくる場合があります。

 

キーワードは「自分」と「比較」

実は、「自分」と「比較」は、感想文を書くときにとても便利なキーワードなのです。

 

「自分」
  • 自分の普段の生活に似たような場面がなかったか?
  • 自分の過去の経験から思うことは…
  • 自分だったら…
 

「比較」
  • 他の登場人物と主人公を比較する
  • 物語の最初の時の主人公と、終わりの時の主人公を比較する
  • 同じ作者の他の作品と比較する
 

読書量の多い人は、他の作品と比較すると奥行きのある感想文が書けます。

深く読み込むのが得意な人は、作品中の人物の比較をしてみると新たな発見をすることがあります。

読むのも書くのも得意でない人でも、「自分だったらこうするだろう」ということは書きやすいでしょう。

 

最後の締めくくりってどうしましょう。


 

さて、ここまでくると、文字数も大部分埋まっているのではないでしょうか。

目安として、全体の五分の四くらいが書けていれば、ほぼ出来上がったも同然です。

 

最後に、最初に準備した結末を書いていきます。

その際、冒頭にもってきた文章を少しだけアレンジしてもう一度書きます。

 

例えば、「~という部分で心を動かされたので、今までの自分が変わり、~になった。」という文章を最初にもってきたのであれば、最後は、「改めて、~という部分で〇〇のように感じ、自分がこれからは△△にできるようにして行きたい。」など、今まで書いてきたメインの部分からスムーズにつながるようにします。

そして、少しだけ冒頭の表現とは変えて最後の締めくくりとします。

 

ただ、結びの言葉として「おもしろかったです。」は止めましょう。

子どもっぽいイメージの結びになります。

遠足は「楽しかったです」、運動会は「よかったです」、感想文は「おもしろかったです」という、ありふれた表現は避けたいものです。

 

書き方のまとめ

書き始め :「~という部分で心を動かされたので、今までの自分が変わり、~になった。」

本文 :場面を切り抜き、自分にあてはめたらこうなると想像したり、登場人物を比較したりして書く

 

「主人公は、~の場面で〇〇をしたが、自分だったら△△をしてしまっていたかもしれない。」

「主人公が言った『〇〇』という言葉を読んだとき、私は思わずはっとした。なぜなら、私ならきっとそうは言えず、△△だったかもしれないと思ったからだ。」

「主人公と主人公の友人の□□を比べると、主人公が困難に対していかに勇敢に立ち向かったかがよくわかる。」

など

 

最後の締めくくり:「~という部分で〇〇と感じたので、自分はこれからは△△できるようにしていきたいと思った。」

ここまでくると、もう自分が何を一番書きたかったのかがはっきりしていると思いますので、そこから題名を考え、書き入れたら感想文の完成です。

 

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まとめ


 

読書感想文は、自由と言いつつも、なんとなく決まった「構成」があり、それを知っているか知らないかで、スラスラ書けるかどうかが分かれてきます。

 

国語でも習ったかもしれませんが、特に、心情に訴える文学作品などの文章では、「起承転結」が重要になってきます。

起承転結というものは、読み手にとって読みやすく、書き手にとっては伝えやすい手法なので、昔から取られている「構成」なのです.

 

最初に魅力的な書き出しをし、次に続け、少し違った見方を提示したあと、最後にまとめる。

これがあれば、一味違った良い文章ができます。

 

読書感想文ならではの特徴として、主人公や物語の中身と自分たちを比較し、自分だったらどうするかなど、本と現実をぐっと引き寄せるような考えを提示することが大事です。

それにより、感想文の読み手に、いかに書き手が深くその本を読んでいるかを感じさせることができるのです。

 

もちろん、自由なのですから、これらの考えにとらわれずに思い切った方法で感想を並べていくのも面白いかもしれません。

ただ、読み手の側にどのようにすれば伝わるか、ということをしっかり考えて書かないと、なかなか上手だとは思われないものです。

 

とりあえず今回ご紹介した方法で試しに書いてみて、なんとなくコツがわかってきたら、どんな本だろうとスラスラ書けるはずです。

骨格は既に決まっていて、あとは当てはめるだけで良いのですから。

 

そうなったあと、いかにオリジナリティを出すかは、また上達してから考えれば良いと思われますので、まずは読書感想文に苦手意識を持たず、ひとつひとつ当てはめながら書いてみてください。

数をこなすことで、文章を書く構成も自然と身につくはずです。

これは大人になっても役に立つ能力です。

 

今回ご紹介した書き方の一例を参考にしつつ、今年はいつもより楽しく、スムーズに宿題が終えられるとよいですね。

 

参考:

それが知り隊!

Z会作文クラブ

今日もいい日!ブログ

 

「文章の書き方」に関する記事の一覧はこちら


 

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